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『たまこまーけっと』の小説版はファン必読!でも入手しづらい!

 『たまこまーけっと』のノベライズ版

 4月8日に発売された『たまこまーけっと』のノベライズ版をゲットしました。
 今年の1~3月に放送されていたテレビアニメ『たまこまーけっと』の、“アニメでは語られなかったオリジナルストーリー全11話を収録”した小説版ですね。アニメと同じ内容ではなく、アニメ本編のストーリーのスキマを描いている内容になっています。


 KAエスマ文庫って何?
 聞いたことがないレーベルだなーと思ったのですが、「KYOTO ANIMATION」の略称でKAなんですね。

 カリスマアニメ制作会社である京都アニメーションは、かつては「小説」とか「アドベンチャーゲーム」とか「4コマ漫画」と言った“絵的な動きに制限のある媒体”の作品を原作にして、アニメ独自の演出を加えることによって「自分達の独特の表現」に変えてしまう会社でした。
 ライトノベルを原作にした『涼宮ハルヒの憂鬱』、アドベンチャーゲームを原作にした『AIR』『Kanon』『CLANNAD』、4コマ漫画を原作にした『らき☆すた』『けいおん!』といったカンジに。

 しかし、最近は「アニメ化に耐えうる原作」の奪い合いが激しくなってきたのか、出版社やゲーム会社が作るコンテンツを原作にするのではなく、自分達でコンテンツを抱えられるようにシフトしていっています。
 『中二病でも恋がしたい!』は「第1回京都アニメーション大賞」の「小説部門」の受賞作が原作、『たまこまーけっと』は原作なしの完全オリジナル作品、今後のアニメ化が発表された『境界の彼方』は「第2回京都アニメーション大賞」の「小説部門」の受賞作が原作です。


 分かりやすく言うと、京都アニメーションという会社は「アニメ」を作るだけじゃなくて「小説」も出版するようになって、「自分のところの小説のアニメ化」とか「自分のところのアニメの小説化」をするようになった―――ということなんです。
 『たまこまーけっと』のノベライズ版がKAエスマ文庫という聞いたことのないレーベルから出ているのは、そういうことです。


 自分はコレは結構「面白い流れ」だと思っていて。
 『たまこまーけっと』のノベライズ版なんて、アニメ放送が終わって2週間後には発売されていて、最終話に出てくる台詞がしっかり反映されているなど―――「アニメ」と「小説」が密に連携を取りながら作られていなければこういうことは出来ないと思いますし。
 「アニメ」と「原作漫画」がどんどん分離していったのに完全な別物にはなれなかった『けいおん!』(の2期)を観ていた分、『たまこまーけっと』のこの形って「アニメを楽しんだ人がもっとこの作品を楽しみたいと思ったタイミングで出てくる補完的な作品」として理想的なんじゃないかと思うのですよ。



 ただ、普通の店には売っていないんですよ。
 これが最大であり唯一のネック。
 自分は『中二病でも恋がしたい!』はスルーしたんで知らなかったんですが、KAエスマ文庫の本って普通の本屋さんには置いていないんですね。これが取り扱い店舗の一覧だそうです。

 九州なんか二店舗しかないのかよ!!

 しかも、この店舗に載っている店なら確実に売っているというワケでもなくて、自分は発売日の夜に最寄の店舗に行ったんですが置いていませんでした。
 少なくとも「4月13日現在は」ですが、Amazonでも買えません。Amazonにも商品ページがあるんですが、これは転売業者の作ったページなので、さっき見たら「680円の定価の本を1480円+送料で売っている」みたいなボッタクリ価格になっていました。


 自分は結局京アニショップで注文しました。
 本が680円、送料600円、クレジットカードが使えないのでコンビニ払いの手数料が70円くらいだったかな……定価の倍かかっているという。

 調べてみたら、ネットで注文するのならJBOOKというサイトが良いっぽい。
 こちらは3000円以上の買い物で送料が無料になるので、1万円以上買わないと送料が無料にならない京アニショップよりはハードルが低いかな。それでも内容以前に「面白かったからみんなも読もうぜ!」とは言いにくい入手難度ではあります。



 こういうのって電子書籍で出してくれませんかね?
 販路がなくても、印刷コストも在庫リスクもかからず、世界中のどこででもダウンロード購入できる電子書籍―――
 もちろんそれで全てが解決するワケじゃないから「紙の本」も「電子書籍」も両方出して欲しいですけど、小説なら漫画ほど画面サイズを必要としないと考えると、スマホでサクッと購入できる「電子書籍」版があれば買う人は多いと思うんですけどねー。







 さて、ここから感想。
 「こういうストーリーだったよ」みたいなことは書きませんが、それでも「こういうスタンスの本だったよ」というザックリとしたネタバレを含むことを御注意くださいな。


 アニメ本編を全話観ているファン向けの本です。
 「アニメを観るのは面倒くさかったけど小説なら読んでみるかなー」という人や、「アニメはDVDが揃うのを待っているので先にこっち読んでみるかなー」という人にはオススメしません。

 章によって主人公と「語り部」が変わるので、『たまこまーけっと』という作品を観たことがない人にとっては何が何やらだと思います。キャラが多いし。あと、アニメ全話観ている人なら当然知っているようなことは「知っていることが前提」で話が進みますし。


 逆に言うと、アニメ本編が大好きで「たまこまーけっとの世界をもっと楽しみたかった!」という人は是非にでも読むべし。
 アニメはどうしても「尺」があって細かいところが描けなかったり、(普通のアニメと比べると十分に地味だけど)商品としてアニメを売る以上は「絵的にハデなもの」じゃなければならなかったり、構成上どうしても入れられなかったような話もあったり。

 そういう「アニメでは描ききれなかったスキマエピソード」が満載ですし、アニメ本編を観ている人なら「これは○話の数日前の話だな」と分かるように仕込まれていたりして。コレ以上ないファングッズになっていると思います。



 あと、この小説版は全11話で、「第1話はたまこ視点」「第2話はみどり視点」「第3話もたまこ視点」「第4話はかんな視点」……といったカンジに、各章によって語り部が変わるんです。なので、アニメでは分からなかったようなこと、例えば「かんなちゃんはたまこのことをどう思っているのか」とかがかんなちゃん視点で描かれたりするんです。「たまこってあんこのことをそう見ていたのか!」とかね。

 また、語り部が変わることで……最初第1話を読んだ時、「うわっ!何だこの小説、読みづらっ!」って思ったんですよ。話が行ったり来たりするというか、目に付いたものをどんどん描写したり、突然関係ない話をしたり―――これって「たまこ視点だから」なんですよね。たまこはこういう風に世界を見ているのか、って分かるんです。

 第2話で「みどり視点」になると、ちゃんと読者が欲しい情報を描写してくれてすげー読みやすくて「流石みどりちゃんだ!頼りになるぜ!」と思えるし。
 第4話で「かんな視点」になると、斜に構えているようで冷静に物事を見てツッコミを入れていて「面白い女性ブロガー」みたいな章で。小説に対して「ブログみたいで面白かった」というのは誉め言葉なのか分かりませんが(笑)、語り部によって見えている世界がちゃんと違うことを描いていて非常に面白かったです。




 不満点があるとすると……「全く登場機会のないキャラがいる」とこと。
 小説だから分かりやすくするためか、例えばアニメだったらみんなから「うさ湯さん」と呼ばれているキャラが「お風呂屋さん」と呼ばれているとことか。
 「○○視点の話も読みたかった!」みたいな、不満というか要望もあるんですけど。

 多分、これ……第2巻もありますよね?
 時間軸的にもキャラクター的にも、全く触れていないところがありますし。


 これが「第1巻」になるのか「全1巻」になるのか分かりませんが、1冊の本としてキレイにまとまっていると思いますし。ファンアイテムとしては至極の出来だと思います。良い意味で裏切られたところがありました。「第2巻」も読みたいです!その時はキンドルでも出してくれたら嬉しいです!



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| アニメ雑記 | 17:52 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

なるほど、このアニメはまだ観てませんが、自ら才能を発掘する取り組みはとてもいいですね。
そのうちエニックスの出版事業みたいに大きくなって一般書店でも用意に入手できるようになればいいのですが。

| 児斗玉文章 | 2013/04/14 19:31 | URL |

奇跡

街中のなんてことない小さな書店にあった

| リョーガ | 2013/05/05 03:14 | URL |

検索から来ました

やまなしレイさん初めまして。

「たまこまーけっと」のノベライズ版があると聞いて、早速調べてみたのですが・・・Amazonに無いと思ったら、入手困難な代物だったのですね。
情報ありがとうございます。

| T.K. | 2013/06/02 16:24 | URL |

ありがとうごさいました

小説版が出ていたことは前々から知っていたのですが、どうにも買う気にはなれませんでした。

しかし管理者さんの感想を読んで、即購入しました。私の地元、こんな田舎のTSUTAYAに在庫があったのは何かの運命かと思ったり(笑)

いざ読んでみると、これは傑作ですね!買って良かった!!

管理者さんのおかげで、たまこまーけっとがもっと好きになれました。ありがとうございます!!

| 玉山 | 2013/08/03 06:14 | URL |















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