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「あとどれくらいで終わるのか」が分からない“ゲーム”というメディア

 Wii UのeShopで、7月15日の午前9時59分まで『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』がセール中です!通常1080円のところが、現在は500円!みんな買うべし!

 私がどのくらいこのゲームを好きかは、紹介記事を書いたんでそちらを読むべし!

 ストーリーが面白いんだから、それでイイじゃないか!『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』紹介(9.5点)


 その応援というワケでもないのですが、今日はそんな『デスマッチラブコメ』のクリア後にMiiverseを眺めていて思ったことを書こうと思います。内容をネタバレするつもりはありませんが、『デスマッチラブコメ』のストーリーの構成のようなものについて書くので、それが気になる人は今すぐWii UのeShopから購入して、プレイして、TRUE ENDに到達してからこの記事を読んでください(笑)。




 このゲームをクリアした後、「あー面白かった」と満足してMiiverseで同じように「あー面白かった」と投稿している人を眺めていて、とある投稿に「そうか!だからこのゲームは面白かったのか!」と気付かされたのです。「だからこのゲームは」というか、このゲームに限らず「ゲームでストーリーを語ること」自体の面白さを知ったんですね。

 それは、
 ゲームって「あとどれくらいで終わるのか」が分からないということです。

 『デスマッチラブコメ』のストーリーはコレが非常に活きたストーリーになっていました。
 「そろそろクライマックスかな?今日でエンディング迎えられるかな?」と思ってプレイしたら全然そんなことなく、翌日「今日こそクライマックスかな?」と思ってプレイしたらそこから更に二転三転して、更に翌日「今日こそはエンディングを迎えるんじゃないかな?」と思ってプレイしたら更に更にそこからどんでん返しがあったんです―――


 実はこういうメディアってゲームだけじゃないかなぁと思うんですね。
 例えば、小説だったら持っている本の今どの辺を読んでいるのかは一目瞭然ですよね。すっごい話が盛り上がっていても、「今読んでいるところは半分くらいだから決着はつかないんだろうな」と分かってしまいます。推理小説とかなら「まだこれだけのページ数が残っているんだから、ここで追求されている彼は真犯人じゃないんだろうな」とかね。

 漫画の場合、「○○編」「××編」みたいな区切りの終わりどころは分かりませんが、作品自体の完結は「最終巻かどうか」で分かってしまいますよね。予め完結した漫画を一気に読む場合は「全○巻」と先に知ってしまうことが多いですし、単行本を1冊ずつ買っている場合も表紙とか目次とかから「あー、これ最終巻なんだー」と分かってしまうケースが多いです。
 雑誌連載で追いかけている場合は「次回が最終回かどうか」も分からずにドキドキ出来ることが多いですけど、人気作になると「来週センターカラーということはここで最終回なのかー」と分かってしまったりします。

 ドラマやアニメは、季節ごとに新番組が入れ替わるので「このタイミングでは最終回にならない」というのが分かってしまいますし、最終回は番組欄に思いっきり「終」マークが付いていたりします。

 映画や演劇などは上映前に大体の時間が分かってしまいますし、例えば映画だったら「大体2時間前後」という目安があると思います。「予備知識なしで観始めたら、この映画ちっとも終わらなくて6時間もあったよ!」という映画もないことはないですが(笑)、ゲームはそれが標準なんですよね。「大体2時間前後」みたいな目安がゲームにはありません。クリアしてみるまで何時間かかるか分からないのがゲームなんです。



 ネタバレになるので作品名は出しませんが、某Wiiのアクションゲームは「これが!俺達の最終決戦だ!!」「うおおおおおおお!」という最高潮に盛り上がるステージが全体の真ん中辺りにくるので、「これで終わるのかと思ったらちっとも最終決戦じゃねえじゃねえか!」とネット上ではネタになっていました。
 アレもゲームならではの仕掛けなんですよね。小説とか漫画とかアニメとか映画とかで同じようなことをやろうとしたら、「まだページ数が半分残ってるし……」「まだこの後に5巻あるんだけど……」「まだ8月だから最終回にならないよね……」「上映時間、まだ半分残っているし……」と、実は終わらないということがバレバレになってしまいます。“ゲーム”というメディアを活かして、プレイヤーを上手く騙す演出だったのでしょう(※1)

(※1:まぁ、実はそのゲームも作れる武器の素材の入手具合から「まだ半分しか進んでいない」ことは何となく分かっちゃってはいたんですけどね……『デスマッチラブコメ』も、バッドエンドを先に漏れなく回収するタイプの人ならば「まだバッドエンド埋まっていないから終わりじゃない」と気付けたのかも知れませんが)



 ということで、「だから実は“ゲーム”ってストーリーを語ることに向いているメディアなんですよ!」と言いたいところなのですが、その反面として「だからこそのデメリット」もあります。
 ストーリーを語るゲームに限らず、新しいゲームって「どのくらいの時間がかかるのか」が分からないので、手を出しづらい――――という人も多いことでしょう。

 小説1冊だったら、その厚みと文字の大きさで大体どのくらいの時間をかければ読み終わるのかの想像は付きます。漫画も1冊辺りにかかる時間は想像できますから、それが何冊あるかで全体にかかる時間は想像出来ます。ドラマやアニメは1時間とか30分が1クールで全12話だから、12時間とか6時間とか。映画ならば1本2時間前後。

 ゲームもファミコンの時代なんかには厳しい容量制限があったので無限に世界を広げることは出来ませんでしたが、大容量で世界を表現できるようになってしまった今では、ゲームによってクリアまでかかる時間はまちまちです。クリアだけなら2~3時間で終わるゲーム、10時間でクリア出来るゲーム、100時間はかかるゲーム……しかも、それは人それぞれの力量によっても変化するので、実際に自分でプレイするまでどのくらいの時間がかかるのかが分からないんです。


 まぁ、それでも目安として「自分はこのくらいかかったよ」とクリアまでのプレイ時間を書くレビューも多いと思うのですが、逆に言うとそうネタバレすることで“「あとどれくらいで終わるのか」が分からない面白さ”は損なわれてしまうとも言えます。




 「クリアまでには20時間かかりました!」
 ※ ネタバレ防止のために、読みたい人だけ文字を反転させて読んでください



↑こんなカンジにすれば、「購入前にあらかじめかかる時間を知りたい人」は反転させれば読めるし、「どのくらいで終わるのかも知りたくない人」は知らずに済む―――とも言えるのですが、私はこれがベストなやり方とも思わないんですね。
 人間って「私はA」「僕はB」と分けられる生き物じゃないじゃないですか。「具体的な時間は知りたくないけど、流石に50時間以上かかるゲームだったらそんな時間はとれないのであらかじめ教えて欲しい」みたいな、そういう要望を持っている人もいると思うんですね。自分の知りたい情報だけは知りたいけど、それ以上は知りたくない―――という。ネタバレ問題で一番難しいのは、これなんです。



 なので……悩んだ結果、『デスマッチラブコメ』の紹介記事は「全体のプレイ時間は隠しもしないで書く」「(やりこみ要素などを無視した)エンディングまでのプレイ時間は隠して書く」という二段構えにしました。

 しかし、これがベストなやり方なのかはまだ分かりません。
 自分が読んでいる側だったら「全体のプレイ時間もネタバレになるので見たくない!」って言いそうですし、でもそこを隠すと興味すら持たれないかも知れないし……まだまだベストなやり方の模索は続きそうです。


 そう言えば、Wiiの時代は任天堂は『みんなのニンテンドーチャンネル』に各ソフトのみんなの平均プレイ時間を載せていて、載せているということは「プレイ時間をデータとして見せることで購入の参考になるだろう」という目論みだったんでしょうが。
 3DSやWii Uでは、ああいう機能がないんですよね。「本当はやりたいのだけど実現できなかった」のか、「大して活用している人もいないから辞めちゃった」のかは分かりませんが……他のやり方での代用とかも行っていないということは、「プレイ時間を書いたところで購入の参考にはならない」という判断なんですかね。個人的には、ただアレを眺めるだけでも好きだったのでなくなっちゃったのは残念です。

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| ゲーム雑記 | 18:04 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

「あとどれくらいで終わるのか」が分からない、というメリットは逆転裁判ディレクターの巧舟さんも以前言ってましたね。
小説だと、下巻が出たからこれで終わりだな……と思って読むと、終わらなかったので完結編に続きますという事が稀にあるので油断できません。

やまなしさんのレビューは、どんなことをどんな風にネタバレしているかをはっきり予告してくれているので本当にありがたいです。
安心して読めるレビューっていいな。

| ないしょ | 2015/07/12 23:31 | URL | ≫ EDIT

ヘッドライト・テールライト

 雑誌連載しているマンガの場合も、コミックへまとめる際の分量面から、ある程度までは先読みできてしまいますね。
「コミックスならまだ頭の方になるはずだから、少なくともあと十回は続くよな」とか、「残り一話か二話で終われるわけないじゃん、まさか打ち切り最終回でもあるまいし……ないよな!?」とか。

 そしてついでにある小説の作者が、似たようなことを後書きで書いていました。
 紙の小説だとページ数から展開を先読みできてしまうので、web小説出身の身としてはどうも落ち着かないと。

 ……だから不意打ち気味の実質上下巻構成にして、とんでもないとこで唐突に切ってみました!ってオチがつくんですけどね(笑)
(実際のところ、この切り方をした本当の意図は別にあったと思われますが)

| kanata | 2015/07/13 04:07 | URL | ≫ EDIT

>ないしょさん

 あああ!『逆裁』もまさにそうですね!
 二転三転四転する展開は「残りのページ数」が分かる本では出来ないストーリーです。その反面、『蘇る』みたいに「いつ終わるんだよ……」と言いたくなるものもありますけどw

>やまなしさんのレビューは、どんなことをどんな風にネタバレしているかをはっきり予告してくれているので本当にありがたいです。
 嬉しいです。
 毎回「これでイイのかな」「作品の魅力を損なっていないかな」と不安で不安で仕方がないので、こう言ってもらえることが何よりの励みになります。


>kanataさん
>雑誌連載しているマンガの場合も、コミックへまとめる際の分量面から、ある程度までは先読みできてしまいますね。
 上級者だ!
 でも、「これだと残りページ数足りないけどどうするんだろう。描き下ろしで最終回後のエピソードをやってくれるのか!?」→「作者が過去に描いた読みきりを載せて帳尻を合わせる」みたいなこともありますんでw


>紙の小説だとページ数から展開を先読みできてしまうので、web小説出身の身としてはどうも落ち着かないと。
 なるほどー!
 「電子書籍」の話は記事内に書こうかと考えていて、結局カットしたんですけど……WEBは盲点でした。確かにWEB小説はゲーム並に「終わりが分からない」メディアですね。

 電子書籍の時によく言われた「紙の本は残りページ数が分かりやすくてイイ」というポイントって、作者からするとウィークポイントになる場合もあるんですねぇ。

| やまなしレイ(管理人) | 2015/07/14 00:46 | URL | ≫ EDIT

昔、だからこそ「クソ小説」や「クソ映画」という言葉はないのに「クソゲー」は生まれるのではないか、ということを言った雑誌記事を読んだ覚えがあります。10年以上昔の話ですが。
本や映画は尺が決まっているからこそ盛り上がるべきタイミングもある程度予想できて、切るか否かを判断するタイミングが掴める
一方ゲームはどこまでやれば面白くなるかがわからないため、合わないゲームでも面白くなるべきタイミングを求めズルズルやり続けて時間を無駄に浪費してしまう
それがユーザーの怒りを買い、クソゲーという酷い言い方が定着する一因となったのではないか?という内容でした
その記事の細かい論理展開は忘れてしまいましたが(拘束時間以外にパッケージ単価の違いの話もあったように思う)、今回の記事で尺の可視性の重要さを久々に思い出しました

| ike | 2015/07/26 21:12 | URL |

>ikeさん

 「クソ映画」って言わないかなぁ……というところには異論はありますが(笑)、その記事のおっしゃることはすごくよく分かります。

 「全体で何時間かかるのか分からない」のはもちろん「1プレイ何分かかるのかも分からない」し、「ある程度上達しないと面白くならない」なんてこともありますし。
 ゲームってやっぱり拘束時間が分からないからこそのハードルの高さは大きいですよね。その分ヘイトも溜まりやすい。最後の方は「早く終わってくれ……」と思いながらプレイしていることが多いですもの。

| やまなしレイ(管理人) | 2015/07/27 02:20 | URL | ≫ EDIT















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