やまなしなひび-Diary SIDE-

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予想は「外すため」にするんだ

 Twitterだったりブログだったりにアニメの感想を書いている今や、週刊漫画誌の感想を書いていた昔は、「感想」ではありつつも「今後の展開の予想」を書くことがあります。これこれこういうキャラ配置でこういう伏線を張っているということは、この後こういう展開になるんじゃないのか―――といったカンジに。

 んで、そうすると実際の展開が全然違っていて、「オマエの予想と全然違うじゃないか!」とか「予想を外すということは正しく観れてない証拠だ!」とか「こんな記事を書くなんて苛立たしい!」とか言われることも多いです。


 ふーむ……
 私はそういうことを言われる度に思うのです。
 「漫画やアニメは、今後の展開を当てるクイズか?」と。

 開き直っているワケでも、言い訳をしているワケでもなく―――私は「どうして“今後の展開の予想”を書くのか」の理由を訊かれたら、大真面目に「外すために書いています」と言います。「外すために」というか、「外れるとイイな」と思っているというか、「外れたらガッツポーズだな」というか。


 そのルーツは、先日「漫画紹介」の記事で紹介した『テレキネシス』を連載時に読んでいて、こういうエピソードがあったからです。2巻に収録されている「男の出発」という回。

テレキネシス 002―山手テレビキネマ室 (ビッグコミックス)
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 主人公:東崋山の高校時代のエピソードで、映画監督だった父のアドバイスで「映画作りに興味があるなら、面白い作品に出会った時は途中で中断して、後半のストーリーがどうなるのかを想像してから後半を観ろ」ということを崋山は実践していました。

 私も、ちょうどその頃は自分で漫画を描いてみようと思っていた時期なので、映画に限らず、漫画でも、アニメでも、ドラマでも、「その後のストーリー展開」を想像しながら観るくせが付きました。
 もちろん、この「想像するストーリー」は単に「自分の好きな展開」だけを想像してはダメです。前半で仕込まれた伏線をちゃんと活かし、出てきた登場人物達を無駄にせず、御都合主義や後出しジャンケンだと観客に思わせず、尺の中に収めて、制作費も無理のない範囲で、ストーリーの山場を作って、観客が満足して映画館から帰ってくれる―――そんなストーリー。
 ストーリーを考える人になりたいのなら、ちゃんとそれらを全部踏まえた「後半のストーリー」を考えられるようにならなければ。


 んで、「私の考えた後半のストーリー」と「実際に作られた後半のストーリー」の対決。
 贔屓目ではなく、冷静な目で、どっちが面白いかの真剣勝負。

 「私の考えた後半のストーリー」の方が面白いなら、「俺SUGEEE」と自信を持とう。
 同じストーリーだったとしても、「俺もそこそこやるじゃん」と思える。
 しかし、「実際に作られた後半のストーリー」の方が面白かったら……「参りました!」と頭を下げて、自分の脳では想像も出来ないような名作に出会えたことに感謝をします。



 段々そうすると……本来の目的だった「訓練」からは外れていきます。
 私はこうした「自分の脳では想像も出来ないような名作」に出会いたくて、予想を書くようになっていったのです。

 だってほら、映画を観るのも漫画を読むのもアニメを観るのも「楽しみたくて」やっているのでしょ?
 予想屋で生計を立てているワケじゃないから、予想が当たっても「展開の予想が当たった!」なんて喜ぶどころか、「まぁ……予想通りの展開だったな……」とガッカリしてしまうだけです。だから、私は「予想が外れることを望んでいる」のです。予想が当たるかどうかなんかよりも、「自分の脳では想像も出来ないような名作」に出会えることが重要だろうと。



 幾つか例を出すと……
 『まどか☆マギカ』なんかは、まさにそういう作品でした。「御都合主義」や「後出しジャンケン」ではなく、ちゃんと事前に提示した情報を使って、私の予想もしなかった展開の連続で「参りましたー!」と言いっぱなしでした。
 当時、リアルタイムに1話ずつの感想をmixiに書いていて、それを全話分まとめた上に「12話まで観た自分」が捕捉コメントを付けるという記事を書いていました。これ読み返すと、ホント自分の予想が全然当たっていないのに、自分が言及したところを見事に活かしてストーリーを作ってあることに恐れおののきますよ!

 アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』各話感想メモまとめ(1話~最終話)


 なので、素っ頓狂な予想であってもそれをしっかり残すことは、「視聴者が予想もしなかった展開が起きるアニメ」の凄さの証明のためには大切なことだと思うんです。
 例えば『まどか☆マギカ』の「あらすじ」を読んだだけでは面白かったか面白くなかったかなんて語りようがないです。リアルタイムに観ていた人達が、毎週毎週何に驚かされていたのか――――を残さないと、テレビアニメの評価なんて後世に残せないと思うんです。

 また虚淵さんが関わった作品である『アルドノア・ゼロ』をきっかけに、それを思い出したので「各話感想まとめ」をもう1回しっかりやろうと始めたのです。
 素っ頓狂な予想を「過去に僕、馬鹿なこと言ってましたー!」と世に知らしめてしまって「オマエの予想は全然違っているじゃないか!」と怒られるかも知れないし、1クール目ラストの解釈も2クール目が始まったら「全然違うじゃねえか!」と怒られるかも知れないけど、それこそが作品の凄さを伝えられる唯一の手段だろうと。

 アニメ『アルドノア・ゼロ』各話感想メモまとめ(1話~12話)


 色々言われたからもうこの作品のことは触れたくなかったんですけど、ついでだから書いておきます。『グラスリップ』の4話時点で書いた記事、ここで書かれている予想はそりゃあまあ思いっきし間違っていたんですけど……記事としては間違っていないんですよ。
 だって、最終話まで観た上でこの作品の1~3話を観ると、序盤は「こういう作品だろうな」と思わせるように偽装してあって、その後「全然違う!」と予想を裏切るようにしてあったのですから。4話の時点で「こういう作品だろうな」と思っておくのは、あの作品を楽しむためには最も正しい観方だったと思うんです。

 「俺は第1話からこういう展開になることを予想していた」って人は、驚きも何もなく残り話数を消化するだけですから、むしろ作品を楽しめない可哀想な人じゃないかと思いますよ。

 『グラスリップ』にプンプン感じる「面白くなりそう」な素材


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○ 何のためにブログなんて書いているのか
 私は「どうだ!俺の予想は当たっただろう!」なんて自尊心のためにブログなんてものを書いているワケじゃないです。漫画についてもアニメについてもゲームについても、大好きな作品の「手助け」を微力ながら出来ないか―――自分が記事を書くことで大好きな作品のファンが一人でも増えてくれたら嬉しいと思って書いています。

 「紹介記事」は、その作品を知らない人に作品を紹介するため。
 ネタバレの感想記事は、その作品を楽しんだ人に「私はここが面白かったー」と自分のツボを伝えて、その作品の新しい魅力を伝えるため。
 放送中のアニメについて語る記事は、「今後も楽しみだ!」と視聴継続する人が多くなるように、自分の思う作品の見所を紹介するために書いてきました。


 だから、今後の展開予想も、「作品をもっと楽しめるような予想」は書きますけど、「作品がつまらなくなってしまうような予想」は書きません。だってさ、“予想”って当たっちゃうと“ネタバレ”と変わりませんからね。
 「こんなことが起こるだなんてーーーーー!」と驚く喜びを、奪ってしまいかねません。それでは作品の足を引っ張っているのと一緒です。



 この話……書くか迷ったけど書きます。
 私がこのブログを続けていて落ち込んだことTOP10に入る出来事だったんですけど。

 『とある科学の超電磁砲』アニメ、「2期からでも!」のススメ

 『超電磁砲』のアニメ1期が大好きだったので、アニメ2期が始まる直前に「1期を観ていない人も2期を観よう!」と書いた記事でした。ネタバレはしないように「1期はこういう話だったから自分は大好きでした」→「だから、この作品を知らない人も観よう!」と宣伝する記事だったんですけど。

 「原作読んでないで記事書いてんのかよ」「2期は1期と話が全然違うぞ」「コイツ自身がショックで2期は脱落しちゃうんじゃねーの」と散々言われました。コメント欄じゃなくてTwitterで陰口を。
 確かにそうなんです。私は「アニメ→原作」の順で観るので、この時点で『超電磁砲』の原作コミックスは(3巻までしか)読んでいませんでした。そして、2期が1期のような明るい話ではなかったことも確かです。


 でも、『禁書』アニメで観てるんだから、内容は全部知ってましたよ……

 『超電磁砲』アニメ2期は「美琴視点で描くシスターズ編」で、それは『禁書目録』アニメ1期の「当麻視点で描くシスターズ編」と裏表の話です。だから、どういうことが起こっていて、この後に美琴がどういう目にあって、その後どうやって解決していくのか―――全部知っていました。

 でも、それ書いちゃったら“『超電磁砲』アニメを2期から観る人”にとってはネタバレでしょうよ。

 何の予備知識もなく観た人は、ただ一度だけ「こんな凄惨な事件が起きていただなんて……」と驚けるチャンスを与えられています。なのに、「『超電磁砲』アニメを2期から観る人に向けた記事」にそれを書いちゃったら、そのたった一度のチャンスを奪ってしまうことになっちゃうじゃないですか。


 ブログに限らずですよ。
 文章って、書き手の知っていることを全部書くワケじゃないですからね?

 知識自慢とか、自尊心のために書くのならそれも手かも知れない。
 でも、私は大好きな作品の「手助け」をしたくてブログを書いています。あの記事をきっかけに『超電磁砲』を2期からでも観てくれる人がいてくれたらと思って書いたし、そういう人に「こんな展開になるなんて予想しなかった!」とハラハラドキドキして欲しかったから敢えて「シスターズ」の話は書きませんでした。


 でもまぁ……ああいう反応しか来なかったということは、ああいうタイトルの記事を書いても「○○を知らない人」は読んでくれずに「○○が大好きな人」しか読んでくれないんですよねー。んで、「どうして◇◇について書いてないんだ!」と文句を言われる。
 書いていない理由くらい自分で考えろ!脳みそ付いてんのか!




 うーむ……「書くか迷った」まま、永遠に迷ったままの方が良かったかも知れぬ(笑)。
 だからまぁ、今の話は2013年4月の記事なんですが……この時に感じた「ブログって何のために書いているのかなぁ……」という無力感が、3ヵ月後の7月のこの記事に集約されたのかも知れないですね。こんな記事が書かれたのは、Twitterで陰口を言っていた人達のせいなんです。よーし、責任転嫁だ!


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| アニメ雑記 | 17:50 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

たいへんよく分かります。
わたし、リアルでも、好きなゲームやアニメをススめる時には自分が驚いた部分は相手にも驚いてほしいから、わざわざ誤解されるような紹介の仕方をしますもの。
ベルセルクをススめる時は読んでみて初めてハードな展開に驚いてほしいから、ケンシロウのように強い戦士が怪物を次々ぶった切って痛快だぜ!みたいに言ってますしw
嘘は言わずに最大の魅力はスポイルしないようにする…それって好きだからですよね。
ずっとこのブログを読んでる人はちゃんと分かってると思いますよ。

| 児斗玉文章 | 2014/10/25 21:17 | URL |

はずれ叩きの人は勝ち負けを競いたいんでしょうね。
これに限らずネットの中の人は、とりあえず相手に勝ちたいから叩いてるのだと思います。
続きを予想するという行為は言ってしまえば心理戦ですから相手の心理を100%読むなんてそりゃ無茶というもの。

やまなしさんの言うとおり、勝った負けたではなく、楽しんだもの勝ちだと思います。

| ああああ | 2014/10/27 11:59 | URL |















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