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何故に男どもまで武内Pに惚れてしまったのか

※ この記事はテレビアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』第1話「Who is in the pumpkin carriage?」のネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。

 もう散々語りつくされた感もありますけど……
 時流に乗って私も語ります!どうしても書きたいことがあったので!


 冬アニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』の第1話がとても良かったのです。
 背景の隅々にまで「前作ファン」と「原作ファン」へのファンサービスが散りばめられているところとか、「光と影」の使い方など細部に渡る演出とか、卯月に対して言われた「笑顔」という言葉と凛に対して言われた「笑顔」という言葉の意味を視聴者だけは何となく分かるシナリオとか……“凄かった”ところはいっぱいありました。

 現在、第1話はインターネット配信サイトの各サイトで配信されていますんで……この表[PR]をを参考に、まだ観ていない人も話題沸騰中の第1話をどうぞ!


 しかし、みんながこれだけ“好きになってしまった”理由は、何と言っても新「プロデューサー」のキャラクターの力でしょう。

 このブログを読んでいる人には『アイドルマスター』を全く知らない人もいらっしゃると思うので、一から説明しますと……前作『アイドルマスター』も、今作『アイドルマスター シンデレラガールズ』も、原作は「プレイヤーがプロデューサーになってアイドルを育成していくゲーム」です。
 プレイヤーの数だけ「プロデューサー」がいるので、こうしたゲームがアニメ化された際に「こんなのは俺じゃない!」と反発を喰らうことも想像できたのです。

 例えば、『艦これ』の第1話は対照的に、プレイヤーとなる「提督」は存在しているんだけどカメラには映らないようになっていました。『ラブライブ!』における穂乃果のお父さんみたいな扱いでした。これはこれで割り切った方法だなーと感心しました。
 自分は序盤で脱落しちゃったので後の展開は違ったのかも知れませんが、『ガールフレンド(仮)』のアニメ第1話はプレイヤーのキャラクターは存在せず、ただただ女のコ達を主人公にした学園生活を描いていました。これもこれで方法の一つだと思います。


 『アイドルマスター』および、『アイドルマスター シンデレラガールズ』の場合はそれぞれ「プロデューサー」というアニメオリジナルのキャラクターを作り、「オリジナルキャラであるプロデューサー」と「既に原作でファンが付いているアイドル達」がその関係性の中で成長していく様を描いているのです。
 「プロデューサー」には名前は付いていないのですが、前作『アイドルマスター』の「プロデューサー」は声優さんが赤羽根健治さんなので「赤羽根P」、今作『アイドルマスター シンデレラガールズ』の「プロデューサー」は声優さんが武内駿輔さんなので「武内P」という“通称”でファンの間では呼ばれています。

 さてさて。
 こんな風に本来なら「プレイヤーの分身」であるはずのポジションに「アニメオリジナルキャラクター」を割り当てる行為は、とてつもなくリスキーだと思うのです。「こんなヤツに俺の○○を任せられない!」と思われたらそこでおしまいですからね。
 私は『アイドルマスター』の原作ファンじゃないんですけど、実を言うと前作の「赤羽根P」はそんなに好きではありませんでした。その理由は自分でもなかなか分からなかったのですが、今回改めて考えてみると「赤羽根P」には人間味を感じることが出来なかったからかなぁと思います。
 「プレイヤーの分身」だから没個性型の主人公にさせられたせいで、どんな家庭に生まれ、どんな家族の中で育ち、どんな青春時代を過ごし、どんな恋愛をしてきて、色んな職業がある中でもどういう理由でアイドルのプロデュースなんてことを選んだのか―――そういうものが全然見えなかった(見せなかった)のが、自分が好感が持てなかった理由なのかと思います。「犬が苦手」くらいしかパーソナルな情報がないんですもの。

 あ、だからと言って前作『アイドルマスター』がダメなアニメだってことはないですからね。
 自分が「前半はそこまで好きではない」「後半は神アニメ」と思っているのは、前半はこの「赤羽根P」が「アイドル達」を引っ張っていく話が多いのだけど、後半は「アイドル達」が自分達の力で壁を乗り越えていく話が多かったからです。



 閑話休題。
 ということで、『アイドルマスター シンデレラガールズ』も新「プロデューサー」のキャラクター次第で大失敗になりかねなかったと思うんです。「オリジナルキャラクターを作ってアイドル達と絡ませる」というとてつもなくリスキーな選択をして……その結果、「どんなアイドルよりもこのプロデューサー(男)が可愛いじゃないか……」と、女性視聴者だけでなく男性視聴者もメロメロになってしまっているという。

 「赤羽根P」がそんなに好きじゃなかった私も、「武内P」は第1話の時点で好きで好きでたまらなくなってしまって、自分でも不思議なくらいです。男も好きになってしまう「男性キャラ」とは何か―――それを漠然と考えていたのですが、このツイートを読んで合点がいきました。



 そうか。「犬」的な可愛さだ。

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 『未確認で進行形』はちょうど1年前の2014年1~3月に放送されていて、現在BS11にて再放送されているアニメです。母・姉・妹という女3人家族のところに、妹の許婚である白夜と小姑として真白がやってきて、ドタバタした日常が始まるラブコメディです。

 なるほど、確かに「白夜」と「武内P」には共通点が多いし、私は「白夜」も好きだったから「武内P」のことも好きになる流れは納得です。

・どちらも「たくさんの女性キャラ」の中に飛び込む「一人の男キャラ」
・でも、主人公ではなく、あくまで「女性キャラ」の魅力を引き出す役割
寡黙&無表情なので、「女性キャラ」の方が喋ったり動いたりするしかない
・チャラチャラしてなくて、とにかく「一途」なことが視聴者にも通じる
・ホイホイと「女性キャラ」に手を出したりはしなさそうな安心感がある
・それでいて何でもこなせそうな「頼れる雰囲気」があって
・でも、常識的なこととか日常生活とかには抜けている部分があって「放っておけない」
・体が大きくて三白眼
・全体的に犬っぽい
ミステリアスな雰囲気なので、「過去に何があった」とか分からなくて良い



 白夜は「犬っぽい」というか、何というか……まぁ、そこは置いといて。
 白夜の魅力は、あれだけたくさんの女性キャラがいるのに「小紅」以外の女性キャラには一切の興味がないところです。恐ろしいまでの忠犬っぷり。それでいて「結婚するまでは手を出さないのが普通だ」と公言して紅緒様を逆にドン引きさせる安心感。

 また、白夜自身は表情がほとんど変わらないので、その分だけ小紅が喋るし動くしドギマギする――――この関係は『月刊少女野崎くん』の野崎くんと千代ちゃんの関係にも近いのだけど、「寡黙&無表情な男」はそれに翻弄される「女主人公のリアクション」の可愛さを引き出す効果があるのだと思います。
 「武内P」が動かない分だけ、動きまくる卯月が可愛かったし、クールなようで焦ったり怒ったりあきれたりする凛の表情の変化も可愛かった―――女のコの可愛さを引き出す力があるからこそ、これらの「寡黙&無表情な男キャラ」は男性視聴者からも支持されるんじゃないかなと。



 「一途」ということに関して言うと……
 以前に主人公がヒロインを好きすぎる作品、が好きですという記事を書いたことがありました。「小紅のことが大好きな白夜」もそうだし、「栗山さんのことが大好きな秋人」もそうなんですけど……これは別に恋愛に限った話ではなくて

<以下、引用>
 「誰かを好き」とか「熱中するものがある」とか「大切な人がいる」とかの情報を読者・視聴者に見せるということはそれだけで“裏表のないキャラ”と親近感を抱かせるのかなと思うのです。
</ここまで>

 「武内P」の愚直なまでの「名刺だけでも……」攻撃には、「アイドルに対する熱意」の一途さを感じましたし。そこから「器用に立ち回ることが出来ない裏表のなさ」を視聴者に見せつけました。

 それと……これは本当に見事なストーリー構成だなと思ったところに。
 第1話の冒頭で卯月が「同期のコ、どんどん辞めていっちゃったのに」と言われていて、その後ひたすら一人でレッスンしている姿を視聴者は観ているから―――「早く卯月に仲間を連れてきてくれ!」と「武内P」のスカウトも応援したくなってしまうんですね。

 「武内P」が「卯月」の魅力を引き出しているだけじゃなくて、「卯月」という健気な主人公の存在が「武内P」を応援したくなる存在に感じさせていて、キャラを実質3人に絞ったことでそれぞれがそれぞれ作用しあう見事な第1話だったと思います。



 ということで、「武内P」が何故ここまで人気なのかを考えてみますと……

・一生懸命
・裏表がない
・女性キャラの魅力を引き出す
・女性キャラのためにも応援したくなる
・パーソナルな情報がないのが、逆にミステリアスなキャラとして立たせている


 「アニヲタは美少女キャラにしか興味がない」みたいな偏見を持っている人は未だにいますけど、男のアニヲタだって元来「格好イイ男キャラ」が好きなもんです。ロボットアニメに胸を躍らせ、少年漫画に夢中になって、ヒーロー映画にときめいて……そういう少年時代を通過してきているのだから、心の根っこには「格好イイ男キャラ」に対する憧憬があるのです。

 しかし、「武内P」はそういう「格好イイ男キャラ」像とはちょっと違いますよね。
 アニメの企画から制作期間、放送までの時間を考えると……「影響を受けた」というよりも、「たまたまそういう作品が多くなった」流行だと思うんですけど。
 『未確認で進行形』の白夜と小紅、『月刊少女野崎くん』の野崎くんと千代ちゃん、『アイドルマスター シンデレラガールズ』の武内Pとアイドル達―――「寡黙&無表情の男キャラ」と「表情豊かな女主人公」という組み合わせのアニメがこの1年間ずっと話題になっているというのは、興味深いトレンドだと思います。


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○ 余談
 面白かった記事。

アイドルマスターシンデレラガールズ/感想/第1話「Who is in the pumpkin carriage?」(ネタバレ注意)
もうこいつがヒロインでいいよ! 話題沸騰「アイドルマスターシンデレラガールズ」武内Pが人気な理由
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武内Pの視界 ~『アイドルマスターシンデレラガールズ』第1話のキャラ描写~

 アニメの「考察記事」とか「感想記事」を書く際、私はなるべく他の人の記事を読まないようにしています。自分が書きたいものを既に他の人が書いていたとしても、「じゃあ取り下げます」ってやっていたらブログに書けるネタがなくなっちゃいますから。
 しかし、今回の『アイドルマスター シンデレラガールズ』の第1話は本当に盛りだくさんで、みなさん注目するところがそれぞれ違うというのが面白い!なので、他の人の記事も読んで「ここに触れている人は(自分の観測した中では)いないみたいだなー」と思ったところをここに書こうと思います。少しでも第1話の“凄さ”が伝わればイイなと思うので……


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<テレビアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』第1話より引用>

 私が注目したのは、花屋のシーンです。
 アイドルになれることが決まった卯月が、自分のために花を買おうと花屋に行き、たくさんの花の中から「自分へのプレゼントとなる花」を選ぶのですが……「たくさんの花の中から一つの花を選ぶ」という行動は、「たくさんのアイドル候補の中からたった一人の島村卯月を選んだ」プロデューサーの行動の比喩表現になっているのです。


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<テレビアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』第1話より引用>

 最初、卯月は高級な花に目を奪われるのですが、自分には高額だったために次に「自分でも買えそうな金額の棚」を見ます。これは、まだまだアイドルになれていない上に、オーディションにも再選考でなんとか選ばれた卯月の境遇に照らし合わせているのですが……この「卯月でも買えそうな花」も、とてもキレイで「どれを選んでイイのか分からない」くらいなんですね。

 その中で、卯月は凛にオススメされたアネモネを買って帰ります。
 卯月の様子を見た凛が選んだ「卯月にピッタリの花」―――島村卯月のアイドルとしての物語はここから始まるのです。




 さて、花と言えば印象的なシーンがもう一つ。
 卯月と凛が公園で喋っているシーンで、卯月の独白とともに公園の花が次々と映ります。

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<テレビアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』第1話より引用>

 花屋に並ぶ花とは違う、でも美しく咲く公園の花々―――
 それは「アイドル候補」ですらない、渋谷凛のような「ただの少女」達が持つ美しさのよう。


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<テレビアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』第1話より引用>

 そんな中……桜の花が一輪、風に揺られて落っこちてきます。
 まるで、「キラキラしている少女達」の中で「まだ夢を見つけられない凛」の姿のように……


 しかし、卯月はその落ちた桜の花を拾い上げて、こう言うのです。

cinderera7.jpg
<テレビアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』第1話より引用>

 「プロデューサーさんは、私を見つけてくれたから。
 私は、きっとこれから夢を叶えられるんだなって―――それが嬉しくて!」



 これは卯月が卯月自身の気持ちを喋った言葉。
 でも、凛のことも表現した言葉になっているのです。

 落ちてしまった桜の花も卯月が拾えば美しい絵になるように、「キラキラしている少女達」の中で「まだ夢を見つけられない凛」のこともプロデューサーが見つけてくれて、そしてきっと美しい絵になるはず―――渋谷凛のアイドルとしての物語はここから始まるのです。


 卯月と凛という二人のアイドルのスタート地点を、対照的に、でもお互いがお互いに作用させ合いながら美しく描いた第1話―――とてつもなく素晴らしかったです。
 「武内P」という爆弾ばかりが話題になっていますが(もちろんそれを狙っていたのでしょうが)、ただ話題性のあるアニメというだけでなく、こういう地に脚がしっかりついた見事な演出と脚本のアニメだということも伝われば嬉しいです。

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