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これをどうして本編でやらんのか!『境界の彼方』ブルーレイ7巻紹介

 なるべくネタバレしないように書きます。

 昨年の10~12月に放送され、ウチのブログで猛プッシュして、最終回に「………何が起こった?」と唖然とした『境界の彼方』のブルーレイ&DVDの最終巻が発売されました。
 公式サイトを見る限り、ブルーレイもDVDも画質以外の収録内容は一緒みたいですね。価格はDVDの方がちょっと安いですが、私はブルーレイの方を買いました。ちなみに1~6巻は買っていません。最終巻に収録されている0話を観たくて、最終巻だけ買ったのです。



 放送当時に書いた考察記事は以下の通りです。

生きるためには食べなくてはならない!『境界の彼方』の食事シーンを読み解く
初見では絶対にワケが分からないであろう『境界の彼方』の伏線をまとめました
『境界の彼方』アニメでキャラを好きになった人達へ、原作小説その他のススメ
栗山未来は「何」になったのか――アニメ『境界の彼方』ラストシーン考察

 テレビ版の最終回が終わった直後の記事で、私は「敢えて謎を残して、来年7月に発売されるブルーレイ7巻(新作未放送エピソード1話収録)で明らかになるあのね商法かよ花田先生、もしくは劇場版とか2期ありきの構成だったのかよ京アニ―――と、最終話を観た直後は正直思いました。」と書きました。
 その後に原作を読んだり、他サイトさんの考察を読んだりして、明らかになった謎もありましたが―――作中でかなり細かく描写されている「名瀬美月が何をしていたのか」の回答は最後までなく、半年間ずっとモヤモヤしました。


 だから、ブルーレイ最終巻の紹介記事を書こうと思います。
 自分も含めて『境界の彼方』が大好きだった人達にとって、このブルーレイ最終巻がどういう位置付けの商品になるのかを書いておこうと思います。


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 開封の儀!


☆ 初回特典「スペシャル三方背ケース/デジパック仕様」
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 紙のケースに、デジパック仕様のケースが入っています。
 描かれている絵は「表紙」「背表紙」「裏表紙」の三方でつながっているアイドル裁判の4人の絵(非SDバージョン)ですね。

 細かい話ですが……『未確認で進行形』の時「デジパック仕様は出すのがちょっと面倒くさい」と書きましたが、『未確認で進行形』の紙ケースは上下が開いていたのに対して、『境界の彼方』の紙ケースは横が開いているので出すのは面倒くさくないです。


☆ 初回特典「メガネストのための特大ポストカード(名瀬 泉)」
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 私はメガネストではないのでノーコメントで!!


☆ 初回特典「16Pオールカラーブックレット「芝姫」特別号其の漆」
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 「漆」と書いて「7」と読むのか!マジか!
 言ってしまえば単なるブックレットですが16ページもあって、結構凝っています。

>鳥居なごむ氏書きおろし「芝姫」連載小説『眼鏡売りの少女とツンデレラ』最終回
 原作者によるオリジナル小説。
 最終回だけ読んでもよく分かりませんでしたが、あー原作ってこんなカンジだったなぁと思わせる小説でした。

>キャラクター紹介【名瀬 泉/二ノ宮 雫/新堂彩華/藤真弥勒】
 これは公式ガイドブックなんかにも載っているような情報なので、目当てにするようなものでもないですね。

>0話紹介(#0 東雲)
>きょうかいのかなた アイドル裁判!~迷いながらも君を裁く民

 収録されている話の解説です。とてつもなくネタバレなので本編を視聴してから読んだ方がイイと思います!

>「#0東雲」「きょうかいのかなた アイドル裁判!」設定紹介
 0話に登場する中学生時代の博臣・美月・秋人と登場する妖夢の設定画、アイドル裁判のSDキャラの設定画です。細かい指定なんかも書き込まれていて見ごたえ十分ですが、文字が小さくて解読できないものもあるのが残念。設定画は眺めているだけで楽しいのでもっと見せて欲しいです!

>キャラクターデザイン・門脇未来のラフ画
 キャラクターデザイン&総作画監督&京アニの天使こと門脇未来さんのラフ絵です。「本当にラフ絵だ!」と驚きました(笑)。絵は超上手いんだけど、どうしてこんな絵を描いたのだろうか、疲れているのだろうかと心配になる絵でした。
 やきいもが髪の毛喰っている絵がお気に入りです。

>石立太一監督メッセージ
 石立監督の描く秋人と栗山さんの絵と、直筆メッセージです。
 あぁ……終わってしまったんだなぁ……と、寂しくなってしまったのが正直な気持ちです。




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 ん?




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 さぁ!ここからが本編だ!!


☆ 本編「#0 東雲」
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 こちらがメニュー画面。カッチョイイ!!

 「Play Movie」は「0話」→「アイドル裁判」の順に再生。
 「Chapter List」は、それらの好きなところから選んで再生。
 「Special Features」は「映像特典」。「ミニ劇場#7 ~母からの手紙~」と「アイドル裁判!ノンクレジットED」の二つが収録されています。
 「Audio&Subtitles」は、音声をコメンタリに切り替えたり、日本語字幕を付けたりできます。



 さて……そろそろ第0話の紹介を書きますか。
 これはもう「ネタバレかどうか」ではなくて、事前に書かないといけないと思うので書きます。テレビ版の全12話では明らかにならなかった謎が、今回の第0話で明らかになる―――みたいなことはありません。泉の過去についてはちょっと匂わす描写がありましたが、謎解明を目当てに買って満足できるようなものではありません。

 お話は、テレビ版から3年前の話。
 中学生の頃の博臣と美月が、中学生の頃の秋人と出会う話です(秋人は中学には通えていなかったみたいですが)。

 いわゆる典型的な“エピソード0”もので。
 テレビ版の全12話の中でも何回か話に出てきた「秋人と博臣が戦った話」を、しっかり描いてくれたということですね。

 私が“エピソード0”もので重視しているのは二つ、「本編で語られた“過去に起こったこと”と矛盾せずに辻褄を合わせた話になっているか」「本編では語られなかった“新たな情報”が提示されることで本編の解釈を一歩前進させてくれるか」です。

 前者については、ある一点を除けば満足です。
 特に自分が気にしていたテレビ版9話の「だったら(栗山さんじゃなくて)兄貴が殺せばイイじゃない」という美月の台詞は、この第0話を観て納得が出来ました。こういう過去があったのなら、あの台詞が出てきて当然です。

 しかし、後者については正直物足りなかったです。
 尺の問題もあるのでしょうが、テレビ版の全12話で描かれたものを捕捉するに留まっていて……「秋人は何者なのか」「美月は何をしていたのか」「最終回の栗山さんは何だったのか」といった謎を解決させてはくれませんでした。よくまとまっているけど、驚きはなかったなーというか。


 というかですね……この第0話で、初めて描かれた「基本的な設定」とかも多いんですよ。
 “人間に害をなす妖夢”とか、“結界(檻)を使えば姿を消すことが出来る”とか、“博臣が泉に対して劣等感を抱いている”とか、この辺の設定は本編でもちゃんと説明しなきゃダメだろ!って思いましたし……
 何より、「秋人が死にたがっている」という設定。原作小説版では重要な描写なのに、テレビ版の全12話ではきっちり描いてはくれなかったので「アニメ版ではなくなった設定だったのかなー」と思っていたら、第0話ではしっかり描かれてやんの!この秋人の設定を見せてこそ、栗山さんの「死ななくて良かった」というメールが何十倍にも意味を強めてくれるというのに!

 この第0話……テレビ版の5話目か6話目辺りにやっておけば良かったのにと、つくづく思いました。そうすれば終盤の展開の意味を強めてくれただろうし、設定が分かりやすくなることで中盤で脱落した人も減らせたろうに!


 映像のクオリティに関しては「流石」の一言。
 FOOD理論的には台所の描写が見事でしたし、中学二年の美月がひたすら可愛かったです。スタッフコメンタリの門脇さんによると、本編の美月とは表情設定が違うそうです。「謎解明」のようなものを期待しなければ、安定の京アニクオリティなので『境界の彼方』ファンなら満足できると思います。

 以前の記事で「テレビ版のラストは“栗山さんルート”だったんだ」と書きましたが、こちらは“博臣ルート”だと言えます。博臣のルーツと、秋人との関係とを描き、本編の行動に繋げる―――この第0話を観た後にテレビ版の最終話を観ると、あの台詞の重みが増すと思います。


 ということで……基本的には満足なんですが。なんですが。
 ごめんなさい、言わせてください。

 あのキャラに関しては、本編と矛盾しちゃってないですか?
 ネタバレなしでは説明できないので、文字色を反転させてください。

<以下、第0話ネタバレ>
 ニノさんの年齢は、3年前ということは20歳のはずなのだがとてもじゃないが見えない

 私が気になるのは、弥勒が泉と以前から知り合いで秋人のことも以前から追いかけていたという話です。
 本編では初対面っぽかったのに……というのは、スタッフコメンタリで監督も仰っていましたが「次に会う時はお互いに知らないフリをしましょう」みたいなニュアンスの台詞で納得できます。泉にとっても「弥勒と知り合いなこと」は名瀬家の連中にも隠したい過去なのでしょうし。
 しかし、第3話で泉が弥勒の能力を聞いていたり、第4話で弥勒が秋人の能力に驚いていたりというシーンは……他に聞いている人が誰もいないシーンです。嘘をつく必然性がどこにあるのか。

 正直、弥勒ではない他の新キャラを出すだけで良かったのに……って思ってしまいます。何でもかんでも弥勒のせいにしすぎて、事件がこじんまりしちゃっているところもありますしねぇ。

</ここまで>


 というワケで……面白いし、カッチョイイし、『境界の彼方』ファンならば観て損はないのですが。「かゆいところに手が届いていない」感も正直あって、またしても「来年の劇場版までお預け」が続くのかというところ。



☆ 本編「きょうかいのかなた アイドル裁判!~迷いながらも君を裁く民~」
 WEBで公開されたショートコメディの1~3話と、未公開の4~5話です。
 私は正直WEBで公開された時からあまり好きではなくて、未公開のも含めてそんなに楽しめなかったのですが……スタッフコメンタリを聴いて「この世界観はどこから生まれているのか」を考えて最初から観てみると、なるほど世界はこう見えているのかと興味深いものはありました。

 そう考えると……一番の被害者は愛ちゃんな気がする(笑)。


 脚本は全話を花田先生が担当し、
 コンテは1話を石立監督が、2~5話は『Free!』監督の内海紘子さんが描いたそうです。

 なので、花田先生の女性観と、内海さんの男性観が混じった内容になっているとか。
 そうか……3話の博臣は『Free!』の監督が作ったのか。


☆ 音声特典「キャストコメンタリー」「スタッフコメンタリー」
 さて、オーディオコメンタリーです。
 以前にも書きましたが私はオーディオコメンタリーがあまり好きじゃなくて、これまで買ってきたブルーレイやDVDもほとんど再生してきませんでした。しかし、あんな記事を書いたくらいですし、紹介記事を書く際にはちゃんと確認しなきゃなと再生しました。

 キャストコメンタリーは、種田梨沙さん(栗山さん役)、山岡ゆりさん(愛ちゃん役)、豊田萌絵さん(桜役)の3人で―――どうしてこの3人なのかというと、「第0話に出ていない3人」と「アイドル裁判に出ている3人」という選出らしいです。後者はともかく前者はダメだろ!「収録はどんなだったんだろうねー」とか言っているし(笑)。


 スタッフコメンタリーは、監督の石立太一さん、キャラクターデザインの門脇未来さん、文芸の西岡麻衣子さんの3人で―――前2人は説明するまでもありませんが、「西岡さん……?」「文芸……?」って人もいらっしゃるでしょうし、ちょっと解説しますと。
 西岡さんは『日常』や『氷菓』などの京アニ作品で脚本を書いている脚本家で、この『境界の彼方』では文芸という仕事をしています。文芸は作品によって仕事が違うらしいのですが、基本的には「脚本家のサポート」をするらしいです。『境界の彼方』のアニメの脚本は全ての回を花田先生が書いていますが、ドラマCDなどの番外編を西岡さんは書いていたそうです。


 えっとまぁ……特に「アイドル裁判」のスタッフコメンタリーは裏話も多くて、そこそこ面白かったんですが。石立監督が「そう言えば、この作品って食べるシーンが多いですね」と仰っていて、こんな記事まで書いた自分としては「あー、俺なんて最初から存在しなければイイんだ。そうすればこんな生き恥をさらすこともなかったのに」と生まれてきたことを後悔するしかなかったので、今後もオーディオコメンタリーは再生しない方向になりそうです。



☆ 映像特典「ミニ劇場#7 ~母からの手紙~」「アイドル裁判!ノンクレジットED」
 「アイドル裁判!ノンクレジットED」は特に書くことがないので省くとして……

 「ミニ劇場#7 ~母からの手紙~」について。
 自分は1~6巻は買っていないので「なるほど」と思ったのですが、ミニ劇場はアニメじゃないんですね。「ピクチャードラマ」と呼ばれるもので、静止画に音声を充てた「紙芝居のようなもの」でした。まぁ、労力を考えれば仕方がないことだとは思います。

 さて……この内容、正直驚きました。
 この「ミニ劇場#7」、最終回のラストシーンの後の話なんですよ。

 ラストバトルの後、平穏な日常に戻ったその更に後、あの衝撃のラストシーンの後―――普通に彼らが生活している様が描かれているんです。
 あのラストシーンを観た時、私は「これはもうこの後の話なんて描けないんだろうなー」と思っていました。例えば『けいおん!』のアニメは2期最終回より後の話というのは存在しません。その後の番外編や劇場版は“最終回よりも前の話”として描かれているのです。頑なに「最終回より後の話は描かない」と守っているのです。

 でも、『境界の彼方』はしれっと最終回より後の話を描いていたという。
 しかも!禄に告知もしないで、再生してみて初めて「あれ?これってラストシーンよりも後の話じゃないか!」と気付くレベルで!なんかしれっと2期とかやりそうですね、これじゃ!!


 話自体は相変わらず「『境界の彼方』のギャグパート」で……まぁ、正直「いつものカンジだな」ってところなんですが。ラストシーンよりも後の時間軸で、彼らが相変わらずのノリで賑やかに生活していることが感慨深くて。あのラストバトルも、その後のラストシーンも、この「いつものカンジ」を取り戻すための苦労だったことを思うと、ようやく報われたんだと目頭が熱くなりました。

 桜が出ていなかったことは不満ですが!


 ということで……第0話で感じた消化不良も、この「ミニ劇場#7」で少しだけ癒されました。
 『境界の彼方』に不満を抱いていた人が観て「好きになった!」と思えるものではないと思いますが、ブルーレイ最終巻は『境界の彼方』を好きだった人はちゃんと報われる内容になっていると思います。

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○ 余談:劇場版始動について
 公式でももう発表されているからイイですよね。
 『境界の彼方』劇場版が来年の春に公開されるそうです。

 『たまこラブストーリー』と同じようにゴールデンウィークですかねぇ。
 内容は今のところ全く発表されていませんが……正直ここまで来たらコレしかないだろうと思いますし、劇場版ですらコレをやらなかったらオマエラ本当いい加減にしろよと言いたくなります。


 名瀬美月の視点で描き直す『境界の彼方』―――

 私はそう予想します。
 『中二病でも恋がしたい!』の劇場版も「六花の視点で構成し直した総集編」+「新作映像」でしたし、『境界の彼方』の劇場版も「美月の視点で構成し直した総集編」+「新作映像」になるんじゃないかと思います。そうでなければ、どうしてテレビ版であんなにも「匂わせるシーン」を描いていたのだ!!と。


 というか……尺的にも、劇場版(90~120分くらい)が丁度良い長さだと思うんですね。
 第0話のように25分弱だと流石に全12話+αを追うことは出来ませんし、2期でこれをやると「え?1期と同じ内容をもう1回やるの?」って思われるでしょうし。テレビ版を観ていた人はテレビ版の謎が解けて、テレビ版を観ていなかった人はテレビ版のダイジェストが楽しめる――――そして、その劇場版から「2期決定!」「2期はこの後の話だよ!!」と繋がるとイイんですけどね。


 来年の春になった時、自分がどういう環境になっているのかは分かりませんが……その頃にはまた細かい伏線とか全部忘れているでしょうから、またまた1話から全部観直さないとならないんでしょうね。どうしてこんなに小出しにされるのか!ちくしょう!!

| アニメ雑記 | 17:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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