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Wii Uは何故スタートダッシュに失敗したのか

 兎にも角にも「ソフトが出ないから」に尽きます。

 例えば、他の理由を考えても……
 「本体価格」で言えばベーシックセットは26250円ですから、25000円で爆発的なスタートダッシュを切った前機種Wiiとそれほど差はありません。
 「(競合する他社の機種と比べて)性能が低いから」という理由も、Xbox360やPS3には性能で劣っていた前機種Wiiのスタートダッシュを見るにそれほど重要な要素ではないと思います。
 「携帯機やスマホで十分という人が多くなったから」という理由は多少はある気もしますが、Wiiが発売した2006年は「DSが超ブームの頃」だったのだから、「WiiはDSには出来ないソフトが出た」けど「Wii Uは3DSには出来ないソフトが出ていないから」という表現の方が正確だと思います。


 もちろんコレらの理由が「1ミリも関係ない」とは言いませんけど……
 一番の理由である「ソフトが出ない」を解決出来ていれば、吹き飛ばせていたような些細な理由だと思うのです。




 Wii Uは、元々据置機の市場が縮小している国内だけでなく、据置機が強い海外でも苦戦しています。しかし、面白いのは……3月末の時点でのWii U本体の世界累計販売台数が345万台なのに対して、『NewマリオU』は215万本も売り上げているのです。海外ではプレミアムセットに同梱されている『ニンテンドーランド』とタメを張る装着率です。

 国内だけではどうか?と見ると……ゲームデータ博物館さんのデータによると、5月29日までのデータでWii U本体が93万台で『NewマリオU』が51万本を売り上げています。


 世界的にも国内的にも、Wii Uを買った人の半分以上の人が『NewマリオU』を買っているということになります。まぁ、ひょっとしたら「Wii Uは持っていないけどマリオは買っちゃったよ!」という人もいるかも知れませんが(笑)。



 Wii Uには『NewマリオU』しかキラータイトルがない――――
 これが言ってしまえば「Wii Uは何故スタートダッシュに失敗したのか」の理由だと思います。『ニンテンドーランド』が「第2のWii Sports」になれなかったのも問題ですし、サードメーカーからは移植ソフトばかりというのも辛い理由なんですけど、Wiiのスタートダッシュのようにタイプの違う二の矢・三の矢を次々とは出せなかったというのが現在に響いているのかなと思います。



【Wii本体発売から7ヶ月間の任天堂パッケージソフト】
・12/2『Wii Sports』
・12/2『はじめてのWii』
・12/2『おどるメイド イン ワリオ』
・12/2『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』
・12/14『ポケモンバトルレボリューション』
・1/18『エキサイト トラック』
・2/22『ファイアーエムブレム 暁の女神』
・3/8『アイシールド21 フィールド最強の戦士たち』
・4/19『スーパーペーパーマリオ』
・4/26『Wiiでやわらかあたま塾』
・6/28『ドンキーコング たるジェットレース』

 計11本。
 前機種ゲームキューブ用ソフトから移行させたソフトも多いですが、そのために「毎月新作ソフトが出るゲーム機」という印象を最初に付けられました。ソフトもバラエティに富んだラインナップが揃っています。「任天堂タイトルでスタートダッシュを切って普及させて、サードメーカーに後から付いてきてもらう」という強い意志を感じますね。



【3DS本体発売から7ヶ月間の任天堂パッケージソフト】
・2/26『nintendogs + cats』
・4/14『パイロットウイングス リゾート』
・5/12『スティールダイバー』
・6/16『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』
・7/14『スターフォックス64 3D』
・8/11『スーパーポケモンスクランブル』(発売元はポケモン?)

 震災があって自粛期間があったり、「スタートダッシュに失敗した」と言われ1万円の値下げをすることになった3DSであっても……計6本のソフトが出ています。それぞれジャンルも客層も重なっていないソフトを揃えている辺りは流石かなと思います。それでも、年末の『マリオ3D』『マリオカート』『モンハン』までは苦戦が続くのですが。



【Wii U本体発売から7ヶ月間の任天堂パッケージソフト】
・12/8『New スーパーマリオブラザーズ U』
・12/8『Nintendo Land』
・3/28『ゲーム&ワリオ』


 まぁ、一応(笑)。
 計3本というのも厳しいのですが、ジャンル的にも客層的にも若干重なっている感のある3本というのも厳しいです。いや、中身は全然違うんですけどさ。「非アクションゲーム」とか「世界中を冒険していくゲーム(ゼルダみたいな)」とか「黙々と何百時間も遊べるシミュレーションゲーム」とか、そういう幅広さはないですよね。3本じゃそりゃしょうがないんですけど。


 去年のE3に発表されたラインナップを見て、自分は何となく「12月にマリオとニンテンランド、1月にワリオ、2月にWii Fit、3月にピクミンって順番かな。これはなかなかイイバランスでソフトを揃えてあるな!」と予想して感心していたんです。現実にはワリオは3月、ピクミンが7月、Wii Fitは未だ発売日が発表されず……

 こんなにソフトが出ないなんて、Wii Uってソフトの開発がものすごく難しいゲーム機なんじゃないのか……これじゃ今後もあまりソフトが出ないかもなぁ。って考えている人は、私だけじゃないと思います。そして、「ソフトがあまり出ないんならゲーム機買う意味ないよね」と選択肢にすら入れてもらえない。







 ……という話は、そんなに面白い話でもないですよね。
 「そんなことは分かりきってることだ!」と思う人も多いでしょう(笑)。


 ここからが本題です。
 E3の前だから語っておきたいのです。
 「何故、Wii Uのソフトは出ないのか?」という話。


 先々月の決算説明会の質疑応答で興味深い質問をしてくれた人がいました(Q7)。


<以下、引用>
Q7.
<略>
 おそらくここにいらっしゃる投資家のみなさんは、「『ピクミン3』が出てくるにしても、その後に続くタイトルの発売がまた遅延するのではないか」というリスクを感じておられると思う。
 ソフトのクオリティーを追求すると、どの部分が一番開発上のネックになっていて、これはこの後のタイトルにも響くようなものなのかどうかについて、コメントをいただきたい。
<略>

A7.
 まず、自社タイトルが必ずしも順調に仕上がらなかった背景には、昨年の年末にハードを発売し、同時発売するソフトを仕上げるために、予定よりも大きなエネルギーが必要でしたので、そのために、「いろいろなチームから人を借り集めて動かした」ということがありました。
 これは『ピクミン3』の開発者、あるいは他のソフトの開発者にすれば、「チームの人手をしばらく取られていた」ということがあったと思います。
<略>

</ここまで>
※ 改行・強調など一部手を加えました。



 バラバラだったパズルのピースが繋がった、みたいな感覚でした。

 任天堂が1つ前に発売したゲーム機は「ニンテンドー3DS」です。
 3DSは「2010年の年末」に発売したかったんだと思います。「年末商戦」「クリスマス商戦」に合わせて発売することで爆発的なスタートダッシュが出来ますし、北米市場では「クリスマス商戦」だけで年間の何割かの売上げが出てしまうくらいですから。しかし、実際には「2011年2月~3月」に発売され、1回分「年末商戦」「クリスマス商戦」を逃したことになります。

 そのせいだけだとは思いませんが……結果的に、(3DSは国内では復活して現在は絶好調ですが)海外では未だに苦戦中と言われます。


 Wii Uは、なんとしてでも「年末商戦」「クリスマス商戦」に合わせて発売することが至上命題だったのでしょう。
 Wii U本体は購入後すぐに長時間のアップデートが必要だったり、それでもソフト切り替えのあまりの遅さゆえに春と夏に大型アップデートが行われたり行われる予定だったり、「納期優先で未完成品のまま発売してしまった」と揶揄されるほどでした。

 一方で、「ゲーム機のOSはヒドイけど、ゲームソフトの方はしっかり作ってあるよね」というのが『NewマリオU』と『ニンテンランド』の評判だったのですが、それも「このままじゃ同時発売に間に合わないから他のソフトを後回しにしてみんなでこの2本を作るぞー!」という任天堂の開発部隊が総動員で何とか間に合わせたということだったんです。




 実を言うと、この話は『NewマリオU』と『ニンテンランド』だけの話ではないです。
 『ゲーム&ワリオ』の「社長が訊く」でも、「他のソフトを作っている人達に助っ人に来てもらって何とか完成させた」という話が出ていました。


<以下、引用>
岩田「一時期、わたしはウワサを耳にしたことがあったんです。
「開発スケジュールが押しているはずなのに、阿部さんはこれを全部つくるって言ってるらしいけど、正気か??」っていう(笑)。」

阿部「もちろん物量が増えてたいへんなところもあったんですが、最後の最後で“助っ人”のみなさんにお手伝いをいただきましたので・・・。」

<略>

岩田「あ、実際に “スマブラ状態”って呼んでいたんですか?」

「いえ、助っ人のみなさんが“ニンテンドウオールスター!”状態でしたので、わたしが個人的にそう呼んでいました(笑)。
任天堂のプロデューサーさんやディレクタークラスの人たちがいっぱい集まって、ゲームのアイデアを出し合ってつくるというのは、「こんなこと、いままでなかったぞ・・・!」 と思いましたから。」

岩田「実際、はじめてのことだったんです。
企画開発部ができて以来、1本のゲームのために、全制作チームから応援に駆けつけるというのは、これまで一度もなかったことですから。」

</ここまで>



 もちろん「Wii Uはソフト作るのに時間がかかるのかなー」というのは否定出来ません。元々『Newマリオ』や『ニンテンドーランド』が予定に間に合いそうになかったので助っ人を呼んでいたのですから。しかし、助っ人を呼ばれた方のソフトもまた遅れて、それで他のソフトから助っ人を呼んで――――という悪循環を考えるに、「あ、そうか」と思ったことがあったんです。



 実は、
 Wii Uで発売が遅れているソフトって、「任天堂が自社で開発しているソフト」だけなんですよね。


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 ゲームに詳しい人ならば、「任天堂から発売しているソフトの全てを任天堂が開発しているワケではない」ということは分かりますよね。色んな会社と協力したり任せたりしてソフトを完成させて、販売するのが任天堂―――というデベロッパーとパブリッシャーの関係の話です。

 任天堂から発売しているソフトであっても、『星のカービィ』はHAL研究所が開発して、『ファイアーエムブレム』はインテリジェントシステムズが開発して、『安藤ケンサク』はShiftが開発して……とまぁ、こんなカンジ。もちろんクレジット表記に出ない協力とかも結構あるみたいなんですが、有名どころはこんなカンジです。



【Wii本体発売から7ヶ月間の任天堂パッケージソフト】
・12/2『Wii Sports』(任天堂開発)
・12/2『はじめてのWii』(任天堂開発)
・12/2『おどるメイド イン ワリオ』(任天堂&インテリジェントシステムズ開発)
・12/2『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』(任天堂開発)
・12/14『ポケモンバトルレボリューション』(ジニアス・ソノリティ開発)
・1/18『エキサイト トラック』(Monster Games開発)
・2/22『ファイアーエムブレム 暁の女神』(インテリジェントシステムズ開発)
・3/8『アイシールド21 フィールド最強の戦士たち』(分かんなかった・笑)
・4/19『スーパーペーパーマリオ』(インテリジェントシステムズ開発)
・4/26『Wiiでやわらかあたま塾』(任天堂開発)
・6/28『ドンキーコング たるジェットレース』(パオン開発)



【3DS本体発売から7ヶ月間の任天堂パッケージソフト】
・2/26『nintendogs + cats』(任天堂開発)
・4/14『パイロットウイングス リゾート』(Monster Games開発)
・5/12『スティールダイバー』(任天堂&VITEI開発)
・6/16『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』(グレッゾ開発)
・7/14『スターフォックス64 3D』(任天堂&キュー・ゲームス開発)
・8/11『スーパーポケモンスクランブル』(アンブレラ開発)



 色んな会社の名前がありますね!
 では、Wii Uのソフトはどうなのかというと……私が脳内で予想していた「Wii Uのスタートダッシュに用意されているであろうソフト達」を見てみると……


・12月『New スーパーマリオブラザーズ U』(任天堂開発)
・12月『Nintendo Land』(任天堂開発)
・1月『ゲーム&ワリオ』(任天堂&インテリジェントシステムズ開発)
・2月『Wii Fit U』(任天堂開発)
・3月『ピクミン3』(任天堂開発)


 自社開発のソフトばっかりだ!
 しかも、『ワリオ』以外は情報開発部のソフトばかりですね。『Newマリオ』と『ニンテンランド』の遅れを間に合わせるために『Wii Fit U』と『ピクミン3』が遅れてしまった――――というところですか。

 恐らく、Wii Uの当初のプランとしては本体発売直後に「自社開発のキラーソフトを立て続けに投入して一気に逃げ切る」予定だったんだと思います。Wiiの終盤や3DSの序盤に自社開発のソフトがあまりなかったのは、“Wii Uのスタートダッシュのため”だったんでしょう。この5本のラインナップは、3DSのスタートダッシュ時に比べても「豪華な5本」だと思いますもの。


 しかし、それが裏目に出た。
 自社開発のソフトを序盤に固めて予定していた分、1つの遅れでバタバタと他のソフトまで遅れることになってしまった―――と推察されます。

 




 裏を返せば。
 「7月以降はソフトが揃っている」というのは、「任天堂が自社で開発しているソフト」以外のソフトはそこまで深刻には遅れていないということなんでしょう。

 7月発売の『レゴシティ』は海外では既に発売されたソフトを任天堂がローカライズしているもので、8月発売の『The Wonderful 101』はプラチナゲームズ開発。発売日が発表された時に「Wii Fitやピクミンがアレだけ遅れているのに、こっちは思ったより早かったな」と思ったのですが、Wii Fitやピクミンが遅れた理由を考えれば不思議でもなんでもない話でした。




 ということで、E3直前にこういう予想記事を書いたワケです。
 恐らく、今年後半のWii Uソフトは「任天堂が自社では開発していない任天堂ソフト」のターンです。

 『Wii Party』の最新作はエヌディーキューブ開発。
 『毛糸のヨッシー』はグッド・フィール開発。
 『3Dマリオ』最新作は任天堂開発でも東京制作部だから……多分……


 逆に『Wii Fit U』『風のタクト』『マリオカート』は情報開発部のソフトだろうから、遅れが直撃しているかも知れません。『マリオカート』なんかは3DS版で一部外部開発を取り入れていたので、今回のWii U版もその辺で何とかしているかも知れませんが。

 気にしている人が多いであろう『スマブラ』は桜井さんとバンナム開発ですし、モノリスの新作RPGはもちろんモノリスソフト開発なので、この2つも『Wii Fit U』みたいなことにはならないと思います……が、この2本は多分「最初から2014年以降に発売する予定のソフト」だと思うので。まだまだ発売は先だと予想していますが(笑)。



 今のところはただの推測です。
 6月11日には今後のWii Uソフトのラインナップが明らかになるでしょうから、その前に書いておきたかったんです。多分「7月以降はソフトが揃っています」という言葉は真実だろうし、恐らくそれはこういう理由だろうと。この推測が当たってても外れてても面白いぞ、と(笑)。

 個人的にはこの記事に書かれているような定番の人気シリーズソフトだけじゃなくて、初めて『Wii Fit』見た時とか初めて『安藤ケンサク』遊んだ時みたいに「なんじゃこりゃ!」という怖いものみたさな新作ソフトを見たいんですけど、そういうソフトの情報はE3期間のニンテンダイレクトでは出てこないかなぁ……


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| ゲーム雑記 | 18:01 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

OSアップデートとかも合わせて俺は本体の仕様の決定が予定より遅れた=新作ソフトもそれに押された、と想像してましたがやまなしさんの推測にも納得できるものがあり目から鱗です。
一度追い付けば後は大丈夫、という点で俺の予想が当たっていてほしいですけど(笑)

| とりす | 2013/06/04 14:19 | URL |















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