やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

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どうして自分は「女のコばかりのアニメ」が好きなのか。

 他の記事にもチョコチョコと書いていますが、現在の自分はバンダイチャンネルの有料会員になって「見放題」サービスを満喫中です。
 最大の目的は「ブログにレポート記事を書いて、アニメを観るにはこういう選択肢もあるんだと知ってもらう」ことなんですが……どうせ有料会員になったのだから、この機会に「観るのをスルーしちゃったけどずっと観たかった作品」を観ようと色んな作品を観ています。


 今日はその中の一つ、『ラブライブ!』を観て思ったことを書きます。
 『ラブライブ!』は電撃G's magazine、ランティス、サンライズの合同プロジェクトで、雑誌での読者参加企画や連載記事から様々なメディアミックスへと展開し。テレビアニメは第1期が2013年の冬アニメ、第2期が2014年の春アニメと放送され、いずれも大ヒットした作品です。

 私は第1期はスルーしちゃっていて、第2期の途中からチラッと観始めたのですが……途中から観てもメインキャラがたくさんいて名前を覚えることも出来ないまま終わっちゃいました。

 なので、バンダイチャンネルの有料会員になった機会に第1期を1話から全話観てみようと視聴を開始したのです。
 スーパー面白かったです。第1期の1話目から観れば一人一人のキャラが立っていることが分かるし、誰一人ムダなキャラはいなかったし、全員が魅力的だったし。かと言って単なるキャラ萌えアニメじゃなくて、「絶対不可能と言われていること」に立ち向かう少女達の物語で、熱い展開の連続の熱血アニメになっていました。観る前は「ただ女のコが可愛いだけのアニメ」なのかなーと思っていましたけど、全然そんなものじゃありませんでした。第2期も「見放題」対象になったら、また観返してみようと思います。


 ということで……今更『ラブライブ!』第1期の話かよと思われるかもですし、当時もコレは話題になっていたかも知れませんし、第2期はまた違うかも知れないのですが。


 『ラブライブ!』の世界って、徹底して「男」が出てこないんですね。

 スクールアイドルを目指す9人はもちろん全員女のコですが、出てくるファンも全員女のコ、家族も「母親」や「妹」は出てきますが「男の家族」は出てきません。唯一登場する「穂乃果の父親」も、顔が映らないよう後姿などのアングルだけでしたし、声も発しません。というかこのアニメ、全13話を通して「キャストに男性声優がいない」んです。

 凛と花陽の過去の話に「凛をからかう男のコ」が登場したので、この作品世界の設定が「人は全て女性として生まれてくる」ってワケじゃないと思うんですけどね。キャラデザが西田亜沙子さんなので、『シムーン』を思い出しましたけど(笑)。


 また……「男が登場しない」だけじゃなくて、「“男”という概念そのものがない」ようにも思えます。同じような「女のコばかりのアニメ」で、男のキャラがほとんど出ないアニメでも、こういう作品は実は少ないです。
 『けいおん!』や『ハナヤマタ』には「彼氏でも作れば」とか「男のコにモテそう」みたいな女のコ同士の会話が出てきますし、『ヤマノススメ』とか『結城友奈は勇者である』では女のコ同士で「コイバナ」をするシーンがあります(※1)これらの作品の世界には「男との恋愛」が存在しているんですね。ただ描かれていないだけで。

 同じように電撃G's magazineからアニメに展開されたガチ百合アニメ『Strawberry Panic』でさえ、「卒業したら男と結婚する」という台詞があって、「この世界に男が存在するのか!」と驚いた記憶がありますもの。

(※1:関係ないけど、東郷さん→友奈みたいにガチ百合っぽいコがいるところで「コイバナ」を始めるの、「好きな相手が女のコだったらどうしよう」みたいなデリカシーに欠けると思うんですけど!私は思うんですけど!)


 また、例えば『アイドルマスター』の真のような「ボーイッシュな女のコ」が女のコに人気というワケではないんですよね。「中性的な魅力」というのは言い換えれば「男性の存在する世界の価値観」なので、『ラブライブ!』にはそういうキャラは出てこないんです。凛は「女のコっぽくない」ことがトラウマになっていたみたいな描写もありましたけど、だからと言って「ボーイッシュ」だとは思いませんし、そういう扱いでもなかったですからね。

 9話で「絵里先輩が加わったことで女性ファンも付いたみたいです」という海未の台詞があったので、逆に「μ'sにも男性ファンがいたのか!」と驚いたのですが……『ラブライブ!』の世界では絵里みたいな「大人っぽい女のコ」が女性ファンに人気だというのが、『アイマス』の真と対照的だなぁと二作品を同時並行で観ていた自分は思いました。


 さて。
 「徹底して男が登場しない」ことが意図的なものなのか、意図的だったら何が狙いなのか……それは正直よく分かりません。「完全に作品世界から男を排除する」のだったら、凛の回想シーンには何故「凛をからかう男のコ」が出てくるんだって疑問が出てきますからね。
 “小学生”と“父親の後姿”くらいなら構わない……と考えるなら、やはり「男との恋愛」が存在しない世界のためにそうしているのかなぁと推測は出来ます。『アイマス』がかつてジュピターを出したことで「描写がなければいいという話じゃない、可能性を生み出しただけでアウトなんだよ」と猛反発を受けたことから、『ラブライブ!』では「男との恋愛」へと連想される可能性を徹底的に潰しているのかなぁと思います。


 まぁ……正直そこは「色んな方向性があるよね」と思うので、それぞれ好みはあるだろうけど、どっちがベストかとかは考えてもイミはないと思います。私は『ラブライブ!』も『アイマス』も別の方向性でどちらも好きです。

 考えたいのはむしろここからの話で……『ラブライブ!』を観て、改めて考えたのです。
 どうして自分は「女のコばかりのアニメ」が好きなのか。


 数ヶ月前だけど、話題になった記事。

 女子校出身者が娘を女子校に入れたがるワケのうちの一つかなあ。
 (white_cakeさん)

 今見たら、コメント欄がすごいことなってる……
 この記事の主題は「そしてもう一つのメリット。」以降の話だと思いますし、そっちの方がキャッチーな話題なのでコメント欄の反応もそっちがメインになっているとは思いますが……私がすごく頷いたのは、それより前のこちらの話でした。

<以下、引用>
 私の思う女子校のメリットの第一は、自立心が養われやすいところです。
 女子生徒しかいないので当たり前ですが、力仕事を含めたすべての作業は、女同士でなんとかするしかありません。その結果私たちは、男性に頼らなくてはならない作業というのは、世の中ほとんどないのだということに気付きました。高いところのものは脚立に登ればとれますし、重い荷物は友人と協力して運べばいいわけで、金槌やのこぎりを扱うのにY染色体は要りません。

</ここまで>
※ 改行・引用など一部引用者が手を加えました


 ここの部分を読んで、自分の中で繋がりました。
 私が「女のコばかりのアニメ」を好きなのは、“男なんかに頼らないでも生きてゆける女性達”を観たいからなんだと分かったのです。

 『ラブライブ!』は特に顕著で、あのコ達は自分達で衣裳を作って、自分達で作った曲に自分達で書いた詞を付けて、自分達で振り付けを考えて、自分達で練習して、全部自分達で成し遂げるんです。ライブ時のステージの照明とか、呼び込みとかもクラスメイトの女のコがやってくれて、動画の撮影やアップロードもやっていたのは女のコでした。まぁ……「男」が存在しない作品だから、そりゃそうなるんですけど……

 『ラブライブ!』は教師とか親とかにも頼ることなく、完全に自分達だけで不可能に立ち向かっていくからこそ燃えるんだろうなと思います。萌えるんじゃなくて燃える。



 なので……私が好きなのは実は「女のコばかりのアニメ」ではなくて、「男なんかに頼らないでも生きてゆける女のコ達を描いたアニメ」なのかなぁと思ったのです。
 例えば、『超電磁砲』の1期は「男のキャラ」もたくさん出てきますけど、(基本的には)男に助けられるんじゃなくて「女のコ達の力で」事件を解決していきます―――レベル5の美琴もレベル0の佐天さんも、「男に助けられるんじゃなくて自分の力で立ち上がる強い女のコ」として描かれているから自分はあのアニメが大好きだったのかもなーと思いました(※2)

(※2:グラビトン事件みたいな例外もあるし、そもそもの『禁書目録』が「男が女を助ける構造」なので2期はそうでもないんですけどね……)



 逆に、私は「男のおかげで成長できました」ってのがあまり好きじゃないんですね。
 男主人公一人に女のコがいっぱいという「ハーレム配置のアニメ」は、比率だけ見れば「女のコばかりのアニメ」なんですけど、「男のおかげで成長できました」ってエピソードが多くなりがちなのであまりノれないという。

(関連記事:「女ばかりのアニメ」は本当に多いのか、検証してみました
(関連記事:「女ばかりのアニメ」じゃないと本当に売れないのか、検証してみました


 「だから何だよ」「オマエの好き嫌いなんかどーでもイイよ」「死ねよ」という声が聴こえてきそうなので、そろそろ締めくくるのですが……私が好きなのは「男なんかに頼らないでも生きてゆける女のコ達を描いたアニメ」なので、私はそういう作品が大好きなんですが、逆に言うとどんなに大好きでもこういう作品のキャラはエロイ目では見られないんです。
 このキャラクター達は「男なんかに頼らないでも生きてゆける強さを持っている」からこそ好きなので、そうしたキャラが男どもに輪姦されて男どもに屈服するエロ同人誌なんて別に読みたくはないんです。


 ヲタクが「美少女アニメが好きだ」と言おうものなら、「あー。きっとこの人は女のコをエロイ目で見てエロイ目に合わせるエロ同人誌を読みまくったり書きまくったりしているんだろうな」なんて言われかねないし、言われたことも何度もあるんですけど……
 「好きなアニメ」とか「好きなアニメキャラ」と、「エロイと思う女性」は全然違うんです。私の場合は特に“「男なんかに頼らないでも生きてゆける強さを持っている」からこそ好き”なので、好きなキャラほどエロイ目では見られない傾向が強いです。

 むしろ全く知らんアニメのキャラの方がエロイ目で見られるんですけど、それもう「普通のエロ本買えよ」って話ですよね(笑)。

(関連記事:アニヲタがみんな美少女に萌えていると思うなよ!

| アニメ雑記 | 17:51 | comments:9 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

少年漫画では大人がやるべきことを子供がやってます。
例えば多くの子供向けスポーツ漫画で、監督がやるべきことをキャプテンがやってますよね。
学園漫画でも、大人の教師がやることを生徒がやってます。
生活指導の教師がやるべきことを風紀委員会がやっているとか。
それと同様に男がやるべきことを女がやっているのがこの手のアニメなのでしょう。
この方法のいいところは、戦略、作戦、戦術の各レベルが全て主人公の友人の範囲内で収まるので、何が起こっているのか把握しやすいこと。
それに、現実にはない世界観だからこそ面白い、というのはありますよね。

| 児斗玉文章 | 2014/11/25 20:36 | URL |

「女の子ばかり」には当てはまりませんが、やまなしさんの好きなPA-WORKS のオリジナル作品には「男なんかに頼らないでも生きてゆける女のコ達」がよく出てくる印象がありますね。花咲くいろはしかり、TARITARIしかり、今やってるSHIROBAKOも含めて、女性キャラは逞しく、男性キャラはどこか頼りなさげに感じます。

| たま | 2014/11/25 23:37 | URL |

>たまさん

 すごい……
 僕も全く同じことを思っていたので、実は同じような話を記事の中に書いていたのですが、ギリギリ最後にカットした部分でした。
 「TARI TARIは女3男2だけど女のコ達が主導権を握っていたので、男に頼る印象はなくて。考えてみるとP.A.作品はそういう傾向ありますね。グラスリップを除いて(笑)」こんなカンジの文が初稿にはあったのです(笑)。

 なので、たまさんのコメントを読んだ時に「同じことを思っていた人がいた!」と思う前に、「あれ?あの文カットするの忘れたっけ?」と焦りました(笑)。

| やまなしレイ(管理人) | 2014/11/26 00:12 | URL | ≫ EDIT

前にやまなしさんが「主人公に親が居ないことが多いのはなぜか」みたいな話を書いてましたが似たところがあるのかもしれませんね
主人公の成長を描くための手法の一つで、女性主人公の成長を描く点では割とありがちなものなのかもしれないと思いました

| ああああ | 2014/11/26 06:23 | URL |

…という「体裁」が整えられるように作られた処女の動物園商法で
そこにいる男性は視聴者たる自分だけという疑似独占空間でしょう

現実的にはアイドルに彼氏が居たら叩かれまくるし
ヒロインに彼氏が出来たら大暴れするし

制作側も判ってて、極力男性を排除し登場させないようにしているのだから

| いいいい | 2014/11/27 07:36 | URL |

なんとなく斉藤環の「戦闘美少女の精神分析」を思い出す。もっともあの本に書かれている内容はかなり異論があるけど

----なぜ、少女に戦わすのか成熟した大人や少年では駄目なのか?
戦闘美少女というイコンは小児愛、同性愛、フェテシズム、サディズム、マゾティズムその他さまざまな欲望の潜在させやすい。一見フェミニズムにも擁護可能な「政治的正しさ」を偽装しながら、

少女であることで「外傷性の排除」によって自然的リアリズムとも縁が切れる(ハイコンテキストなファンタジー世界に永住できる)ファリックガールたちは「ファルスの同一化した少女」(僕もかわいい女の子の一人になりたい)に違いない。---
 斉藤環 「まどかのエチカ、あるいはキャラの論理」 ユリイカ2011年 43-12 11月臨時増刊号

この議論の異論点はいくつかあるけど「かわいい見た目」=少女ではないということ。例えばSIROBAKOのあおいは成人だし、この頃のアニメのヒロインはトラウマを抱えたヒロインも多い。SAOのアスナとか なぜ、女の子だけは目が大きなキャラにするのかという問題もあるけど 

| たたた | 2014/11/28 22:03 | URL |

10年くらい前は…

10年くらい前まではよくも悪くもハーレムアニメが強かったんですよね。
女の子が主人公というと少女アニメがほとんどだったわけで…。
個人的にはハーレムアニメよりは女子校系アニメの方が好きなのでいいのですが…。
しかし80年代までは少女アニメでもない限り男中心のキャラ構成が中心だったんだけどねえ…。
90年代のセーラームーンあたりが転換点かねえ…。あれはもちろん少女漫画界にも影響を与えたけど少年漫画界にも影響を及ぼしたはずだから。

| hts | 2014/12/13 09:06 | URL | ≫ EDIT

承認待ちコメント

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| | 2015/07/22 08:21 | |

自分は「竿役」がいないとダメですねえ。
百合ネタの「薄い本」は使い物にならないし。

「恋姫無双」や「ガールフレンド(仮)」はゲーム版主人公が
出なかったことに納得がいかない太田拓也でした。

| 太田拓也 | 2016/04/07 19:40 | URL | ≫ EDIT















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