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今だからこそ『アイドルマスター XENOGLOSSIA』とは何だったのか

 私は序盤で脱落してしまったので「面白いか/面白くないか」を語る気はありませんが、今季のアニメ『艦隊これくしょん-艦これ-』について「自分の望んだようなアニメ化ではなかった」ことを「『ゼノグラシア』のようだ」と喩えている人をよく見かけます。

 確かに共通点がないワケでもありません。

・どちらも原作はゲーム
・どちらもたくさんの女のコが出てくるゲーム
・どちらもゲームの開始から時間が経っていない段階でのアニメ化(※1)
・どちらもシリーズ構成が花田十輝さん


(※1:アーケードゲーム『THE IDOLM@STER』は2005年7月稼動開始で、アニメ『アイドルマスター XENOGLOSSIA』は2007年4月放送開始。その間は1年9ヶ月。
ブラウザゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』は2013年4月にサービス開始で、アニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』は2015年1月放送開始。この間も1年9ヶ月)



 なので、私も『艦これ』のアニメ放送開始前に「『ゼノグラシア』になるのか、『ラブライブ!』になるのか」と書いて煽ってしまっていました。しかし、『ゼノグラシア』が抱えていた問題は『艦これ』のそれよりももっともっと根深い問題だったと思うのです。

 その『ゼノグラシア』ももう8年前のアニメですから、リアルタイムには知らないけど「ネット上でこんな風にネタにされている」「黒歴史アニメ」みたいな漠然としたイメージだけ知っているという人も多くなってしまっていると思うのですね。それこそ二次批判、三次批判と、実際には観ていないけど「ネット上の批判」を読んで分かった気になってしまっている人も多いことでしょう。


 かく言う私も、リアルタイムには観ていません。
 当時「アイマスのアニメが始まるんだー」とブログに書いたところ、まだアニメが始まる前にも関わらず「そんな糞アニメの話題を出すのならアイマスファンが一丸となってこのブログを潰す」という脅迫メールが届きまして……「うわっ、何この人キモチワル!アイマスファンはともかく、この人には関わりたくねえから今後なるべくアイマスには触れないことにしよう」と観なかったんです。

 それをずっと後悔していたのですが……
 昨年の11月にバンダイチャンネルの「見放題」を利用した際に、流石にその人ももうウチのブログ読んでねえだろうなーと思ったので全話視聴しました。7年越しの視聴でしたけど、逆にこのタイミングで観たからこそ分かったことも多かったので良かったと思っています。


 7年経っていましたからね。
 その後の2011年に「ちゃんとアイドルの姿を描いた『アイマス』のアニメ」が放送されたこともあって、流石に今はもう「『ゼノグラシア』の話題を出すヤツは殺す!」と怒っている人もいないと思いますし……7年間の間に「アイマスとして観なければそこそこ面白い」とか「ロボットアニメとしてはなかなか」という評判も見ていました。なので、感情的にならずにフラットな気持ちで作品と向き合えると思ったんですね。


 んで、実際に観てみたところ……


 普通に面白くなかったです。

 『アイマス』がどうこうとかじゃなくて、普通に面白くなかったです。
 終盤に燃える展開がないワケじゃないんですけど……「『舞-HiME』を水で薄めたストーリーに『アイマス』のキャラを当てはめただけの志の低いアニメ」というのが私の感想でした。純粋に『ゼノグラシア』を好きな人には申し訳ないですけど、私は『舞-HiME』『舞-乙HiME』が大好きでしたからそこからの劣化っぷりに愕然としました。


 だから、『艦これ』が「『ゼノグラシア』のようだ」と言われるのが納得いかないんです。
 『ゼノグラシア』はもっともっと問題の根が深い、アニメの歴史に残るくらいの惨劇だったと私は思っていますから。

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○ 当時の『アイドルマスター』は、どういう位置付けの作品だったか
 『アイドルマスター』ももう10年戦士なので、若い人達には初期の頃を知らない人も多いでしょうし、「『アイマス』は2011年から始まった」と素で誤解している人もいるらしいんで……そこから解説していきます。

 『THE IDOLM@STER』は、元々は2005年7月から稼動開始したナムコのアーケードゲームです。この記事では分かりやすさのために『アイドルマスター』というカタカナ表記で統一させていただきます。

 その後、2007年1月には家庭用ゲーム機に初めて展開され、Xbox360版がバンダイナムコゲームスから発売されます。同年11月には安価なプラチナコレクション版も発売されますが、その後も継続された有料DLCの販売が大成功を収めて現在のバンダイナムコに繋がっている……という話はまぁイイですか。

 アニメ『アイドルマスター XENOGLOSSIA』は2007年4月~9月に放送されたので、Xbox360版の展開に合わせたアニメ化だったとも言えますね。この記事では、こちらも分かりやすさのために『ゼノグラシア』というカタカナ表記で統一させていただきます。


 『SHIROBAKO』を観ている人ならば分かると思いますが、アニメは今月企画して来月から放送開始みたいなことはありません。企画自体は放送から1年前・1年半前とかから始まっているのが普通で、Wikipediaによると『ゼノグラシア』の監督が決まったのは2005年の暮れで、その時点でロボットアニメになることは決まっていたみたいですね。
 つまり、『ゼノグラシア』の世界観やストーリーが作られた頃の『アイマス』は、まだアーケードゲームしかなくて家庭用ゲーム機に進出する前だったんですね。なので、Xbox360版で初登場になった星井美希などのキャラクターは『ゼノグラシア』には登場しません。

 もちろんアーケードゲームとして人気だったからこそ家庭用ゲーム機に進出していくのですが、今と比較すると当時はまだまだ「知る人ぞ知る」コンテンツだったと思いますし、その後の『アイマス』がこんなにも国民的人気コンテンツになっていくだなんて誰も予想していなかったと思うのです。ファンでさえも。



 更にもう一つ、ややこしい問題が。
 ひょっとしたら今の若い人はご存じないかも知れませんが、現在の「バンダイナムコ」はかつては「バンダイ」と「ナムコ」で別の会社でした。その経営統合が始まった時期が2005年~2006年辺り。まさに『ゼノグラシア』の企画が立ち上がった時期です。

 これ……昔どこかでちゃんとした話を読んだ気がするのですがソースが思い出せないので、ひょっとしたら私の妄想かも知れませんが。「バンダイナムコ」への経営統合が行われている時期に、「ナムコ」の新しいコンテンツだった『アイドルマスター』を、「バンダイ」の傘下であるサンライズがアニメ制作をして、「バンダイ」グループのバンダイビジュアルが販売をするというのは……分かりやすく、「バンダイ」と「ナムコ」の橋渡しの象徴となるアニメ化だったんだろうなと推測が出来ます。

 ということで……「こういうアニメ化をしたい」とか「このチームにしか出来ないアニメ化をして欲しい」みたいなスタートではなく、「サンライズが『アイマス』のアニメを作らなければならない状況になってしまった」から始まっている企画だと思うんですね。


 さて、一方の当時のサンライズです。
 今でこそ『ラブライブ!』や『アイカツ!』が人気のサンライズですが、2005年~2006年頃のサンライズは美少女アニメ路線はまだそれほどではなく、2004年の『舞-HiME』が「サンライズ初の萌えアニメ」と言っていたくらいの時期です。なので、必然的にサンライズの中でも『舞-HiME』『舞-乙HiME』を手がけたスタジオに話が行き、後述しますがスタッフ・キャストともに『舞-HiME』『舞-乙HiME』からの人達が多く関わるようになりました。

 『舞-HiME』『舞-乙HiME』は続編が作られるくらいのヒット作ですし、サンライズの中で唯一「美少女アニメとして実績がある」人達と言えます。そして、これも後述しますが『舞-HiME』『舞-乙HiME』で採用された「スターシステム」が大成功を収めている時期なので、これを『アイドルマスター』に採用すれば色んな問題が解決できるとも言えました。
 こうして『舞-HiME』『舞-乙HiME』の成功体験を基盤に『アイドルマスター』のアニメ化を行い『ゼノグラシア』が生まれる―――という。


 なので、『ゼノグラシア』は『アイドルマスター』のアニメ化というよりかは、『舞-HiME』『舞-乙HiME』に続くシリーズ3作目を『アイマス』のキャラでやってしまったと言えますし。当時の状況からすると、「コレしかない」展開だったと私は思います。

 『ゼノグラシア』はネット上で言及される際には、「人気絶頂だった『アイドルマスター』を原作愛がなくて頭おかしい連中がロボットアニメなんかにして台無しにしてしまった」的に言われていることが多いのですが……
 私が思うには「まだまだコンテンツとして育っていない『アイドルマスター』を、当時ノリに乗っていた『舞-HiME』『舞-乙HiME』の手法を使ってアニメ化しようとした」という、どっちかというと“堅実な手段”だったと思うんです。2005年の暮れの時点では。


 ということで……『ゼノグラシア』というアニメを語るには『舞-HiME』『舞-乙HiME』の流れを語るしかないんですね。
 『ゼノグラシア』ですら8年前のアニメですから、更に前の『舞-HiME』『舞-乙HiME』なんて名前も聞いたことがないという若者も多いかと思います。当時私は『舞-HiME』『舞-乙HiME』が大好きで猛プッシュをしていたくらいなので……今だからこそ、『舞-HiME』『舞-乙HiME』からの『ゼノグラシア』がなぜ「普通に面白くなかった」かを語ろうと思うのです。


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○ 『舞-HiME』『舞-乙HiME』に比べて、どうして『ゼノグラシア』が面白くなかったか
 『舞-HiME』というアニメは2004年9月~2005年3月に放送されて、その続編アニメ『舞-乙HiME』は2005年10月~2006年3月に放送されていました。

 このシリーズの特徴は、何と言っても「スター・システム」です。
 キャラクターを「俳優」に見立てて、同じキャラクターが様々な作品に登場するのだけど、それぞれのキャラクターの性格や立ち位置、ストーリーなどが作品を横断・縦断して繋がっているという面白さがあったのです。

 分かりやすい例を挙げると……
 『舞-HiME』という作品は、毎週のテレビアニメとして放送されていたのとは別に、週刊少年チャンピオンで連載されていた漫画版もありました。このテレビアニメ版と漫画版は「キャラクター」の名前と容姿、性格みたいなものは共通しているのだけれど、設定・ストーリー展開などは全く異なっていて、完全なパラレルワールドになっていました。

 しかし、完全なパラレルワールドでありながらストーリーはシンクロしていて、テレビアニメ版と漫画版では同じ週に同じキャラクターが初登場するのだけど、テレビアニメ版では味方キャラで、漫画版では敵キャラとして登場する―――みたいなことが起こっていました。
 当然これはただの偶然ではなく、テレビアニメ版の脚本家と漫画版のシナリオ担当が話し合って「○週目に△△を出そう」と事前に決めていたからこそ出来ることですね。


 続編の『舞-乙HiME』になると、これが更に進み。
 『舞-HiME』は現代日本を舞台にした学園アニメだったのに対して、『舞-乙HiME』はお姫様やメイドさんが登場するファンタジーな世界観のアニメで、全く舞台が異なる作品なのですが……新キャラである主人公格の数人を除けば、前作『舞-HiME』に出てきたキャラクターが多数登場して、性格や境遇などが前作を知っている人ならばニヤリと出来る仕組みになっていました。世界観が違うので、当然『舞-HiME』に出てくるそのキャラと『舞-乙HiME』に出てくるそのキャラは別の人生を歩んでいる人なのですけどね。

 これは、キャラクターを「俳優」に見立てて、その「俳優」が『舞-HiME』のテレビアニメ版だったり漫画版だったり『舞-乙HiME』のテレビアニメ版だったり漫画版だったりに出演している―――という感覚のシリーズだったんですね。だから、それぞれ全く別の世界観とストーリーなのだけど、キャラクターだけは共通という。


 そんな風に『舞-HiME』『舞-乙HiME』が成功している2005年に、『アイドルマスター』のアニメ化の話がこのスタジオに来たのですから……2011年にアニメ化されたような「アイドルとしての活動を描くアニメ」ではなく、このスター・システムを使って「アイドルが『俳優』としてロボットアニメに出演している」という形の『ゼノグラシア』が出来るのはそんなに不思議なことではないと私は思います。

 今の感覚だと「何それ?普通にアイドルアニメとして作ればイイじゃん」と言いたくなるかもですが、2005年の段階でそれが出来たとは思いません。「プレイヤーごとの物語があるシミュレーションゲームを一つのストーリーにするのはムリ」とかではなくて、ダンスシーンの作画どうすんのよ。

 この『ゼノグラシア』がロボットアニメとして進むことが決まったのが2005年で、実際に放送されたのが2007年―――その間の2006年のアニメ界のトピックと言えば、何と言っても『涼宮ハルヒの憂鬱』の大ヒットでした。あのアニメではEDのダンスシーンが話題になって「京アニすげえ」と言われたのですが、逆に言うとアニメーションで「絵」と「音」を合わせてダンスをさせることがそれだけ難しかったということだと思うんです。

 少なくとも、『舞-HiME』『舞-乙HiME』とバトルもののアニメしか作っていなかったスタジオにそれが出来たとは思いません。
 現在のサンライズは『ラブライブ!』にしろ『アイカツ!』にしろダンスシーンのあるアニメを作っていますが、それも「アニメの中でダンスシーンを組み込むための3DCGの技術」を時間かけて取り入れたからで――――2005年のサンライズに同じことが出来たとは思いません。

 まぁ……それでも原作への愛が強ければ、社を挙げてダンスシーンの作画を頑張るという選択肢もあったかも知れませんが。前述の通り、2005年の時点での『アイドルマスター』はまだ「知る人ぞ知る」コンテンツだったし、言ってしまえば「早くアニメ化しなければ人気も落ちるかも知れない」コンテンツだったワケですからね。


 そういう意味で、「『アイマス』キャラを使ったロボットアニメ」になったことは私はそれほどおかしなことではないし、むしろ堅実な手段だったと思っています。現在のネット上でネタにされているような「頭のおかしい人達がおかしなことをしてしまった」みたいなことはないと思います。

 メインスタッフも『舞-HiME』『舞-乙HiME』で実績のある人達が集まっていて……
 監督の長井龍雪さんは『舞-HiME』『舞-乙HiME』でコンテや演出を担当していて、『ハチクロII』で初監督を務め、期待の若手監督でした。その後に『とらドラ!』『超電磁砲』『あの花』でスマッシュヒット連発するくらいなのだから、当然実力は申し分ない人でした。

 当時ゲームの『アイマス』ファンからの怒りを買ったキャスト変更については、サブキャラクターに『舞-HiME』『舞-乙HiME』で実績のある声優さんを揃えているところなんかを見る限り、『舞-HiME』『舞-乙HiME』のスター・システムを更に一歩俯瞰で見て、「俳優」であるキャラクターを、更に演じている「声優」さんが複数の作品にまたがっているみたいなことがやりたかったのかもなぁと思いました。
 結果的に、これが「スター・システムとしての面白さ」を台無しにしていたんで1ミリも擁護の出来ない大失策だったと思いますけど。



 ここまでをまとめますと……

・バンダイナムコ経営統合に合わせて始まった、『アイマス』を「サンライズ」がアニメ化するプロジェクトだった
・当時の「サンライズ」で美少女アニメを作っていたのは『舞-HiME』『舞-乙HiME』のスタジオだけだったので、必然的にそこが担当
・当時のサンライズにはダンスシーンは難しかったからか、『舞-HiME』『舞-乙HiME』の「スター・システム」を使ってロボットアニメになった
・スタッフ・キャストは『舞-HiME』『舞-乙HiME』で実績のある人達が集められた




 全体的に、『アイドルマスター』のファンに向けたアニメ化というよりかは、『舞-HiME』『舞-乙HiME』のファンに向けた新作アニメって印象があると思います。ただ、『舞-HiME』『舞-乙HiME』が大好きだった私からしても、『ゼノグラシア』は「普通に面白くなかった」です。


 そもそも「スター・システム」が全然機能していない。
 『舞-HiME』『舞-乙HiME』の「スター・システム」の何が面白かったというと、一つのキャラが複数の作品にまたがって登場して、それぞれがシンクロしていたところです。テレビアニメ版と漫画版で、同じ週に同じキャラが登場したりとかね。

 『ゼノグラシア』がシンクロしなければならない相手は、言うまでもなく原作にあたるゲームです。ゲームのキャラクターがアニメになるとこんな風になるんだよという相違点と共通点こそが「スター・システム」の魅力なのですが、Xbox360版の新キャラ星井美希が登場しないなど、ゲームとアニメが全然連動していないのです。

 もちろん『ゼノグラシア』のストーリーを作っている時点ではXbox360版は発売していませんけど、二次創作じゃなくて公式のアニメ化なんだから、事前に情報のやり取りをして「Xbox360版の新キャラをアニメにも登場させる」ことくらいはやらなければダメでしょうよ。
 「バンダイ」と「ナムコ」の橋渡し的な作品どころか、むしろ「こんな情報のやり取りもしていないのか……」という断絶を感じる内容でした。

 加えて、ゲーム版から声優さんが変わっているから、ゲームのキャラが「俳優」としてアニメに出ているというよりも。ただ単に別人にしか見えないんですよね。声が違う、性格も違う、キャラデも違う、共通しているのは名前と誕生日くらい?
 『舞-HiME』『舞-乙HiME』の「スター・システム」の面白かった部分を継承出来ていないのです。



 また、「ロボットアニメとしての設定」としても正直面白くないですし。
 『舞-HiME』の「好きな人への想いが召還獣を生む」というHiMEシステムや、『舞-乙HiME』の「一人の少女が軍事戦力を担うことで世界の秩序が保たれている」という乙HiMEシステムは―――たくさんのキャラに意味を持たせるだけじゃなくて、たくさんのキャラの思惑が錯綜して予測不能なストーリーに進む設定でした。面白いストーリーに進むことが出来る「設定」だったんですね。

 一方、『ゼノグラシア』の「意思を持ったロボット」は設定自体がありきたりなだけじゃなくて、ロボットの数もパイロットの数も限られているからストーリーが読めてしまうんですね。
 それでいて、例えばそのロボットに斬新な設定とか、見たことのない武器とか、戦略性の高いバトルシーンとか……そういう要素があれば良かったんですけど。基本ロボット同士でぶん殴り合うだけでしたし。ロボットバトルアニメとしても面白みはありませんでした。

 終盤の敵基地への生身での潜入展開はすごく面白くて、長井監督作品で言えば、後の『とらドラ!』の格闘シーンや『超電磁砲』の能力バトルはすごく良かったので……
 長井監督作品はロボットよりも人間動かしている方が面白いと思うんですね。監督に話が行った時点でロボットアニメになることは決まっていたというのが、そもそもの不幸だったのかなと。



 んで、何よりストーリーが『舞-HiME』『舞-乙HiME』と一緒。
 最初の『舞-HiME』は「こんな展開になるのか!」と驚いたし、次の『舞-乙HiME』は「今回は違うのかな……違うのかな……違わなかったー!」と驚けたのですが、3回目の『ゼノグラシア』だったらもう驚きも何にもないです。「またこのパターンか」としか思わないですよ。
 「このキャラきっとこの後こうなるんだろうな」「ラスト何話で逆転するために、ここの話数で一旦こうなってこうなるから、多分ここではこういう展開になるんだろうな」というのがことごとく当たってしまいました。それは私が未来を予知できる能力とかじゃなくて、だって毎回同じパターンなんですもの。

 加えて言うと、『舞-HiME』『舞-乙HiME』に比べてメインのキャラ数が減っているし、前述したようにロボットとパイロットの数が限られているから、キャラの動きが予測しやすいんですね。


 今だからこそ思うんですけど、ゼロ年代前半のアニメって「欝アニメ」の全盛期だったと思うんです。サンライズは特に『舞-HiME』『舞-乙HiME』、『ガンダムSEED』『ガンダムSEED DESTINY』とか、『プラネテス』とか『コードギアス』とか。終盤に主人公が全てを失って悩んで悩んで……みたいなアニメばかり。この『ゼノグラシア』もそうです。

 でも、『ゼノグラシア』の企画が始まった2005年と、放送が始まった2007年の間に―――2006年には京都アニメーションの『涼宮ハルヒの憂鬱』が大ヒットします。『涼宮ハルヒの憂鬱』は「セカイ系を終わらせて、日常系の時代を始めた」と言われていますが、私も「主人公が全てを失って悩んで悩んで……みたいなアニメはもう飽きたよね」という時代の象徴のアニメだったと思います。
 涼宮ハルヒの抱えている閉塞感はそれこそ「憂鬱」でしたけど、その向こうにある「オマエが興味ないと言っている日常だって捨てたもんじゃないぞ」と、その「憂鬱」からの脱却を描いたアニメだったんですね。以後、2007年の『らき☆すた』、2009年の『けいおん!』と、日常芝居を得意とする京都アニメーションによる「日常アニメ」の時代が来るワケで。

 京アニが『らき☆すた』で「チョココロネってどうやって食べる?」という話をやっているのと同時期に、サンライズは『ゼノグラシア』で裏切りと策謀の果てに主人公が苦しんで悩む姿を描いていた―――というの2007年を象徴しているなと思います。


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【とてもよく分かる三行まとめ】
・大人の事情で、『舞-HiME』チームでのアニメ化しか選択肢がなかった
・当時は『アイマス』がまだまだ浸透していなかったので、『舞-HiME』路線に進んだ
・しかし、とりあえず『舞-HiME』路線に当てはめただけの劣化作品になってしまった



 『ゼノグラシア』という作品は、ある意味では2005年~2007年を象徴するアニメだったと思うんですね。過去の成功体験に捉われること、大人の事情で決まるアニメ化と、育っていく原作の人気を読むことと、原作サイドとの断絶と、時代の流れが変わる瞬間―――ありとあらゆる要素が、『ゼノグラシア』にはマイナスに響いたのだと私は思いました。


 しかししかし、
 面白いもので。

・『アイマス』→その後も人気が膨らみ、現在は『シンデレラガールズ』が大絶賛放送中
・サンライズ→今や『ラブライブ!』と『アイカツ!』でアイドルアニメの中核に担う
・長井監督→『とらドラ!』『超電磁砲』『あの花』で日本を代表する超人気監督に



 みんな、その後に大成功を収めているんですね。



 そう考えると、究極のアゲマンアニメだったのかも。

| アニメ雑記 | 18:03 | comments:50 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

なるほど。
つまりバンダイのつまらないキャラゲーみたいに、
出来合いのシステムにキャラを当てはめた
ということなんですね。
…まぁ、わたし観てないんですが。

| 児斗玉文章 | 2015/02/17 20:08 | URL |

好きなアニメの話題だ!と思ったらボロクソに貶されててショックでした

| 箱 | 2015/02/17 21:47 | URL | ≫ EDIT

なるほど、舞-HiMEからの流れからゼノグラシアを見た人は、
どういう思惑でアイマス要素を限界まで薄めて作ることにしたのか、ある程度は感覚的に理解ができるんですかね。
私は舞-HiMEは名前くらいしか知らなかったのでその辺の感覚が分からず、ずうっと腑に落ちなかったんですよね。

| ああああ | 2015/02/17 22:29 | URL |

私は舞Himeシリーズが好きでゼノも好きという立場なのですが楽しく読めました。
「アイマスのとんでも企画で黒歴史、ロボアニメとしてはそこそこ」という今の評判は、経緯や時代背景が完全に無視されてるんですよね。
この記事の「当時としてはありえる企画だが、中身は舞Himeの劣化コピー」という方がゼノが好きな身からしてもしっくりくる評価です。

あと、作画面以外にも、企画時はオタク向けにアイドル物を作る事自体が冒険だったのではないでしょうか。
マクロスのようにヒロインがアイドルという作品は昔からありますが、女の子がアイドルを志す話となると当時はほぼ少女向けの専売特許でした。
その上その頃はその少女向けですらアイドル物は下火で、ちょうどプリキュアが2004年に大ヒットしていた矢先。
そして、記事にある通り深夜の日常ものや女の子部活ものブームもまだ少し先です。
この状況下では深夜アニメでアイドル物をそのままやるのは無謀な企画に思われそうです。

| rrc | 2015/02/18 06:10 | URL | ≫ EDIT

個人的には、
評価点:シナリオ、こういう話は大好き。デザイン、ピンク色してるロボではかなり格好いいインベル。

欠点:そのロボがどいつもキモい人格をしている上、各勢力の目的がハッキリと分かりづらいこと。

| ああああ | 2015/02/18 10:30 | URL |

バンダイとナムコの橋渡しとして見ているようですが、
他の記事で逆の事が書いてありました。
端的にいうと、勢力争い。
結果、最近まで、アイマスはバンダム内で特殊な扱いになっていると。
アイカツでようやく協力体制ができ和解したと。
ゼノグラシアのアイマスでの扱いから考えて、僕はこっちの方があたっていると
思います。
ゼノグラシア放映時でのアイマスラジオを聞けば、なんとなくわかると思います。

| あああ | 2015/02/18 20:12 | URL |

>児斗玉文章さん

 「バンダイのつまらないキャラゲー」がどの辺のことを指すのかは分かりませんがw、「つまらない」は置いといて「キャラゲー」は例えとしてはすごく的確かなと思います。

 当時成功していた「型」に、他所から借りてきた「キャラ」を当てはめたカンジですからね。


>箱さん
 純粋に好きな人には申し訳ないのですけど、僕もこの記事を書いたら「この記事のせいで自殺しかけた」とまで言われたのでショックです。


>ああああさん
 『舞-HiME』知らないと「スター・システム」自体が分からないし、プロデューサーのインタビューくらいでしか「スター・システム」の話は出ていませんからねぇ。

 個人的には、もっと振り切って「本当はアイドルをやっているはずの彼女らが“俳優”としてロボットアニメに出演している」という形を分かるようにした方が良かったと思うんですね。結果論です。


>rrcさん
 『ゼノグラシア』好きな人には申し訳ない記事を書いたなと思っていたので、一人でもそう言って下さる人がいて救われます。ありがとうございます。

 「企画時はオタク向けにアイドル物を作る事自体が冒険だった」も、確かにあると思います。自信がなかったので本文には書きませんでしたが、2005年辺りはモーニング娘。とAKB48の時代のハザマなので、現実のアイドルも軸となるアイドルがいなかった時期というのもあるのかなと。

 逆に言うと、その時代から始まって現在まで昇りつめている『アイマス』のコンテンツの力は凄まじいと言えますけど。


>ああああさん
 「そのロボがどいつもキモい人格をしている」で思ったんですけど、『舞-HiME』『舞-乙HiME』は「女性キャラを恋愛の面でも追い詰める」話だったので……ロボットとの擬似恋愛も『舞-HiME』『舞-乙HiME』からの延長で必須だったのかなと。

 僕も、正直インベルが好きになれなかったのが大きかったですね……


>あああさん
 んーっと……僕も「逆」だと思っていますよ。
 「スター・システムが機能していなかった」という節に書きましたが、本当に橋渡しだったらゲームのキャラをアニメに登場させないと販促にもならないワケで。

 「バンダイ」と「ナムコ」の橋渡し的な作品どころか、むしろ「こんな情報のやり取りもしていないのか……」という断絶を感じる内容でした。

 「お偉さんがたが企画を決めて現場に押し付けたけど、現場では原作愛どころか協力体制も作っていなくて、その後もずっと軋轢が残った」というカンジかなと私は思っています。

| やまなしレイ(管理人) | 2015/02/18 22:22 | URL | ≫ EDIT

企画やコンセプトとしてゼノグラがダメだしされるのは分かるのですが、ゼノグラ自体はかなり面白いアニメでしたよ
作画やシナリオもレベル高かったし、特に演出は秀逸でした。
ゼノグラのファンはゼノグラを単体で評価してるんじゃないかな

なんていうかゼノグラがエヴァ系の価値観から脱せていない古いアニメなのはその通りですけど、それがイコールつまらないってのは暴論に思えます。

| はぼ | 2015/02/20 15:22 | URL |

>はぼさん

>ゼノグラがエヴァ系の価値観から脱せていない古いアニメなのはその通りですけど、それがイコールつまらないってのは暴論に思えます。

 そんな話ちっとも書いていませんよ?

| やまなしレイ(管理人) | 2015/02/20 19:55 | URL | ≫ EDIT

ロボットものというだけで採点基準が甘くなる私としては結構楽しめたりはしましたが、それでもコレジャナイアイマス&コレジャナイ舞-HiMEなのは否めませんでしたからね……。
あ、歌は全部良かったと思います。声優陣にロボットもの(一部違)主題歌を歌わせたCDも含めて。
あと、個人的には主演の井口さんが当たりでした。これが初主演でしたっけ。

| Lit | 2015/02/20 21:21 | URL | ≫ EDIT

そうでしたか、すみません。
じゃあ何がつまらなかったのん?

| はぼ | 2015/02/20 22:58 | URL |

3番煎じではない(このパターンを始めて観た)人には受けるパターンを踏襲した故に面白いと思う人はいたけど、
この流れを知っているやまなしさんには知ってるパターンだったし、スターシステムも機能せず劣化した印象を受けた。
更に意思を持ったロボ含めキャラクターの人数が限られているから展開が読めてしまう=面白くないと感じた、と言う事ですよね。

| ああああ | 2015/02/21 13:27 | URL |

なるほど。よくよく考えてみればやまなしさんの書かれた通りゼノグラは『舞-HiME』の劣化版でありシナリオの展開も簡単に予想できちゃうしありきたりの鬱アニメだし、アニメの歴史に残るくらいの惨劇だったんだなと本当に心の底から思いました。

| はぼ | 2015/02/22 23:48 | URL |

たいへんいい考察ですね。ただ、一つ注文を付けたい部分があります。それは

人気絶頂だった『アイドルマスター』

これは、ゼノグラが放映された2007年4月時点の話です。
しかし、ゼノグラが世間に公表された制作発表会が2007年1月初旬でした。
この頃はアイマスは人気絶頂どころか、ゲーセン版しかない時代、
撤去や脳トレにソフト入れ替えが相次ぎ絶体絶命のピンチという状態でした。

まあこんな状況じゃ仕方ありませんが。
http://www.famitsu.com/matome/imas_ofa/140505.html
こんな状態になったのは、アーケード版の性能が低くて酷いポリゴンだったこと、
ゲーセンでギャルゲーというシチュエーションが良くなかったことなどが原因です。

しかもXBOX360版が2007年1月末に発売されるといっても、360は当時わずか20万台しか普及しておらず、
ファミ通のクロスレビューでも6 7 7 6とかなり低かった。
これで大ヒットすると予想できた人はエスパーでしょう。

つまりゼノグラは、良く見ても原作アイマスを人気無いから見捨てた。
最悪の見方だと、当時から言われてましたが原作を潰すために作られた。
原作ゲームが黒歴史になる、原作声優はクビだな、とかゼノグラファンに言われたのです。

どんなに頑張っても20万本しか売れないゲームとテレビ放送のアニメじゃ、露出度で本来なら勝てるはずがないのです
しかもスパロボという飛び道具まである。

これでなぜ殺すなんて物騒なこと言われたのかわかると思います
この作品を取り上げるということは、原作アイマスを殺すことに等しい状況だったのです。
そのため、原作側ファンは徹底的な無視作戦を展開しました。騒げばゼノグラが目立ってしまうからです。
2chとかでゼノグラの話題はゼノグラスレで、と徹底して隔離されました。

しかし、誰も予想しなかったことに2007年2月、YOU TUBE、ニコニコ動画で360版アイマスの動画が大ヒット
(美希のセクハラP動画、とかちつくちてブーム)
MADブームやPerfumeブーム(Perfumeを紅白に送ったのはアイマスだったりする)、ブルマやスク水のDLCなど
次々と大手ブログにネタを提供し、逆に、ゼノグラはコピペ元のアイマススレで話題自体が禁止されてたので
誰も取り上げないまま終了してしまいました。

| abc | 2015/02/24 16:14 | URL | ≫ EDIT

これ堅実というより成功体験にしがみついていたの方が正しいのでは……
今まで畑違いの所に持ち込んだのが失敗の原因と今まで思ってたけど
アイマスの新風が吹き込んだにも拘らず新しいもの作れなかったという評価に改まりました

| やまふく | 2015/02/24 16:43 | URL |

内容さえよければ名ばかりの換骨奪胎も許されるというのならば、
何にも知らないパンピーにとっては幸せなのかもしれない。
知らないという罪と知りすぎる罠、新規層を取り込むなら前者の方が有利だとは頭じゃわかっている。

それでもゼノグラシアが面白いという論調には同意できません。
やまなしさんのようなお方がいてくれて大変心強いです。

| ああああ | 2015/02/25 21:10 | URL | ≫ EDIT

とりあえず妄想を事実のように記述すんな

当時のアニメ業界に友人でもいれば
アイマスとかいう凡百マイナーギャルゲのアニメ化なんて断られまくって
サンライズが冗談で、ロボアニメでよければうちで作ってやるよwww
と言ったら、それでもいいからお願いします;;と頭をこすりつけたという笑い話ぐらい聞いたことあるだろ

| ああああ | 2015/02/28 02:11 | URL |

>ああああさん

 ソースが「友達が言ってたこと」とは……

| やまなしレイ(管理人) | 2015/02/28 03:25 | URL | ≫ EDIT

まあ、アーケードと360触った私は普通に楽しめましたがね
今となってはアイマスのアニメはゼノグラシアでしょって感じになりましたし
あとのアニメはアイマス2のアニメですし

| ああああ | 2015/03/02 02:59 | URL |

妄想を事実のように記述すんなといいつつ、自説は妄想ソース・・・

2006年、アイマス公式ページのエイプリルフール企画で
アイマスアニメ化!というネタでプリキュア風、ドラえもん風など変なアニメ化ネタをし、そのことを
「内部事情的には挑発しすぎですが」と解説し、暗にゼノグラを
批判した事実ならありますよ。
http://www.idolmaster.jp/imas/archive/history/

それと、もう一つ確定的な事実として、『アニメージュ』2007年2月号にてサンライズの古里Pがアイマスのアニメ化依頼されたとき
瀕死状態だった原作アイマスに対し、
「原作の魅力に勝てない」「同じ土俵に立てない」から、「ゲームのキャラで『舞-HiME』を作って下さいという依頼だと好意的に解釈して考えたんです。」
と改変の理由を語っている。
つまり、瀕死の原作を助ける気は毛頭なく、原作に勝つ、同じ土俵に立ち原作を突き落そうとしている。
さらに、ナムコの依頼ではなく、古里氏自身の判断であのような作品にしたと自供している。

| abc | 2015/03/02 18:13 | URL | ≫ EDIT

作品の面白さとは・・・

「ロボットの数もパイロットの数も限られているからストーリーが読めてしまう」のがつまらない原因だとしたら、それではつまらない根拠が単なる主観の域を出ないと思います。
人間が創作作品を面白いと感じる要素として最も大きなものは「ベタ」、次に「エログロ」、そして少しの「サプライズ」と「リアル」といわれています。(勿論面白さの要素はこの限りではありませんが)
一般に名作と呼ばれる作品の多くはこの要素を含んでいます。勿論そんな作品ですら「ここが気に入らなかったから」つまらなかったなどの批判は存在します。
しかし大枠としてみれば多数の人が評価する作品は「展開が読めた」「5話の作画や演出が気に入らなかった」「好きなヒロインとくっつかなかった」「このキャラが気に入らなかった」という理由だけで作品そのものの評価自体が貶されることはそうありません(そういう人もいますが)
ゼノグラシアという作品をその角度で見てみますと、上記の要件は満たしていますが、確かに『舞-HiME』の二番煎じ感は否めず、展開も似通っています。世界の荒廃ゆえにキャラクター数も少なく、ストーリーはオマージュやベタの寄せ集めと言っても過言ではありません。
しかしその分演出や心理描写においては他のロボットアニメと一線を画する良さがあったと思います。地味ながらも少ない分キャラは掘り下げられており、伏線も初めから計算の上で組み込んでいるため無理なく回収、時系列・関係性の対比を多用することでキャラ毎の心理描写に情緒を与えています。
廃ビルと雪の日のシーンやエレベータでのやり取り、「ペンギン」というキーワード等、大作ガンダムのいい加減さとは対照的と言えます(比べるのも変ですが)

長くなりましたが、この作品は商業的な面、キャスティングに根本的な問題を抱え、はじめから黒歴史扱い確定という状態で制作され、ストーリーはベタと二番煎じ、何より地味というのが問題であったと思います。
一方で地味に話の焦点を絞った分、非常に丁寧な作りになっており、その分製作スタッフの他作品の良い面と言える派手な場面が生きたと思います。

まとめると「地味でありきたり、ワクワク感には欠けるけど、細やかでよくまとまった作品」だと思います。
ストーリーやキャラクター、作画だけが作品の良し悪しを決める絶対的な要素ではない、ということです。

| penguin | 2015/03/05 17:48 | URL | ≫ EDIT

>penguinさん

見苦しい擁護は辞めるべきですよ、信者さん
やまなしレイさんの言うとおりゼノグラシアはアニメの歴史に残るほどの惨劇アニメです

| はぼ | 2015/03/06 21:57 | URL |

>はぼさん

 いや、別に面白いと思うかどうかは個人の主観なので、面白いと思う人がいるのも当然だと思いますよ。

 ただまぁ、「自分と違う意見は主観にしか過ぎなくて」「自分の意見は客観的な評価だ」みたいな言い分はどうかなと僕も思いましたけど。

| やまなしレイ(管理人) | 2015/03/06 23:37 | URL | ≫ EDIT

この感想はどうにも『舞-HiME』を知りすぎているがゆえの感想であると思います。そう考えるとどうにも『アイドルマスター XENOGLOSSIA』という作品単体への評価とは違うのではないかと思います。

| ああああ | 2015/03/17 08:21 | URL |

>ああああさん

「この記事は気に食わないからイチャモンをつけてやろう」ってことではなく、世の中に数多ある「前作との比較が書かれた感想」達に対してもちゃんとそう思われるのなら、それも一理あるなと思います。

ずっと作品を追いかけている身としては、どうしたって作品と作品の連続性というものに注目をしてしまいますが。その作品一本しか観ないって人もいますからね。


ただ、全ての感想を書く人が「前作を知らないで感想を書く人」になるべきだとは思いません。
前作を知っている人も知らない人も両方が感想を書けばイイと思います。前作を知っている人は感想を書いちゃいけないというのは、独善ですよ。

| やまなしレイ(管理人) | 2015/03/17 21:49 | URL | ≫ EDIT

ストーリーは舞-HiMEの流れとはいえ、舞-HiMEにはなりきれず。
ロボットものとしては戦いの要素が微妙(これは、隕石破壊作業用ロボットという設定のせいもあるのでしょうが)。
異種恋愛ものとしてはイマイチ突き抜けられなかった。
アイマスとしてはいわずもがな。
声優に関しては全く養護できないです(真顔)

王道にするなら、敵陣営を1クールかけてまるまる味方にして最後の決戦に挑むだとか。ゼノグラシアは2クールあったしね。
異種恋愛ものなら、自らをエネルギーとして昇華しロボットのために殉じたり、ロボットと共に添い遂げる(死ぬ)ぐらい。まあ、賛否あるかもしれないが。
セカイ系にするならもっと主人公に責任(世界的な)を押し付けざるを得なくするとか。
最後の方の戦闘にするなら最初から作業用ロボットという名目はいらなかった。僕自身はこの設定は好きだけど、途中を考えれば異界からの侵略を防いでいる、ぐらいでもよかった。
あくまで作業用を貫くなら、トンデモ作業用工具(ロボット用)をちょくちょく出すとか。

本当に、色々出来たはずだった。素人の僕でもこれだけ思いつくんだから。

舞-HiMEとアイマス。7対3くらいで混ぜあわせたこの作品。どちらの良さも消してしまっていて、作品の出来としてはまあ微妙な所。
色んな要素を入れようとして結局どの素材も活かしきれなかったように思えるので、やっぱり惜しい作品だなあと思う。

まあでも、アニメ史に残る程の黒歴史かと言われれば首を傾げざるを得ない。結局、原作に対して尺との折り合いがつかなかったラノベ作品と同レベルの失敗をしているくらいなので。
歴史に残すくらいなら、魔法戦争やらキャベツ(夜明け前より瑠璃色な)やら俺ツイやら……そういった作品レベルでないと。

全部が全部つまらなかったわけでなく、しかし全部が面白かったわけじゃないので、一般的な準クソアニメの部類に入るのではないかと。

良くも悪くも時代の分岐点に立ったことで、犠牲になってしまったのかもしれないですね。そう思うと少しさびしい気もします。

| るー | 2015/03/19 01:21 | URL | ≫ EDIT

>みんな、その後に大成功を収めているんですね。
舞-HiMEシリーズが割を食ってるんですがそれは・・・

| ああああ | 2015/04/16 01:12 | URL |

私はSEED・ハガレン世代の離反者

2000年代前期が第二次シリアスフィーバーであること。
そのシリアスフィーバーに陰りが見え始めたのが2008年第3クール。
ギアス中盤の展開が物議を呼び、一方でスレイヤーズのリメイク(スカッとするタイトル)が現れたり、ひだまりスケッチの勢力拡大。
それに「ある出来事」。その出来事は平成仮面ライダーの路線にも影響を与えたという。
2009年のけいおんの台頭や腐女子がハガレンよりも戦国バサラ(王道アクションヒーロー路線)や
乱太郎(Eテレ)の方に人気が出て、
2011年以降のまどかやZero、進撃、SAOは功績を挙げたけれども「第三次シリアスフィーバー」にまでは至らなかったという。
逆にラブライブ一期終盤やデレマス前編6話、天メソ4~5話、ゆゆゆ後半、
艦これ3~4話、最終四部作でシリアス路線を行ったら
物議を呼んだり、
のんのんびよりがテレ東東名阪になったら抗議を受ける時代となった。

| アルテマウェポンII | 2015/05/03 03:03 | URL | ≫ EDIT

ないわぁ…

| ああああ | 2015/07/02 16:27 | URL |

ゼノ以前に舞-HiMEシリーズがクソアニメだったのに
クソからはクソしか生まれねえだろ

| ああああ | 2015/07/20 16:30 | URL |

俺は人気が出た後のアイマスから入って、ゼノグラシアは人づてに聞いた話しか知らないけど、何もかもが原作と違ってて、共通するのは名前くらいというのが意味不明で、何でこんなのアニメ化したのかずっと疑問でした。
真偽はともかく、確かに筋の通った解説だなと思いましたよ。

少なくとも、アイドルが主役のゲームを、ノウハウも技術も無いのにアニメ化しろとか無茶振りされたら、制作側はこうするのも1つの手ですよね。
実際、プリキュアもそういう事情で生まれたらしいです。
仕事を振られたプロデューサーが男の子向けアニメしか作ったこと無いのに女の子向けアニメを至急作れと無茶振りされて、やむを得ず男の子向けアニメのテンプレで主人公を女の子にすげ替えただけのアニメを企画して、それがプリキュアとなったらしいです(ソースはプロデューサーのインタビュー記事)。

プリキュアはバンダイがスポンサーで2004年開始のアニメというのも、単なる偶然なのか、当時のバンダイにそういう体質があったのか…

いずれにしても、説得力のある面白い記事だったのでコメントさせていただきました。

| ああああ | 2015/09/13 07:49 | URL |

 自分はゲーセンのアイマスは数回プレイして放置。360版も買ったけど未開封で放置。(ゲームのアイマスのファンではない、むしろアンチ)
その状況でゼノグラシアは十分面白かったですよ。
なにぶん、ゲームのアイマスの関連とは放送終了後に知りましたから、視聴中は気がつきもしませんでした。(言われなければ気がつかないレベルで似てないし)
 自分の楽しみかたとしては萌えアニメでもアイドルアニメでもなく、メカ萌えアニメと言うべき。
インべるかわいいじゃん、とかテンぺスターズけなげじゃん、とか。
バンブルビーかわいいじゃん、等と同じ人格ロボ系の楽しみかたですね。(←コレだって、ストーリーどうこう言う作品じゃないレジー賞常連のだよ)
何も知らずに楽しめたのですから、ゲームのキャラとか使わなければ変なケチも付かなかったのだろうと逆に残念。
(それで企画が通るかは疑問ですけどね。ゼノグラシアってグッズは全然ないからw)
 以上、先入観とか予備知識無しの私見の一例。
(ゲームのファンだったら、評価もちがったでしょうけどね。)

| Shi | 2015/10/15 04:06 | URL |

何言っても無駄でしょ
面白い面白くないの前に嫌いがでてるし(もしくはこう言えばみんな付いてくるとか思ってたり)

監督が不本意で作らされたみたいなこと言ってるの前に見たけど、あの花のときゼノグラのTシャツ着てインタビューでてること無視してるしね
無理に支持しろとは言わんけど
このブログ読むとガッチャマンクラウズインサイトを思い出すね

| ああああ | 2015/10/24 19:58 | URL |

>ああああさん

>監督が不本意で作らされたみたいなこと言ってるの前に見たけど

 誰が言っていたんですか?

| やまなしレイ(管理人) | 2015/10/24 21:41 | URL | ≫ EDIT

8年前の大して面白くもなかったアニメの話でこれだけ盛り上がれるとかやっぱアイマスって大人気コンテンツだわ(確信

| ああああ | 2015/11/05 13:53 | URL |

オリキャラならばもしかしたらXENOGLOSSIAもありえたかもしれない
今は思います。でも、あの脚本と演出だったら、
オリキャラでも叩かれたかもしれませんね。

| tomohiro | 2015/11/10 18:25 | URL | ≫ EDIT

久しぶりにググってでたから来たわ
ゼノグラはソシャゲスパロボ参加確定したからな おめでとう
いまでも愛されてるか母体の影響だわ
結局印象に残った時点で元々の影響を~とかいっても関係ない下手すら喰われてるわ

とりあえずいまさらだが管理人は主観と妄想だらけの記述なのはどうにかしたほうがいい

| あ | 2015/12/11 19:36 | URL |

たまたま目にした記事で、管理人さんの感じ方と好みはまったく自分と違いましたが、この記事の内容は面白かったです
違う観点から見ると、こんな考え方もあるのかと思いました。

あと、山梨県が好きなので、管理人さんの名前は素敵だと思います(笑

| まぁくつぅ | 2015/12/22 22:04 | URL |

やっぱアイマスって過激派多いよなあ
個人的な意見にさえ突っかかる癖があるし本当に面倒臭い人たちだよ
関わらないのが一番ですね
よくラブライバーが叩かれてるけど、ラブライバーの方が100倍優しい人たちだな

| ああああ | 2016/04/25 17:58 | URL |

>ああああさん

個人的な意見に突っかかるから議論を起こせるんだと思います
個人的なことと個人的なことをぶつけ合うから議論って面白いんだと思います
ただ、ああああさんみたいに、レッテル張りをするのはちょっと、あんまりよくないと思います

| ああああ | 2016/05/21 22:18 | URL |

まあ、展開が読めようと劣化コピーだろうと、毎回ラストからの名曲エンディングの盛り上がりだけは後のアイマスアニメや舞HIMEでは味わえないしな

| ああああ | 2016/05/23 04:28 | URL |

ソースは忘れたし探す気にもならないんだが、聞いた話ではロボット物の企画の方が先にあって、後から大人の事情でアイマスの企画をぶっ込まれたそうな。
だから「結果として」アイマスキャラをあてはめただけのスターシステム風になっているのであって、別に「アイマスを舞-HiMEのスターシステム手法を使ってアニメ化しようとした」わけではないんじゃないかと。


そもそも手塚治虫的な使い方では「スターシステム」って言われてるけど、キャラクターを「俳優」に見立ててるというのには疑問があるんだよね。
現実の役者なら悪役だろうが善役だろうが、その役割を演じているだけであって元の役者の性格とは何の関係もないのに、アニメや漫画の「スターシステム」では結局同一キャラを別作品に出してるに過ぎなくて、オリジナルとは違う性格のキャラになってると思うと逆上しはじめる。
それって悪役を演じてる役者は性格も悪いと思ってるのと変わらんのにw

| ああああ | 2016/05/24 04:42 | URL |

個人的には姫も乙姫もゼノも面白かったし好きなんだけどなぁ・・・

| あ | 2016/06/09 04:16 | URL |

面白い記事でした

ゼノグラシアについてどのような評価がなされているのかを知る上で、この記事は非常に参考になりました。すごく細かくこの作品を分析されていて、読んでいてすごいなぁと感心しました。
面白いか否かは別問題として、観てみたいという気持ちになりました。

| 最近参入のP | 2016/08/24 23:40 | URL |

アイカツとプリパラ

はじめまして。
XENOGLOSSIAをやっている時、この企画に食われるのでは
と思って、ヒヤヒヤしながら、XENOGLOSSIAが最終回を
迎えるのを見ていました。
しかし原案が勝利したと確信したのは「アイカツ!」、「プリパラ」
などのフォロワーが成立し始めた時でした。
これってスパロボに参戦するのかな、そういうことを今考えています。

| tomohiro | 2016/09/21 21:33 | URL | ≫ EDIT

当時はピンと来なかったゼノグラシアだが今見直したら普通に面白かったぞ!
大人の事情もアイマスファン納得もいかない作品なのだろうが俺はそういうの抜きにして面白かったわ

| ああああ | 2016/10/07 21:52 | URL |

あくまで主観の域を出られないひとつの意見として

何年も経ってる記事にコメントすることにお詫び?を。
機会があって通してみてましたが、たしかに舞HiMEの雰囲気を感じたような場面が(追っかけてたわけではないチラッと見た程度の視聴者でも)ありました。その意味では予測が出来てしまって面白みがない、と意見されるのもわかるような気がします。
しかし本編では(印象が弱かったり改善点を思うものもあったにせよ)物語の破綻もなく、不時着感もありますがちゃんと終わらせることができたと思います。裏事情を知ってしまうと腕組みして唸る点はありましたが、いち作品としては良かったと思います。
黒歴史、とありますが現在の一部のアニメの雛形を生み出す、転換期にあたる試作ながらも持てるノウハウと努力の詰まった作品でしょうか。(〆で書いてるように関係者は大成功してますし)
現在のアニマスやアイドルアニメ路線に踏み出すためのターニングポイント、当時成功した作品と現行の技術で制作、踏襲した堅実な作品。
これ以上は個人の好みが出てしまい強く言えませんが、しかしなんの旨みもないような歴史的失敗ではなかったのではないでしょうか。自分は切らずに最後まで見れた面白い作品だったと思います。

| JIJI | 2016/10/27 16:44 | URL | ≫ EDIT

記事の内容よりもコメント欄のアイマスオタが怖い
自分の考えが絶対みたいな人なのかな?

| ぴの | 2016/11/12 18:17 | URL |

なるほど、大人の事情は把握できました。
分析ありがとうございます。
完全に当たらずとも遠からずだと思います。

上の方のGOサインありきで、
中味つめる前に走り出した感じでしょうね。

| ああああ | 2016/11/15 20:56 | URL |

 先ほど記事、読ませていただきました。面白かった!
 少し前までは薄い本の最後近くのページに、あるいは絵の合間などに、こんなふうな正直というか、言葉の選び方に忌憚のない文面の感想がたまにあったなーと(文章はもっと直感的で、またこんなに分量は無かったですが)。
 今(といってもこの記事2年以上前ですね(笑))こういう場で公開するとなるとやはり色々と反応がありますが、むしろそれも含めて、当時あの文章を書いた方々、というかその文章を書かせるような気分のありようの、今もって元気な姿を見たようで、なんとなく嬉しさを感じます。
 昨今ではこういった文章も単にバズるための解の一つとして意図が回収されがちなのはやはり損失だと思いました...。
どういう感想だこれは。



 また、この記事からは富野監督作品のファンにも通じるある種の熱を感じました。 この記事もある意味サンライズの系譜に連なっている... のでしょうか。 他のアニメへの感想を読んでみると必ずしもそんな風に見えなかったのですが...。 
そこが自分としては特にグッと来たところで、他の記事と読み比べて、久しぶりにあっオタクは怖い!と思わせられました(笑)。 (てサプルの感想が一番好きです、 あ、結城友奈は勇者である、の感想!これは少しその熱がある気がします)

日曜朝からこんな日記のようなコメントすみません。
プリキュア観て寝ます

| s | 2017/08/20 08:19 | URL |















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