やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

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「最近のゲームは~~~」と嘆く声はなくならない

 電子書籍の魅力は、何と言っても「しょっちゅうセールをやること!」。
 角川・ドワンゴ統合記念で角川グループの書籍が2万冊、キンドルで半額以上セールをしていました。他の電子書籍販売サービスでも行われているセールですが、とりあえずキンドルでの期限はどうも7日までじゃないかと言われてて(不確定情報)……「セールだ!何か買わなきゃ!」という使命感に駆られた私は、桜井政博さんがファミ通に書いているコラムをまとめた本を6冊全部買っちゃいました。

 桜井政博さんというのは、『星のカービィ』シリーズの生みの親で、最近では『スマッシュブラザーズ』や『新パルテナ』を作っている人です。

 「わーい!1巻から順々に読むぞー」と意気揚々と読み始めたら、翌日他のサイトの後追いで「割引重ねがけ」で角川グループの書籍が更に安くなっていました。角川以外も自分が確認した中では芳文社・一迅社・双葉社も若干安くなっていますが、角川は元々半額だったところに更に安くなっていて……
 このブログの右カラムに載せている作品で言えば、『のんのんびより』は全巻185円、『いなり、こんこん、恋いろは。』は全巻242円になっています。安い!


 ということで、私が買った時より更に安くなっている桜井政博さんの著作。
 キンドルの本ですが、キンドルの「活字の本」扱いではなくてレイアウトを崩さないために「絵本」とか「画集」とかと同じ扱いになっていますね。なので、キンドル端末を持っていなくてもパソコン上からKindle Cloud Readerで読むことが可能です。

 せっかくだからみんなも買えばイイさ!面白いから!



 さて、ということで1巻から読み始めているのですが……
 1巻のコラムは「2003年~2004年」に書かれたもの。これを2014年に読むというのは、ちょっとしたタイムトラベラー感覚になれます。
 例えば、桜井さんは当時「携帯電話でゲームがしたいのだけど今の携帯電話では『ゼビウス』すらマトモに遊べない!もし今後携帯電話でのゲームが普及するには、○○と××と△△と◇◇が必要だと思います」と書いているんです。これを2014年に読んでいる私はニヤニヤです。当然、その後の10年間でソーシャルゲームブームがあってスマホの普及があって『パズドラ』の大ヒットがあってというのを知っている私は、「なんだよ~、桜井さん分かってるじゃないか~~」とニヤニヤしながら読んでいるという。


 そろそろ今日の本題に。
 このコラムの中に「E3に行ってきた!」という回があります。当然2003年のE3です。
 2003年のE3を桜井さんはこう表現しています(そのまま載せると怒られそうなので意訳です)。

 「今年もFPS等の銃を撃つシューティングゲームが多かった」
 「RPGやスポーツゲーム、オンラインゲームやアクションゲームやレースゲームは“形”が定まってきてしまっている」
 「ゲームは触ってなんぼだと思っているけど、今回のE3で印象的だった作品は『メタルギアソリッド』『鬼武者』『Halo』などの大作シリーズの新作で、ビデオ展示だけで触れない作品ばかり。でも、そういう作品は映像だけでも華があるのですよ!」
 「ゲームにはオリジナリティが大切だ!と思っているけど、これだけたくさんのソフトがあると版権ものでも続編ものでもリメイクでもないソフトは埋もれてしまうよなぁ」


 2013年のE3の話ではないですよ?2003年のE3の話です。
 ビックリするくらい、今と状況が変わっていないのです。
 他のコラムでも「斬新なアイディアがあったとしても企画が通らない」という話もありましたし、次の巻には「オリジナルのゲームが売れなくなっている」という話があります。

 「大きな問題を解決出来ずに10年経ってしまった」のか、それとも「こういう問題は時代に関係なくあり続けるもの」なのか。前者の理由ももちろんあるでしょうけど、後者の理由も半分くらいはあるんじゃないかなーと思うのです。



 ちょっと話が変わりますが……
 「最近のゲームはダメだ!」「昔のゲームは良かったのに……!」「どうしてこうなってしまったんだ」と、ゲームの現状を嘆くユーザーの声をよく目にします。でも、それこそそういう声は10年前もあったし、きっと20年前もあったんじゃないかと思うのです。

 例えば、私は『ファイナルファンタジー』シリーズがプレステで新作が作られると発表された時、「カクカクの3Dポリゴン」に「暗い世界観」ですごくガッカリしてしまったんですね。スーファミ時代のドット絵が好きでしたから、「もうこのFFはダメだ!」「昔のFFは良かったのに」「どうしてこうなってしまったんだ」と。
 でもきっと、『ファイナルファンタジー』シリーズがスーファミで展開されている時にも、「もうこのFFはダメだ!」「昔のFFは良かったのに」「どうしてこうなってしまったんだ」と嘆いているファミコン時代の『FF』ファンはいたと思うんですね。


 「最近の若者は……」と嘆く声が少なくとも2000年前から存在しているように、「最近のゲームは……」と嘆く声もコンピューターゲーム黎明期から存在していて。決してなくなることはないし、時代が進むことで必ず嘆く人が出てくるのなら、「最近のゲームは……」という声が出てくるのは時代が進んでいる証拠なんじゃないのかと思わなくもないです。

 もちろん、その「進んだ時代」が「自分のための時代」ではなくなるから、「最近の若者は」「最近のゲームは」と在りし日を懐かしがって嘆いてしまうのですけど。




 桜井さんの話に戻します。
 1巻が書かれた「2003年~2004年」頃はPS2全盛期で、確かに「大作至上主義」の時代で、ゲーム会社も大手の会社が次々と統廃合していった時期でした。ゲーム業界全体に「これで大丈夫なのかなぁ……」という空気はあったんだと思います。

・スクウェアとエニックス→ 2003年合併
・セガ→ 2003年サミーの傘下に
・バンダイとナムコ→ 2005年に経営統合
・ハドソン→ 2005年にコナミの子会社に
・タイトー→ 2005年スクウェア・エニックスの子会社に

 その後、ゲームボーイアドバンスで蒔いていたタネが2005年の年末商戦辺りからニンテンドーDSの大ブームとして発芽して、「非大作主義」の流れが出てきます。DSのソフトって聞いたことがないようなメーカーも参入していましたものね。
 そこから前後して、「ダウンロード専売ソフト」のサービスも各ゲーム機で始まり、パッケージソフトでは出せないような小規模なゲームでも販売する道筋が出来ました。

 そして、ソーシャルゲームブーム。重課金の問題で批判もありましたし、自分もその手のゲームにはあまり興味がありませんでしたが、確かにあの時代には「ソーシャルが儲かる!」みたいな夢はありましたよね。
 んで、スマホの普及に『パズドラ』の大ヒットで、E3に出品されていたような「大作至上主義」の流れとは違う流れが現在の日本のゲームのメインストリームになったとも言えるのですが……


 さて、整理。
 DSブームは収束。あの頃“Touch!Generations”のゲームを遊んでいた人達は今は何をしているのかが分かりませんが、3DSでは“Touch!Generations”を廃止。ゲーマー向けゲーム機の方向に舵を取り、参入しているメーカーやパッケージソフトの数は3DSはDSよりも減っていると思います。

 ダウンロード専売ソフトは元気。
 スマホのゲームの移植や、インディーゲームの取り込みなんかもあって、「非大作主義」の最後の砦になっていると思います。

 ソーシャルゲームブームは……
 何を持って「ソーシャルゲーム」と呼ぶかにもよるんですが、とりあえず「ソーシャルが儲かる!」みたいな夢はもう誰も持っていないかなと思います。

 スマホと『パズドラ』のヒットに関しては、今も一番元気なところだと思いますが。
 ここはここで「少数の超勝ち組と、大多数の負け組」に分かれちゃっているところはあります。『パズドラ』に代表されるゲームって、言っちゃえば「オンラインゲーム」ですから終わりがないんですね。「ドラクエはクリアしたから次は桃太郎伝説買おうかな」みたいに次に行かれず、ずっと同じゲームを遊び続けられてしまう。
 結果的に、ここも大手の会社以外は太刀打ちできない「大作主義」の市場になっちゃっているんじゃないかなぁと思います。まぁ、これは資本主義の宿命という気もしなくもない。


 ……と考えると、2003年のゲーム業界が持っていた閉塞感と、2014年のゲーム業界が持っている閉塞感が似ていても。一周まわって同じところに着いてしまっただけとも思うんですね。
 人気の市場があると、多くの会社やソフトが参入して、性能競争だったり「少しでも他より見栄えを良くしよう」競争だったりが起こり―――結果的に、大手の会社や人気シリーズだけが残る。ずっとその繰り返しをしているんじゃないかと思うのです。


 「DSの時代は良かったなぁ……」とか「ソーシャルゲームが儲かっていた時代は夢があったなぁ……」とか思っているメーカーは多そうだけど、それこそ「最近のゲームは~~~」と嘆いているユーザーと一緒で、永遠になくならない「時代が進んでいる証拠」なのかもなぁと締めて。キレイにまとまったカンジにさせる。

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| ゲーム雑記 | 17:48 | comments:2 | trackbacks:1 | TOP↑

COMMENT

ゲームの場合はそう単純な話ではないと思います。
人間が注意を集中していられる対象の幅には限度があり、何かの要素が増えると、それまであった別の何かの要素は事実上、切り捨てられてしまうので。

| 児斗玉文章 | 2014/10/05 19:46 | URL |

「今回に限っては違う」「これだけに関しては特別」「さすがに今の時代は」
みたいな補足したつもりのような言い方もまた、同じようにいつの時代もなくならないんですよね。
ココまでがパターンって感じですかね。

| 名無し | 2014/10/06 13:00 | URL | ≫ EDIT















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