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これぞ大冒険!『マーヴェラス ~もうひとつの宝島~』紹介

【三つのオススメポイント】
・任天堂のアドベンチャーゲームの集大成であり、到達点
・勇者ではない「普通の子ども達」の大冒険が描かれる
・取っつきやすく始まり、終盤は歯ごたえ十分という流石の難易度調整


『マーヴェラス ~もうひとつの宝島~』
 スーパーファミコン用/アクションアドベンチャー
 任天堂
 1996.10.26発売
 公式サイト
 Wii Uバーチャルコンソール用
 2014.2.12配信開始/762円+消費税
 公式サイト

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任天堂 1996-10-26
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※ この紹介記事はWii Uバーチャルコンソールにてダウンロード販売されたものをプレイして書いているので、オリジナルのスーパーファミコン版とは内容が異なっている可能性があります。

○ 任天堂のアドベンチャーゲームの集大成であり、到達点
 何と言っても、青沼英二さんの初ディレクター作品です。
 1991年に発売された『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』に触発された青沼さん(当時の姓は小野塚さん)が、「自分なりのゼルダ的な作品を作ろう」と作ったのがこのゲームで―――このゲームの成果を買われてか、後に青沼さんは『ゼルダ』製作に関わることになり、現在では『ゼルダ』シリーズを統括しているプロデューサーになっているという流れです。

 要約すると、『ゼルダ』が大好きな人が作ったゲームで、その人が後に『ゼルダ』を作る人になるくらいこのゲームは『ゼルダ』シリーズと密接な関係にあるということですね。


 という話を聞いていたので、自分はプレイ前は「現代版『ゼルダ』」みたいなイメージでこのゲームを考えていたのですが、実際にプレイしたらそんなに『ゼルダ』じゃなかったです!!
 公式サイトには、『鬼ケ島』と『ゼルダ』が手を組んだようなゲームと書かれてたように……どっちかと言うと『新・鬼ヶ島』や後の『はじまりの森』のような「任天堂のテキストアドベンチャー」の系譜を受け継ぎつつ、「任天堂のアクションアドベンチャー」の代表作である『ゼルダの伝説』シリーズのエッセンスを盛り込んだようなゲームになっていました。

 「テキストアドベンチャー+時々アクション」と表現すべきですかね。
 普段の画面は『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』のような見下ろし型の2Dアクションアドベンチャーそのままですし、操作感覚もとても『神々のトライフォース』に近いのですが……サーチシステムで画面の好きなところを調べたり、時折アップの表示になったり、遊んでいる感覚は「テキストアドベンチャー」のそちらの方に近いと思われます。

 marvelas1-2.jpg
<普段の見下ろし型の画面>


 marvelas2-2.jpg
<時々出てくるアップの画面>


 「テキストアドベンチャー」の系譜なので、ストーリーも非常に凝っています。
 それぞれ異なる島を舞台にした全5章で、それぞれの章ごとに異なる魅力があって、章によってはなかなか歯ごたえのあるアクション操作が求められたりもします。
 後述しますが、それ故に「アクションゲームが苦手だからアドベンチャーゲームを遊びたい」という人には苦しいゲームになるかも知れませんが、アクションもアドベンチャーも好きな人にとっては「次から次へと新しい遊びを提供される」おもちゃ箱のようなゲームと捉えられると思います。


 「テキストアドベンチャー」と「アクションアドベンチャー」の融合という意味では「集大成」と言えますし、この完成度の高さは「到達点」と言っても過言ではないと思います。
 自分のクリア時間は14時間(ネタバレ防止のために文字を反転させて読んでください)。ダラダラと同じことが続いたりはしない密度の濃さを保ちながら、テキストアドベンチャーとしてはなかなかのボリュームだと思います。


 元々はスーパーファミコン用CD-ROMシステム版として開発されていたものが頓挫してしまったこともあり、発売時期が既にNINTENDO64が発売された後の上にゲームボーイの『ポケモン』人気が凄まじかった1996年秋となってしまって、知名度は低く“スーパーファミコン末期の隠れた名作”という不名誉な呼ばれ方をされるこのゲームですが。

 確かに、このゲームはスーパーファミコンを代表するゲームだと思いますもの。
 そのくらい完成度の高い盛りだくさんのゲームでした。



○ 勇者ではない「普通の子ども達」の大冒険が描かれる
 冒頭から書いたように「『ゼルダ』シリーズと密接な関係にある」このゲームですが、『ゼルダ』とは対照的なコンセプトのゲームだと思います。主人公は「普通の子ども達」なのです。

 例えば『ゼルダ』シリーズで主人公が使う武器と言えば、「弓矢」とか「ブーメラン」「爆弾」などですね。「剣」や「盾」ももちろん装備しています。
 しかし、『マーヴェラス』の主人公達は「普通の子ども達」ですから、「野球のボール」で遠くの敵をやっつけたり、「サッカーシューズ」で草を刈ったり、「釣竿」で遠くのものを取ったり。私達の身近にあるものをアイテムとして使うのです。これが『ゼルダ』とは違った魅力を出している一つの要因だと思います。


 また、このゲームの主人公は「三人のチーム」です。
 小さいけど素早い動きのディオン、太っているけど力持ちのマックス、のっぽで機械操作が得意のジャックの三人を切り替えながら進みます。

 「えー、三人のキャラを切り替えながら進むなんて大変そう」と思われるかも知れません。確かに自分も『新・鬼ヶ島』をプレイした際には、主人公の切り替えは「楽しい」というより「手順が増えて大変」と思った記憶があります。
 ただ、こちらのゲームは「操作キャラの切り替えがとても早い」「見下ろし型の画面なので位置関係が分かりやすい」「ワンボタンで三人並んで動かすことができる」と、プレイヤーがとにかく操作しやすいように心がけられているのです。

 その上で、「三人の主人公でなければ解けない仕掛け」もくどくない程度に出てきていて……それぞれのキャラが持っているアイテムを駆使するボスとのバトルは『ゼルダ』的でありながら、主人公一人だけを操作する『ゼルダ』では出来ない解法を求められるので。
 『ゼルダ』の単なる「劣化コピー」に留まらず、『ゼルダ』には出来ない面白さをしっかりと追求したゲームになっているというのがすごいです。



 主人公達のチビ・デブ・ノッポの三人は『ズッコケ三人組』を連想させる王道の組み合わせですし、全体的に「児童文学」っぽく、ストーリーも島から島へと渡る大冒険となっています。この「島」一つ一つが特徴的で、それぞれの場所で全然違う雰囲気のゲームになっているのにもワクワクさせられます。
 私が特にお気に入りなのは、第3章の島。決して明るいだけではない任天堂のダークサイドが見えるあの島は、『MOTHER』シリーズっぽい気もしますし、サスペンス要素もあってゾクゾクしながらプレイしていました。

 『新・鬼ヶ島』が「ふぁみこんむかし話」、『はじまりの森』が「ファミコン文庫」という副題を付けているのだから、こちらは「ファミコン冒険小説」という副題を付ければもっと知名度が上がり……そうにはないか(笑)。



○ 取っつきやすく始まり、終盤は歯ごたえ十分という流石の難易度調整
 今も昔も、任天堂のゲームの魅力と言えば「難易度調整」にこそあると思います。
 序盤は簡単なお使いが続きます。説明書を読まなくても、このゲームの操作方法、このゲームの世界観、このゲームならではの解法を伝えるチュートリアルからしっかり始まります。

 序盤はアクション操作の要求は少なめで、アドベンチャー部分も「ヒント」をもらえます。
 ピラックという鳥を呼び出せばいつでもヒントをもらえるのです。この「常に付いてくる相方が謎解きのヒントを教えてくれる」のは、後の『ゼルダ』シリーズの定番なのですが……後の『ゼルダ』が「じゃあ常にヒント聞き続ければイイんじゃね」という問題に直面して、最新作『神々のトライフォース2』にて「ヒントはゲームコインと引き換えにしかもらえない」という落としどころにたどり着くのですが。

 『マーヴェラス』はこの時点で「ヒントはラックロックと引き換えにしかもらえない」んですね。
 ラックロックは(やりこみ要素を無視すれば)余る人がほとんどでしょうが、ヒントをもらうのに心理的なブレーキをちゃんとかけさせられている辺り、この時点でよく考えられているなーと。


 章が進むと、徐々にアクション要素が強まり、アドベンチャー部分の「ヒント」も不十分になっていきます。ピラックに言われるがままに進めれば良かった序盤から、徐々に“自分の力で”解いていかなければならなくなるのです。これがこのゲームには「自分で冒険している」感があると感じる一因でもあります。

 終盤はアクションゲームとしても、アドベンチャーゲームとしても、それなりの歯ごたえに。
 この難易度調整は見事だと思いますが。正直、自分は「Miiverse」と「まるごとバックアップ」がなければ心が折れていたかも知れません(笑)。5章の見えない床とか、「まるごとバックアップ」なしでやるとどうするのよ……


 ということで、このゲームの「欠点」というか、こういう人にはオススメできないかなーという「弱点」を考えると。「アクションゲーム」の要素も「アドベンチャーゲーム」の要素も盛りだくさんに詰め込まれているが故に、「どうしてもアクションゲームは無理」って人にも「どうしても謎解きは無理」って人にもオススメできないという弱点はあるかなと思います。
 このジレンマは『ゼルダ』ですら抱えている弱点だから、なかなか難しいですね……

(関連記事:「アクションゲームが苦手な人でも安心して楽しめます!」の裏表


○ 総評
 ゲームとしての完成度はズバ抜けていて、任天堂のスーパーファミコンソフトの中でも『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』や『MOTHER2』等とも肩を並べられる作品だと思います。『ゼルダ』シリーズが好きな人、アクションアドベンチャーのゲームが好きな人、アクションゲームもアドベンチャーゲームも両方好きな人には是非オススメです。


 「冒険してる!」というワクワク感がこんなにも味わえるゲームはそうそうないと思いますし、出てくるキャラクターやテキストもイイ味出しているんですよねぇ。チマチマ動くドット絵も見事。

 ネット上でレビューを検索しても絶賛の嵐のゲームなんですが、知名度の低さゆえに「続編」も「リメイク」も出ていませんし、このゲームの流れを汲んだ「アドベンチャーゲーム」自体を任天堂はもう出していないんですよね。残念。バーチャルコンソールでバカ売れして、「マーヴェラスみたいなゲームをまた作ろう!」となってくれないものかしら。

 そう考えてしまうくらい魅力的なゲームでした。

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| ゲーム紹介 | 17:50 | comments:5 | trackbacks:1 | TOP↑

COMMENT

5章の見えない床は、「ジャンプで行くぜ!フッフーウ!」なんて思って向こう岸に着いてから絶望しましたww

| しじみ | 2014/05/15 19:18 | URL |

>しじみさん

 試しにジャンプで行ってみようと、今確認してみたら……全部の床が表示されていても不可能でしたw

| やまなしレイ(管理人) | 2014/05/15 20:17 | URL | ≫ EDIT

名作だと思う。だが最後のダンジョンにスライドパズルを入れたのは絶対許さない。

あそこまだ解けない。

| ああああ | 2014/05/15 23:32 | URL |

>やまなしレイサン
さっきまた床が表示されている状態でジャンプで行ってみると、前に出来たのは偶然だったみたいで、無理でしたww

| しじみ | 2014/05/16 18:02 | URL |

はじめまして

今はバーチャルコンソールで配信されているんですね~。中学の頃に中古屋で見つけて夢中で遊んだのを思い出します……。
最後のスライドパズルがなかなか解けなくて、一年近く放置仕掛けたのも懐かしいです。

| 雨令 | 2016/06/16 05:48 | URL |















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