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昔の名作漫画のアニメ化を、私が歓迎したい理由

 賛否両論あると思いますが、私はとても嬉しかったニュースです。

 うしおととら : 今夏初のテレビアニメ化 累計3000万部の人気妖怪マンガ

 何故なら、私は『うしおととら』を読んだことがないからです。
 『うしおととら』は1990年~1996年に週刊少年サンデーで連載された藤田和日郎さんの大人気漫画で、通常版のコミックスは全33巻だそうです。私はリアルタイム世代と言えなくもないのですが、私がこの漫画の存在を知った時は既に長期連載になっていてコミックスが20冊とか25冊とか出ていた頃でした。

 「面白いよ!」「名作だよ!」「絶対に読みなよ!」とは、連載中も連載終了後も言われまくりましたが……その漫画をまだ「自分にとって楽しいかどうか」も分かっていない状態で、コミックスを20冊とか30冊とかポンと買うことは自分には出来ませんでした。
 子どもの頃は財力の問題で、大人になってからは置き場所と読む時間の問題でハードルが高く、今日まで「読みたいけど読めなかった名作漫画」だったのです。


 だから、アニメ化されるのはすごく嬉しいのです。
 私は好きな漫画がアニメ化されても楽しめないので、同じように90年代に連載されていた漫画のアニメ化だった『レベルE』も『ジョジョ』も『寄生獣』も、原作が大好きなのでアニメは観ませんでしたが。『うしおととら』は原作を読んだことがないのでアニメを観てみようと思います。
 逆に、アニメが面白かったことで原作を後から読んでみると「アニメも原作もどっちも面白い!」と私は思うので、アニメが面白かったら原作もチェックしてみようと思います。今ならば電子書籍版もありますしね。

(関連記事:アニメの後に原作を読むススメ



 さてさて。
 さっきもチラッと書きましたが、『うしおととら』に限らず「90年代に連載されていた漫画が今になってテレビアニメ化される」ことって続いていますよね。

『レベルE』:原作は1995年~1997年連載、2011年にテレビアニメ化
『ジョジョの奇妙な冒険』第1~2部:1987年~1989年連載、2012年~2013年にテレビアニメ化
『ジョジョの奇妙な冒険』第3部:1989年~1992年連載、2014年~テレビアニメ化
『寄生獣』:1988年~1995年連載、2014年~テレビアニメ化


 パッと思いついたのはこんなところ。
 また、今回が初のテレビアニメ化ではありませんが、こちらも2014年からWEBアニメで放送されている『美少女戦士セーラームーンCrystal』も1992年~1997年に連載された漫画を原作にしたアニメです(自分は観ていないので詳細は分かりませんが1992年~1997年に放送された過去のテレビアニメ版よりも、原作漫画に忠実な展開らしい…?)。

 アニメ以外のメディアミックスで言うと、『るろうに剣心』は1994年~1999年に原作漫画が連載されていた作品で、2012年と2014年に実写映画化されていますし。先ほど書いた『寄生獣』も、テレビアニメ化だけでなくて実写映画化もされています。
 映画ではなくテレビドラマで言えば、『地獄先生ぬ~べ~』も、1993年~1999年に原作漫画が連載されていて、2014年に実写ドラマ化されていましたね。



 何故、こうも1990年代の漫画が今になってアニメ化されたり映画化されたりするのか―――

 色んな理由が言われていますけど。
 1990年代に消費者としてこれらの作品を楽しんでいた10代の若者も、今や30代や40代になっているのですから……かつてのファンが「コンテンツを作る側」の中核になっているというのもあると思います。
 1990年代の作品じゃないですけど、1980年代に『ガンダム』シリーズを楽しんでいた人達が「ガンダムファンによるガンダムファンに向けたガンダム作品」として『ガンダムUC』を作ったみたいなこともありますものね。かつてのファンがシリーズを作る側に回っていく……


 また、単純に今の10代・20代よりも30代・40代の方が人口が多いし、お金も持っているということもあると思います。深夜アニメをビジネスとして成立させている「DVD&ブルーレイの販売」を考えると、20代の人はともかく10代の中高生に全巻買わせるのは厳しいでしょうし、人数も違います。


 あと、自分はあまり好きな意見じゃないですけど、「アニメの数が多すぎてアニメ化して売れそうな原作がもう残っていない」という意見も見ました。世の中にはまだまだ面白い作品があると思いますし、もし良さげな原作がないのならオリジナルやればイイじゃんって私は思うので、全面同意は出来ませんが……
 確かに、90年代と現在では「アニメ化される作品の数」が違いますもんね。『ジョジョ』や『うしおととら』が当時テレビアニメ化されずにOVA化に留まっていて、ここ数年でテレビアニメ化されるいうのは象徴的でもあります(ビジネスモデルの変化というのもあるとは思いますが)。



 ただ……こういう「ビジネス的な理由」だけじゃなくて、もうちょっと夢のある話をするのなら。原作を知らない世代にも、「名作」に触れる機会が与えられるって考えも、私は主張していきたいです。
 それこそ『うしおととら』を読んだことがないからこそテレビアニメ化が楽しみな私のように、今の10代・20代には『うしおととら』を読んだことがない人も多いことでしょう。1996年って19年も前ですからね。マリオが3Dになってビックリしていた時代ですよ。まだ『FF7』が出ていないし、日本はサッカーW杯に出場したことがないし、ポケベルと小室サウンドの全盛期ですよ。

 「『うしおととら』って名前は聞いたことあるけど読んだことないなー」という人が最初に触れるには、テレビアニメ化はイイ機会だと思います。実際、『ジョジョ』のアニメ化でも「『ジョジョ』読んだことがなかったけど面白いな!」という声は意外なほど多かったですもの。
 自分も含めて『ジョジョ』大好きな立場からすると、『ジョジョ』くらい大メジャーな漫画だったら日本国民全員が読んでいるに違いないって思ってしまいがちなんですが……どんな大メジャーな作品であっても読んだことがない人はいるし、世代が違うとなおさら読んだことがない人も増えることでしょう。


 記事の前半では敢えて書きませんでしたが、これって別に「1990年代の作品」に限った話じゃないんですよね。
 「昔の名作を、現代の技術で蘇らせる」ことは古今東西行われてきました。『鉄腕アトム』のアニメだって、1963年~1966年の第1作が、1980年~1981年にリメイクされていますし。ハリウッド映画だと「名作アメコミを現代にリブート」は立派な巨大ジャンルになっていると思います。

 自分がついこないだまでdアニメストアの「見放題」で観ていた『墓場鬼太郎』は、少年誌で連載されてテレビアニメ化もされて後に『ゲゲゲの鬼太郎』というタイトルで大メジャーになる作品の、貸本時代だった1960年代の作風を2008年にテレビアニメ化した作品でした。
 流石に貸本時代の原作なんて読んだことがない私ですが、「元々はこういう話だったのか!」と原作を知らないからこそ楽しみました。

 2012年のテレビアニメ『LUPIN the Third -峰不二子という女-』も似たような路線で、27年ぶりの連続テレビアニメでしたが、テレビアニメや劇場版アニメで定着したコミカルな路線ではなく、1967年~1969年に連載された原作に近いシリアスなテイストを目指して主要キャラの若い頃の姿を描いた作品とのことでした。
 2014年には『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』という劇場版も公開されましたね。

 2013年にテレビアニメ化されて前後して劇場版も公開された『宇宙戦艦ヤマト2199』は、1974年のテレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』のリメイクですし。
 現在放送されている『夜ノヤッターマン』は、1977年~1979年に放送されたテレビアニメ『ヤッターマン』を現代風に大胆にアレンジして、敵側を主人公にして描いている作品です。


 テレビアニメではなく、実写映画の話で考えると……

・『ヤッターマン』:1977年~1979年に原作アニメが放送、2009年に実写映画化
・『宇宙戦艦ヤマト』:1974年~1975年に原作アニメが放送、2010年に実写映画化
・『あしたのジョー』:1968年~1973年に原作漫画が連載、2011年に実写映画化
・『ガッチャマン』:1972年~1974年に原作アニメが放送、2013年に実写映画化
・『パトレイバー』:1988年~1994年に原作漫画が連載、2014年から実写化プロジェクト


 毎年のように過去の名作漫画やアニメの実写映画は作られていますし。
 『ぬ~べ~』のような実写ドラマ化で言うと、日本テレビの土曜9時台のドラマは……

・『怪物くん』:1965年~1969年に原作漫画が連載、2010年に実写ドラマ化
・『妖怪人間ベム』:1968年~1969年に原作アニメが放送、2011年に実写ドラマ化
・『地獄先生ぬ~べ~』:1993年~1999年に原作漫画が連載、2014年に実写ドラマ化


 昔の漫画やアニメのリメイクとかも多いんですよね。




 これらの「昔の名作を、現代の技術で蘇らせる作品」達は……名作をリアルタイムに楽しんでいた世代だけをターゲットにしているワケではなくて、リアルタイムには知らない「名前は聞いたことあるけど観たことないなぁ」という世代に向けても作られているのだと思います。
 原作を今から読む&観るのはハードルが高いけど、テレビで放送されるor映画1本で観られるのならじゃあ観てみようかなという人に向けても作られているのでしょう。

 実写映画とか実写ドラマの例を見るに、リアルタイムに楽しんでいた世代が親になって、リアルタイムには知らない自分の子どもに「これ、お父さんは昔のを観てたんだぞ」と見せてあげたくなる作品という側面もあるように思えますね。

 ん……ということは、何だ……?
 今になって1990年代の漫画がアニメ化されたり映画化されたりするのは、10代で『ぬ~べ~』読んでいた世代が大人になって結婚して子どもを作って家族団らんの中でドラマを観ているってことなのか……?あ、ヤバイ。死にたい。




 閑話休題。
 ということで、今になって1990年代の漫画がテレビアニメ化されていく現状は私は嫌いじゃないです。自分が観ようと思っている『うしおととら』はもちろん、自分が観なかった『レベルE』とか『ジョジョ』とか『寄生獣』とかもコレをきっかけに「こんな面白い作品があるんだ」と知ってくれる人がいるのなら、それらの作品が大好きな自分も嬉しいです。


 ただし、問題点もあります。
 「現代の技術で蘇った作品」が原作に比べて酷い出来だったり、似ても似つかない作品だったりした場合……原作を知らない人に「○○ってあんなもんでしょ?大して面白くなかったよ」と思われかねないのです。これはまぁ、「昔の作品」だけじゃなく「最近の人気作品のアニメ化」とかでもそうなんですが。

 だから……「テレビアニメ化」ならともかく、自分の大好きな漫画が「実写映画化!」とかされたら私は逃げ出したくなると思います。『スラムダンク』辺り、狙っている会社がないワケがないのですごく怖いんですけど、井上先生が拒否しているのかバスケットボール題材の実写は難しいのか、幸いなことにまだ無事ですね。無事って言い方もアレですけど(笑)。


 また、原作がメジャーすぎるからこそ「こんなのみんな知っているでしょ?」と平然と原作ファンがネタバレをしてくる問題もあります。『ジョジョ』とか、自分でもうっかりしてしまいがちですもん。「この後コイツこうなるんだよねー」とか「○○戦がすげえ好きなんだよねー」とか、みんなが知っていると思い込んでついつい言ってしまいそうになりますもの。
 『うしおととら』はすげー楽しみだけど、今からネタバレ地獄の恐怖との戦いです。ネタバレ踏まないようにどれだけ気をつけても、リプライとかコメントで直接送ってくる人いますからね……仕方がないので、そういうのはブロックとかアク禁で対応していこうと思います。

(関連記事:ネタバレは哀しいかな「善意」で行われる

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| 漫画読み雑記 | 17:52 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

問題は「この人達は凄い原作愛を持っているのに何でこんなに残念なんだろう」ということも少なくないことですね。
まぁ、例に挙げたJOJOや寄生獣のような大成功作も近年は目立つんで、期待半分不安半分で待ちたいものですが。
ネタバレはねぇ…。
「よくも桃太郎のネタバレをしたな!俺は桃太郎を知らなかったのに!」と言われても困りますからねぇ。
桃太郎や浦島太郎なみに知ってて当然の漫画があるかどうかは別として。
人によってはそれがあるでしょうし。

| 児斗玉文章 | 2015/02/13 18:21 | URL |

寄生獣は映像化の権利を海外の映画会社かどこかが持っていて映像化出来なかったって背景もあったりしますね。
とはいえやはりこの時期にアニメ・実写化したのはこの記事の流れのとおりだと思いますし、アニメ化の気運も十数年前に比べると今のほうが高いですからね。

ネタバレに関してはどうしても、好きなものを語りたくなってしまうというものだと思いますね。
悪い点ばかり書いてしまうという記事がありましたが、じゃあいい事を書こうとするとどうしてもネタバレに近くなってしまう、という問題もあるのかもしれません。

| メアトル | 2015/02/13 23:12 | URL |

ネタバレについては上の方の桃太郎の例えが非常に秀逸だと思います
長く愛された作品はどうしても古典としての側面も持ってしまい、それは無意識に作品語りがネタバレになってしまいがちです
個人的なことをいえば、ジョジョとガンダムは見る前から登場キャラの名前と最終回までの流れは知ってました

| ああああ | 2015/02/13 23:24 | URL |

アニメが漫画に追いつくとオリジナルのシナリオ入れて間を伸ばしたり、エンディングが漫画と全然違うことだってあります。なので、すでに連載が終わった原作漫画を完全再現したアニメってありかなって思うことがあります。
ただ、未だにドラゴンボールがもてはやされる、原作の実写化がポコポコ出されると、新しいものを生み出しても売れないことへの逃げというか言い訳にしか感じられません。夢がない発言で失礼いしました。

| シェリー | 2015/02/14 08:13 | URL |

多少の懸念もありますが、「名作」と呼ばれる原作がアニメ化されること自体は、その作品に触れる機会の無かった方々に観てもらえるという意味で嬉しいですね。
かつて、発売から3年以上遅れてゼノブレイドを遊んだ自分に
「何も情報を持たず、まっさらな状態で遊べるあなたが羨ましい」
と声をかけてくれた方がいましたが、今ならその気持ちが少し分かりますw

作品自体は本当に面白いですし、これだけ時間が経ってわざわざアニメ化するわけだから、「ファンが期待する部分」をはずしてくることは無いと思いたいです。何にせよ、楽しみですね。

ネタバレは……極力書かないよう気を付けますw

| HIZU | 2015/02/14 16:24 | URL |















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