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アニメ『グラスリップ』各話感想メモまとめ(1話~最終話)

 夏アニメの感想まとめも5本目!
 一番厄介なヤツが来ましたよ!大好きなP.A.WORKSの新作なので夏アニメのプッシュ1枠目に選んだのだけど、毎週毎週放送後はタイムラインが騒然となっているのを見て心を痛めていました。

 終わってみれば「どういう作品だったのか」を語ることも出来ますし、その辺も今日は語れればイイなと思います。


<ルール>
・1話から最終話(13話)までの感想ツイートを貼り付け
・“最終話まで観終っている”現在の自分のコメントを補足
・なので、基本的に最終話までのネタバレを含みます
・「まとめ」という記事タイトルですけど、まとめるのは「私の感想」だけです。「みんなの感想」をまとめるのが目的の記事ではありません
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな


 今回の記事も長くなることが予測されるので格納しました。
 続きは「続きを読む」を押してもらえれば表示されます。ではでは。


【第1話 花火


 「終わってみれば……」なんですけど、この第1話の「神社の上で花火を見ながら4人で話していること」がこの作品の全てだったと思います。

<以下、引用>
やなぎ「このメンツも今年で最後ねー」
雪哉「なんでそこまでネガティブになるんだよ。また来ればイイだろ、みんなで」
透子「そうそう!来年も再来年もずっと友達なんだから!」
やなぎ「ずっとって……先のことなんて分かるワケないじゃん」
透子「えー、卒業したら友達じゃなくなるの?やだよー、そんなの」
やなぎ「そうじゃないけど……何があるか分かんないって意味で」
「願い事って……口にすると自分自身が叶えてくれるんだって。だから“もう来れない”より“また来よう”の方がイイんじゃない?」
やなぎ「幸の受け売り?」
「そうだけど」
透子「じゃあ!何があっても、未来の私が全部解決してくれますように!」

</ここまで>

 「未来なんて分からない」「願い事は自分自身で叶える」。
 透子の「未来が見える能力」という設定のせいで難解な話なように見えましたが、結局のところこの結末の話を3組のカップルで順々に描いていたというのがこのアニメだったんじゃないかと私は思います。

 ただまぁ、初見じゃ「ここが伏線っぽいけどなー」くらいしか分からないので、リアルタイムの感想がテンション激低なのもしょうがない。


【第2話 ベンチ


 でも、こうして振り返ってみると、ここで透子に「未来が見たい」と言わせることで、「未来が見たい」と思う気持ちを視聴者に納得させる狙いがあったのかも知れませんね。5人の関係性が崩れていきそうなあの状況なら、「未来が見える能力」にすがりたくもなるよね―――と思わせておいて、それを終盤の展開で否定していく。


【第3話 ポリタンク



 ふむ。
 整理してみると……この回は、「未来が見える能力」の成功体験(と透子が思い込む)の回なんですね。実際には「未来が見える能力」ではなかったのだけど、そう思いこんでいた透子は駆のおかげで「やなぎが泣いている」未来を見ることが出来た。その未来を見た透子は、やなぎを泣かせないように雪哉からの告白を断る。

 つまり、この回は透子が「未来が見える能力」を使う回だったんですね。
 リアルタイムに観た時は、「やなぎが泣いている映像」が未来のようには見えなかったし(実際に未来ではなかったし)、その映像が原因で雪哉からの告白を断ったのかは分かりづらくて……“「未来が見える」という設定がストーリーに絡んでんだか微妙”と書いているんですけど、最終話まで観て「構成」を見ていくとそういう狙いの回だったことが分かります。

 ただ、分かりづらかったのは確かだなぁ……「未来が見える能力」関係なしに、やなぎから相談を受けていた透子が雪哉からの告白をOKするワケがないと視聴者としては思えてしまうし。
 「やなぎからの相談」を描かなければ、透子が「やなぎが泣いている映像」を根拠に雪哉からの告白を断ったことがもっと分かりやすくなったんじゃないかなーと思うのですが。


【第4話 坂道




 3話が「未来が見える能力」を使う回ならば、4話はその「未来が見える能力」が不確かなものだという伏線を仕込んでいる回かな。思い返せば、この時点での透子は自分が見た「幸が入院している映像」がいずれ起こることだと信じていて、しかし実際に病院に行ったのはやなぎだったという。

 しかし、3話が“「未来が見える能力」を使う回”だったとは気づいていないリアルタイム時の私は、「何がしたいかさっぱり分からん……」という感想しか持っていないという。この序盤のつまづきが、この作品を難解なものと誤解させていたのかなーと振り返れば分かります。
 ここで書いた「未来が見える能力でみんなを救っていく話になるんじゃないのか」という記事は、結果的には間違っているんですけど、1~3話の構成を見る限り「そう視聴者に思いこませる」ことを狙っていたように見えるので。4話の時点でああいう見方をしているのは正しかったんじゃないかなと自己弁護。


【第5話 日乃出橋


 やなぎから「ウチは(未来が見えても)見ない」という発言のある回。
 この辺から、「未来が見える能力」を作品全体で否定し始めているみたいですね。やなぎはそんな能力に頼らず、「これから」に向かうために雪哉に告白をする――――

 ただ、やなぎはここで「同じ家に住んでいるのが気まずくなるのは分かっている」と言うんですけど、この予想も別に当たるワケじゃないんですよね。「未来に何があるのか」なんて誰にも分からないし、やなぎがここで思っていた「自分が雪哉に選ばれることはない」という未来なんか全然不確かなものでした。


 「未来なんて分からない」「願い事は自分自身で叶える」
 第1話で提示されたこの作品の“核”を、まずやなぎが起こしたと言えます。


【第6話 パンチ


 雪哉も駆もどんどん最低な男になっていく回。
 雪哉は、脚も治らず、透子にフラれ、やなぎに告白されても応えることが出来ず、駆にイラついて殴ってしまった上に「走って勝負しよう」と言われ、「見えない未来」に不安で押しつぶされてしまいそうになっています。ということで、雪哉の物語はここでどん底まで落とされているんですよね。

 駆も割と最低なことをやっていると思うんだけど、その割に透子とくっ付いているので……どうも自分は、この「透子と駆のカップル」が好きじゃないんだと振り返ってみて改めて思います(笑)。


【第7話 自転車




 6話で「3組のカップル」が成立したところ。7話で早くもそこから動かしてきました。

 雪哉とやなぎは、雪哉が陽菜の願いを受けてこれまでのどん底から這い上がり「未来に向かって」進み始めます。雪哉が合宿に行き、二人は一旦離れ離れに。

 祐と幸は、幸が駆を困らせようと祐を利用したことで、二人の距離が離れていきます。このカップルは、これ以前に「雪哉とやなぎ」のカップルがやっていた展開をもう一度描いているとも言えますね。

 駆と透子は、ようやく透子が見ているものが「未来ではないんじゃないか」と気付き。ここから透子の能力は暴走していきます。結局、この「透子の能力の暴走」と「駆が能力を失う」のは何だったんですかね……母親の話からすると、能力はいずれ失われるものだったみたいですけど。


【第8話 


 「雪哉とやなぎ」は未来に向かって進み始めていて、「祐と幸」は絶賛こじれまくり中で、「駆と透子」は「未来が見える能力」の正体を解明しようとしていてどんどんドツボにハマっている状況。

 この作品は恐らく3組のカップルを使って、「未来なんて分からない」「願い事は自分自身で叶える」という共通の結末の話を順々に3本やるという構成だったのだと思うのですが。なので、1本目の「雪哉とやなぎ」の話はすごく面白かったし共感出来たのだけど、2本目の「祐と幸」の話は「また同じ話だ」としか思えなくて、3本目の「駆と透子」の話は「まだこの話やってんのか」と思えてしまって。
 正直……あまり成功していたとは思えないんですよねえ……


【第9話 


 ラジオで話されていたことですけど、この回のAパートの沖倉夫妻の会話と、Bパートの「雪哉とやなぎ」の電話がシンクロしているそうなんですね。自分は観返してもソレがいまいちピンと来ないんですけど(笑)、「雪哉とやなぎ」の会話がぎこちない夫婦のようだったのは確かです。
 最終話で深水夫妻が話していたことを思うに、「未来なんて何があるか分からない」のだから「雪哉とやなぎ」だって沖倉夫妻や深水夫妻のようになるのかも知れない―――と描いているシーンだったんですかね。

 あと、この回は「明日のために」幸が透子に告白をする回です。
 これで2組のカップルは「未来に進み」、駆と透子の話だけが残ってあと4話。うん……?終盤のペース配分おかしくないか?


【第10話 ジョナサン


 まぁ……リアルタイム時の自分がこう思ってしまうのも仕方ないかなぁ。
 さっきも書いたように、この作品は「3組のカップルで同じ結末の話を順番に描く」ストーリーなので……この二人に問題があるというより、構成上「一番メンドくさい人達」に思えてしまうんですよね。「まだその話やってんの」というか。
 「未来が見えるかどうか」も、割と早い段階で「未来ではなかった」と提示されているので「まだその話やってんの」というか。1クール13話は長かったんじゃないかなぁ……





 この記事は散々批判もされたんで、ノーコメントで。


【第11話 ピアノ


 公式サイトの「あらすじ」にも「それぞれがそれぞれの明日のために動き出した。」という記述がありますね。
 自分の感想を自分で解説するのもアレなんですけど、私は「透子と駆のカップル」に全く感情移入が出来ていないので、終盤の肝となる「駆と離れたくない透子の心情」にイマイチ乗れていないんですね。透子がどうしてそこまで駆を好きなのかが分からないし、駆もじゃあこの町に残ればイイじゃんと思わなくもない。

 自分がそう思ってしまうのは、“選ばれなかった”「雪哉とやなぎ」の方に自分はやっぱり感情移入してしまうからで―――なので、3組のカップルで同じ結末の話を順番にやるのは失敗だったんじゃないかなぁ。同時にやるんだったらまだ分かるんですけど……


【第12話 花火(再び)




 さて、放送終了後にタイムラインが騒然とした12話。
 普通こういう種明かし回は「なるほど、そういうことだったか!これで今までの辻褄が全部合うぜ!」と思えるものなのだけど、余計ワケが分からなくなったという……(笑)。ただまぁ、振り返って思うと、透子の能力はこの作品においてはあまり重要ではない要素だったんじゃないかと。

 恐らく……「別の可能性」を見ることが出来るというか、「別の世界線」を覗き見ることが出来るとか、そういうカンジですかね。「未来なんて分からない」「願い事は自分自身で叶える」ことを透子に教えるための能力だったんじゃないかなと。

 この辺の解釈は色々出来そうですけど……こういう考察って、その作品に対する熱がないと盛り上がらないので。考察する人よりも、「ワケわかんない……」と投げちゃった人の方が多かったんじゃないかなぁ。正直、私もこの頃にはテンションが落ちきっていたので考える気になりませんでした。


【最終話 流星】




 何故、見えないはずの流星が見えたのか―――
 この辺は考えていくと面白そうですし、考え始めると「全てが幻なんじゃないのか」と思えてくるのでキリがありません(笑)。透子と雪哉の会話はどちらかが見ている幻だと私は初見では思っていたんですけど、2回目を観てみるとそうでもないような……どちらとも解釈できるような……

 そもそもこの作品が描いていたものが「未来なんて分からない」「願い事は自分自身で叶える」という話ならば、そこに明確な答えなんてないんですよね。
 駆はいなくなったのか、雪哉とやなぎはこれからどうなるのか、祐と幸はこれからどうなるのか―――祐と幸は割と明確なカットがあったようにも思えるのですが。基本的には全部「これからどうなるのかは分からない」「でも、彼らはこの13話の間に確かに成長したよ」と締めくくられていているんじゃないかと思います。

 祐の姉ちゃんも、どこかで「泣いている」カットがあったと記憶しているのですが。
 最終話ではおじいちゃんに彼を紹介しているなど―――この作品は「分かりやすい伏線」を張りつつ「その通りにはならない」ことで、「未来なんて分からない」ことを見せていたように思えます。


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 なので、私はこの作品に対して「ワケが分からない」とか「理解できない……」という反応を起こす人は、正しい評価をしているんじゃないかなって思います。
 作り手もそれを狙って、視聴者もそういう反応をして―――正しい結果になっているとも言えるのですが、ただタイムラインの反応を見る限り、こういう「視聴者を困惑させる作品」はアニメファンには受け入れられづらかっただけのかもなぁと。

 例えば、映画だったら『ブラック・スワン』なんか視聴者にとっては「ワケが分からない」が誉め言葉になるストーリーだと思うのです。視点となる主人公の精神がマトモではなくなっていくことで、「今描かれているシーンが本当に起こっていることなのか」が観客にも分からなくなって、最終的な結末すら本当かどうか分からなくなってしまう。あの作品を「ワケが分からなかった!」と言っても批判としては受け止められず、「でしょう!面白かったよねー」と返されると思うんです。


 ただ、その日の内に結末を迎える映画とちがって、テレビアニメは「来週に続く」で3ヶ月間持たせるワケで……「ワケが分からない」で視聴者を引き込むには向かないメディアだったんじゃないかと思いました。自分の感想読み返しても2ヶ月目は割とテンション高いんですよ。でも、3ヶ月目にはもう飽きちゃっている。


 あとまぁ、根本的な話ですけど……作り手が意図的に「視聴者を騙そうとした」シーンだけじゃなくて、作り手が狙ってやったワケじゃないのに「視聴者がついてこれなかった」シーンも多々あったと思いますしね。



 そういう意味では、とりあえず万人向けのアニメではなかったと思いますし、「P.A.WORKSらしさ」の象徴みたいになっちゃった作品かなと思います。
 来季の『SHIROBAKO』は売れ線の「女のコ5人によるガールズもの」らしいので期待していますが、果たして。


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| アニメ雑記 | 12:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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