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何故「Wiiは“勝ちハード”だ」とは思えなかったのか

 「定義が曖昧なものについて語る」のは炎上の元ですが、Wii U、PS4が発売されて、Xbox Oneの日本国内の発売日も決まった今のタイミングだからこそ語っておこうと思います。“ゲームの勝ちハード”とは何なのか、何故ユーザーがそんなものに一生懸命になるのか―――



 もう「前世代機」と呼ぶべきなのか、Xbox360、PS3、Wiiの世代のゲーム機について“勝ちハード”を語る際に「最初はWiiがダッシュしたけどすぐに息切れしたので、PS3が逆転して“勝ちハード”になった」と言っている人をよく見かけます。日本国内の話ですね。
 私はこの意見に完全同意はしないのですが(理由は後述します)、「そう言っている人がいるのも分かる」レベルでは納得します。


 しかし、これって不思議なもので……
 「何故WiiよりもPS3が“勝ちハード”に思えるのか」は、なかなか説明しづらいのです。


 例えば、国内の本体普及台数で比較すると――――
 Wiiは1275万台PS3は956万台だそうです(どちらもWikipediaの数字です)。

 本体の普及台数で言えば、Wiiの方がPS3よりも普及しているのです。


 では、ハードではなくソフトで比較してみると―――
 国内100万本以上を売り上げたミリオンセラータイトルで言うと、Wiiが14本あるのに対して、PS3は『ファイナルファンタジーXIII』の1本のみ(データはゲームデータ博物館さん参照)。

 話題になった大ヒットソフトの数で言っても、Wiiの方が多いように思えます。




 ここまでの流れで誤解されたかも知れませんが、私は別に「Wiiの方がPS3よりも真の“勝ちハード”なんだ!!」と言いたいワケではありません。私は、WiiもPS3もXbox360も“勝ちハード”になれなかったと思っていますし、「据置ハードには勝利者のいない世代」だったと考えています(重ねて書きますけど、国内の話ね)

 “勝ちハード”はニンテンドーDS国内普及台数3296万台、国内ミリオン36本)で。
 それに続いたのはPSP国内普及台数1926万台、国内ミリオン3本)で、WiiとPS3がしていたのはせいぜい「3位争い」だと私は思っていますもの。


 ただ、まぁ……
 私は「Wii Uのライバルは3DS」という記事を書いていたくらいですから、こう考えていますが。
 「据置ハードと携帯ハードは別物」と考えている人もいるでしょうし、「PS3が“勝ちハード”になった」と言っている人は据置ハード三機種の中で、って意味で言っているのでしょうね。それだったらまぁ、分からなくもないです。



 では、再びこの問いに戻ります。
 「何故WiiよりもPS3が“勝ちハード”に思えるのか」

 私はWiiというハードが大好きでしたし、夢中になって遊んでいました。
 しかし、そんな私でも「Wiiは“勝ちハード”だった」とは思いません。一度たりとも思ったことはありません。『Wii Sports』『Wii Fit』で本体が飛ぶように売れまくっていた2007年の時ですら、「Wiiはどうやったら“勝ちハード”になれるんだろうな」と思っていたくらいです。

 本体が売れまくっていても、ソフトが売れまくっていても、“勝ちハード”に思えなかったんですね。2007年のWiiと比較しても、今の3DSや、今のPS3の方がまだ“勝ちハード”に思えますもの。



 それはつまり、私にとっての“勝ちハード”の定義が「本体がたくさん普及するのが“勝ちハード”」でも「ミリオンセラーのソフトがたくさん出るのが“勝ちハード”」でもなくて、「なんとなくソフトが集まってくるのが“勝ちハード”」と考えていたからなんです。


 Wiiは(少なくとも2007年頃は)ハードもソフトも売れまくっていました。しかし、ソフトは集まってきませんでした。なので“勝ちハード”とは思えなかったのです。つまり、私の思う“勝ちハード”の定義は、売上ではなかったのです。

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○ 何故、ユーザーは“勝ちハード”を望むのか
 ネット上でゲームについて熱く語っている人の中には「そんなにゲームが好きなら全機種買えばイイ」と言う人がいます。「モンハン遊びたいけど3DS持っていないからVitaで出せ」とか「ベヨネッタ2のためだけにWii U買いたくないからPS3で出せ」とか言う人に対して、よく言われる言葉なんですけど………

 「遊びたいゲームは持っている機種で出て欲しい」って願うのは普通のことだと私は思います。趣味なんだからなるべく出費は抑えたいし、部屋にゲーム機がどんどん増えるよりかは持っている機種で遊べる方が楽ですもん。



 持っている機種が“勝ちハード”になって欲しい心理は、これが前提だと思います。
・持っている機種が普及する→サードメーカーが「この機種なら売れそうだ」とソフトを出してくれる→遊びたいソフトが持っている機種でバシバシ出てくれる→余計な出費(他の機種を買うとか)を出さずに遊びたいゲームが遊べてハッピー!

 逆に、持っている機種が“勝ちハード”にならなかった時の哀しさと言ったら……
・持っている機種がちっとも売れない→サードメーカーが「ここに出しても売れなさそうだ」とソフトを全く出さない→遊びたいソフトは持っていない機種で出まくる→遊びたいゲームを遊べない!不幸だ!!



 これが基本的な“勝ちハード”の流れ。
 しかし、実際には「普及台数」だけでは“勝ちハード”かどうかは決まらないんですよね。


【Wii】
・本体がガンガン売れまくる(2007年頃は)→でも、サードメーカーのソフトはあまり売れない→サードメーカーが「Wiiに出しても売れなさそうだ」とソフトを出さなくなってくる→PSPやPS3はサードメーカーのソフトがどんどん出ている(ように思える)→Wiiでは遊びたいゲームを遊べない!不幸だ!!

【PS3】
・本体普及台数はそれほどでもなかった(2009年までは)→他機種とのマルチや、後発完全版ででもソフトが出る→他機種版よりもソフトが売れる→サードメーカーが「PS3なら売れそうだ」とソフトを出してくれる→遊びたいソフトがPS3でバシバシ出てくれる→PS3なら余計な出費(他の機種を買うとか)を出さずに遊びたいゲームが遊べてハッピー!


 「本体が普及する=“勝ちハード”」だから「ソフトが集まる」のだと私はずっと思っていたのですが、「ソフトが集まるハード」=「“勝ちハード”」だったんです。本体の普及台数は必ずしも関係ないということを、本体が普及してもサードメーカーが次々と撤退していったWiiという特殊なハードが現れたことで気付けました。




 んで、ここからが重要な話なんですが……
 「遊びたいゲームが集まってくるのが“勝ちハード”」という定義で考えると、その人の「遊びたいゲーム」によって“勝ちハード”は変わってくると思うんです。

 例えば、スーパーファミコンよりもPCエンジンの方が性能的に向いているから、2DシューティングゲームはPCエンジンの方がたくさん出ていた―――とするならば、2Dシューティングゲーム好きな人にとってはスーパーファミコンよりもPCエンジンの方が“勝ちハード”なワケですよ。

 例えば、まだパソコンがクソ高くて規制が厳しくなる前の1996年頃までは、ちょっとエッチなゲームが好きな人にとってはプレイステーションよりもセガサターンの方が“勝ちハード”だったワケですよ。パソコンが普及して、ブロードバンドが普及して、海外経由で手軽に無修正エロが見られるような現代からすると、「おっぱいが見たくてゲーム機で必死にゲームしてた」というのは信じられないような話ですが(笑)。



 逆に言うと……Wiiは、いわゆる「普通のゲーム」はあまり売れず、そのためにサードメーカーが次々と撤退していってしまったのですが。「体感ゲーム」や「多人数プレイ用のゲーム」などはたくさん売れて、恐らく同時代のどのゲーム機よりも集まっていたと思うので、「体感ゲーム」や「多人数プレイ用のゲーム」が好きな人にとっては“勝ちハード”だったのかも知れませんね。(※1)

 「Wiiは“勝ちハード”だとは思えなかった」というのは、「普通のゲームも出て欲しい」という私個人の意見であって。「体感ゲーム」や「多人数プレイ用のゲーム」を遊びたくてWiiを買った人はそんなこと気にしていなかったかもなぁ……と、今更ながらに思ったワケですし。

(※1:あと、もちろん「任天堂のゲームが遊べれば満足」という人にとっても)


 ちょっと禁断の話題かも知れませんが。
 スマホは“勝ちハード”になるのか――――というのも、例えば『パズドラ』的な育成RPGが好きな人にとっては、そういうゲームが集まっている現状で既に“勝ちハード”なのかもって思います。
 育成RPG以外でも、スマホの操作方法でも問題ないゲームはたくさんあって、そういうゲームが好きな人達は「スマホがあればゲーム機なんていらない」「スマホがあれば無料でゲームが出来るのに、どうしてゲーム機なんか買うの」と言っていますし。

 逆に、「物理ボタンが絶対に必要なゲーム」が好きな人にとっては、「俺の好きな○○はスマホじゃ操作できねえよ!」と“勝ちハード”とは認められないってことなのかと思います。
 この状況は、ある意味では売れたゲームのジャンルが非常に偏っていたWiiに似ているとも言えますね。「普通のゲーム」が好きな人にとってはWiiは“勝ちハード”になれなかったように、「物理ボタンが絶対に必要なゲーム」が好きな人にとってはスマホは“勝ちハード”になれない、みたいな話。




 “勝ちハード”という言葉からは客観性というか「数字で表せるもの」でジャッジできそうな印象を受けてしまうのですが、結局は「自分の遊びたいゲームが出るか」次第なので、非常に主観的なものなんだって思うのです。

 「ドラクエが出たのが“勝ちハード”」という定義だったら客観的に誰の目で見ても分かりやすかったんですけどね。ドラクエ本編は“勝ちハード”を選んで発売されるから。ただ、それだと『ドラクエ10』が出たWiiもWii Uもパソコンも“勝ちハード”ということになってしまいます(笑)。スマホ&タブレット版もあるんですっけ。もうみんな“勝ちハード”!みんな一等賞だ!!
 それもまぁ、『ドラクエ10』がほぼオンライン専用というイレギュラーなソフトだったこともあるんですけど、「勝者のいない据置ハード」というイレギュラーな世代を象徴しているとも思います。


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| ゲーム雑記 | 17:59 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

いちゲームファンとしてはソニーも任天堂もがんばってくれと思うのですが、
いわゆるゴキブリさんたちの情報操作も効いているみたいです。
最近では、ことあるごとにWiiU大爆死ーWiiU大爆死ーとの書き込み
(PS4日本発売後はあまり見なくなりましたが)
基本的にソフトもターゲットもほとんどかぶってないのだから
足の引っ張り合いはして欲しくないですね。

| ああああ | 2014/05/12 03:13 | URL |

勝ちハードの定義が遊びたいゲームが集まってくるハード、
というアイディアは私も妥当だと思いました。

もし、「遊びたいゲーム」という主観を取り除いて、単に
ゲームが集まってきた数を計れば、客観的な勝ちハードを
表せるかもしれません。

それにしても、任天堂はWii Uで勝ちハードを狙いに来た
はずなのに、現状のような結果になってしまって、私は
残念に思います。


tos.

| tos | 2014/05/13 10:13 | URL |

なるほど。とても参考になります。ある意味価値も負けもないのかもしれませんね。あくまで相対的なものであり、絶対的なものではないと。

| ああああ | 2016/10/03 07:12 | URL |















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