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キンドルで「活字の本」を読む際に使える“電子書籍ならではの機能”

 前にキンドルファイアHDで電子書籍の漫画を読んで思ったことを記事に書いたのですが、あーそう言えば「活字の本」を電子書籍で読んだ場合の話を書いていないなと思いました。

 漫画の電子書籍は、今のところは……「紙の本」と同じ画像をデジタルに再現するだけです。トーンの問題とか、サイズを自由に出来るとか、見開き画像がピッタリ合うとか、「紙の本」とは違う点ももちろんありますし。デジタルコードを駆使して「電子書籍にしか出来ないこと」を発明する人も今後出ないとは限りませんが……

 今のところは「電子書籍ならではの機能」というものは、漫画にはあまり感じません。




 しかし、「活字の本」は「電子書籍」と「紙の本」で随分違います。
 「電子書籍ならではの機能」がしっかりあるので、「新しい読書体験」が出来るし、逆に言えば「それは味気ないんじゃないかなー」と思う人も出てくると思います。この辺は前回の「ゲームの電子説明書」の話にも通じますが、便利になることで失われる味というものもありますからね。

 今日はその辺りの紹介をしようと思います。



 自分は今回「キンドルファイアHD」で「キンドルストアで出版されている電子書籍」で「KDPで出版された横書きの本数冊と、青空文庫から出ている『吾輩は猫である』」で確認しました。画像サンプルは『吾輩は猫である』を使わせてもらいます。著作権的に「コラーッ!!」って言われなさそうなので(笑)。

 なので、「他の端末」や「キンドル以外の電子書籍サービス」や「全ての活字の本」に当てはまる話ではないことを御了承ください。全ての電子書籍がこうだということではなく、電子書籍ならこういうことが出来るポテンシャルがあるんだよと知ってもらいたいから書くのです。



1.表示を「読者の好きなように」変えられる
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 これがデフォルトの表示です。
 もちろんブログに載せるために縮小しています。


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 端末を横向きにすると、こんなカンジ。
 漫画の場合は横向きにすると見開き表示になって1ページが半分に縮小されますが、活字の本の場合は横向きにした方が若干「表示される文字数」が減りますね。



 ページをめくるのは漫画と同じように、左端をポンと触るだけでガシガシ進んでいきます。活字の本の場合はそんなにガシガシ読み進めるようなことはないかも知れませんが。



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 画面の真ん中ら辺をタッチすると上下にメニューのようなものが表示されます。
 上部から「設定」「移動」「メモ」「シェア」「ブックマーク」。
 下部には「ホーム画面に戻る」「一つ前の状況に戻る」「検索する」「お気に入り」。


 下部はキンドルファイアHD全般のメニューなので簡単に済ませますが……
 「一つ前の状況に戻る」は「ゲージ移動」や「目次での移動」の前の状況に戻るってカンジです。1ページずつ戻るワケではありません。
 また、「検索する」は「この本の中を検索する」ということです。『我輩は猫である』の本文の中に「おっぱい」という単語はどこに出てくるのかを調べて、そこに直接ジャンプ出来る―――みたいな話です(※1)

(※1:「出てきませんでしたー!」ってオチにするつもりが、検索したら出てきてしまいました。夏目漱石も「おっぱい」なんて言葉を使っていたんですね!)



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 この項で注目するのは「設定」の部分です。
 「フォントサイズ」「行間」「余白」「カラーモード」「フォント」を変更できます。「読み上げ機能」は対応しているタイトルを持っていないので、確認していません。


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 「フォントサイズを4→9」「行間を最小→最大」「余白を標準→大」「カラーモードを白→黒」「フォントを明朝→ゴシック」に変えてみました。もはや何がなんやら!(笑)



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 慣れないので元に戻しました。

 ということで……キンドルファイアHDで「活字の本」を読む場合、読者の環境に合わせて設定を変更できるんです。小さな字が読みづらい人はフォントを大きく出来るし、白背景だと目が疲れるって人は黒背景に出来ます。「紙の本」ではフォントサイズも行間のスペースも全部作り手が勝手に決めていたものを、「電子書籍」ならば読者が自由に設定できるんです。



 というのが、必ずしも読者のメリットにならないから「本」って不思議ですよね。
 裏を返せば、「作者が想定したようには表示されない」のが「電子書籍」なんですよ。

 例えば、作家さんの中は「一行が何文字」ということを分かった上で、その文字数に合わせて文章を書いていたりする人もいるじゃないですか。改ページのタイミングを計算して、こうすればここにこれだけの余白が出来る―――というのを演出として利用するような作家さんもいるじゃないですか。

 そうした作家さんの演出が、「読者の自由に設定を変更できる電子書籍」だとムチャクチャになってしまうので―――作家さんの中には「自分の本は絶対に電子書籍で出さない!」という人もいますし、読者の方も「電子書籍で読むとイマイチだなー」と思う人もいるでしょう。



 ということで……実用書とかなら別に構わないんですけど。
 小説とかの場合は、結構微妙かもなーと思わなくもないです。



2.辞書が常に横にいる
 「読書」ということをしたことがある人ならば、日本語であっても読みながら「この単語知らないなー」とか「よく意味が分からないけど読み進めてしまおう」という経験が誰にでもあると思います。そういう時にイチイチ辞書を開いて調べるような人間ならば、もうちょっと私もマトモな人間に育ったかも知れないのに……!



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 キンドルファイアHDならば、分からない単語を長押しするだけで即座に意味が表示されます。

 「全文表示」を押すと、内蔵されているデジタル大辞泉が開いて当該ページにジャンプしてくれます。イチイチ自分で辞書を開いて調べる必要がないんです!ということは、私みたいなズボラな人間を量産することになりかねないんで人類の未来は大丈夫なのかという気もしますが!



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 ちなみに「辞書に載っていない言葉」を知りたい時もありますよね。
 小説ならば登場人物の名前とか、評論だったら作品名とか、芸能人のエッセイならば他の芸能人の名前とか……「誰だそれ」「何だそれ」と思いながら読み進めることもありますよね。そういう時は「その他」を押します。



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 「本文検索」「Wikipediaで検索」「ウェブで検索」と表示されます。


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 「本文検索」は先ほどのページ下部の検索ボタンと一緒ですが、文字を打たずに検索できるということですね。例えば「あれ?こんなキャラ今まで出ていたっけ?」という時に本文検索をすれば、前の登場シーンを調べることが出来ます。後の登場シーンも調べることになりますけど(笑)。


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 「Wikipediaで検索」は言うまでもなくあのWikipediaで検索して該当するページを探してくれます。「タカジヤスターゼ」はWikipediaになかったんで、「吾輩は猫である」で調べました。


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 「ウェブで検索」はウェブブラウザを起動して検索エンジンで検索してくれます。自分はBingに設定していますが、本体設定でGoogleやYahooとかにも変えられます。




 すっげー便利な機能だと思います。
 正直、自分は「あー、もう紙の本には戻れないかもなぁ」と思いました。「作者が想定したようには表示されない」デメリットなんて知ったこっちゃないから、今後は「活字の本」はなるべく「電子書籍」で読むことにしようかなと思いました。

 でも、それこそ「便利すぎてコレでイイのか?」という一抹の不安も感じるのです。
 分からない単語を分からないまま読んだり、分からない単語を調べたり大人に聞いたり、間違った意味のまま覚えて大人になってから恥をかいたり―――そうした幼少期の自分達の原体験は果たして本当に無意味だったのか!?



 まー、でもコレは「最近の小学生は川原でエロ本を拾って喜ぶこともないのか!」みたいなジジイの小言でしかない気もするか。やっぱり手軽にエロ動画が観られる現代の方が便利ですもんね。エロ動画は18歳以上になってからじゃなきゃダメですけどね!(※2)


(※2:エロ本もダメです)


3.付箋機能も充実
 これは「電子書籍ならではの機能」というよりかは、「紙の本でも出来ることを電子書籍ならゴミを増やさずに出来るんですよ」という程度の機能かも知れませんが。付箋やしおりの機能もちゃんと付いています。



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 さっきのこの画像。
 「ハイライト」を押すと、そこが記録されて。
 「メモ」を押すと、更にそこに自分で文章を残すことが出来ます。



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 んで、上部メニューの中から「メモ」を選びますと……



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 こんな風に「それまでに残したハイライトとメモ」の一覧が表示されるのです。




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 また、上部メニューから「ブックマーク」を選ぶとその場にしおりがはさまれます。



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 こちらも上部メニューの中から「メモ」を選びますと、一覧が見られます。

 この機能はデメリット0で普通に便利なので、漫画を読む際にも使えるようにして欲しいですね。
 画像の中の文字認識は難しいだろうから漫画に「辞書機能」とか「ハイライト」とかは期待しませんけど、しおりはさむくらいならばそんなに難しいことじゃないでしょうよ!アップデート求む!




4.「読み終わるまであと何分」が分かる
 これはまさに「電子書籍ならではの機能!」ってカンジなんですが。
 「リーディングタイム機能」というものがあって、読者の読書スピードを記録することで「この章を読み終わるまであと何分」とか「この本を読み終わるまであと何分」と表示されるんです。これによって、「今ある空き時間の間にこの章を読み終えられるか」を事前に知ることが出来るという。

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 左下に薄い字で書いてあるのがソレです。



 ただ、精度はよく分かりません。
 特に自分は今回、この記事を書くためにスクリーンショット等を撮ってちっとも読み進めていなかったので……数字がムチャクチャになってしまったような。3分で1章なんて読めるワケねえ。


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 とまぁ、こんなカンジに「活字の本」は“電子書籍ならではの機能”がかなりあって、昔ながらの味を失いつつも、確かに便利になるなと思います。自分は今後、同じ内容の「活字の本」が紙と電子で同価格で発売していたら、電子書籍の方を選ぶかなと思いました。


 ただ、致命的なことに。
 品揃えが悪い。


 読みたかった「紙の本」を「電子書籍」で読もうとしても――――
 漫画も「何だよー、あの漫画はキンドルで出ていないのかよー」と思うものがありましたけど、その比じゃなくて「活字の本」は読みたかった本が全て出ていませんでした。幾ら電子書籍が便利でも、「読みたい本が読めない」んだったら意味がないので――――この記事を読んで「電子書籍ってイイじゃん!」って思った人も、キンドルストアで読みたい本があるか検索してから考えてくださいな。

 ただ、これはあくまで「日本版キンドルが始まって半年」という時期だからであって、これから出る新刊は電子書籍版も出るものが増えるかも知れませんし、10年後には完全にウィークポイントではなくなっているかも知れませんけどね。


 そろそろキンドルストア以外の電子書籍サービスも試したいところなんですが……
 その前に、“自炊”もやってみないとなぁ。

| ひび雑記 | 17:54 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

おお、「あればいいなあ」と思っていた辞書機能は既にあったのですね。
購入動機が1つ増えました。
固有名詞用にその作品専門辞書があればもっといいのですが。

| 児斗玉文章 | 2013/05/11 20:29 | URL |















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