やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

どうしてコマンドRPGで「盗む」をしたくなるのか

 リクエストがあったので書きます。
 ただ、本当に『キミの勇者』に限定した話を書いても誰もついてこれないと思うので、日本のコマンドRPGにおける「盗む」という選択肢についての話を書こうと思います。


 コマンドRPGにおける「盗む」とは―――
 「攻撃」や「魔法」などと並ぶ戦闘時のコマンドの一つで、戦っている相手から「アイテム」を一つ盗み出すコマンドのことです。あくまでも“戦っている相手”から盗むので、“既に倒した相手”からは盗めない=倒す前に盗まなくてはならないというのが大きな特徴です。死体からモノを抜き取る方が楽だと思うのですが、敵を倒した後にもらえる「ドロップアイテム」と、「戦闘中に敵から盗めるアイテム」は違うというのが一般的です。

 通常の「盗む」ではダメージを与えることができないので、「攻撃」や「魔法」などのコマンドを選ぶことができず、行動を一手犠牲にしてまで「盗む」必要がありますし。後述しますが、「盗む」を使えるのは特殊なキャラクターや特殊な職業であることが多いので、メンバー編成の段階で「盗むが使えるメンバー」を選ばなくてはなりません。





 この“コマンドRPGにおける「盗む」”がいつからあるのかは調べてもよく分かりませんでした。
 初期のTRPGからあったのか、『ウィザードリィ』からあったのか、初期『ドラゴンクエスト』にはなかったことは分かるのですが『ドラゴンクエスト』後に雨後の筍のごとく現れた和製RPGの中から生まれたのか――――よく分かりませんでした。
 ファミコン版『ファイナルファンタジー3』(1990年発売)には「盗む」が出てくるのですが、攻略サイトなどを見る限り、後のシリーズで見られるような「レアアイテムを盗める」ワケではなかったみたいですね。



 今日の記事タイトルは“どうしてコマンドRPGで「盗む」をしたくなるのか”にしましたが、実を言うと私は「盗む」があまり好きではありませんでした。行動を一手犠牲にすることで攻撃回数が減り、その分だけ味方がダメージを喰らう=回復アイテムやMPを消費するから。

 そんな私が「盗む」を使うようになったのは、1992年発売の『ファイナルファンタジー5』からです。しかも、1周目をクリアした後の2周目からです。
 1周目の私は前述したとおり「攻撃回数を減らしてまで“盗む”をするのは非効率だ」と思っていましたし、「盗む」を使えるシーフというジョブ(職業)は攻撃力が低くて戦闘に不向きだと思っていたので使わなかったのです。

 しかし、1周目をクリアした後、ネタバレ解禁して他の人の話を聞いてみると……どうも「盗む」でしか手に入らないレアアイテムがあるそうで、それを持っているのは倒してしまった中ボスだからもう手に入らないとのことでした。



 そこでようやく私は、「盗む」の価値と、「シーフ」の価値に気付くのです。
 昔「『ファイナルファンタジー5』と「ダッシュ」」という記事で書いたことがありますが、このゲームは「ジョブシステム」というものを本当によく考えて作っていると思います。

 シーフという職業は、ナイトやモンクほど攻撃力があるワケではありません。
 白魔道士のように回復魔法が使えるワケでも、黒魔道士のように全体攻撃ができるワケでもありません。実際、『ファイナルファンタジー』1作目においてはシーフは「縛りプレイが好きなコアなプレイヤー以外にはオススメできない」とか言われていましたからね。

 しかし、『ファイナルファンタジー5』のシーフは、移動速度が2倍になる「ダッシュ」、見えない通路を見つけてくれる「かくしつうろ」、これでしか手に入らないレアアイテムが手に入る「盗む」等の“戦闘には直接役に立たないけど便利な能力”をたくさん持っています。
 元々RPGのパーティ編成は「役割分担」が大事だったと思いますし、『ドラゴンクエスト3』の商人(戦闘終了後にもらえるお金が増える)なんかもこの源流の一つだと思うのですが、『ファイナルファンタジー5』のシーフは更に分かりやすい形で“攻撃力も低いし魔法も使えないキャラでも様々な能力で役に立つ”ことを気付かせてくれました。




 「盗む」というコマンドを選ぶと、その間「攻撃」や「魔法」は使えません。
 「シーフ」というジョブを選ぶと、その間「ナイト」や「白魔道士」にはなれません。

 コマンドRPGで「盗む」をするためには、「戦闘時の一手」を犠牲にするだけでなく、メンバー編成でも「盗む用のメンバー」を入れなくてはならないのです。それだけのリスクを「盗む」というコマンドは背負っているのです。

 例えば、続編『ファイナルファンタジー6』の「盗む」キャラは序盤の主人公格のロックなのですが、ストーリーが進むことでロックがメンバーから外れている間は「盗む」ことができませんし、終盤メンバーを自由に選べるようになってもロックをメンバーに入れなければ「盗む」ことはできません。
 ロックは決して弱いキャラではありませんが、ロックのために4人しか入れないメンバーの1枠が埋まってしまうというリスクを「盗む」は背負っているのです。


 この記事を書くきっかけになった『キミの勇者』もそうです。
 「盗む」が使えるのは、アロマというキャラだけ。攻撃力も高くなければ、魔法に特化したキャラでもありませんし。「盗む」を使うためには、その星技(魔法のようなもの)をセットしなければなりません。「盗む」が使えるキャラをメンバーに入れて、他の魔法ではなく「盗む」を使えるようにキャラをセッティングしなければなりません。



 『ファイナルファンタジー5』でも『ファイナルファンタジー6』でも『キミの勇者』でも、序盤は「敵にダメージを与えられない:盗む」しか使えないのだけど、中盤から「敵にダメージを与えたついでに盗む:ぶんどる」といった技が使えるようになるのですが……
 これを使えるようにするにも、アビリティ枠だったりアクセサリー枠だったりを1つ使ってそれを可能にするというリスクはありますね。





 ということで……「盗む」というのは非効率なんです。
 そんなに強くないキャラをメンバーに入れて、わざわざ戦闘に関係のないことをしてまで、手に入るものが「アイテム一つ」(笑)。
 だから、盗めるアイテムがその辺で手に入る回復アイテムばかりとか、盗める確率がムチャクチャ低いとかだと本当に腹が立ちます。


 『キミの勇者』の場合、「盗む」をしようとするとオート戦闘にできないので他のキャラも全員Aボタン連打しなければならずプレイ時間が延びる延びる。
 その上、最初は「盗む」成功率が恐ろしく低い……一つのダンジョンをクリアする間ずっと「盗む」をしていたのに、盗めたのはやくそう2コとか。現在の私のプレイ状況では「盗む」成功率を上げる装備を手に入れて、「ぶんどる」に匹敵する技を使えるようになったのでまだマシですが。1週間前はイーッってなりながらプレイしていましたし。今の段階では、ザコ戦でも中ボス戦でも碌なものが盗めていませんけど……

 しかし、ここでじゃあ「盗む」キャラを外すと、そこでしか手に入らない超レアアイテムを持った敵とか出てくるかも知れないし……と「盗む」を外すこともできないという(笑)。



【ということで、三行まとめ】
・「盗む」をするためには、コマンド・メンバーともにそれ用のものを選ぶ必要がある
・それだけのことをしているのだから、ちゃんとしたアイテムを盗んできてください
・元祖ではないだろうけど、『FF5』ってホントよくできたゲームだったと思う


ファイナルファンタジー5ファイナルファンタジー5

スクウェア 1992-12-06
売り上げランキング : 5869

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| ゲーム雑記 | 17:58 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

元祖RPGであるD&Dではシーフは「罠を解除する」のが仕事でした。
宝箱の罠を解除したり、扉の鍵を開けたり、敵地に潜入して情報を得たり。

基本的に戦闘以外で活躍する職業であり、戦闘している眼の前の敵から物を盗むなんて行為は常識的に考えてできません。

容量の都合でRPGにおける戦闘のみがフィーチャーされたWizardryではシーフは宝箱の罠解除のみが仕事になってしまいます。

さらにFF1では宝箱に罠がなくなり、ついにシーフは何もすることがない弱いだけのキャラに成り果ててしまいました。

そんなシーフに再び存在価値を与えるために作られたのが
FF3の「盗む」でありFF5の「ダッシュ」「隠し通路」なんです。

| ああああ | 2014/04/04 12:14 | URL |















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://yamanashirei.blog86.fc2.com/tb.php/1733-96bf395e

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT