やまなしなひび-Diary SIDE-

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「このアニメは○話から面白くなるよ」の意味

 大好きなフォロワーさんがこの話をしていて、ちょっと自分でも考えてみました。




 今季もたくさんのアニメが始まりまして、アニメクラスタの皆さんはたくさんのアニメの第1話を観ていることと思います(自分は今季はネット配信待ちなのでもうちょっと後に観ることになるのですが)。でも、第1話から「大好きだあああああああ!」と言える作品ってそんなにありませんよね。

 自分が『境界の彼方』を好きになったのは4話からだし、『のんのんびより』は2話から、『たまこまーけっと』に至っては9話でようやく「俺はこのアニメが大好きだ!」と言えるようになりました。全12話の内の9話って相当クライマックスだと思うのですけど(笑)。
 もちろん第1話の時点で心を鷲掴みにされるアニメもありますけど、逆に「第1話は面白かったけど徐々につまらなくなるアニメ」だってたくさんあります。具体名は出しません!



 ということで……自分が大好きなアニメを誰かに薦める時には、「○話から面白くなるからとりあえず○話まで観て!続きを観るかはその後に考えればイイから!」と言ってしまうものです。
 『のんのんびより』を「1話で切った」と言われたら、「2話で蛍のキャラが立ってそこから面白くなるのに!!」と言いたくなってしまうし。『境界の彼方』を「4話まで観たけど何が面白いか分からなかった」と言われたら、「なら多分アナタは最後まで観ても面白くないと思う!」と引き下がれるのです。



 所詮は「主観」です。

 「自分が好きになったのは○話から」だから、「○話までは観てよ」と言う。
 でも、当然『のんのんびより』を1話の時点で「最高だ!」と思う人もいるし、『境界の彼方』を5話以降で好きになって「6話の愛ちゃんが天使だから神アニメ!」と叫ぶ人もいるのです。愛ちゃんは4話の時点で天使だったと私は思いますけどね!!
 ということで、「○話から面白くなるよ」なんてのは、万人に当てはまる薦め方ではないんですね。



 それは大前提で。
 じゃあ何故、私達の主観は「○話から面白くなるよ」なんて思ってしまうのか。
 実はこの「○話から面白くなるよ」には色んなケースがあって、それぞれの作品によって違うし、その人がその作品の何を面白いと思っているかが違うからこそ「主観」が出るんじゃないかなぁと思います。逆に言うと、それを自分で分かってさえいれば他人に薦める際に「これこれこういう理由で○話から面白くなると俺は思うから、○話までは観てくれ!」と言えるんじゃないかと思うのです。



ケース1.序盤はキャラが揃っていない場合
 これは分かりやすい話。
 「序盤は敢えてキャラ数をしぼって視聴者の理解度を上げる」ことや「中盤に新キャラを投入して状況を変える」作品はよくあります。第1話には登場しないそのキャラクターが大好きな場合、「そのキャラが出てくる○話から面白くなるよ!」と言いたくなる気持ちはありますね。


 極端な例で言うと、『けいおん!』のアニメ1期ってあずにゃんが出てくるのが全13話中8話からなんです(13話目は番外編だけど)。あずにゃんのことが好きで好きで堪らないけど他の軽音部の連中は大嫌いで画面を汚すノイズにしか見えないような人にとっては、『けいおん!』は「7話まではクソだけど、8話から面白くなるよ」なんです。というかその人はよく8話まで我慢して観たな(笑)。

 これは冗談のつもりで書きましたけど、Twitterを見ていると例えばWヒロインのアニメに対して「○○ちゃん可愛いよ、ちゅっちゅっしたいよ。ハァハァ。△△は死ね。△△のグッズばっかり出すとかマジこの作品は頭おかしいわ」と言っている人とか普通にいますもんね………
 アニヲタって怖い(´;ω;`)って、私でも思います。



 あずにゃんのケースは極端としても、例えば『境界の彼方』で言えば2話で博臣・愛ちゃん・彩華さんが出てきて、3話で泉と弥勒が出てきて―――と第1話ではキャラが揃っていないというのはほとんどのアニメに言えることです。『境界の彼方』を1話で切った人は、博臣を知らないのですよ!博臣可愛いよ、博臣。

 あと、キャラは出ているけど……というケースもあります。『のんのんびより』の蛍は第1話では一番の常識人のように描かれていましたけど、第2話で「全員の中で一番アレな人だったーーーーー!」と驚かせてくれて、その後は作品を引っ張ってくれる存在になってくれました。


 こういう場合は「キャラが揃う○話辺りから面白くなる」とか「キャラが立ってくる○話辺りまでは観てよ」ということですし、そういう説明で薦めれば同意されるかはともかく納得はされると思います。ただ、この説明は結構なネタバレという気もするんですけどね……(そもそも、この記事の存在自体がネタバレという気もする・笑)。



ケース2.「最初の展開」が一段落した後から面白くなる場合
 『境界の彼方』の例ばっかりで申し訳ないのですが、むしろ『境界の彼方』を序盤で脱落したような人に読んでもらいたい話を書きます。

 「1週観逃しても大丈夫なアニメ」と「毎週観ないと楽しめないアニメ」

 この記事の中で私は「『境界の彼方』は1話観逃すと致命的なアニメ」と書いたのですが、そのリアクションで仲の良いフォロワーさんから「やまなしさんがプッシュしているので『境界の彼方』を5話から観始めましたが普通に楽しんでいますよ」と言われて自分の中の価値観とか世界観がガラリと変わってしまいました。

 でも、すげー納得なんですよ。
 『境界の彼方』を1話から観続けている人が「よく分からない……」と序盤で脱落してしまう姿をTwitterでよく見ていて、それがすごく自分は哀しかったのですけど。逆に途中から観始めた人は、「よく分からない」ことが「1話から観ていないから当然だろうな」と思えるので普通に楽しめていたという。



 もうちょっと補足します。序盤のネタバレありますけど。
 『境界の彼方』の序盤は1~4話が一つのまとまりになっていて、この4話で“ヒロインが仲間になる”過程が描かれます。だから私は4話で好きになったし、「4話まで観て!」と言っていたのですが。5話からはヒロインが仲間になった上での日常回が始まっているんですね。

 5話から観れば、キャラがちゃんと揃っているし、栗山さんが他者を拒絶しないでイチャイチャしてくれるし、一番心地の良い時期だったとも言えて。「5話から観始めたけど楽しめました」というのは、実は理に適っていたんじゃないかと思うのです。
 その人はその後にTBSオンデマンドで1~4話の有料配信を観たそうですけど(笑)。でも、「アニメは第1話から通して全話観続けるのが一番楽しい」なんてことはないという盲点に気付けました。



 『境界の彼方』に限らず、アニメでは「序盤は関係性が出来上がる」→「中盤はそこからの日常を描く」という構成の作品はたくさんあります。
 話題のきっかけとなった『氷菓』のアニメをちょうど自分は序盤だけ観返していたのですが、1周目の自分が観た時の「1~6話はあんまり面白くない」「7話以降は普通に面白い」という感想から2周目の自分もやっぱりズレそうにないなというところです。最終話まで観て「このアニメが大好きだ」と思った上でも、「1~6話はあんまり面白くない」んです。

 というのも、このアニメの序盤は「折木が変わる」「古典部の4人が仲間になる」関係性を描いていて、7話以降はそうして出来上がった関係から“古典部の外”に話が向かっていくんです。
 『氷菓』も『境界の彼方』同様に、「序盤は関係性が出来上がる」→「中盤はそこからの日常を描く」アニメと言えて。自分は『境界の彼方』は序盤も中盤も楽しかったけど、『氷菓』は序盤イマイチで中盤から面白くなると感じていたんだと分かりました。


 なので、こういう場合は「最初の話が一段落した○話辺りから面白くなるよ」と説明すればイイんです。ということで、『境界の彼方』を1話で切った人は5話から観ればイイんじゃないですかね!!!というか観てください!!頼みますから!!

 しかし、この話は逆のケースもあって……
 敢えて名前を出すので「みなさんはそうではないかも知れませんが、私はそうだった」というカッコ書きで読んでもらいたいんですけど、私は『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』1期や『翠星のガルガンティア』は「1~3話は超面白かった」けど「それ以降は別に……」でした。
 これらの作品も「序盤は関係性が出来上がる」→「中盤はそこからの日常を描く」構成のアニメで、私は序盤の「この話はどうなっちゃうんだ」というワクワク感が溜まらなく好きだった分、中盤以降の“落ち着いてしまった日常”をそれほど楽しめなかったのかもなぁと思いました。

 『ガルガンティア』は違いますけど、小説原作のアニメ化では結構宿命の話なのかもですね。原作1巻と2巻以降の違いと言いますか。



ケース3.どういう話なのかが分かると面白くなる場合
 これは『境界の彼方』もそうかなぁ……
 さっきは序盤→中盤の話をしましたけど、今度は中盤→終盤の変化の話です。

 ゼロ年代中盤辺りには「中盤までは日常回」「終盤一気にそれが崩壊して欝展開」というアニメは多かったですよね。危うく今具体名を出すところでしたが、ものすごくネタバレなことに気付いたので具体名は出しません(笑)。
 こうした作品は「怒涛の終盤」で一気に面白くなることもそうなんですが、「終盤にはこの日常が全部ぶっ壊れる」と分かって2周目を観ると序盤~中盤までも結構面白かったりするんです。ところどころに「この日常は永遠には続かない」とか「崩壊の予感」を思わせる伏線が張ってあったりして。


 欝展開とまでは行かなくても……
 「この作品が何を描いているか」が分かると面白くなるケースもあって、『たまこまーけっと』の9話でようやく自分が「俺はこのアニメは大好きだ」と思えたのは9話でそれが分かったからでした。今までのことも全部このためだったんだと分かって、作品のことを好きになれました。だから多分『たまこまーけっと』の2周目を観たら私は中盤までも普通に楽しめると思います。

(関連:「誰かを好きになるって楽しいね!」――『たまこまーけっと』が描いているもの


 でも、これって説明するのが難しいんですよね。
 「このアニメは終盤に日常が崩壊していくのが面白いんだよ!」なんて言ったら超ネタバレですし、「○話辺りからどんでん返しがあってねー」も相当なネタバレです。「二周目を観ると面白いんだよ」と言われると一周目はつまらないと思われてしまいそうですし。

 そう考えると、「○話から面白くなるよ!」はネタバレをしないで薦められる便利な言葉なんですね。もうちょっと踏み込んで「○話くらいから面白さが分かるようになるよ!」だとイイですかね。段々もう何がネタバレかよく分からなくなってきました。「全話観ろ!」でイイんじゃないかな(投げやり)




 さて……と。
 今回の記事を書いていて思ったことなんですけど、なるほど。だから日常系のアニメは強いんだと分かりました。

 『けいおん!』のあずにゃんの話や、『のんのんびより』の蛍の例もありますけど……基本的には「最初からレギュラーメンバーが揃っている」「最初から日常が始まっている」「最初からどういう話だかよく分かる」ので、「このアニメは○話から面白くなるよ」と言われないんですね。
 面白い人には最初から面白いし、面白くない人には序盤でもう面白くないことが分かるって安心感と安定感(?)があります。


 ちょうど冬アニメが始まった時期ですけど、第1話を観て「どれを残すのか」を考える我々面接官が重視するのは「第1話の面白さ」だけでなく「このアニメは今後伸びるのか」とか「他のアニメにはない個性があるのか」とかなので、最初から「面白さ」が分かる日常系のアニメは「即戦力の安牌」なんだと。将来性に期待の高卒ルーキーではなく、都市対抗で実績を既に残している社会人をドラフトで指名する感覚なんです。

 そう考えると、既に完結していて高い評判が確定しているアニメをレンタルDVD等で観るのは「大物外国人助っ人を大金で招集する」のに似ているし、数年前のアニメが再放送されているのを観るのは「FA宣言した日本人選手を即レギュラークラスで獲得する」のに似ているのかも知れませんし、アニメというのは野球なんだなということが分かりますね。分かりません。

| アニメ雑記 | 17:54 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

先払いの映画や小説やゲームなどと違って無料で観れるアニメでは序盤の人間関係を構築するところのかったるさって割と致命的な欠点だと思います。
まあ自分が序盤が嫌いってだけの話ですが。
そういう意味でドラマでたまにあるエピソード0商法はありがたいです。
作品と個人の性格によりますが「○話まで観て!」よりも「○話から観て!」の方がお勧めの仕方としては良いのかなとか思ったりします。

| Fe | 2014/01/13 18:33 | URL |

ガンダムの本放送は「再会、シャアとセイラ」から観たんで、何が何だか分からずに全く面白くなかったものです。
もちろん、その後、1話から順に観たらめちゃ面白かったわけですが。
まさにケース3ですね。

| 児斗玉文章 | 2014/01/14 12:21 | URL |















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