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「嫌いなキャラがいない世界」を欲する時

 自分は、毎年3月の年度末に「今年度観たアニメの中でお気に入りTOP5」を記しています。あくまで“私の好み”の話ですから大々的に「みんな読んでくれー!」と言うのではなく、個人的なメモとしてWEB上に残しておこうとしているだけなんですけど……


 WEB上に残すことで「その時の自分の精神状態」がよく分かるTOP5になっているなと思いますね。特に今年は、分かりやすく「嫌いなキャラがいない作品」を上位に並べているように思えます。

1.『銀の匙 Silver Spoon』
2.『境界の彼方』
3.『ガンダムビルドファイターズ』
4.『未確認で進行形』
5.『進撃の巨人』


 『進撃の巨人』はそうでもないですし、『ガンダムビルドファイターズ』はマシタ会長のことが大嫌いでしたけど(笑)。『銀の匙』『境界の彼方』『未確認で進行形』は、私にとって「嫌いなキャラがいない」ことで大好きになれた作品でした。

 これは前季のアニメ視聴ラインナップを決める時にも、今季のアニメ視聴ラインナップを決める時にも思ったことなんですが……今の私は、両親ともに入院をしていて、経済的にも肉体的にも不安を抱えているので精神的に相当キちゃっている状況です。
 こんな中でアニメを観る際にアニメに求めるのは「癒し」であり「安らぎ」なのだから、わざわざ「嫌いなキャラ」を観てストレスを溜めるのではなく、「登場キャラクターみんな大好き」という作品を欲してしまうのは仕方のないことだと思うのです。



 “悪意”が存在しないアニメを観たい時

 これは去年の夏アニメ『たまゆら もあぐれっしぶ』についての記事でした。
 あの頃の自分はまだこういう精神状態ではありませんでした。だから『たまゆら』よりも『進撃の巨人』が楽しめました。しかし、今の自分は『進撃の巨人』を楽しめる状態ではないんですね。きっと今観たら打ちのめされてしまいます。


<以下、引用>
 アニメを楽しめるかどうかは、私達次第だと思うんです。
 それは「訓練」とか「ひねくれ」とかじゃなくて、「自分がそれを欲しているか」という話。お腹が空いている時に食べるカツカレーは美味しいけれど、炎天下を10kmの走り込みをした後にカツカレーは食べられない、みたいな。

 <中略>

 でも、きっと。
 またいつか『たまゆら』のような「“悪意”が存在しないアニメ」を欲する時が来るんです。
 味付けの濃いものばかり食べ過ぎると家庭料理とかスローフードを求めるように、その時には『たまゆら』を観ればイイんです。

</ここまで>



 ただ、今の自分が欲しているものは「“悪意”が存在しないアニメ」というよりかは「嫌いなキャラがいないアニメ」かなと思います。
 前季の『未確認で進行形』には“嫉妬”も“劣等感”も“孤独”もありました。終盤に向けてシリアスな展開もありました。でも、出てくるキャラクターがみんなバカでみんな大好きだったから、私はこのアニメに癒されました。10話だったか、このはが仁子ちゃんに情報提供するシーンで私は「このアニメが本当に大好きだ」と思えました。



 詳しく書くとネタバレになるから具体名は出しませんが、『境界の彼方』には“敵”がちゃんと出てきます。原作では“世の中には悪い人がいる”というもっと分かりやすい表現がされていました。この作品は原作・アニメともに「“悪意”が存在する作品」だと思います。

 でも、私はその“悪い人”も嫌いになれなかったので、この作品が大好きだったのだと思います。“敵”もちゃんと理由があって行動していることが分かったから、“良い人”も“悪い人”も“敵”も“味方”も“男”も“女”も全員大好きでした。それは別に私が博愛主義者だからということではなく、最終話で主人公がとった行動を思い出せば、この作品が描いていたものはそういうことだと思えますしね。



 『銀の匙』が好きだったのも、出てくるキャラクターみんなが大好きだったということもありますし。そもそもこの作者の代表作『鋼の錬金術師』も、「誰もが“世界”を構成する一つ」を描いていた作品ですもんね。『鋼の錬金術師』はバトル漫画だったので“敵”が出てきましたけど、どうしようもなく憎い連中として描かれるワケではなかったので、“敵”のポジションのキャラも非常に人気が高かったですもんね。

 『銀の匙』は学園青春モノだから“敵”は出てこないし、序盤のピザを作る回の時点で酪農科・農業科・食品加工科・農業土木工学科・森林科学科と「色んな人の協力があって食べ物は出来る」と描いていて。だからもう、あの作品に出てくるキャラは誰一人嫌いになれなくて。あのアニメを1位にしたのも、やっぱりそこが一番大きかったのかなと思います。




 もちろんコレは“今の精神状態の私”が“好きなもの”というだけですから……みなさんにも当てはまるなんてことは思いません。
 みんながみんな「好きなキャラ」がちがうように、「嫌いなキャラ」もちがうことでしょう。『境界の彼方』の“敵”や『鋼の錬金術師』の“敵”が嫌いだったという人もいるでしょうしね。




 私がわざわざこんなことを文章化してまで語りたいのは……「嫌いなキャラ」がいることで成り立つストーリーだってあるのに、「嫌いなキャラ」がいない作品ばかりを選んでいてイイのだろうかということです。
 「嫌いなキャラ」をやっつけるストーリーとか、「嫌いなキャラ」が成長して「大好きなキャラ」になるストーリーとか、周りが「嫌いなキャラ」ばかりだからこそ際立つ主人公の孤独とか……「嫌いなキャラがいないアニメ」ばかりを選んでいる今の自分は、そういうものには出会えないんだなと思わなくもないんです。


 まだ第1話を観ただけなんですけど、今季の『悪魔のリドル』をどうするべきか悩み中……ストーリーとしても設定としてもすごく面白そうなのだけど、(一人を除いて)登場人物全員イヤなヤツという『アウトレイジ』のような作品で、まさに“「嫌いなキャラ」がいることで成り立つストーリー”になりそうなんですが。観続ける精神力が今の自分にあるのかどうか不安なのです。



 『けいおん!』が人気だった頃に批判意見としてよく言われていた「このアニメにはストーリーがない」とか。『たまゆら』に言われた「善意だけで出来ているアニメは毒だ」とか――――あの辺の表現はイマイチピンと来なかったんですけど、「嫌いなキャラのいない世界では物足りない」という表現ならば分からなくもないんですね。

 もちろん「嫌いなキャラ」は主観ですから、『けいおん!』や『たまゆら』に対して「私はあずにゃんが嫌いだ」「楓にょんも嫌いだ」という人が世の中に何人かはいるのは分かるのですが……それは作り手が意図していない「嫌いなキャラ」なので。
 作り手がしっかり意図して「みんなが嫌いになるキャラ」を出して、そこまでして描きたいものがあるんだ―――という作品でなかったことは確かなので。そういう批判は分からなくもないですし。


 逆に言うと、そういった「嫌いなキャラ」を排除していった世界にこそ「癒し」があるからこそ、あの頃も今も日常アニメに一定の需要があるんだと思いますしね。まだ観ていないけど『ご注文はうさぎですか?』も観ておくべきかなー。

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| ひび雑記 | 17:59 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

ただ、その世界の全住民が作者の分身になってしまうという欠点もあるんですよね。そこが難しい。

| 児斗玉文章 | 2014/04/14 12:08 | URL |















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