やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

1期と2期は別物だった。アニメ『とある科学の超電磁砲S』感想

※ この記事は原作漫画版『とある科学の超電磁砲』1巻~7巻までのネタバレと、テレビアニメ版『とある科学の超電磁砲』全24話と『とある科学の超電磁砲S』全24話のネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。

 自分が第1期のアニメを「人生ベスト」と評するくらいに大好きだった『とある科学の超電磁砲』の、第2期『とある科学の超電磁砲S』の放送が先月最終回を迎えました。

 自分は以前に書いたように「アニメ→原作漫画」の順に観るのが好きなので、アニメ1期→原作漫画1~3巻(アニメ1期相当分)→アニメ2期→原作漫画4~7巻(アニメ2期分)という順番で観ました。
 アニメ3期があることを期待して原作漫画の続きは読まないつもりですが、原作漫画7巻は最初の3話までが「シスターズ編」で、その後は新章が始まってしまってて続きが気になってしまっているという(笑)。



 さて、そんな風に第1期が大好きだった自分のアニメ第2期の感想です。
 結論から言っちゃうと、「1期と2期は別物」でした。それは悪い意味だけでなく良い意味でも。スタッフとしても1期と同じことはしない(出来ない)と割り切っていたのだと思います。


 アニメは観ていたけど原作漫画は読んでいない――――という人もこのブログを読んでいると思うので解説しますと、『超電磁砲』のアニメは1期も2期も「原作漫画のエピソード+それを補完するアニメオリジナルのエピソード」という構成になっています。

 アニメ1期で言えば、第1~12話までが原作漫画1~3巻までのエピソードで。第13~24話はアニメのオリジナルエピソードです。原作者がストーリー作りに関わっているなんて話も聞きましたが、とりあえず第13~24話は原作漫画にはない話なんですね。
 アニメ2期も基本的には第1~16話までが原作漫画4~7巻までのエピソードで。第17~24話はアニメのオリジナルエピソードです。



 じゃあ、前半は「原作漫画のエピソード」そのまんまか―――というと、そうでもなくて。第1期はかなり大胆に原作からアレンジ&再構成されていて、描かれているのは同じエピソードでも原作にはないストーリーの意味が加わっていたのです。

 具体的に言うと……「アニメ→原作漫画」の順で観た自分が一番衝撃的だったのが。
 原作だと佐天さんはメインキャラじゃないってとこでした。

 出番がないワケではないんですが、「レベルアッパー事件の被害にあった初春の親友」みたいな描かれ方で。アニメでは当たり前のように「美琴・黒子・初春・佐天」の4人で行動していますけど、原作漫画にはそういうシーンはほとんどないんです。
 1期のアニメ第1話の「銀行強盗に立ち向かう佐天さん」はアニメで追加されたエピソードですし(原作だと美琴・黒子・初春の3人しかいなくて、美琴はクレープを台無しにされた恨みでレールガンをぶっ放すという・笑)、第3話で「初春と佐天さんが学舎の園を訪れる話」はアニメオリジナルのエピソードですし、第7話でセブンスミストから避難させられるシーンはアニメだと佐天さんが「自分は役に立てない」という顔をするのですが原作ではそういう描写もありませんし、第9話で美琴が佐天さんに「レベルなんて気にすることじゃない」というシーンもアニメで追加されたエピソードです。

 1期アニメ後半は全てアニメオリジナルエピソードなので、原作にはない話です。
 第14話の「特別講習」もないし、第23話で「一人で戦いに向かう美琴を止める佐天さん」もないし、第24話の「私の友達に手を出すな」ももちろんありません。個人的にアニメ1期のラストで好きなシーンである、最終決戦の後に黒子が佐天さんに「助かりましたわ」と言うシーンももちろんありません。あの台詞は9話のトリックアート戦で黒子が佐天さんを一方的に助けたシーンのアンサーだったというのに!(トリックアート戦は原作にもある)


 もちろんこれは「アニメに比べて原作はダメだ」という話ではありません。
 『けいおん!』のムギちゃんの話を書いた時にも触れましたが、「アニメのオリジナルで付け足されたシーンにこそ、アニメスタッフがこのアニメで描きたかった“何か”がある」のだと思うのです。


 アニメ第1期『とある科学の超電磁砲』は原作のエピソードに手を加え、「レベルアッパーにまで手を出してしまった佐天さんが、その罪と向き合い、美琴や黒子や初春と“同格の仲間”になるまでのストーリー」と再構成したアニメだったと思います。だから、第1期の真の主人公は佐天さんだったのだろうと。



 こういう「原作で起こったエピソードを再構成してアニメオリジナルの意味を加える」アニメ化は珍しくないと思いますし、それこそ先ほど例に出した『けいおん!』の第1期だってそうでした。「女子高生のゆるい日常を描いた4コマ漫画」を「少女達の成長物語」にしてしまったのですから。

 原作ファンの中には「原作をそのままアニメ化して欲しい」「余計なオリジナルエピソードを足さないで欲しい」という人もいると思いますが、自分はアニメはアニメとして別物と描き直すアニメ化の方が好きなんです。だから『超電磁砲』1期も『けいおん!』1期も大好きなんです。




 では、2期はどうだったかというと……
 アニメ2期『超電磁砲S』でややこしいのは「シスターズ編」だったということ。
 「シスターズ編」は元々の本編『とある魔術の禁書目録』でも人気のエピソードで、既に『禁書目録』1期でアニメ化されているエピソードです。原作漫画『とある科学の超電磁砲』は、この事件を“美琴視点”で描き直すというものだったのですが……

 なので、アニメ化の際に自由に変えられるものではないんですよね。

 2万人のシスターズが生まれてしまっていること、その内の1万人以上は既にアクセラレータに惨殺されていること、美琴ではアクセラレータには適わず誰にも頼れなかった彼女は自分が死ぬことを選んでしまうこと、それを上条当麻が止めて上条さんがアクセラレータをぶっ倒すこと―――これはもう確定してしまっているんです。


 だからか、1期では原作のエピソードを大胆に再構成した『超電磁砲』のアニメでしたが、2期の「シスターズ編」はほとんど原作漫画そのまんまなんです。展開も台詞も演出も、構図すらそのまんまアニメ化しているシーンもあって。アニメオリジナル要素はほとんどなかったんです。

 いや、原作と違って布束さんが美少女になっていたり、滝壺が巨乳になっていたりはしていましたけど(笑)。


 もちろん「原作そのまんま」のアニメ化が悪いワケではないのですが……
 原作漫画では「レベルアッパー編」→「シスターズ編」という順に話が進んで美琴はどちらでも一人で戦っているので何の違和感もないのですが……アニメだとその間に「ポルターガイスト編」が入って、「仲間って素晴らしいね!仲間がいれば何にも負けないね!」という1期最終回を迎えたので。「誰にも頼れなかった美琴が自分が死ぬことを選ぶ」展開はやっぱりムリを感じたし。

 スタッフも当然そんなことは分かっているので、ところどころに手を加えていました。ついさっき「2期はアニメオリジナル要素はほとんどなかった」と書きましたが、「美琴を待つ黒子達のエピソード」(2期7話のクローバーを探す話)はアニメオリジナルのエピソードでしたし、美琴が「みんなには頼れない」と考えてしまう場面が幾つか追加されていたと思います。
 もちろん、アニメ2期終盤の「フェブリ編」は美琴が仲間を頼るためのオリジナルエピソードです。1期のラストで「仲間って素晴らしいね!仲間がいれば何にも負けないね!」と言っていた美琴が2期では「誰にも頼れず自分が死ぬことを選ぶ」しかなかったのを、やっぱり最後は「仲間って素晴らしいね!仲間がいれば何にも負けないね!」と戻ってくるエピソード。



 ということで、「1期と2期は別物」というのは。
 2期は「原作の縛り」と「1期からの縛り」でがんじがらめになってしまって、原作をアレンジ&再構成して新たなストーリーの意味を付け加える余地が残っていなかったと観ていて思ったのです。もちろんそれが悪いこととは言いませんが、1期とは違ったなぁと。



 あと、単純に1期終盤のアニメオリジナル展開と2期終盤のアニメオリジナル展開では脚本家が違ったというのもありますね。1期の終盤はシリーズ構成の水上さんが脚本を主に書いていましたが、2期の終盤は『舞-HiME』の吉野さんが主に脚本を書いていたので。「舞-HiME3だ、これ!!」と思いながら観ていました(笑)。

 たくさんいるキャラクターを全員動かしてちゃんと全員活躍させてどのキャラのファンでも嬉しい―――というエンタメっぷりは流石の吉野さんだと思いました。逆に、敵の描写が小者すぎてイマイチ緊迫感がないというのも流石の吉野さんだとも思いましたが(笑)。

 個人的には、「最強のレベル5でありながら更なる高みを目指したアクセラレータ」と「最高の頭脳を持ちながら能力者ではないことで学園都市に反逆したSTUDY」を描くんだったら、「力に憧れてレベルアッパーに手を出してしまった佐天さん」をもうちょっと上手く使えなかったかなぁとは思うんですけどね。そういうのは1期の水上さんの方が上手かったと思うので、物足りなさは正直ありました。



 でも、『超電磁砲』もアニメ化されて何年も経っていて、キャラクターも増えているのだから、最後はこうやってお祭り的に終わるというのも分からなくはないし。頭空っぽにして見る分には、極上のエンターテイメントになっていたと思います。


 「(これはこれで)面白かったです!」




○ 余談
 ここからは原作漫画を読んだ感想。
 私は原作漫画の絵柄の方が好きです。
 アニメの絵柄はちょっと大人っぽすぎて、中学1~2年生にはあまり見えないんですが。原作漫画は年齢相応に見えるし、目が大きすぎないし、自分の好みの絵柄ど真ん中です。そういう意味では、「アニメ以上に原作漫画好きかも」なのです。



 それと、結構面白いなと思ったことに。
 恐らく原作漫画もアニメも原作者が関わっているからだと思うんですが、「アニメオリジナル展開」が後から原作漫画に反映されているところが幾つかあるんです。前述したように1期終盤のアニメオリジナル展開である「ポルターガイスト編」は原作漫画には描かれていない話なのですが、どうも原作漫画の世界でも起こっていたことみたいなんですね。

 美琴は春上さんとのプリクラ写真を持っているし、当麻の見舞いに行くシーンで「見覚えのある病室」と言っているし(アニメ1期23話でテレスティーナに敗れた美琴が寝ていた病室が、いつも当麻が入院している病室というネタ)。
 1期のアニメオリジナルキャラだった婚后光子が、原作漫画では2学期から転入してきて加わっているし。



 アニメがオリジナル要素を加えて大ヒットしても我関せずと突き進んだ『けいおん!』の原作漫画とは対照的に、アニメオリジナル要素をガンガン取り入れているのは面白いなぁと。原作漫画しか読んでいない人は意味不明かも知れませんが(笑)。
 『禁書目録』で起こった「レムナント事件」も『超電磁砲』では描かれていないので、何故か突然黒子が入院→車椅子化しているし。アニメ2期で散々台詞で出てきた「広域社会見学」も『超電磁砲』の中では描かれていなくて、どうやら『禁書目録』原作小説版では描かれているっぽい……?


 その辺、もしアニメ3期があるのなら描いて欲しいですね。
 『超電磁砲』には魔術の話が出てきていないのをどうするのかという問題はありますが。

| アニメ雑記 | 17:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://yamanashirei.blog86.fc2.com/tb.php/1650-8ffb835b

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT