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アニメの6話目に何を持ってくるのか

※ この記事はテレビアニメ版『響け!ユーフォニアム』第6話までのネタバレ
テレビアニメ版『ハロー!!きんいろモザイク』第6話までのネタバレ
テレビアニメ『てさぐれ!部活もの すぴんおふ プルプルんシャルムと遊ぼう』第6話までのネタバレ
テレビアニメ版『俺物語!!』第6話までのネタバレ
テレビアニメ版『アルスラーン戦記』第6話までのネタバレ
テレビアニメ『パンチライン』第6話までのネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。


 ちょっと前にネタバレについての記事を書いたことで、「ネタバレされたい人」からも「ネタバレされたくない人」からもたくさんの意見をもらったのですが……「ネタバレされたい人」から「記事の冒頭に“○○のネタバレを含む”とか一行注意書きしているのがウザイ」という意見を頂戴したので、今回の記事は注意書きを七行に渡って書きました!よーし、これならみんな満足ですよね!


 アニメの3話目に何を持ってくるのか

 アニメは第3話で「視聴継続か、切りかを決める」視聴者が多いと思われているのか、第3話に勝負の回を持ってくる作品が多いというのが以前の記事でした。「メインキャラが3話で揃う」とか、「主人公達が3話で大きな達成をする」とか、逆に「主人公達が3話で大きな挫折をする」とか。

 その記事のコメントでいただいた意見で面白かったのが、「1クール12話ならば3話は起承転結の起にあたる」「3話ごとに区切りを付けて面白い回を持ってきて欲しい」というものでした。「3話」「6話」「9話」「12話」という考え方――――
 私は「6話」については正直今まで全く考えたことがなかったんですけど、「9話」については1クールのアニメで「このアニメで一番好きなのは9話だったな」と思う作品が結構多いんです。ラスト3話の盛り上がりの前に、「作品の方向性が分かる回」だとか「主人公達を揺さぶってくる大きな事件が起こる回」だとか「それまでの9話のまとめのような回」だとかが来る作品が結構あるのです。なるほど、3話単位で考えると見えてくるものがありそうだなと思いました。


 では、「6話」はどうでしょう?

 「3話」は視聴継続してもらうための「勝負の回」。
 「9話」はラスト3話の盛り上がりに向けて「アクセルを踏み込む回」。

 それに比べて「6話」はどんな回を持ってきているのか……
 せっかく今季の私は、4月開始のアニメを6本も観ているのだから(本当は4~5本に抑えたかったのだけどどれも面白くてこんなことに……)、その6本の「6話」を分析することで、それぞれの作品が「6話」に何を持ってくるのかが見えてくるんじゃないのかと思ったのです。


○ 『響け!ユーフォニアム』の第6話
 公式サイトのストーリーページ
 このアニメの場合、「第3話」は「何も成し遂げられない第3話」でした。
 部全体が抱えている問題が明らかになって、一年生一人の力ではどうしようもなくて、そうした「無力感」の中で高坂さんのトランペットの音が響くという第3話でした。

 そこから、第4話で「合奏」の成功、第5話で「サンフェス」の成功――――と、第4話・第5話に一山持ってきて、ここで主人公達は成功体験を得られるんですね。
 特に第5話は、久美子の中学時代の友人が出てくることで、「何かを変えたい」と誰も知らない高校に行こうとした久美子の気持ちに区切りを付けた回とも言えて、第1話~第5話で「久美子が北宇治高校吹奏楽部に居場所を作る話」として一区切りだったと思います。

 そこを受けての第6話。
 第4話でも第5話でも演奏をすることのなかった葉月がメインの回で、ストーリーラインからするとメインの話から外れたサブストーリーの日常回だったなと思います。ものすごく乱暴に言ってしまえば、「なくても1クールの話としては構わない話」でした。
 でも、成功体験を重ねていった久美子達と違って、まだ何も成し遂げていない初心者の葉月が、「合奏」することの意味と自分がチューバを吹く意味に気付く回とも言えて―――吹奏楽未経験の視聴者にも、「必要のない楽器なんてない」ことと「自分の演奏が初めて音楽になった感動」が伝わる見事な回でした。


 先が気になる「第3話」とは対照的に、1話完結の日常回で「あー面白かった」と言える話を「第6話」に持ってきたかなと思います。

 花田先生がシリーズ構成をする1クール作品には、割とこういうアニメが多いように思います。「中盤の日常回が一番面白かった」と言われる作品……ネタバレになるので何とは言いませんけど。

 ラブコメの波動?
 まぁ……それは、今後どう使ってくるのか分からないので……


○ 『ハロー!!きんいろモザイク』の第6話
 公式サイトのストーリーページ

 この作品は「二期モノ」なので、「一期」のアニメとちょっと事情は違いそうですが……
 このアニメの1~4話は、メイン5人を中心に描いていたのに対して。第5話は忍のお姉ちゃんである勇、第6話のAパートは忍達のクラスメイトである穂乃花、Bパートは忍達の担任である久世橋先生をメインに描いた回でした。メインキャラ以外のサブキャラクターに話を広げることで、作品の描いている世界を広げる第6話だったかなと思います。

 忍にとって穂乃花は「金髪少女を愛でる」仲間ですし、久世橋先生と烏丸先生の高校時代の話は「現在の忍達と地続きの話」でした。
 1話完結の日常アニメであっても毎週毎週同じことをするのではなく、サブキャラクターを使って「変化を付ける」のと「奥行きを出す」ことを意識された第6話だったんですね。他の日常アニメの第6話も分析してみたくなってきました。


○ 『てさぐれ!部活もの すぴんおふ プルプルんシャルムと遊ぼう』の第6話
 公式サイトのストーリーページ
 このアニメの第3話は「3話切り」を防ぐために、取っつきやすいネタである「新しい面接を考える」と「卓球で遊ぶ」をぶちこんできていました。
 その後、第4話・第5話・第6話と大喜利パートでは「メンバーの入れ替え」、第5話・第6話の『てさ部』パートでは「遊園地ロケ」を行っていました。第1~3話は「これがこの作品の基本形だよ」と見せる回で一区切り、第4~6話はそこから「でも、こんな変化形もあるんだよ」と見せる回で一区切りだったと思います。


 つまり、第6話は「変化形パート」の最後の回だったのだと思います。
 このアニメの場合は「面白くなるかどうかは蓋を開けてみないと分からない」ところもあるので、個人的には第6話よりも第5話の方が「美桜先輩無双」と「お化け屋敷で人格が変わる葵」が面白すぎて好きだったんですけど……大喜利パートのメンバー編成を考えると、「結愛&葵がシャルムメンバーに出張」と「友美さんがてさ部メンバーと絡む」第6話の方が堅実に面白いことが起こりそうな回として期待されていたようにも思えます。


○ 『俺物語!!』の第6話
 公式サイトのストーリーページ

 この作品の第3話は猛男と大和が付き合い始めるという第3話でした。
 「主人公達が3話で大きな達成をする」回。
 「3話でこれをやっちゃったらこれから先は何をやるんだろう?」と思ったのだけど、第1話~第3話はあくまで猛男と砂を描いた話であって、大和については猛男の目から見た「男にとって理想像みたいな女子」でしかなかったんですね。なので、第4話~第6話は大和に焦点をあてて、第6話でようやく大和がどういう女のコなのかが視聴者にも分かる回だったのだと思います。それを描くために、砂のお姉ちゃんを「視聴者目線」に持ってくるのが上手い。

 この作品は2クールなので、4分割したら第6話が「起承転結の起」にあたるのかも知れませんが……「第1話~第3話」と「第4話~第6話」がそれぞれ表裏一体になっていて、第6話まで観てメイン3人のキャラクターが分かるようになっているのだと思いました。



○ 『アルスラーン戦記』の第6話
 公式サイトのストーリーページ

 『アルスラーン戦記』の第3話も、今にして思えば「主人公達が挫折する第3話」だったんですよね。パルス軍は大敗を喫し、アルスラーンとダリューンは何とか逃げ延びてナルサスのところにたどり着くという。「メインキャラが揃う第3話」と前回の記事では書きましたけど、「主人公達が挫折する第3話」であり、最後に希望としてナルサスが登場するという構成だったのだと思われます。

 さて、そこからの展開。
 アルスラーンはナルサスとエラムを仲間にして再起のタイミングをうかがいますが、その間に王都が陥落するのが第5~6話でした。第1話などで描かれていた「パルスの国が抱えている問題」が氷解して王都が陥落→ アルスラーン達が旅立つという流れでした。

 これも2クールのアニメなので、第1話~第6話が一区切りで「パルスが敗れ、アルスラーンが旅立つまでの話」を描いたと言えるのですが……その中でも「第1~3話」と「第4~6話」とで分けられるかなと思います。アルスラーンの視点で言えば、前者が「敗北」の話で、後者が「再起」の話ですから。


○ 『パンチライン』の第6話
 公式サイトのストーリーページ

 さぁ!来ましたよ!
 『パンチライン』の6話を観るまでは、「第6話学なんて記事のネタになるかなぁ……」と迷っていたのですが、この第6話を観て一気に「これは!記事を書かなくてはならない!!」と思ったほどでした。すごく面白かったけど、「面白かった」以上に第6話学を考える上で重要な作品だったと思うのです。

 前回の記事で『パンチライン』の第3話については語りませんでした。その時点では第4話以降の展開が分からなかったので、どう考えてイイのかよく分からなかったんですね……しかし、今にして思えば『パンチライン』の第3話は「メインキャラが揃う第3話」だったと言えます。
 幽体になってしまった遊太と、謎な猫:チラ之助。古来館の住人である4人の女性、愛が保護している謎の小熊:ムヒ。ここまでは第2話の時点で登場していましたが、第3話でムヒを狙う謎の男、そしてその謎の男からみんなを守ろうと現れた謎の男:宮沢賢治が揃いました。

 謎だらけじゃねえか!!

 ……と、第3話の時点ではよく分からなかったのですが、第1話~第3話は言ってしまえば「出題編」だったと思うのです。伏線を張れるだけ張って、謎が謎を呼び、一つ一つのシーンの意味が分かる前に新しいことが起こってしまうという。
 それに対応するように、第4話~第6話は「解答編」だったと思うのです。第1話~第3話で描かれたたくさんの謎が、第6話までに明らかになっていきました。
 今回、『パンチライン』の第6話が最高に楽しかった私は、第1話から観返してみたんですが……第6話までに明らかになった事実をもって観返してみると、ここもここもここでさえも伏線だったのか!と驚くところばかりでした。細かい顔の表情とかも、今観ると「なるほど、遊太はここで気付いているのか……」と分かるようになっているんですね。

 ストーリーの構成としても、第1話~第6話で「古来館の住人である4人の女性」は強い信頼関係が描かれましたもんね。愛はみかたんに救われたし、ラブラと明香は互いを助け合える関係になれました。「主人公達が大きな達成をした第6話」と言えるのかも知れません。

 しかし、人類は滅亡してしまいました。
 第6話まで観た情報を持って第1話から観返してみても、第6話時点ではまだ明らかになっていない謎も残っているんです。恐らく点と点が繋がって線になるのだろうことは分かるのですが、どう繋がるのかはまだ分かりません。

 ついさっき第1話~第3話が「出題編」で、第4話~第6話は「解答編」と書きましたが……この「解答編」だけでは全ての謎が明らかになっていないので、第1話~第6話が「出題編」で、第7話以降の「解答編」で「遊太がどうやって人類を救うのか」「あの謎の答えは何なのか」を明らかにするよと視聴者の興味を引く第6話だったとも言えると思うのです。

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 ……と、こんなカンジに6作品を考えてみたところ。「第1話~第3話」を一区切り、「第4話~第6話」を一区切りにしている作品が多いなと思いました。そして、その二つは与えられている役割が違うのです。

 「第1話~第3話」が担っているのは、野球で言えば一番バッター。
 とにかく塁に出てもらわなければ作戦も立てられないので、高い出塁率を誇る選手を採用する打順です。アニメも「第1話~第3話」で視聴者の興味を引くために、“確実に面白い話”を3話目に持ってくる作品が多かったです。


 それに対して、「第4話~第6話」が担っているのは野球で言えば二番バッターです。
 塁に出た一番バッターを活かすため、自分が犠牲になってでも「送りバント」をしたり「ヒットエンドラン」をしたりする打順です。しかし、近年では単なる「送りバント」要員を据えることは少なくなって、長打も打てる選手を採用する「攻撃的な二番バッター」も多くなりました。二番バッターにどういう選手を採用するのかで、指揮官の哲学が分かるとも言えます。
 アニメの「第4話~第6話」も、スタートダッシュを切った「第1話~第3話」から変化を付けたり、サブキャラを使ってストーリーに奥行きを付けたり、次の話への繋ぎに徹したりする作品もあれば……本来ならクリーンナップ(9話辺り)を張れるんじゃないという回を、敢えて2番(6話)にぶちこんでくる『パンチライン』みたいな作品もあって、その考え方の差がとても面白かったです。


 『パンチライン』の脚本を書いている打越鋼太郎さんはゲームのシナリオが本業のライターさんです。
 同じようにゲームのシナリオや小説からアニメの脚本を書くようになった虚淵玄さんは、アニメの脚本を本業にしている脚本家さんから「アニメのセオリーに捉われない構成をしてくる」と言われていましたし……『パンチライン』の超攻撃的な第6話というのも、アニメが本業じゃないライターさんだったからかも知れませんね。


 そう考えると、次の「第9話学」は三番バッターの話になるのか……
 記事にして書くかどうかは、実際に9話を観てから考えます!!

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| アニメ雑記 | 18:02 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

それなりに実のある結果が出たみたいですね。
そういえばキルラキルも3話の倍数に山場を用意したという話があるみたいで(ニコニコ大百科)、
なら9話にも各アニメ色々な企みを用意してあるのは間違いなさそうです。

| ああああ | 2015/05/21 00:05 | URL |

>ああああさん

 2クールものだと尚更「○話ごとに何かを起こす」のが大事なのかも知れませんね。『SHIROBAKO』も「3話ごと」「2話ごと」で脚本家が変わって話が一区切りになっていましたし。

| やまなしレイ(管理人) | 2015/05/21 22:50 | URL | ≫ EDIT

6話や9話を区切りとして意識したことがなかったので、興味深かったです。
ちなみに、「てさプル」の石ダテコー太郎監督は、ツイッターで、てさプルは2話ずつセットで構成していると言ってました。
https://twitter.com/ISHIDATE_Kotaro/status/595967921173565440
https://twitter.com/ISHIDATE_Kotaro/status/595970112638713856

| ああああ | 2015/06/05 12:45 | URL |

>ああああさん

 1クールものだと「2話ごとに1つのストーリー」の作品は多いでしょうね。何故なら、DVD&ブルーレイが「1枚に2話収録」ですから。

| やまなしレイ(管理人) | 2015/06/07 01:15 | URL | ≫ EDIT















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