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アニメの9話目に何を持ってくるのか

※ この記事はテレビアニメ『パンチライン』第9話までのネタバレ
テレビアニメ版『ハロー!!きんいろモザイク』第9話までのネタバレ
テレビアニメ『てさぐれ!部活もの すぴんおふ プルプルんシャルムと遊ぼう』第9話までのネタバレ
テレビアニメ版『俺物語!!』第9話までのネタバレ
テレビアニメ版『アルスラーン戦記』第9話までのネタバレ
テレビアニメ版『響け!ユーフォニアム』第9話までのネタバレ
を含みます。閲覧にはご注意下さい。



 もう春アニメも佳境なんですね。
 時が経つスピードの速さに唖然としてしまいます。

 アニメの3話目に何を持ってくるのか
 アニメの6話目に何を持ってくるのか

 「アニメは3話で視聴継続か切りかが決められる」という考えが作り手にあるからなのか、アニメの3話目には「4話以降も観たい」と思わせる勝負の回が来ることが多いと書き。
 それと比べると、アニメの6話は「繋ぎの日常回」だったり「サブキャラクターを掘り下げる回」だったり「1~3話と裏表な4~6話」だったり、野球で言う2番バッターのような回が来ることが多いし、そこに作品の特色が出るという話を書きました。


 さて、じゃあその流れで考えないワケにいかないよね―――ということで、今日は「アニメの9話」学です。私は元々1クールのアニメだと「9話が一番好き」な作品が多く、何となく9話にはこういう役割が持たされているだろうという予測はあるのですが、実際に今季観ているアニメをサンプルにして見ていこうかなと思います。



○ 『パンチライン』の第9話
 公式サイトのストーリーページ

 『パンチライン』は「1~3話が謎が謎を呼ぶ出題編」「4~6話はその謎の答えが明らかになっていく解答編」という話は前回に書きました。6話のラストで人類を救えなかった幽太が過去に戻り、第1話と同じ12月21日から始まるのが第7話でした。

 第7~9話はそこから「救えなかった人類を今度こそ救うリベンジ編」なんですね。
 ただし、ただ過去をやり直すだけだったら、視聴者としても「一度観た話をもう一度観るだけ」になってしまいます。なので、「幽太の体は女のコ」という謎が第6話で提示され、第7~9話のストーリーを引っ張る推進力として使われます。幽太が人類を救えるのかというメインストーリーと、幽太やみかたんの出自が明らかになるサブストーリーが同時に描かれ、そして第9話のラストでその二つが一本の線に繋がるという。

 恐らく『パンチライン』は全12話でしょうから、ラスト3話の前に第9話で「バラバラだと思われたパズルのピース」が一つに集まり、その上でこの絶望的な状況からどうやって逆転するのか―――という引きで第9話が締められているのだと思います。

 つまり、「今までのまとめ」と「今後への期待」を持ってきているのが第9話なんだろうと。



○ 『ハロー!!きんいろモザイク』の第9話
 公式サイトのストーリーページ

 前回の記事では、この作品の第5~6話は「メインキャラ以外のサブキャラクターに話を広げることで、作品の描いている世界を広げる回だった」と書きました。
 その後はどういう話を持ってきているのかというと、第7話はカレン回で、カレンとアリスの幼少期のお話でした。第8話は「夏休みが楽しみだなー」という話で、第9話は「夏休みが始まった!」という話でした。そして、恐らくですけどそこで出てきた「夏休みだから海に行く話」とか「夏休みなのでアリスがイギリスに帰省する話」という話を第10話以降に持ってくるんじゃないかと思います。

 夏休みの話題だけで何週やるつもりなんだ!!(笑)

 この記事を書いている段階ではまだ第10話を観ていませんし、観ていたとしても内容はネタバレになるから書きませんけど、恐らくこの2期最大の山場はこれから描かれるであろう「夏休みなのでアリスがイギリスに帰省する話」になると思うんですね。アリスにとってイギリスと日本とは何なのかを描かないとなりませんから。


 なので、日常系アニメの代表作と言える『きんモザ』ですけど、終盤の山場に向けてきっちり下準備をしていた第8~9話だったと言えると思います。ただ平坦な日常を描いているだけじゃないんだよと。

 ここまで書いて、実際の第10~12話を観たら「アリスの帰省はモノローグで終わりました」とかになっていたらどうしましょう(笑)。


○ 『てさぐれ!部活もの すぴんおふ プルプルんシャルムと遊ぼう』の第9話
 公式サイトのストーリーページ

 前回の記事では、この作品は「1~3話が基本形」「4~6話が変化形」だったと書きました。
 では、そこからの7~9話はどうだったかというと、まったく予想外の「発展形」だったと思います。9人同時収録を活かした『人狼』が7~8話でしたが、これが視聴者にすんなり受け入れられたのはここまでの流れで「視聴者がキャラクターをちゃんと把握できているから」で。これをもし1~3話に持ってこられても恐らくそんなに面白くはなかったと思うんですね。

 いや、まぁ……私も含めて声優ファンは「中の人の人となり」をこの作品を観る前から知っているから、それなりに面白かったかも知れませんが(笑)。


 んで、そこからの第9話。
 自ら「中休みのような回」「ハズレ回」と言っちゃっているくらいで、大掛かりなことをやった『人狼』回から一転して肩の力を抜いたのが第9話だったと思います。二人で大喜利。しかも、とてつもなく両極端な二人を敢えて揃えての大喜利でした。

 「これからラストスパートに向けて盛り上げるぞお!」と気合の入った回を持ってくるのではなく、敢えて力を抜いた回を第9話に持ってきていたのがこの作品らしいっちゃらしいですね。


○ 『俺物語!!』の第9話
 公式サイトのストーリーページ

 今回挙げた作品の中で、この作品はかなり異質な第9話だったかなぁと思います。
 というのも、この作品は2クールものなのです。1クールもの全12話の中の第9話と、2クールものの全24話の中の第9話では意味合いが全然違うというのもありますし。1クールのアニメの場合は大抵DVD&ブルーレイが「2話ずつ収録」されるのに比べて、2クールものの『俺物語』のDVD&ブルーレイは「3話ずつ収録」されているのです。

 なのでか、この作品は今のところ「3話セット」の構成になっているんですね。
 第1~3話が猛男編、第4~6話が大和編、第7~9話が砂編だったと言えると思います。メイン3人をそれぞれ3話ずつ使って丁寧に描いていて、1クールの作品が「ここからがラストスパートだーーー!」と盛り上がっている時に、2クールのこの作品はようやくメインキャラが描ききれたところという(笑)。

 「3話セット」の構成なので、3話も6話も9話も「あー面白かった」「良い最終回だった」という満足感がとても得られる作品でしたが……1クールものの「第9話」と一緒に考えるのはちょっと違うかなとも思いました。


○ 『アルスラーン戦記』の第9話
 公式サイトのストーリーページ

 この作品も2クールものなのですが、DVD&ブルーレイはどうやら「1巻が4話収録」「2巻以降が3話ずつ収録」みたいで……なので、『俺物語』のように「3話ずつの構成」とはなっていないみたいです。
 この作品の構成を振り返ってみると、1~3話がアルスラーン達にとって「敗北」の物語で、4~6話が王都陥落から「再起」を目指す物語でした。そこから、7話で仲間達がようやく揃い、8話で宿敵カーラーンを倒し、9話で情報を整理させて「今後どうするのか」をアルスラーンにも視聴者にも考えさせる流れなので……

 2クールものですけど、構成的には「1クール目の山場に向けて盛り上げる下地を作った第9話」だったんじゃないかなと思います。1クールものの第9話に近い印象を受けました。第11~12話辺りに何か大きな話を持ってくるんじゃないかと思っています。


○ 『響け!ユーフォニアム』の第9話
 公式サイトのストーリーページ

 さぁ、来ましたよ!ある意味で「9話目」学を考えるに一番分かりやすい例かなーと思います。

 この作品の今のところの勝負回は、間違いなく「第8話」でした。
 久美子と麗奈が山に登る回です。映像の美しさ、通常EDが流れない特殊EDの回、青春のほろ苦さ……色んなところで「勝負の回」だったと思えましたが、番組のニコ生で久美子役の黒沢さんが「久美子は8話で初めて笑ったんだと思う。これまでは愛想笑いしかしていなかったのに」と仰っていて、なるほどどうしてあの8話があんなにもグッときたのかが分かった気がしました。

 久美子は、秀一やお姉ちゃんの前ではそっけなく低い声で喋り、葉月や緑の前では「よそ行き」というか「愛想笑い」というか素ではない自分で喋っています。時々、素の自分が出てしまって慌てて口を押さえているのもそういうことなんでしょう。
 でも、8話の久美子は麗奈の前で素の自分を出して、それで笑えていました。「友情」だとか「百合」だとかそういうものを超越して、自分を押し殺して生きてきた久美子という人間が、初めて私達の前に楽しそうな姿を見せてくれたのです。だから、あのシーンはあんなにもグッときたんだろうと思います。

 んで、そこからの9話。
 9話はいよいよ来たオーディション回で、その結果「久美子は先輩を押しのけて出場メンバーに残り」「麗奈は先輩を押しのけてソロパートの担当になり」、そこで次週に続くことになります。8話で強い力を得た二人が、9話で確かに結果を残したのだけど、でも明らかにこの後に一悶着があるという不穏な空気を残して第10話へ―――という“引き”になっているのです。

 第8話が勝負の回、第9話はそこから次に繋げる回で、第10話以降のラストスパートを盛り上げるための“繋ぎの回”だったかなと思います。


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 こう見ると、どの作品も「9話に勝負の回を」持ってきてはいないことが分かると思います。唯一の例外は、2クールものの『俺物語』くらい。むしろ、『てさプル』も『アルスラーン』も『ユーフォ』も8話に大きな山場を持ってきていたように思えます。

 アニメの9話は、中盤の山場が終わって、10話以降の最後の山場に向けた下準備が行われる“繋ぎ”の回という作品が多かったです。とりあえず自分が今季観たアニメはそういう傾向でした。
 この一連の記事を書く前までは、私にとって「9話が一番好き」な作品が多かったので「9話に勝負の回を」持ってくる作品が多かったんじゃないかなと思っていたのですが……この記事を書いた上でそれらの作品を思い出してみると、必ずしも勝負の回だったから9話が面白かったのではなく、「それまでのまとめ」として使われたり、「最後の山場に向けた下準備」として使われたりしている9話を、自分は好きだったんだなと思います。


 つまり、9話自体で何か大きな事件が起こるのではなく、9話を観て「この作品はこういうことを描いていたのか!」「あの描写はここに繋がる伏線だったのか!」と気付いたり、「この後どうなっちゃうんだろう」「早く続きが観たい!」とワクワクさせられたりしていたからこそ、それらの作品の第9話が好きだったのだろうと思うのです。


 さて。「3話」「6話」「9話」と書いてきましたが、「12話」はやるつもりはありません。「最終回でした」という話になるだけだと思いますからね(笑)。
 ということで、この一連の記事は今回が一足早く最終回です。春アニメがここから終盤ということは、そろそろ夏アニメを選定しなければならない時期なんですね……もうそんな時期か……

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| アニメ雑記 | 17:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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