やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

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大好きな作品を作ってくれた人

 未だにどう受け止めればイイのか気持ちの整理がついていません。

 ご報告とお詫び

 私の今季の推しアニメとも言える『てさぐれ!部活もの すぴんおふ プルプルんシャルムと遊ぼう』の監督・脚本を担当されていた石ダテコー太郎さんが、7話を最後に自ら監督を降板されたという話でした。石ダテさんは『てさぐれ!部活もの』シリーズでは“作者”というか“仕掛け人”のような絶対的な存在だったため、言葉に出来ないほどの喪失感がありました。

 辞めた理由は語られていませんし、推測でアレコレ原因を考えても意味はないと思います。監督が変わっても後任の監督だって頑張ってくれるでしょうし、結果として完成した作品が面白かったら視聴者としては何も不満はないはずなんです。ないはずなんですけど……


 私の大好きなこの作品は、作者が途中で降板してしまうような状況で作られた作品なんだ……と、「大好きな想い」に影を落としてしまう気持ちがどうしてもあるのです。どんなに面白くても、素直に好きと言いづらくなってしまったというか。

 アニメに限らず作品を作るということはとても大変なことかと思います。しかし、それでも私はそうした作品を作っている人達は、『SHIROBAKO』に登場していたキャラ達のように全力で一丸となって、ズタボロになってでも最後は笑顔になって大満足に作品を完成させているのだと思いたかったのです。
 そんなのは幻想だったとしても、そう信じることで「大好きだ!」と言えるのだし、「次回作も作って欲しい!」とお金を払う気になれるのです。



 私の世代で思い出されるのは、漫画『幽遊白書』の連載終了の話です。
 子どもの頃の自分には人気絶頂時の終了もショックだったのですが、それ以上にショックだったのはその後に色んなところで語られた「もう描きたくなかった」「自分のわがままで終わらせた」という作者のコメントでした。私の大好きな作品を作者は「描きたくなかった」のだし、作者にとっては「ムリヤリ描かされた」に過ぎない話を私はワクワクしながら読んでいたのか―――と。

 大人になった今考えると、冨樫先生の気持ちも分かるんですけどね。当時の先生はまだ20代の若者でしたし、インターネットがまださほど普及してなかった時代ですから発言が拡散されることも意識していなかったでしょうしね。
 しかし、子どもの頃の自分には衝撃的な事件だったのです。それまでにも大好きな漫画が突然終わってしまうことは何度も経験していましたが、大抵は「作者は作品のことが大好きで続けたい」のに「編集部がムリヤリ打ち切った」と編集部に一方的な原因があると考えられていたところ。「作者が作品をもう続けたくない」のに「編集部が何とか続けさせようとしている」事態があるのだと、子どもだった私はその時に初めて知りました。

 よく「少年漫画雑誌は人気のある漫画の連載をムリヤリ引き延ばす」と言われますし、そう言われる際のニュアンスとしては「編集部は商売のために作品のクオリティを落としてでも続けさせる金の亡者だ」的な意味が込められていると思うのですが……子どもの頃の私は、引き延ばしだろうが何だろうが、好きな作品にはずっと続いて欲しかったし、終わってしまったら寂しかったですよ。

 その価値観が、『幽遊白書』の一件で一気に崩れてしまったのです。
 それまでは考えたこともなかったんですね。自分の「大好きな作品」を作ってくれた人が、その作品を「嫌々続けているだけ」なんてケースがあるだなんて。


 なので、「好きな漫画」とか「思い出の漫画」を語る際に、どうしても『幽遊白書』のことを語りづらいのです。連載当時ものすごく大好きだったし、今読んでも面白い漫画だとは思うのですが、「この作品は、作者が描きたくない状況でムリヤリ続きを描かされた作品なんだ……」と思ってしまうとどうしても「好き」と言いづらくなってしまうのです。結果として完成した作品が面白かったら何も不満はないはずなのに。




 子どもの頃のすっごいピュアに作品を楽しんでいた話の後に申し訳ないんですけど……
 AV女優さんとかでも、引退後「本当はAVなんてやりたくなかった」「忘れたい」「つらい思い出しかない」と言われてしまうと、引退後にも私達の手元に残っている作品を観てもエロイ気持ちになんかなれないじゃないですか。あぁ、ホント申し訳ないという気持ちになっちゃうじゃないですか。

 いや、そこで「むしろその方が興奮するだろう!」という人もいそうですけどね(笑)。
 私はアニメでも漫画でもAVでも、作っている側が笑顔で作っている作品が好きで、AV女優さんも「AV女優になって良かった!AV女優が私にとっての天職だ!」と言える女優さんが好きだなーと思いました。石ダテ監督の降板の話を聞いて、そう思いました。


| ひび雑記 | 17:50 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

幽遊白書は「なにもここまで…」と思ってしまうくらい作者は嫌いみたいですね。
一説では暗黒武術会編で終わらせる予定だったそうですが、あそこで続いたからこその仙水編だとも思うので複雑と言えば複雑です。

でも文庫本の描き下ろしはあんまりだと思いますけどね。
好きな人すら全否定しているような印象を受けました。

| ああああ | 2015/06/13 01:18 | URL |

>ああああさん

 自分も仙水編が好き(普通の人間に幽助や飛影が追い詰められるのにドキドキした)だったので、未だにどう受け止めてイイのか分かりません。

 もちろんそれを言い出したら『ドラゴンボール』だって『スラムダンク』だって「作者としてはここで終わりたかった」みたいのがあるのかもですが、それ以降の話も「嫌々描いていた」とは言わないで欲しいなぁと思ってしまいます。

| やまなしレイ(管理人) | 2015/06/13 13:51 | URL | ≫ EDIT

途中で降板なんてよっぽどのことがあったんでしょうねぇ。個人的には今回の石ダテさんの件は、FEの加賀さんを思い出しました。自分が作りたかったものと少しずつずれていくのがどうしても許せなかったのかなぁ・・・。こういうのは、やっぱり悲しいですね。

| ドラ | 2015/06/13 14:27 | URL |

ホントそうですよね

ところで「本当はAVなんてやりたくなかった」「忘れたい」
「つらい思い出しかない」と言っている元AV女優のお名前を教えてください。

よろしくお願いいたします。

| ああああ | 2015/06/13 19:02 | URL |

>ドラさん

 降板された理由は明かされていないのでどっちに原因があるのかは分かりませんし、原因を考えて安易な犯人探しをしたくはないのですが。
 いずれにせよ作品を「好き」と言いづらくなってしまったところはあります。


>ああああさん
 探せばたくさんいるとは思いますが、私がこの記事を書いている時に思い出したのは「ほしのあすか」さんです。以前TwitterでAV時代の話を振られて「その話はしないで」と怒っていました。

| やまなしレイ(管理人) | 2015/06/14 01:38 | URL | ≫ EDIT

最近、AV強要訴訟が話題になりましたよね。まだ全然クリーンな業界じゃないんだなって思うと、もうあんまりAVで興奮できないなあって。それでこの記事をふと思い出しましたw

| ああああ | 2016/07/16 01:01 | URL |

>ああああさん

 AV強要が事実ならば許されることではありませんが、あの話……ちょっと胡散くさいなと思いますし、「強要があったからそれ以外の業界関係者も全員ダメだ」というのは「一人のヲタクが犯罪をしたらヲタク全員を犯罪者扱い」するようなものだと思いますよ。


 まぁ、でも強要が事実でも事実じゃなくても
 被害者として噂されている人の動画はもう観る気なくなっちゃいましたね……すっごく楽しそうにしている姿が好きだったのでショックです。

| やまなしレイ(管理人) | 2016/07/18 21:34 | URL | ≫ EDIT















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