やまなしなひび-Diary SIDE-

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レビューの点数は「絶対評価」ではない

 この記事の続きの話。

 レビューに点数を表示したくなる気持ち……分かります!

 実際にウチの「紹介記事」に点数を付けるかどうかは、まだ悩んでいるところですが……もし付けるとしたら、来年になってからにするつもりです。
 そして、「2015年に遊んだゲーム」として点数を付けていって、「好きな順」に並べていって、そこで終わり。2015年と2016年は別の基準で点数を付けるというレギュレーションにしようかなと悩んでいます。

 具体的に言うと……例えば2015年に遊んだ『A』というゲームに75点を付けて、『B』というゲームに80点を付けたら、私は『A』よりも『B』の方が気に入っているということなのですが。2016年に遊んだ『C』というゲームに80点を付けても、2015年の80点と2016年の80点は別のものさしで付けているので、『C』は『A』より気に入っているとは限らない――――と、したいのです。


 ややこしい?
 ワケわかんない?
 なんでそんなことするんだ?


 実は、これこそが私が「レビューに点数を付ける」ことの最大の問題だと思っているんですね。レビューの「点数」の基準は、本来は“人によって違う”んだよという問題。


 本題に入る前に、ちょっと酷い例を見せようと思います。
 私はこのブログにおいてゲームを紹介する際には「点数」を付けないようにしてきたのですが、毎年の年度末には「1年間観てきたアニメ」を「好きな順」のTOP5にして点数付きで発表してきました。2009年度~2013年度まで、まとめて載せている記事はこちらになります。

 この記事を読むと、自分で点数付けてランキングにしたのだから当然なんですけど……「点数を付けるメリット」「点数を付けるデメリット」の両方が分かります。

 「点数を付けるメリット」はすごく分かりやすい。
 点数を付けることで「1位と2位は同じくらい好きなんだ」とか「2位と3位にはこれだけの差がある」といった“好き度の差”が一目で伝わるのです。1位、2位、3位、4位、5位と並べただけではこれは伝わりません。

 逆に、「点数を付けるデメリット」は……過去に付けた点数に自分が縛られることです。
 1年目でいきなり「100点満点中175点」というワケの分からないことをやってしまったことで、それ以降の作品の評価が「100点満点」ではなくて「175点満点」というよく分からないことになってしまいました。
 また、何年もやっていると「過去作品の点数との比較」がワケ分からなくなってきて……『けいおん』2期(90点)よりは上だけど、『TARI TARI』(95点)よりは下だけど……『たまこまーけっと』(92点)よりは上だから、えーっと94点!みたいな窮屈なことになりかねません。これを20年とか続けていると、「100点満点中152.3点です!」とかワケ分からない点数が付くことになりそうです。


 だから、「点数を付けるメリット」を残したまま、「点数を付けるデメリット」を消すために、毎年基準をリセットするというのは一つの手かなと思うのです。正直、アニメの点数を自分で見返しても「え?『進撃の巨人』より『あの夏で待ってる』の方が点数高いの?おかしくね??」と自分でも思いますもの(笑)。



 そう……つまり、私がこの記事で語りたいのはこのことなんです。
 レビューに付けられる点数なんて、「人によって違う」し、もっと言うと……「その人が最初に付けた点数によって変わる」んです。1年目の『とある科学の超電磁砲』に175点なんてワケの分からない点数じゃなくて、100点を付けていたら―――その後の点数は全部変わったと思いますからね。

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○ 数字は「絶対評価」ではない
 今は……えっとまぁ、なんか色々あって別々に行動している漫才コンビ:アンタッチャブルが、ラジオでよくネタにしていたことに「M-1グランプリの歴代最多得点は自分達だ」という話がありました。漫才師の日本一を決める大会だったM-1グランプリの第2~10回大会のファーストラウンドにおいて、自分達の出した673点が最高点だという話です。

 もちろん本人達は「分かって言っている」のですけど、それは別にアンタッチャブルの漫才が歴代で一番面白いという証明にはならないですよね。
 その点数というのは、あくまで「第4回大会のファーストラウンドに出場した9組の中の点数」です。M-1グランプリは毎回審査員も変わっていましたし、同じ審査員であっても1組目の漫才に付けた点数を基準に全9組を審査するだけであって前回の点数を基準にはしないでしょうし出来ないでしょう。



 「点数」なんてそんなものだと思うんですね。
 あくまでその場に並んだ“対象”を相対化するための方法でしかない、と。

 例えば、通信簿の数字だって多くの場合は「相対評価」です。
 そのクラスとか、その学年とかの中で、どれだけ成績がイイかというだけなので……すごく頭の悪い学校のオール5と、すごく頭の良い学校のオール3だったら、「すごく頭の良い学校のオール3」の人の方が頭が良かったりするワケです。

 人数関係なく、テストの点数によって成績を割り振る「絶対評価」もありますが。
 そもそも「テストの点数」自体、そのクラスとか学年とかの中でどれだけ成績がイイかを「相対的に判断する」ために作られるワケで―――すごく頭の悪い学校のテストの100点と、すごく頭の良い学校のテストの70点だったら、「すごく頭の良い学校のテストの70点」の人の方が頭が良かったりするワケです。

 偏差値だって、その学年における「相対評価」なので。
 すごく頭の悪い学年の偏差値60と、すごく頭の良い学年の偏差値50だったら、「すごく頭の良い学年の偏差値50」の人の方が頭が良い……かどうかは、さすがに断言する勇気はないです(笑)。



 しかし……「レビューの点数」にまつわる話を色んな人がしているのを見ると、どうも「点数」というものを絶対視している人がいるように思えるのです。絶対視というか「絶対評価」だと思っているというか。数字は客観的なものだ、と思っているというか。

 「レビューに点数を付けるのが一人だけだったら偏った評価になってしまうんじゃないか」とか、「このゲームに10点を付けるレビュアーはおかしい」とか、そういう話を目にするたびに……レビューの点数って「人によって基準が違う相対評価」でしかないと思うんだけどなーと、悶々としていました。偏るのも、他人から見て納得がいかないのも、当然だろうと。



 まぁ、こういう話を書くと「どこにいるかも分からない誰々さんに対する反論のために書かれた記事なので読んでいるこちらは不快になります!」と言われるんで、じゃあもっとデカイものをディスっていこうと思います。


 こんな風にあくまで「相対評価」でしかないレビューの点数を、合計して平均して「客観的な評価が出ました!」と表示するのって愚の骨頂だと思うんですね。
 Amazonのレビューだってそうですし、任天堂のeShopもそうですし、モノを売る系のサイトには大抵そういう機能があります。ユーザー投稿型のレビューサイトもそうですし、ファミ通のクロスレビューとかもそうですね。厳密には「平均」ではないものもありますけど、私はとにかく「人によって基準の違う点数」を足すことにすごく無意味さを感じるのです。

 例えば……私、eShopの評価に「☆5つ」って滅多に付けないんですよ。1年に1本か2本くらい。割合で言うと10~15本に1本くらいしか「☆5つ」を付けません。大抵は「☆4つ」、不満が少しでもあると「☆3つ」、不満の方が多いと「☆2つ」、このメーカーのゲームはもう買わないと思ったら「☆1つ」。
 だってさ……eShopの評価って「これまでで一番満足したソフトを☆5つとすると、このソフトは☆いくつくらいの満足度でしたか?」って訊いてくるんですよ?歴代ベスト級のゲームと比較しろって言うんですよ?『FF5』とか『神々のトライフォース』とかと比較しちゃうと、そりゃ滅多に「☆5つ」なんか出せませんよ!


 でも、eShopを見る限り他の人は結構バンバン「☆5つ」出しているっぽいんですね……
 「☆5つ」が300件、「☆4つ」が2件、とかの割合だったりするし……


 ということで、私にとっての「☆5つ」の価値と、他の人にとっての「☆5つ」の価値は全然違うのに……それが一緒くたに集計されてしまうことがすごくおかしいと思うのです。
 全ての人間が全てのソフトを買って遊んで評価するのならイイのですが、当然そんなことは金銭的にも時間的にも不可能ですから……簡単に言うと、こういう集計方法で点数を出していくと「何も考えずにバンバン☆5を付ける人」が買うゲームは高得点になりやすくて、私のように「辛い基準で☆5つを出し渋る人」が買うゲームは高得点になりにくいんです。


 そう思ってしまってからは迷宮入りで……
 eShopでは辛口評価を付けていた私ですが、Amazonのレビューは「これではいけない!」と思って……本来の気分では「☆3つ」のものも「☆4つ」のものも「☆5つ」のものも「☆5つ」を付けるようにしたから、もう「☆5つ」が何だか分からなくなってきました!!
 『とある科学の超電磁砲』に175点を付けてから基準がムチャクチャになってしまった反省を、全く活かせていません! 

 だから、ファミ通のクロスレビューとかも……私がアレに対して思うのは、基準の違う4人の「点数」を足すなよってことんですね。4人の合計点数で殿堂入りが決まるみたいなシステムにしちゃったら、迂闊に低い点数付けられなくなっちゃうじゃないですか。
 他の3人が8点・8点・8点って付けているのに、俺だけ2点!残念、28点では殿堂入りになりませんでしたーってなるの怖いですもん!私がレビュアーだったら、絶対他の人に「何点付けます?」って探りを入れますよ!「みんな8点なのかー、じゃあ無難に6点くらいにしておくか……」ってなりますよ!




 なので、私は「点数」というのはあくまで並んだ“限定的な対象”を相対化するために付けるべきだと思うんですね。「クラスの生徒」とか「決勝戦に進出した9組の漫才師」とか「2015年に遊んだゲーム」とか、あくまでその中でだけ完結するものであって、その基準を来年に持ち越したり合計して平均値にしたりしても意味がないと思うんです。

 ゲーム雑誌のクロスレビューもさ、「今週発売したゲーム」を各レビュアーが「1位」「2位」「3位」って付けていくスタイルにしたらすげー面白いと思うんですけどね。毎週1位を独占するソフトが現れるかも知れないし、1位は分散するかも知れない。
 「○○社の新作が最下位独占したらヤバイでしょ!」って心配があるなら、じゃあ必ず毎週「100点」を1本付けなくちゃいけなくて、そこ基準で残りのソフトも点数を付けていくとか……



 私が「毎年基準を変えて点数を付けようかな」と考えているのは、こういう「点数は絶対なものである」という固定観念への反逆という意味もあります。175点満点でアニメの点数を付けているのも、ある意味で反逆ですけど……
 例えば2015年は10点満点、2016年は100点満点、2017年は1000点満点で点数を付けるとかどうだろう。それまでこのブログやってんの?と自分でも思う。


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| ひび雑記 | 17:50 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

無難に満足以上なら5点で不満に応じて減点・逆に1点から満足に比例して加点・間を取った3点を基準として増減
と、思いついただけでもこれくらい複数の採点基準が出てくるわけで、不特定多数による星や点数式のレビューという型式自体が機能不全に陥る必然がある気がしますね、通販サイトとか良い例です。
もっとシンプルな評価手法とかがあると色々抉れずに済みそうなんですけど難しいですね・・・

| 名無し | 2014/10/18 13:53 | URL |

世の中で人間が評価する以上本当に絶対的な評価なんてありえないんですよね。きちんと基準を作ったとしてもその基準にも少しばかりの主観は混ざりますし。
点数はあくまで限られた範囲の中の対象を相対化するためのものでしかないというのは分かります。

個人のレビューとか雑誌のレビューとかでも何でも基本的に私はその評価してる人がどう思ってるかという事でしかないと思ってます。そういうのを浅く広く集めて最終的に自分にとって面白いかを判断するしかありません。

極端な例ですがいつも自分の趣味とはタイプが違う話ばかり絶賛してる人がおすすめしてても自分は一切興味持てなかったり、他では酷評されれてても自分にはいつもジャストミートな作品を紹介してるなんて場合もあったりしますから……。

| ああああ | 2014/10/20 08:37 | URL | ≫ EDIT















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