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「1話でも観逃すと致命的な作品」を観逃すということ

 この記事にも書いた通り、先月の私は「とにかく時間を作ってバンダイチャンネルでアニメを観まくろう」としていました。基本的には「リアルタイムには観なかったのだけど、その後に話題になって観ていなかったことを後悔した作品」を中心に観始めたのですが……
 月の中盤になって、「もう1作品くらいは追加しても観られそう」だけど「全話観られるか微妙だ」という状況になったので……10年前にリアルタイムに観ていたけど録画などはしていなかったのでそれっきり観ていなかった『プラネテス』を久々に観てみることにしたのです。結局、全話観ましたけど。


 『プラネテス』とは―――
 現在も『ヴィンランド・サガ』を連載中の幸村誠先生が、週刊モーニングで1999年~2004年に不定期連載していたSF漫画です。テレビアニメは2003年~2004年にNHK BS2で放送され、翌2004年~2005年に地上波のNHK教育テレビでも放送されました。監督は谷口悟朗さん、脚本は大河内一楼さん、制作はサンライズ。

 当時BSが映らなかったので、私は2004年からの地上波での放送を観ていました。
 「アニメを観る」という習慣が自分の中に出来始めた頃で、「テレビアニメでこんなすごいものが作れるのか!」と10年前の私は驚いた記憶があります。「アニメ史上に残る傑作」と当時から言い続けていましたし、アニメ熱が再発する2009年までの間しばらく「一番すごいテレビアニメって何だと思う?」と訊かれたら「プラネテス」と答え続けていたくらい衝撃で。

 正直、「10年も経って思い出が美化され過ぎているんじゃないかなー」と思っていたところもあるのですが、久々にバンダイチャンネルで観てみたら、10年経っても色褪せないどころか10年前には分からなかったことが分かるようになって「こんなすごいアニメだったか!」と再度衝撃を受けたくらいでした。


 とまぁ……10年前も今も絶賛するようなアニメだったんですが。
 一つ、自分の中でビックリしたことがありました。今回バンダイチャンネルの「見放題」で全話観て思ったんですけど……



 私、リアルタイム時には観逃していた回があったのです。

 6話と19話。
 詳細を語るとネタバレになるので、どんな話だったか思い出したい人はリンク先に飛んでもらえたらと思うのですが……6話は序盤の「1話完結」の回で、19話は後半に話が大きく動き始める転機の回でした。

 どうして「観逃していた」かというと、当時はまだHDDレコーダーみたいな便利なものを持っていなかったので、予約録画をするにもVHSテープをセットして「予約」を「入」にしておかなければならなかったんですね。それを忘れて出かけてしまったため、6話と19話が観られなかったのです。
 「観逃した回をインターネット配信で観よう」みたいな公式のサービスも当時はまだなかったと思うんで、それらの回を観逃したまま続きを観ていたワケなのですが……


 今回バンダイチャンネルで全話を通して観て、「10年前の俺は6話と19話を観逃しておいてよく“アニメ史上に残る傑作”とか言っていたな!!」と正直思いました。
 『プラネテス』は特にそういうアニメで……序盤にチラッと出てきた脇役の台詞が、終盤に主人公達にのしかかってきたりするし。そうした脇役のその後の姿がところどころで描かれるし、それが主人公達に影響を与えたりするし。1話たりとも観逃したら、この作品の魅力の100%を理解することは出来ないと思うんですね。

 6話なんて「一話完結の話だから観逃しても大丈夫だろー」と思っていたんですが、あれがあったからこそ終盤のハチマキがああいう行動を取るのだし。観逃して大丈夫な回なんて一つもなかったんです。



 『プラネテス』は極端な例だとしても……深夜アニメには「1話でも観逃すと致命的な作品」って少なくないと思うんです。日常系アニメが流行ったのはそのカウンターだとも言えるのですが、『けいおん!!』ですら「1話でも観逃すと平沢唯の変化には気付かない」と私は言い続けてきましたしね。

(関連記事:「1週観逃しても大丈夫なアニメ」と「毎週観ないと楽しめないアニメ」

 なので、私は「1話観逃す」とそこでテンションが下がってしまったり視聴を辞めてしまったりします。春アニメの『ハイキュー!!』はすっげえ楽しんでいたのに、テレビの線の接触の問題で「時々TBSだけ電波が途切れる」ことがあって録画失敗してしまって……そこで観るのやめてしまいましたからね。「見放題」に来ないかなぁ……(気が早い)。



 しかし、考え方を変えれば……
 10年前の私は、6話と19話を観逃しても『プラネテス』を楽しんでいたし、「アニメ史上に残る傑作」と言っていたワケですよ。
 観逃した回があるならあったで、そこを脳内補完して楽しんでいたのです。10年後に全話視聴してみて「6話と19話を観逃しておいて何言ってたの俺」と初めて気付いたくらいなので、全話視聴をして確認しなければ本当は1話や2話観逃したところで問題なく楽しめるものなのかも……とも思ったんですね。


 レビューとかを書いたり、作品を評価したりって人は、そりゃ「1話でも観逃したら作品の良し悪しなんて語れないだろう」とは思いますが。私みたいに「楽しめればイイ」という目的だけでアニメを観ている人間には、1話観逃してもまだ作品を楽しめるならそれはそれでイイんじゃないかと思えてきました。

 いや……でも、その割には私、『劇場版ガンダム』を観て「テレビ版からあそことあそことあそこがカットされている。これでは元々持っていたメッセージ性が失われて、ただのロボットバトルアニメになってしまっている」とか文句言っていましたね(笑)。
 全話観ている人からすると、1話観逃しても気にせずに楽しんでいる人に対して「それでは作品の魅力を100%楽しんだとは言えない!」と思っちゃうものなのかも。難しい。


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| アニメ雑記 | 17:50 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

漫画雑誌を読むときは一話どころか何十話も知らないのに楽しめてしまうこともありますよね。

例えば、私は「四月は君の嘘」を初めて読んだのは、アニメだと第4話の公生とかをりの演奏シーンだったのですが、登場人物の背景も、その演奏に至るまでの過程も知らないのに、ボロ泣きしてしまいました。コンビニで。
もちろんその後一巻から読み直しましたが、ストーリーを踏まえたうえで読んでも、初めての読んだあの時の衝撃には勝てなかったですね。
「四月は君の嘘」はたぶん「毎週観ないと楽しめない作品」に分類されると思うのですが、それでも私が感動できたのは、ストーリー以外の演出面が優れていたんだと思います。コミックスの帯にも「音が視える」、なんて書かれていて、まさにその通りだとおもいました。
そう考えると、アニメや漫画の面白さの中で、ストーリー展開が占める割合ってそこまで高くないんじゃないかと思えてきます。
もちろん作品によって割合に差はあり、その差が「1週観逃しても大丈夫な作品」と「毎週観ないと楽しめない作品」という分類を作るのでしょうが、「毎週観ないと楽しめない作品」であってもそれなりに楽しめてしまうのがアニメや漫画といった媒体の特徴なんじゃないでしょうか。

ただ、どこまでが「ストーリー展開」による面白さでどこまでがそれ以外なのか、って言われると私もよくわかりません笑。おもしろさを分解することなんてナンセンスだ、っていう気持ちも持ち合わせていますしね。

| たま | 2014/12/09 02:48 | URL |















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