やまなしなひび-Diary SIDE-

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考察:「百合観客席」と「百合プレーヤー」

 男性同士の恋愛を描いた作品――――いわゆる「ボーイズラブ(BL)」の場合、作者も読者も圧倒的に女性が多いと思われます。100:0とまでは言いませんが、90:10とか80:20くらいの割合で女性が多いんじゃないかと思います。自分はBLには詳しくないですが、そういう印象を持っています。


 で、
 女性同士の恋愛を描いた作品――――いわゆる「ガールズラブ(百合)」の場合、作者も読者も男ばっかかというとそうでもなく、百合を描く女性作家・女性漫画家の人は多いですし、百合好きの女性読者もたくさんいます。割合はピンと来ませんが、少なくとも「90:10とか80:20くらいの割合で男性が多い」ってことはないと思います。




 私は「百合好きな男」なので、世の中の全てが百合になればイイと思っているほどです。“女が二人いたら百合だと思うことにしている”レベルで、「アレも百合」「コレも百合」と世の中を見てしまいます。
 あんなに仲良さそうな女性はきっと百合に違いない!って思うし、あんまり仲良くなさそうな女性はきっとガチだから上手く仲良く出来ていないガチ百合に違いない!って思うのです。あぁ、だから世界はこんなにも輝いているんだ―――と。


 だから、「女性で百合漫画を描いている漫画家さん」とか「女性で百合モノの作品を読んでいる読者さん」に対して、女性なのに百合が好きということは百合願望があるに違いない!!という妄想を抱いてしまうのです。
 だってさ、男性からすると「百合」の世界には絶対に入り込めないワケですよ。プレーヤーにはなれない。だから、観客席から眺めてハァハァすることしか出来ない。でも、女性は「百合」の世界に入れるじゃないですか。いつでもプレーヤーになれるじゃないですか。百合好きの女性はそういう願望があるに違いないって思って何が悪いんですかっ!!




 ……ということを、ブログやTwitterに書いて「そうではないですよ」と言われたことが何度もあるので、そうではないことは分かっています(笑)。
 「観客席にいたい欲望」と「プレーヤーになりたい願望」は別なんですよね。



 冒頭の「BL」と「百合」の男女比率の件―――そもそも正確なデータがあるワケでもないので「印象で何となく女性が多そう」というだけの話なんですが。シンプルに女性の方が「恋愛劇」が好きな人が多いってだけの話だと思うんですね。
 「男女の恋愛モノ」も「男同士の恋愛モノ」も「女同士の恋愛モノ」も、女性の方が好きになりやすい―――そう考えると、百合を描く漫画家さんや百合好きの読者さんに女性が多くても不思議はないです。

 泥沼の不倫を描いた昼ドラを観ている女性だって、別にみなさん「自分が不倫をしたい願望があるから」という理由で観ているんじゃないですよね。ただ、「恋愛劇として」それを眺めているのが好きなだけで―――百合好きの女性の心理を考えると、それに近いのかもなぁと思うのです。




 これは単に「男性の脳」と「女性の脳」が違うというよりかは、「男性向けのコンテンツで育った男性の嗜好」と「女性向けのコンテンツで育った女性の嗜好」の違いであって、どう育ったのかという個々人の環境によって変わりますし、もっと言うと時代によってコンテンツが変われば「男性が好きなもの」「女性が好きなもの」も変わるのだと思うんですけど……(※1)

(※1:『セーラームーン』で育った時代の女児と、『プリキュア』で育った時代の女児では、後々に恋愛モノの捉え方が違うんじゃないか―――とか。少女漫画に詳しい人は、誰か分析してくれないかな)




 以前『ラブプラス』をプレイしている女性の話で、興味深いものを読んだことがあって―――
 「可愛い女のコが好き」なその女性は、現実では出来ないような「女のコと付き合える」ゲームをすごく楽しんでいたのだけど、「キスだけは辛い」と書かれていて。すごく目から鱗でした。

 女性が『ラブプラス』をプレイしていて、凛子とデートをしていても、凛子とキスをしていても、傍から見るとどっちも同じように「ラブプラスをプレイしている女性」でしかないと見えるんですが。
 恐らく……デートをしているだけなら「観客席」視点で、自分ではない誰かが凛子とデートをしていてデレデレしている凛子にハァハァしていると思うのですが。キスのシーンになると自分で操作しなければならない分、「プレーヤー」視点になってしまい、「私はレズビアンじゃないからっ!」って思えてしまうのかなと。




 うーむ。
 この「観客席」と「プレーヤー」の違いって面白い題材かも知れませんね。

 「観客席」視点の、百合好き女子というキャラも今では結構いますよね。
 『けいおん!』1期のムギちゃんとか、『ゆるゆり』の千歳とか。
 「自分が女のコを好き」というよりかは「女のコと女のコがイチャイチャしているのを見ているのが好き」というキャラ――――これは言ってしまえば、「百合」という文化が根付いたからこその「百合を嗜むキャラ」というメタな使い方であって、発想が一つ上に上がっているなと思うのです。


 なので、次に上の発想に進むには――――
 「観客席」として百合が好きな女性キャラが、百合を観たくて女子校に入学するのだけど、自分がモテてしまって「百合プレーヤー」になってしまう危機!という作品を誰か描いてくれませんか、ということと。

 更にそれを読む女性読者がファン同士でオフ会で知り合って、「観客席」でしかなかった二人が「プレーヤー」になっていく葛藤を描く作品を誰かお願いします、ということと。

 それを読んだ女性読者が、自分も百合漫画を描きたいと思うのだけど、そのためには「観客席」としてではなく「プレーヤー」として百合体験をしなければならないんじゃないかと女性同士で付き合い始めるみたいな作品を誰か――――ってカンジに、百合妄想は永遠に再生産が出来そうです。




 百合って素晴らしいですね!!


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| ヒンヌー | 17:54 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

はじめまして
いつもブログ読んでます。

私は百合好きのビアンです。
BL好きのゲイは稀ですが、ビアンは高確率で百合好きな印象がありますね。
それはやまなしさんが仰る通り女性が恋愛漫画好きであることに起因してると思います。
そして、自分がビアンだから百合も興味の範疇にあると。
少なくとも私個人はそうして百合に辿り着きました。

でも読んでるときは観客気分ですね。もちろん共感できる部分もありますが。


そして、百合を描くために自分も――というのでしたら「まんがの作り方(平尾アウリ)」という漫画がありますよ。既にご存じでしたらすみません。

| ねぎ | 2013/05/14 22:28 | URL | ≫ EDIT

どっちも興味がない自分からすると男同士より女同士のほうがまだ見れるなという感じですね。エロさは感じませんが。
並々ならぬやまなしさんの百合愛は感じました。
最近現実世界でも女友達同士で手を繋いでるのを見て、違和感を拭えません。
まぁこれも男同士じゃないだけいいかw

| ひらけんぱんちゃん | 2013/05/16 15:00 | URL |















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