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変わらない価値のあるもの

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「変わらないゼルダ」で『ゼルダ』ブランドは復活するか―――

 これについては語らないワケにはいくまい――――

 名作の続編「ゼルダの伝説 神々のトライフォース2」、3DSで14年初頭発売


 スーパーファミコンの名作『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』に、22年経ってまさかの続編が発売されるのです―――GBAのリメイクだった『4つの剣 25周年記念エディション』を除けば、『大地の汽笛』以来4年ぶりの2D『ゼルダ』の新作ですし、“ボタン操作でプレイする2D『ゼルダ』”で考えれば『ふしぎのぼうし』以来9年ぶりの新作となります。




 「ゼルダって何それ?そんな有名なゲームなの?」という人もいらっしゃるでしょうから……とりあえず簡単に歴史をおさらいします。歴史とか興味ないという人は読み飛ばし推奨。

 『ゼルダの伝説』は1986年2月にファミコンのディスクシステム用の第1弾ソフトとして第1作が発売された任天堂の人気シリーズです。
 スタッフは宮本茂さんや近藤浩治さんなどの『スーパーマリオブラザーズ』のスタッフで、『スーパーマリオブラザーズ』が“ファミコンの集大成”として作られたのに対して、『ゼルダの伝説』は“ディスクシステムという新しい機械ならこんなスゲーものが出来るんだよ”という新しい体験を提供するソフトでした。

 『ドラゴンクエスト』よりも前のゲームですからね。
 ディスクシステムという周辺機器を普及させるだけのヒットを飛ばし、『リンクの冒険』という続編(ゲーム内容は全然違うので“外伝”と呼んだ方がイイのかもですが)が出たくらいなのですが―――
 『スーパーマリオ』や『ドラゴンクエスト』等のファミコン用ソフトが爆発的にヒットしていた当時「ディスクシステムなんてわざわざ買うほどのものでもなくね?」という人も多く(※1)、160万本ほどのヒットをあげたにも関わらず『マリオ』や『ドラクエ』ほどの知名度がないという不思議なソフトとなりました。

(※1:ディスクシステムの普及台数は約450万台らしい。ゲームキューブの国内普及台数が約400万台なので、それよりちょっと上くらいの普及しかしなかったと言える)
(※1補足:ディスクシステムが普及しなかったのは、ファミコン用ROMカセットが進化して大容量&セーブ可能になったため、ディスクシステムの「ディスクシステムでなければならない」利点が失われてしまったというのが大きかった)



 ちなみに海外だとディスクシステム自体が発売されていないので、『ゼルダの伝説』は最初からROMカセット版が発売されて特大ヒット――――今日でも『ゼルダ』が日本より海外の人気が高い理由はここらにあると思われます。アメリカでROMカセット版が出たのは87年で、日本でROMカセット版が出たのは94年ですからね。2ヵ月後にスーファミの『FF6』が出る時期ですよ(※2)

(※2:今回の『神々のトライフォース2』も海外優先のスケジュールで、北米のクリスマス商戦に合わせて海外の方が早い発売となっています。海外では『モンハン』も『ドラクエ』も日本ほど売れないので、3DS自体が苦戦しているという事情も大きい。)



 ということで、件の『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』は『ゼルダの伝説』『リンクの冒険』に続くシリーズ第3弾でスーパーファミコン用のソフトとして1991年11月に発売されました。
 自分は当時これが「初ゼルダ」だったのですが、「世の中にはこんな面白いゲームがあるのか!」とぶったまげた記憶があります。今思えば、自由度の高かった初代からかなり変更されていて、「最初は行けるところが限定されている」が「アイテムを入手することで徐々に行動エリアが広がっていく」という後々の“ゼルダの文法”の基礎を築き上げた作品だったんだと思います。

(関連記事:自由度を捨てて、『ドラクエ』や『ゼルダ』が得た“遊びやすさ”



 ここから『ゼルダ』シリーズがどう変遷していくかというと……
 大まかに言うと、64→GC→Wiiと据置機では3D『ゼルダ』、GB→GBA→DSと携帯機では2D『ゼルダ』に棲み分けられていきます。
 しかし、「ゼルダの歴史は入力装置の歴史」という言葉があるように、DS版の『夢幻の砂時計』『大地の汽笛』は「タッチペンのみで遊ぶゼルダ」になり、自分が「俺はボタンで2D『ゼルダ』が遊びたいんだよ……」なんて言おうものなら「ウルセ!懐古厨は黙れ!」とファンからは野次られる有様でした。「2D『ゼルダ』は構造的に欠陥を抱えていたソフトだから今更ボタンで遊ぶ2D『ゼルダ』なんて作るべきじゃないんだ」って言われたこともありました。

 この話は単に「ぼくこんな酷い目にあったんですよー」ということじゃなくてね。
 『ゼルダ』に「新しいもの」を求める人と、「変わらないもの」を求める人―――というファンの分離に対する回答の一つが『神々のトライフォース2』なんだと思うのです。





 ということで、ここからが本題。
 『ゼルダの伝説』シリーズって、やっていることは『神々のトライフォース』からずっと変わらないんですよ。最初は行けるところが少ない。アイテムを手に入れて行動範囲が広がる。次のところにはまた新しいダンジョンだ。その中には新しいアイテムがあって。それでまた行動範囲が広がる――――

 しかし、一方で。
 『時のオカリナ』で「世界が3D化」したり、『夢幻の砂時計』で「タッチペンでしか遊べません」になったり、『スカイウォードソード』で「Wiiリモコンプラスでのジャイロセンサーを使った操作」だったりで、「幹」の部分は変えずに、「枝葉」の部分を変えて“新しい体験”を提供してきたシリーズなんです。



 この両面こそが、『ゼルダ』シリーズの売上げが落ちている要因じゃないかなと思うのです。
 初代~『時のオカリナ』までは国内でも100万本を超えていたシリーズが、それ以降は50万から100万の間を推移しているシリーズになってしまいました(Wiiリモコンプラス専用の『スカイウォードソード』はそれにも届きませんでした)。


× 「新しいゲーム」を求めている人からは、遊びの「根幹部分」が変わらないから「マンネリ」と言われる。

× 「変わらないゲーム」を求めている人からは、「3D」だったり「コントローラ」だったりプレイヤーが直接見て触る「枝葉」の部分が毎回変わるから「取っつきにくい」「何故変えてしまったんだ」と言われる。

 「新しいゲーム」を求めている人にも、「変わらないゲーム」を求めている人にも、ちょっとずつ不満を抱かせてしまったんじゃないかと思うのです。






 ということで……
 これからのゼルダは、「新しいゲーム」を求めている人のために「ゼルダのアタリマエを見直す」と宣言されたWii U版と、「変わらないゲーム」を求めている人のために“ゼルダの文法”の原点に立ち返る『神々のトライフォース』の続編という究極の懐古作品な3DS版という――――「両輪で行くんじゃないかと思われます。

 Wii Uの『風のタクト』リメイクも「変わらないゲーム」の方かな。
 『時オカ』『ムジュラ』『風タク』辺りを原点にして、「ボタンやスティックで遊ぶ3Dゼルダ」で「変わらないゲーム」として遊びたい人も多いでしょうし。





 『マリオ』シリーズも、マンネリだとしても「変わらないことで幅広い人が楽しめる」2Dの『マリオ』と、新しいことを取り入れていく3Dの『マリオ』の両輪になっていますしね。3Dの『マリオ』も『3Dランド』で2D寄りになっていたところはありますが――――


 ただ、
 『Newマリオ』がヒットしたのは「昔マリオを遊んでいた人」だけじゃなくて「初めてマリオを遊ぶ人」や「リメイク作品ではマリオを遊んでいた人」に受けたからで――――って考えると。

 『神々のトライフォース』は大好きな作品だからテンション上がったし自分は絶対に買って遊びますけど、続編嫌いな自分のことだからあーだこーだまた文句を言うんだろうし(笑)、それはともかく「昔ゼルダを遊んでいた人」の方ばかりを見て「初めてゼルダを遊ぶ人」に向けたソフトになっていなければ結局のところ「昔のファンが一部戻ってきた」だけになっちゃうんじゃないかと不安です。



(関連記事:『はじめてのゼルダの伝説』案を考える


 ↑この記事は2010年11月に書いた記事なんですけど、これに当てはまるのって2011年9月に無料配信された『4つの剣 25周年記念エディション』なんですよね。「無料で」「ゼルダの文法が学べて」「みんなで遊べるゼルダ」。
 任天堂だって仕事で必死に考えているんですから、一プレイヤーに過ぎない私ごときが言っているようなことは当然考えているワケで。そう考えると、この『神々のトライフォース2』というタイトルもちゃんと意図があってやっているのだと思うのですが……うーむ。まぁ、まだ半年以上先のことなので、どういう宣伝をしていくかも分からないんですけどね(笑)。


 自分としては、この『神々のトライフォース2』がちゃんとヒットしてブランド復活して、『Newマリオ』シリーズのように「ボタンで遊ぶ2D『ゼルダ』」が定番シリーズになってくれることを期待しています。3D『ゼルダ』は、「探索」は楽しいんだけど、3Dアクションゲームが苦痛で仕方ないから「戦闘」が辛くて辛くて……


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| ゲーム雑記 | 17:53 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

自分はWiiのゼルダを楽しく遊んでいました
アクションが苦手な訳じゃないけど、3Dはちょい操作が苦手で
マリオの動くクッパ城っぽい溶岩即死ステージですっかり息詰まってしまい、とうとうクリアできませんでした
キャラや馬にも愛着が湧いていたのに難易度、というか操作感で投げなきゃいけないのが辛かった…

| ああああ | 2013/04/24 18:09 | URL |

自分なんかは『スカイウォードソード』を「こんなに戦闘が面白いゲームねえわ」とか大喜びして、
DSのタッチペンオンリータイトルも「意外と操作感良くて楽しい」とか言ってた人間ですが、
でも変わらないことを求める人の意見も分からなくはないから
あまり声高に絶賛を主張する気にもなれないという(微苦笑)

ともあれ『神トラ2』にもまた期待はしてます。
けど同時に『2』という続編扱いが新規を含めたお客さんに
どう受け止められるのかは気になるところですね。

| HILO | 2013/04/24 20:01 | URL | ≫ EDIT

変えていくべき部分と変えてはいけない部分、このバランスを保つのが難しいのはどこも一緒ですね。
感覚は人それぞれですが、操作性なんかはプレイ中に特に気になりやすい所ですから。
神トラ2と"ゼルダの当たり前"を見直す新しいゼルダは是非この不満点を払拭して欲しいですね。

| ああああ | 2013/04/24 20:34 | URL |















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