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良くも悪くも超豪華ADV。『レイトン教授VS逆転裁判』紹介

『レイトン教授VS逆転裁判』
 ニンテンドー3DS用/ナゾトキ・法廷アドベンチャー
 レベルファイブ/開発:レベルファイブ・カプコン
 2012年11月29日発売
 5980円(税込)
 セーブデータ数:3
 公式サイト

レイトン教授VS逆転裁判レイトン教授VS逆転裁判

レベルファイブ 2012-11-29
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※ このソフトはニンテンドー3DSの立体視機能に対応していますが、自分は視力の問題で立体視が出来ません。なので、この紹介記事内では立体視機能については言及しないことを御了承ください。

 『逆転裁判』シリーズとは、2001年10月12日にゲームボーイアドバンス用ソフトとしてカプコンから第1作が発売されたアドベンチャーゲームです。
 「各場所を探索して殺人事件などの犯人を主人公が突き止める」点では80年代に流行した『ポートピア連続殺人事件』や『ファミコン探偵倶楽部』などの流れを踏襲しているのですが、それを弁護士である主人公が法廷で立証する“法廷パート”が画期的で、テキストアドベンチャーというジャンルを再び人気ジャンルに押し戻すほどのシリーズとなりました。

 シリーズはゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDS、ニンテンドー3DSで今日までに『5』まで製作されていて、スピンオフ作品『逆転検事』も2作作られていて、宝塚歌劇や実写映画にもなっています。



 『レイトン教授』シリーズとは、2007年2月15日にニンテンドーDS用ソフトとしてレベルファイブから第1作が発売されたアドベンチャーゲームです。今日までにニンテンドーDS、ニンテンドー3DSで6作品が発売されていて、本編以外のスピンオフ作品も多くてアニメ映画にもなっています。
 アドベンチャーゲームとしては「指示された場所に行く」「指示された箇所を調べる」といったカンジに「次に何をするのか」をプレイヤーに教えてしまうという思い切った手法を取っているのですが、各場所にいる住人などに話しかけることで「ナゾ」(クイズやパズルのような問題)が出題されるので。「アドベンチャーゲーム×ナゾトキ」という新たなジャンルを切り開いて、世界中で「脳トレの次の1本」として大ヒットしました。



 この記事で紹介する『レイトン教授VS逆転裁判』―――言ってしまえば、「日本で売れるテキストアドベンチャーゲーム1位・2位」が手を組んだようなタイトルなのです。


 もちろん「売れるゲーム」=「面白いゲーム」ではありませんし、テキストアドベンチャーゲームは売上ランキングトップ幾つみたいな世界からは縁遠いジャンルでもあります。

 ゲームの性質上「長く遊ぶ」ことが難しいため、中古市場への戻りがネックになり、近年ではコンシューマー用のパッケージソフトではあまり作られず。ダウンロード専売ソフトとか、携帯アプリとか、スマホのアプリとかがメインになっています。
 実際テキストアドベンチャーは大金をかけたからと言って面白くなるワケではなく、「テキストを書く一人の才能」が重要だったりしますし。それこそ『逆転裁判』の第1作なんかはたった7人で作られたらしいですからね。


 しかし、この『レイトン教授VS逆転裁判』は「日本で売れるテキストアドベンチャーゲーム1位・2位」のコラボレーションタイトルです。なので、恐らく日本一売上目標の高かったテキストアドベンチャーゲームだと思いますし、その分だけ物凄くお金をかけて作られているのです。

 「日本で売れるテキストアドベンチャーゲーム1位・2位」のコラボレーションタイトルだからこそ、たくさんの人員と製作期間をもって、最新の技術をありったけ込めて作られた超豪華アドベンチャーゲーム―――それがこの『レイトン教授VS逆転裁判』なのです。




 自分は、『逆転裁判』シリーズは『蘇る』だけ、『レイトン』シリーズは『魔神の笛』だけプレイ済です。両方のシリーズを知ってはいるけど、熱心なファンというほどではないというカンジですね。実際、このゲームを遊ぶ際にはどちらのシリーズも知らなくても問題なくプレイ出来ると思います。
 原作ゲームの時系列なんかは無視されているという話ですし、このゲームを遊んでキャラクターを気に入ったら原作を遊んでみるくらいのカンジでイイんじゃないかと思います。

 というか……『逆裁』ファンにオススメ!とか、『レイトン』ファンにオススメ!というカンジではなくて。自分がこのゲームを遊んで「どういう人に向いているのか」を考えてみたところ、「豪華で最先端の技術で作られたアドベンチャーゲームを遊びたい人」にこそオススメだなと思ったのです。こんなタイトル、そうそう作れるものではありませんから。


↓ 以下、感想はクリックで。



○ 細部まで作りこまれた豪華なゲーム
 『レイトン教授VS逆転裁判』というタイトルですが、『レイトン教授』シリーズからはレイトン教授ルーク、『逆転裁判』シリーズからはなるほど君真宵ちゃんが登場していて、プレイヤーはこの4人のキャラを状況に応じて操作してストーリーを進めるというカンジです。
 両シリーズから登場しているキャラもあと何人かはいるのですが、基本的にはこの4人が「異世界」であるラビリンスシティで起こる様々な事件を解決していくというカンジになりますね。


 この4人に限らず、キャラクターは3DCGで描かれています。
 DS時代までは2Dの絵だったレイトン教授やなるほど君も3DCGにて見事に再現されています(まぁ、レイトン教授は『奇跡の仮面』で3Dになっていますし、なるほど君も後に発売される『逆転裁判5』で3Dになってはいるのですが……)キャラクターの動きも2D時代同様に再現されつつ、3Dならではにカメラワークをいじったりなんかしてお見事。

 このゲームのオリジナルキャラクターであるラビリンスシティの住人ももちろん3DCGで描かれていて、多彩な動きをします。
 このオリジナルキャラが『逆裁』寄りのデザインのキャラも『レイトン』寄りのデザインのキャラもいるんですが、どのキャラもちゃんと作品にマッチしているのが流石というか。『逆裁』の「何でもあり」感のおかげというか(笑)。


 ボイスはフルボイスではなく、ところどころの要所にのみ入るカンジですね。
 『レイトン』シリーズのキャラは原作ゲーム通りの配役で、『逆裁』シリーズのキャラは実写映画の配役を使っているみたいですね。これには賛否あると思いますが、それは後ほど。
 多数のオリジナルキャラクターであるラビリンスシティの住人も重要キャラはボイスが付いていて、ヒロインのマホーネ役には『魔法少女まどか☆マギカ』でもお馴染みの悠木碧さん、ライバルポジションのジーケン検察士には『デスノート』や『ガンダムOO』等々で有名な宮野真守さんと、一線級の声優さんが配役されています。

 マホーネ役が悠木碧さんというのは「魔法少女が魔女裁判、というネタか……?」と思ったのですが、とにかく大人っぽい落ち着いた女性の役はあまり見たことがなかったので新鮮でした。なので、記事のタイトルも「悠木碧ちゃんファンにはオススメ!『レイトン教授VS逆転裁判』紹介」という記事タイトルにしようかと悩んだくらいです(笑)。


 個人的には、某役の中原麻衣さんの演技に「ひぃぃいいい」と悲鳴をあげました(笑)。
 オリジナルキャラの配役と、声優さんの演技は流石の一言。



 今回、ラビリンスシティという「“魔法”が存在する中世の街」が舞台になるのですが、この背景の描き込みも流石でしたし。世界観の見せ方も上手かったです。

 3DCG&ボイス付きになることで不安だった“法廷パート”のテンポも悪くなく、『逆裁』シリーズの象徴ともいえる巧舟さんが製作に深く関わっているというだけあって「本家」感も強く。今回の目玉でもある群集裁判はハチャメチャなところがすごく面白かったです。おじさんのキャラは本当良かった。
 「魔法の立証」なんかも本家では出来ないことを巧さんが楽しんで書いているなというカンジで、遊んでいて非常にワクワクしました。



 『レイトン』シリーズ同様にストーリーのところどころにアニメが挿入されるのですが、今回アニメーションを製作したのは『エウレカセブン』や『鋼の錬金術師』で有名なボンズ。


 とにかくまぁ、細部までホント手を抜かずにお金と労力をかけて作っていることが分かる大作でした。
 それでいて「安心のレベルファイブ印」とでも言いますか、「誰にでも安心して遊べるアドベンチャーゲーム」を目指しているのも分かります。

 このゲームは、『レイトン』パートで街を探索し、ストーリーが進んで魔女裁判が始まると『逆裁』パートに移る―――というカンジで、『逆裁』における“探偵パート”が『レイトン』パートになっていると思ってもらえばイイのですが。
 『レイトン』パートでは原作ゲーム同様に「どこに行けばストーリーが進むのか」を教えてくれますし。『レイトン』パートで集めた「ひらめきコイン」を『逆裁』パートでも使うことが出来るので、「何をしてイイか分からない」「どれを選べばイイのか分からない」というアドベンチャーゲーム特有の“詰み”が起こりにくいようになっています。

 『レイトン』パートでも『逆裁』パートでも失敗するとピカラットが下がるので、自分はガンガンひらめきコインを使っていました(笑)。救済措置を使うと『逆裁』本編よりも遙かに難易度は下がると思います。




 また、これは中古市場に流れるのを防ぐためだったと思うのですが、クリア後にeShopからソフト更新をすると「エンディング後のスペシャルエピソード」と「設定資料集」などをダウンロードすることが出来ます。
 「エンディング後のスペシャルエピソード」は、まぁ正直「悪ふざけが過ぎている」というカンジもするのですが(笑)。あのキャラクター達がその後どうしているのかを観ることが出来て自分は嬉しかったです。




 と言ったカンジに、『レイトン』シリーズの良いところと『逆裁』シリーズの良いところを合わせて、一流のスタッフが長い製作期間をかけて作った豪華なアドベンチャーゲームだったと思いますし――――自分はものすごく楽しみましたけど。楽しみましたけど……

 この豪華路線って、両シリーズのファンは喜ぶのかなぁ……という疑問もありました。



○ 「大作」のジレンマ
 自分は、『逆裁』シリーズも『レイトン』シリーズも「大作主義へのアンチテーゼ」として人気を博したと思っています。

 『逆裁』が出た2001年と言えば、PS2で『FF10』等が発売されて「PS2ならフルボイス&実写みたいなリアルなゲームが遊べるんだ」という時期でした。そこに、携帯機で、2Dのキャラクターがボイスもなく、たった数人で作られた、「今時テキストアドベンチャーかよ」と言われるような時代と逆行したゲームを出して人気シリーズへとのし上がっていったのです。

 『レイトン』が出た2007年と言えば、PS2の大作主義への反動でDSの『脳トレ』や『えいご漬け』などの“Touch!Generations”といった非大作主義のソフトが売れまくっていた時代でした。『レイトン』シリーズはその流れに乗り、「頭の体操」をしながらストーリーを楽しめるゲームとして大人気になったのです。



 二つのシリーズは出てきた時期は違いますが、「ゲームの面白さとは何か」をしっかり考えて、余計なものを足さずにそれだけを楽しめるシリーズだったからこそ根強い人気が出たのだと自分は思っています。

 その二シリーズを足してしまえば―――もう片方の部分は「余計なもの」になってしまいますよね。
 『逆裁』のような濃密なテキストアドベンチャーを期待してプレイした人は、興味のない「ナゾトキ」を強制的にやらされて。
 『レイトン』のように「ナゾトキ」を緩くプレイしたかった人は、延々と続く“法廷パート”にウンザリしちゃったんじゃないかぁと思います。

 eShopの「おすすめ投票」流に言うのならば、『レイトン』シリーズは「気軽に遊びたい時にオススメ」のソフトで、『逆裁』シリーズは「じっくり遊びたい時にオススメ」のソフトなので……『レイトンvs逆裁』は誰にオススメしたらいいのかよく分からないソフトになってしまいました。



 また、今回『レイトン』パートでもストーリーが目まぐるしく動くためか、「ストーリー上絶対にクリアしなければならないナゾトキ」が結構多いんですね。
 『魔神の笛』をプレイした時は、「ストーリー上絶対にクリアしなければならないナゾトキ」が数箇所しかなくて、プレイヤーは好きな「ナゾ」だけを解けば良くて、ポイントポイントで「今までに何個のナゾを解いてきたらこの先に行ける」というところが出るだけだったことに感動したのですが……今作は、「強制的なナゾトキ」が多いのがちょっと難点でした。

 あとまぁ……個人的な好みですけど、今回の「ナゾトキ」はパズルっぽいものがほとんどで、バリエーションも少なく、あまり「頭の体操」っぽくなかったかなぁと思います。「逆転の発想で解けた!」みたいなことが少なかったのが残念。





 そうそう。
 プレイ前から耳にしていたなるほど君役の成宮寛貴さんの演技ですけど、確かに棒読みと言われても仕方ないとは思いましたけど……それ以上に、他の声優さん達が頑張りすぎで、ちょっと同情するところはありました。
 アニメ声優さんは声だけで表現する人達ですから情報量の多い演技をするんですけど、実写の映画やドラマの俳優さんが声優をするとナチュラルな自然な演技をしようとします。だから、その両者が入り混じった今作はすごく違和感あったし、なるほど君はその中でもリアクションの大きなキャラなので自然な声を出すだけでは棒読みに聴こえてしまうというか。

 役者というのは矢面に立たされるポジションだから批判が集中するのも仕方がないのですけど、正直全体のキャスティングのバランスの悪さこそが問題じゃないかなーと。




 また……これがよく聞く「このゲームの二大不満ポイント」とも言える“終盤の展開”ですけど。『レイトン』ファンは「え?こんなのいつものことじゃん」という反応なのに対して、『逆裁』ファンは怒り心頭という反応で。二大人気タイトルを足したからこその不満の象徴みたいになってしまったのは、何とも……

 個人的には全く気にならなかったんですけど、『逆裁』は推理モノだからああいう展開に不満を言うファンが多いのも分からんでもないか。こう考えると、『レイトン』と『逆裁』って同じジャンルではあるけど方向性が正反対とも言えて、この二つを足したのは確かに無謀だったのかもなーと。




○ 総評
 ということで……
 『逆裁』シリーズの続編とも、『レイトン』シリーズの続編とも考えずに、二つのシリーズのキャラが登場する新作アドベンチャーゲームとしてオススメするのがイイかなぁと思いました。キャラクターは魅力的なのは確かなので、これをきっかけに両シリーズに注目してもイイですしね。

 2013年11月1日現在、このソフトは定価6千円近いところAmazon価格が1600円くらいにまで値崩れしていまして……「3DSの値崩れソフトの代表」みたいになってしまっているのですが。逆に言うと、この価格で楽しめるアドベンチャーゲームとしてはとてつもないクオリティの高さだと思いますしね。


 二つのシリーズが気になっているけど手を出したことがない人は、この作品を入り口にどうぞ。


(関連記事:王道ヒーロー物語『逆転裁判 蘇る逆転』紹介
(関連記事:シリーズ未経験者も是非!『レイトン教授と魔神の笛』紹介





| ゲーム紹介 | 17:58 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

私は本作を真っ当に思い切り楽しめたし、
ナルホドくんの演技もまわりが言うほどには
わたし個人は気にしなかったクチです。
ゲーム部分は特に群衆裁判の切り口が見事で、
「外伝でコレやって次出る本編はどうするんだ?」とまで
思ったほどでした。総合的には評価高かったです。

ただまぁソレもあって最後のオチが微妙だったかもな、とは。
あそこでいつものレイトンシリーズっぽい作劇にしたのは
コラボ作品ならではの新鮮さを削いでしまった気もしましたねぇ。

| HILO | 2013/11/02 19:08 | URL | ≫ EDIT

いつかやろうと思っていたゲームですが、
「魔法の立証」にノリノリという部分に興味が湧きました。
素敵な金縛りという映画があって幽霊の立証部分が楽しかったので。
(まぁ、幽霊の立証自体は逆裁本編でもありますが)

| 児斗玉文章 | 2013/11/04 14:11 | URL |

発売日からのめり込んで、暇な時間全部つぎ込んでやりました。
自分としては今までやったアドベンチャーの中でトップレベルだと思ってます。
あ、ナルミヤホドくん以外(笑)
あまり世間での認知や評価が高くなくてさびしい限りです。

これはこれでシリーズ化(日野さんはノータッチでw)して洗練されてほしいくらいでしたけど、コラボと言う性格や売上的に厳しそうですかねぇ……。

| ああああ | 2013/11/05 15:35 | URL |















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