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ニンテンドーダイレクトから垣間見えた任天堂のWii Uでの戦略

 1月23日、任天堂はニンテンドーダイレクトを行い、Wii Uの“これから”を発表しました。

 直近の1月・2月にソフトを出せなかったことやバーチャルコンソールの前倒しで急場を凌ぐなど、何となく3DSの時の電撃値下げ&アンバサダープログラムが思い出されたというのは正直あります。
 ただ、同時にこれから先の予定ソフトを発表してもらえたことで、任天堂がWii Uでどう立ち回っていくのかが見えて「Wiiの時の失敗を繰り返さないようにしている」「HDプラットフォームが抱えている問題に向き合っている」「据置ゲーム機の意義を考えている」ことは分かりました。


 なのでまー、自分としては「今後が楽しみ」にはなりました。
 今日はその辺のことを書けたらなと思います。



○ 『真・女神転生meetsファイアーエムブレム(仮称)』から見えるもの
 なんじゃそりゃああああ!と思わず叫んだコラボタイトル。

 ただ、冷静になって考えてみるとそんな突飛な発想でもないんですよね。まず任天堂は自社でRPGを作っていない(Wiiの時はモノリスとミストウォーカーに作らせた)ので、RPGに定評のあるアトラスと組んでRPGを作ってもらおうとした―――特にWii Uはテレビを占拠しない据置ゲーム機なので、時間泥棒なジャンルのRPGとかシミュレーションとかと相性がイイんですね。

 その上で「折角だから両者のブランドをコラボさせましょうか」と、こういうタイトルになったんじゃないかと思います。
 基本的には、64でチュンソフトに『シレン』を作らせたとか、Wiiでテクモに『零』を作らせたみたいな話だと思います。自分達の苦手な分野が得意なパブリッシャーに声をかけて、デベロッパーとしてソフトを作ってもらう。

 『ゼノブレイド』の時も『ラストストーリー』の時も、「どうせあとでPS3で完全版が出るんでしょ?」とか言っている人がいましたから、今回は誰がどう見ても他社で完全版が出ないと分かるソフトにしたくてコラボを持ちかけたんじゃないかと思います。




 で、自分は「このソフト」にももちろん注目なのですが、岩田社長が「Wii Uはソフト開発に時間がかかるハードなので、アトラスさん以外にも色々なパートナーと新たな取り組みを進めています」と言ったことに注目しています。

 Wii Uに限らずHD機というのはとにかくソフトを作るのが大変で、大手のソフトメーカーであっても「1本コケたら会社が傾く」と言われているほどです。任天堂が「新しいゲーム機Wii Uを作りましたよ!みんなもソフト作ってね!」と言っても、中小ソフトメーカーでは企画すら通らないと思います。

 「そのソフトを作るのにどれだけ時間と金がかかるの?」
 「そんだけかけて作ったソフトがどれだけ売れるのよ?」


 アトラスなんかは典型的に「面白いゲームを作れる」「コアな人気もある」「でも金はない!」という会社で、こういうところに任天堂が開発費を負担して1本Wii U向けソフトを作らせると―――アトラス側(インデックス側)も「Wii Uでソフト作るとこれだけ金がかかるのか」「それでこれだけ売上げが上がるのか」が分かると思うんです。
 次の1本も任天堂と組むかは分かりませんが、「アトラスがHD機でソフトを展開していく足がかりになる」と思うんですね。そういう意味で、日本のゲーム業界の未来のためにものすごく意義のあることをやり始めたな―――と。



 なので恐らく岩田社長が仰った「色々なパートナー」は、カプコンとかコーエーテクモとかバンダイナムコみたいにバリバリHD機でソフトを展開しているメーカーのことではなく。「お金はないけど」「面白いゲームが作れる」中小サードメーカーのことだと思うんです。

 具体的な名前を挙げると外れた時に「何だよー○○じゃなかったのかよー」とガッカリしちゃうと思うので挙げませんけど。パッと思いつく会社はいっぱいありますよね!


 自分は以前の記事で「HD機にソフトを出せるメーカーなんて大手ばかり」「だからサードからは大したソフトが出てこないんじゃないか」と書きました。しかし、そこにはもう手が打ってあったんですね。そういう意味で、今回のダイレクトで一番嬉しかったニュースです。




○ 『毛糸のヨッシー(通称)』登場で見えるもの
 Wiiで『毛糸のカービィ』を作ったチーム(恐らくグッドフィールのこと)が手がける、久々のヨッシー主人公の2Dアクションゲームが発表されました。やはり、Wii Uでは2Dアクションを重視していくんだと自分は思いました。

 同時発売ソフトに『Newマリオ』、UBIから『レイマン』持ってきて、今回の『ヨッシー』と2Dアクションを現時点で3本も見せてくれたワケで。発売から3年間で2Dアクションゲームを『ワリオランドシェイク』1本しか発売しなかったWiiとは、明らかに路線が変わりました。

(関連記事:横スクロール2Dアクションゲームは復権するか



 Wiiの時はサードメーカーがWiiウェアで2Dアクションゲームを復権させようとしたのだけど上手くいかず、その後に任天堂が『Newマリオ』を大ヒットさせて「Wiiで2Dアクションゲームをマルチプレイで楽しもう」という一つの流れが出来ました。その流れをWii Uにも引き継ごうという流れが、今回の『毛糸のヨッシー』発表で見えたんですね。

 オフラインマルチプレイの2Dアクションゲームは、実は携帯機よりも据置機向きのソフトです。
 3DSの『Newマリオ2』は2人プレイまででソフトも本体も人数分必要でしたが、Wii Uの『NewマリオU』はコントローラさえあれば1本のソフトと本体で4人までプレイ可能(バディプレイを入れると5人まで可能)。3DSでは出来ないWii Uならではの魅力として、マルチプレイ対応の2Dアクションは大きな軸になるんじゃないかと思うのです。

(関連記事:Wii Uの現実的な最大のライバルは3DSだろう


○ 「このためにWii U本体を買ってもイイかな」というソフト
 インターネット上でニンテンドーダイレクトを見ながら実況するような人は「自分の興味のないソフト」にはまぁノーリアクションだからほとんど反応されていませんでしたが、2013年の夏発売予定ソフトとして『Wii Party U(通称)』が発表されました。


 ネット上だと『Wii Fit U』とか『Wii Party U』って過小評価されていると思うんですよねー。
 両ソフトとも前作ダブルミリオンっすよ。もちろん今作が同じだけ売れるとは思いませんが、30~50万本レベルでは動くと思いますし、何より「このためにWii U本体を買ってもイイかな」と思わせるソフトなワケです。3DS含めた他の機種では絶対に出ないソフトですから。


 新型ゲーム機立ち上げ期は「たくさんの人にゲーム機を買ってもらう」ことが責務ですから、色んな人が「このためにWii U本体を買ってもイイかな」と思うソフトを用意しなければなりません。さっきの話と矛盾したようことを書きますけど、『NewマリオU』買った人に向けて2Dアクションゲームだけ10本とか用意しても、2Dアクションが好きな人しか買わないゲーム機になっちゃうんです。

 同じようなジャンルに見えても『ピクミン3』と『101』は客層が大分違うでしょうし、同じようなミニゲーム集に見えても『ニンテンドーランド』と『ワリオ』と『Wii Party U』では客層が違うんです。



 そういう意味では、夏の『Wii Party U』と秋の『ゼルダの伝説 風のタクトHD』は「このためにWii U本体を買ってもイイかな」という人をたくさん抱えているソフトですし、ここで出来るだけ本体を普及させて、恐らく年末商戦に用意されている『マリオカートWii U(通称)』に繋げるということだと思います。


 3D『マリオ』はどうでしょうね……
 秋に『タクトHD』が出るから、近い時期にはぶつけて来ないんじゃないかと思っているんですけど。年末商戦は『マリオカート』と『ヨッシー』の二枚看板でどうよ?



○ 「ファミコン生誕30周年記念 Wii U バーチャルコンソール 体験キャンペーン」
 これ、ちょっとネーミング失敗していると思います。
 30日間限定で30円でバーチャルコンソールを販売するというキャンペーンなんですが、“体験キャンペーン”と付いていることで「遊べるのは30日間だけなんだ」と勘違いしている人がいるみたいで。違いますよ!


 30日間限定なのは「30円で買える期間が」で、“体験キャンペーン”は「バーチャルコンソール自体を体験して欲しい」ってことですからね。


 公式サイト
 自分は「上手いな」と思っています。
 アンバサダーの時は無料で配るしかありませんでしたが、今回は「30円払ってもらう」ワケです。


 スマホのアプリなんかでもよく言われることですが、ダウンロードソフトは「無料ならダウンロードするけど、お金は出したくない人」がたくさんいます。そういう人の何%かにでも「30円なら買ってみようかな」と思ってもらえたら、儲けものです。

 あと、Wii Uの仕様だと「30円のソフトを買う」ために「1000円チャージしなければなりません」。
 キャンペーンソフトを全部買っても210円。せっかくチャージしたからには残りのお金で何かソフト買ってみるかなと探してもらえたら狙い通りなのです。「ダウンロードソフトって意外に面白そうなソフトいっぱいあるなぁ」と思ってもらえるチャンスです。



 今の段階だと「ダウンロードソフト」自体が出てないんだけどね!
 この辺もまだ仕込んでいる段階なのかなぁ……



 自分もとりあえず『バルーンファイト』購入してプレイ中。
 意外にもこういうシンプルな旧作ソフトってMiiverseに向いているんですね。有野課長が挑戦したというのも大きいんでしょうが、バルーントリップでどこまで行ったか自慢で盛り上がっています。

 あと、Wii Uのバーチャルコンソールはキーコンフィグも付いているので、Wiiで購入したものを(Wiiモードを起動しなくても)Wii Uで遊べるようにするには100円や150円がかかるというのも納得です。それがイヤならWiiモード上で遊べばイイだけですしね。


※ 18時40分:記事修正
 コメント欄にて指摘されて知りましたが、Wii UのeShopでは「足りない分をクレジットカード決済する」という項目を選べば必要な額だけチャージ出来るそうです。




○ Miiverseのアップデート予定から見えること
 自分はニンテンドーダイレクトをTwitterのタイムラインとニコニコ動画のコメントを見ながら視聴していたんですが、みんなMiiverseに興味ないのね!冒頭でMiiverseを説明している際に「さっさと終われ!」「今日の発表、これだけかよ!」とかそんなんばっかだった。

 自分が思うに、任天堂は「Miiverseが機能しなかったら据置ゲーム機からは撤退だ」くらい“これに賭けている”と思うんですけどねぇ。そりゃ冒頭でもガッツリ紹介するだろうと。

(関連記事:Miiverseを実装した任天堂の未来は


 ただ、紹介した内容は自分もイマイチだったかなと思います。
 「みんなで励ましあってゲームが出来る」とか「とてつもなく絵の上手い人がいる」とか見せられても、ネットに慣れ親しんだ人からすれば「TwitterやPixivで事足りるじゃん?」と思っちゃうでしょう。「Miiverseでしか起こらない面白いこと」を見せてもらわなきゃ……



 さて、そんなMiiverseですが……
 例えば『いつの間に交換日記』のようにソフトを本体に保存してそれを起動するのではなく、インターネット上にアクセスするWEBサービスになっているのは「容易にアップデートが出来るから」だそうです(これは『Nintendo TVii』と『テレビの友チャンネル』の違いにも通じます)。

 そして、発表されたアップデートで自分が気になるのはこの辺。

「未購入者」の発言にフィルタリングをかけて見えなく出来る
・1つのソフトに複数の公式コミュニティが用意できるように
・ユーザーもコミュニティが作れるように



 自分が以前の記事に書いた「面白い投稿を読むためには、その何十倍ものノイズを読まなきゃならない」問題を解決する策として、素早い対応がアナウンスされたなと思っています。
 フィルタリングは自分としては残念だけど、実際「ないと使う気が起こらない」と言っている人が多いから仕方ないかな。「Twitterでいうブロック機能」よりは現実的だとも思いますし。

 自分がこの中でも注目しているのは「1つのソフトに複数の公式コミュニティ」です。
 これがMiiverseが抱えているネタバレ問題に対する解答だと思うんですね。


 例えば『MOTHER2』をバーチャルコンソールで配信するワケですが、「原作を遊んだことがある人」も「原作を遊んだことがない人」もプレイするのがバーチャルコンソールです。「原作を遊んだことがない人」は何にもネタバレされずに遊びたい。でも、「原作を遊んだことがある人」からすれば「何十年も前のゲームのネタバレくらいしてもイイだろ!」という認識で、思い出話をしたいと思うことでしょう。

 だから、「原作を遊んだことがある人」用のコミュニティと、「原作を遊んだことがない人」用のコミュニティに分ければイイんです。
 新作ゲームだって「どこまで進んだ人はこのコミュニティ」みたいに振り分けてもらえるようにすれば、同じ進行度の人達だけで集まることが出来るんです。これでストーリー重視のゲームが出てもMiiverseを楽しむことが出来そうだと期待が持てました。


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【今回の発表から“Wii Uのこれから”として自分が感じ取ったもの】
・中小サードメーカーがHD機に参入する“一歩目”を用意しているっぽい
・3DSとは違う“Wii Uならでは”として「2Dアクション」を軸にするっぽい
・とは言え、ちゃんとバラエティ豊かなソフトを揃えているっぽい
・ゲームパッドだけでバーチャルコンソールやるの快適すぐる
・Miiverseでちゃんと「面白い投稿を探しやすい」ようにしてくれるっぽい



 一応断っておきますけど、これらは正式発表されたものだけでなく、正式発表された情報から自分が予想(妄想)したものを含んでいます。ゲームパッドだけでバーチャルコンソールを遊ぶのが快適なのは個人の主観です。

 でもやはり「ビジョンすら見えなかった」頃に比べれば、今後が楽しみになりました。
 あ、今回の記事では取り上げませんでしたけど、一応モノリスソフトの新作映像は私もテンション上がりましたよ(笑)。3Dアクションが楽しめない人間なので、「思ったよりアクションゲームっぽいので俺には楽しめなさそう!」とも思いましたけど。『Wii Uであそぶゼノブレイド』は出さないんですかね……



 『ゼルダ』は賛否両論あるだろうけど、自分としては嬉しかったです。
 DS版の『夢幻の砂時計』やって思ったのは「俺もうゼルダ楽しめねーわ」ってことだったんです。初めて遊んだ『神々のトライフォース』以降、『ふしぎのぼうし』『夢をみる島』『トワイライトプリンセス』『夢幻の砂時計』を遊びまして、どれも面白かったのは確かなんですが―――「大好きな曲のアレンジだけ変えた曲が何度も発売されている」感覚がしていたんですね。

 だから、初めて『神々のトライフォース』を遊んだ時みたいな新鮮な体験は味わえませんでした。
 Wii U版は「根本から変える」と言ってもらえたので、あーじゃあやってみようかなと思えました。Miiverse対応のオープンワールドみたいな形になるんですかね。今だからこそ、初代準拠というのも面白そうです、


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| ゲーム雑記 | 18:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

30円チャージできますよたぶん
ソフトを買うときにチャージすると"不足分をチャージする"みたいな項目がでますから
端数ぴったりで買えるはずです

| ああああ | 2013/01/27 18:12 | URL |

>ああああさん

ホントだ……
知りませんでした。これ、今までもずっとそうだったんですかね。だとすると、何故オレは無駄に端数をチャージし続けて、WiiにもDSiにも残高残してきたんだか……

記事修正しておきます。

| やまなしレイ | 2013/01/27 18:34 | URL | ≫ EDIT

ゼノブレイドって一見すると、バリバリの3Dアクションに見えますが、ただのリアルタイムのコマンド型RPGですよ!
基本的に3Dアクションにありがちな空間把握を必要とされる場面はほとんどありませんし、カメラ操作すればかなり上から見下ろした視点にもなります。
本当に面白いゲームなのでWiiU用に再販してほしいです。

| ああああ | 2013/01/27 22:01 | URL |

まだゼノ新作がアクションとかいってんのかよ
ゼノブレと一緒でRPGだっての

| ああああ | 2013/01/27 23:38 | URL |

確かにゼノはアクションではないですが、一目見ただけでは判別はしにくいのですから、そんなにカリカリせずとも……
実際、いろいろ面白いゲームではありますので、「WiiUであそぶ」などで機会があれば是非w

で、ダイレクトですが、ミーバースに期待している者としては、私もミーバースの更新情報がかなり気になりました。
やまなしさんがおっしゃられるように、ゲーム内で複数コミュニティが出来るようになれば、かなりいろいろな問題を解決できそうですね。
今のネタバレの仕様ももうちょっと改善されれば良いのですが……
今でも楽しめていますが、問題はありますし、この先すごい可能性を秘めたコンテンツだと思うので、大事に育てていってほしいです。

| ああああ | 2013/01/28 13:11 | URL |

ゼルダが同音異曲、ということに関しては二つの側面があると思います。伝統と、刷新ですね。毎回そのバランスに苦慮しつつも、常に良い作品を生み出してきたからこそ今の世界的なブランドとしての地位ではないかと思います。

ですので個人として「飽きてきた」という気持ちはもはやいかんともしがたいですけど、その一方で全く初めてゼルダに触れる子供たちにも目を配らないといけませんので、そこは多少開発チームを擁護してさしあげたいところです。全員が一斉にヨーイドンすることになりそうな次回作が楽しみですね。

ダイレクトのミーバースに関しては、現在どっぷりミーバース内で楽しんでいる人だけでなく、まだWiiUを購入していない方々に対してわかりやすくその雰囲気を伝えよう、という狙いが見えましたので私は全く問題ないように感じました。

逆にミーバースや本体サービス改善の方針についてはもう1週間早くアナウンスがあっても良かったなあと。

| DAN | 2013/01/31 14:01 | URL |















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