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任天堂のフィギュア“amiibo”でゲームは面白くなるか

 今年のE3の任天堂プラットフォームでの話題と言えば『Splatoon(スプラトゥーン)』が独占してしまった感はあるのですが……「Wii UのNFC機能を活用した戦略」であり「任天堂のキャラクターIPの活用の第1弾」としてプッシュされている(※1)「amiibo」が、E3でお披露目されていました。

 Nintendo News | 『amiibo(アミーボ)』っていうゲームとつながるフィギュアです!!



(※1:株主総会の質疑応答A14参照)


 任天堂のゲームキャラクターのフィギュアですが、単に「飾って眺める」だけでなくて、Wii UのNFC機能を使って「ゲームパッドにフィギュアを載せるとゲーム内にフィギュアのキャラが登場する」等の特別な効果が起こります。また、3DSにも別途周辺機器が必要ですが来年以降に対応タイトルが出てくるとのことです。
 どういう使い方をするのかはソフト次第で、現時点で遊び方が発表されているのは『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』での「フィギュアのキャラを育成することが出来る」遊び方だけです。



 「効果」だけを考えるなら、フィギュアである必然性はありません。
 いや、むしろ「フィギュアである」ことのデメリットは大きいです。
 まず「高価になってしまう」こと。現在噂されているamiiboの価格は1000~1500円くらいで、1つだけ買うならともかく新作ゲームの発売ごとに買っていたら馬鹿にならない出費になってしまいます。もしこれが「キャラクターの絵が描かれているカード」だったら200~300円に抑えられていたろうに。

 また、フィギュアであるがゆえに「保管スペースを取り、持ち運びしづらい」ということもあります。
 カービィやむらびとのフィギュアならともかく、リンクやマルスのフィギュアは細い剣を持っていますし、ゼルダやWii Fitトレーナーのフィギュアは長くて細い手足が伸びています。友達の家に持っていこうとしたら、途中でへし折れてしまわないか心配です。もしこれが「キャラクターの絵が描かれているカード」だったら、カードケースに入れて何枚でも持ち運び出来たろうに。


 しかし、私はこの「無駄」とも言える「フィギュアであること」が面白いなと思うのです。
 「音楽CD」よりも「音楽データ」で購入する人が増え、ゲームも「パッケージソフト」以上に「現物のないスマホのゲーム」を遊ぶ人が普通になり、「本」ですら「電子書籍」で読むことに抵抗がなくなった人も多くなってきました。“現物を所有する”ことの意味は、10年前と現在では随分と変わったと思います。

 そんな中で、敢えてフィギュアですよ。
 とてつもなく「非効率」だけれど、考えればゲームなんて「非効率」の塊です。
 「効率」だけを考えるなら「電源を入れた時点でエンディング画面」が一番イイと思うのですが、操作方法を覚えて、難解なコースを攻略して、何度もゲームオーバーになって、上達の先にクリアしてエンディング画面に到達するのが面白いというのがゲームなんですもの。


 amiiboは効率の悪いフィギュアだからこそ、愛着が湧いて面白くなる―――という狙いがあるんじゃないかと思いますし、その狙いから考えて「amiiboでどうゲームが面白くなる可能性があるのか」を考えていこうかなと思います。



1.“手元のフィギュアを成長させる”育成ゲーム
 これは、実際に『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』で発表されている使い道です。
 amiiboを持っているキャラクターをゲーム内で成長させて、自分と戦ったり、チームを組んで友達と戦ったり出来るという機能です。
 これは桜井さんのアイディアなのか、任天堂側から提案したアイディアなのかは分かりませんが……これは「amiiboという新商品を分かりやすく説明する見事な使い方」だと思いますし、「『スマブラ』というゲームにも非常に合った使い方」だと思います。「フィギュア」と「育成ゲーム」と『スマブラ』の組み合わせはとても相性の良い組み合わせだろうと。


 まずは「フィギュア」と「育成ゲーム」の相性から。
 マリオのフィギュアを持っていればマリオを育成できて、ピカチュウのフィギュアを持っていればピカチュウを育成できる―――とてつもなく分かりやすいですし、「マリオのカードを持っていればマリオを育成できる」以上に「マリオのフィギュアを持っていればマリオを育成できる」は直感的な分かりやすさがあると思います。

 このブログを読んでいるオッサン共には「マリオなんて育てて楽しいのはガキだけだろうが!」と言う人もいらっしゃると思いますが、『スマブラ』ではない他の「育成ゲーム」で考えればその魅力が伝わるかも知れません。

・小早川凛子のフィギュアをかざせば、自分が育てた自分だけの小早川凛子がゲーム内に登場する
・『nintendogs』には犬のフィギュアが付いてきて、そのフィギュアに自分だけのデータを記録していく
・『ファイアーエムブレム』の歴代女性キャラのフィギュアを買うと、新作『ファイアーエムブレム』で仲間になって育てられるぞ!


 最後のはちょっと勘弁してください(笑)。

 愛着の湧きやすい“現物”だからこその魅力を考えると、amiiboを「育成ゲーム」に活用するというのはとても合理的な使い方だなぁと思うのです。


 次に「フィギュア」と『スマブラ』の相性
 『スマッシュブラザーズ』というゲームは、言うまでもなく色んなゲームの色んなキャラクターが登場するゲームです。ソニックやロックマンやパックマンなどのサードメーカーのキャラクターのamiiboが登場するかは微妙ですし、Miiファイターはその特性上amiiboを用意できないと思うので、全キャラクターのamiiboが発売するワケではないと思いますが。

 「たくさんのキャラのフィギュアを出すから、好きなの選んで買ってね」というラインナップとしては、『スマブラ』以上のラインナップはないと思います。「amiibo対応タイトル第1弾は『ピクミン』です!」って言われたら、ピクミンのキャラのフィギュアしか発売されませんからね(笑)。

 また、1000~1500円くらいの価格になるとの噂で「高価」と先ほどは書きましたが、全種類コンプリートさせるのではなく「大切な1コを選ばせて買わせる」のには良い値段だとも思います。
 『nintendogs』のパッケージを3種類用意したのには「ペットショップでどの子を選ぶか悩むようにゲームを買う前に悩んで欲しい」と言う理由があったように、amiiboもどれを買うか悩ませるに丁度イイ価格と相応しいラインナップになると思われます。


 最後に『スマブラ』と「育成ゲーム」の相性
 桜井さんは以前から「シリーズものは4作目が転換点になる」と仰っていて、今回はシリーズで初めてキャラクターのカスタマイズが可能になるとのことです(※2)
 色んなモードを遊んでいると様々な装備が手に入るので、キャラクターの性能を自分の自由に変えられるようになる―――と。

(※2:一応書いておきますけど、オンライン対戦のランダムマッチでは使えないそうです)

 しかし、これ……『スマブラ』みたいなゲームにはあまり意味がないんじゃないかなと私は思っていました。『スマブラ』はもう15年の歴史があるシリーズですから、上手い人は既に超上手いんです。「自分を育成する」要素では、むしろ上手い人と下手な人の差が広がっていくだけだと思うのです。
 だから、「フィギュアを育てる」。戦えば戦うほど強くなり、育て方によって別の成長をして、実際に戦ってくれるのはフィギュア。いわっちはレジーに勝てなかったけど、いわっちが育てたマリオのフィギュアがレジーを倒したことが象徴するように――――上手くない人でも楽しめる「新たな育成モード」を、amiiboによって『スマブラ』は得ることが出来たという。


2.ゲームの外の“トレーディング要素”をゲーム内に持ち込む
 これらのフィギュアは『スマブラ』専用のフィギュアというワケではなく、『スマブラ』のために買ったフィギュアを他のゲームで使うことも出来ます。Nintendo Newsにはこう書かれていますね。

<以下、引用>
たとえば「マリオ」の『amiibo』を使うと、プレイヤーとして登場するソフトもあれば、ちがうソフトでは「マリオの帽子」などのアイテムをもらえるものも!
</ここまで>

 今の時点ではもちろん決まっているワケではないでしょうが、Wii Uの『どうぶつの森』にマリオのフィギュアをかざすと「マリオの帽子」が手に入り、Wii Fitトレーナーのフィギュアをかざすと「バランスWiiボード」が手に入るみたいな要素はありそうですね。
 その場合、任天堂一社で権利を抱えているワケではないキャラはどうなるのか気になるところです。カービィとかポケモンとかファイアーエムブレムとかはデベロッパーにも権利があるので、『どうぶつの森』のアイテムとしては登場してきませんでしたが……果たして。


 さて、こうなると恐らくこういう疑問が出てくると思います。
 「え?アイテムをコンプリートするためには、結局amiibo全種類買わなきゃいけないってこと?」と。しかし、一人では全種類持っていないからこそ「友達同士での交換」などが盛り上がるのだし、『どうぶつの森』はそういうことを促すゲームだったと言えます。

 もちろんフィギュアそのものを交換させるワケではなくて、フィギュアを持っているプレイヤーと通信をするとアイテムを渡せるとか、持ってきたamiiboをかざすと友達にもアイテムを渡せるとか―――その辺は分かりませんけど、
 クラスにマリオののamiiboを持っている人は多いので「マリオの帽子」は供給過多なのだけど、キャプテンファルコンのamiiboを持っているのは一人しかいないから「ブルーファルコン」はソイツに頼まないともらえないとか、なかなか面白いことになりそう!キャプテンファルコンが『スマブラfor』に出るかは知りませんけどね!


 他のゲームの場合は『モンハン』に「ゼルダ装備」が登場したように、コラボレーション企画に使ったりはありそうですね。マリオのamiiboを持っていると、『Splatoon』の着せ替えでマリオの服が出るとか。

 しかし、その場合はそれこそ「全種類買わなくちゃいけないのか」問題が発生しますし。
 マリオやリンクはしょっちゅう他作品とコラボしていますけど、ポケモンなんかは権利の問題でコラボのハードルが高そうですし……「みんなが持っていないから俺はキャプテンファルコンのamiiboを買うぜ!」とした結果、どこともコラボしないとかもありそうですし(笑)。


 キャプテンファルコンのamiiboを持って『マリオカート8』を遊ぶとブルーファルコンが使えるようになる……みたいのは分かりやすいし面白いと思うんですけどね。
 リンクのamiiboを使うとエポナで走れて、ネスサンのamiiboを使うと自転車で走れる―――ヤバイ、夢が広がる!(ムチャ言うな)


3.「常に売れ続ける商品」になれるかどうか
 この話は直接「“amiibo”でゲームは面白くなるか」とはちょっと関係ないかも知れませんが……ゲーム会社ってホント大変な商売だと思うんですね。現代のゲームは1本のゲームを作るのに何年もかかるのが当然、そのソフトを発売しなければ収入にならないのに毎年「決算」の時期はやってくるし、発売までに何年もかけたソフトが売れるのは発売後数週間だけ―――

 なので、ゲーム会社は「安定して売れるシリーズ作品を毎年出して“マンネリ”と叩かれる」とか、ゲーム以外の柱となる事業を確保するとか、常に収入を得られるオンラインゲームに力を入れるとか……様々な道を歩んできました。
 ここ数年「決算」としては苦しい数字を出している任天堂は、「シリーズ作品」は既にやっていて、ゲーム以外の事業は「QOL」として新しく始めると宣言していて、オンラインゲームの「月額課金」や「アイテム課金」には消極的―――こんなところです。


 amiiboの「フィギュアを一つ買えば色んなゲームで使えるよ!」という構想は、買い手としても出費を抑えられるメリットがありますが、販売する任天堂にとっても「一つのフィギュアを売り続けられる」というメリットがあると思うのです。
 例えば『スマブラ』のために作ったヨッシーのフィギュアが、来年発売の『毛糸のヨッシー』に「ヨッシーのamiiboを持っていると追加のステージが遊べるよ!」という使い方をすれば、またそこでヨッシーのフィギュアが売れる機会が生まれるかも知れません。

 月額課金やアイテム課金は実体のないデータにお金を払うことに抵抗のある人もいるでしょうし、例えば孫へのプレゼントに不向きだとか言われますが、「フィギュアを買えば追加のコンテンツも付いてくる」だったら抵抗が薄くなるでしょう。
 アコギな商売に思われないバランス取りは難しいでしょうが、「基本無料だけどガチャで集金するスマホのゲームを出す」よりかは「フィギュアを買うとゲームがもっと楽しめるよ!」は任天堂らしいかなと思います。


 んで、こうやって「一定の収益を得る」活用方法として考えられているのなら……やっぱりamiiboは最初は「1つ買えば十分」なのだけど、次第に「たくさん集めたくなる」仕掛けをしてくるんじゃないかって思えてきますね。

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【三行まとめ】
・フィギュアであることで「育成」に愛着が湧くようになる
・全種類を集められないからこそ「交換」が重要になる
・たくさんの種類を買いたくなる「収集」要素も出てくるか?


 「育成」「交換」「収集」……
 そうです。我々はこのゲームを既に知っているはずです。amiiboと、とても相性の良いゲームが既にあるのです。



昆虫モンスター スーパー・バトル

 あっ、間違えた!




ポケットモンスター X ポケットモンスター Y

 次の『ポケモン』本編がamiibo対応になるかとか、amiiboに特化した『ポケモン』スピンオフ作品が出るかとか……そこまでは私は言い切りませんけど(なにせポケモンって数が多すぎるし……)、かつて『ポケモン』が世に出てきて大ヒットした時のような「面白さの原液」をamiiboも持っているんじゃないかと思うのです。


 だから、なるべく多くのソフトがamiibo対応になって欲しいですし、多くのキャラクターのamiiboが出て欲しいです。『Devil’s Third』とか、『零』のamiiboも出して欲しいですね!Wii Uの『零』はゲームは置いといても、フィギュアだけでも欲しいです!

( ゚∀゚)o彡゜

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| ゲーム雑記 | 18:02 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

ドラクエの次回作は据置機になる?なんて話もありますが、現在撒き餌ともいえる関連作品を展開しているのは
3DS、次いで前作であるXの対応ハードであるWiiUな訳ですが「ドラクエが出た時にそのハードを買う」という層が
結構な数で存在するとはいえ現時点での普及台数的にはまだまだ。なので、WiiUで発売するとなればこのamiiboが
スクエニを動かす一要素になるのかな、と思っています。
ドラクエキャラの立体化商品って昔から需要がありますしamiiboの売上を+αで見込めれば
選択肢になりえるのかな~と。

もっとも3DS、WiiU、PS3と出そうなハードは所持しているんでどれでもOKですけど。360でも可w

| 瞳 | 2014/07/03 20:36 | URL |

ポケモンのスピンオフとフィギュアの連動というだけならポケモンスクランブルUで既にやっていますが、
http://www.pokemon.co.jp/ex/scrambleU/nfc/nfc_02.html
複数のスピンオフやクロスオーバー作品とも連動するならまた違う楽しみ方ができるでしょうね。

| ああああ | 2014/07/03 21:25 | URL | ≫ EDIT

なるほど追加コンテンツをamiiboにセットで売るってのはありえるかもしれない
あとamiiboならNFCの通信だし将来出てくるスマホアプリの方とも連携できるかもしれない
NFCっていう汎用な通信を挟めば機種間を挟むのも簡単かもしれないと

それはともかくいろんなNFCが出てほしいものですね!

| ああああ | 2014/07/03 22:08 | URL |

ケータイやスマホみたいに自分だけのデコや塗装ができて見せびらかせる、なんてのもカードにはない要素かもしれません。
ポケモンXYで着せ替えができるように。

| 児斗玉文章 | 2014/07/04 07:26 | URL |

オンラインマルチプレーをするようなゲームが一番効果ありそうですね
小学生とかその親世代とかオンラインに抵抗ありそうな層が任天堂のメインの層だったりしますし。
いま3DSで開発中のFFの新作とかモンハンとか自分の育てたamiiboと一緒に戦えれば楽しそう

| さんちょ | 2014/07/04 09:30 | URL | ≫ EDIT

ハードルを跳ね上げることによって逆にくぐりやすくする発想

 コンプリートを目指させない、というのも近年の任天堂の密かなテーマの一つに見えますしね。

 それこそ『どうぶつの森』といい『ポケモン』といい、『すれちがいMii広場』といい。
 いずれも不可能とまで言えないものの、現実的に極めて困難なハードルをいくつか混ぜ込み、「収集要素のコンプリートは目指させない」方向性を明示しています。

 そういう意味で今回のこのamiiboもやはり、極めて「任天堂らしい」提案と言えるのでしょう。
 任天堂らしいからと言って、売れるかどうかは別問題ですが……。ヒットしてくれたほうが嬉しいですけど、正直、かなり苦しい予感がします(汗)

| kanata | 2014/07/05 00:21 | URL | ≫ EDIT

ガイストクラッシャーのガイメタルやメダロットのメダルみたいな作中アイテムのフィギュア? にも期待したいね

| ああああ | 2014/07/08 12:40 | URL |















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