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RPGにはこれだけの可能性があった!『ライブ・ア・ライブ』紹介(7.3点)

【三つのオススメポイント】
・7人の漫画家がキャラデザを手がける、全く別の7つのゲーム
・しかし、共通する「RPG」という枠組みに、「RPG」の無限の可能性を感じられる
・7つの世界を表現する見事なドット絵グラフィック!


『ライブ・ア・ライブ』
 スーパーファミコン用/RPG
 スクウェア
 1994.9.2発売
 セーブデータ数:4
ライブ ア ライブライブ ア ライブ

スクウェア 1994-09-02
売り上げランキング : 3753

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by G-Tools

 Wii Uバーチャルコンソール用
 スクウェア・エニックス
 2015.6.24配信開始/858円+消費税
 公式サイト


 プレイ時間は約29時間
 ※ ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください
 バッドエンドではないエンディングだったので「クリアした」と言ってイイと思うのですが、自分がたどり着いたエンディングは「真のエンディング」ではなかったっぽいです


【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目の有無を、実験的にリスト化しました。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番強くて、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:◎(SF編と中世編はトラウマ案件として有名らしい)
・寝取られ:◎(スクウェア三大悪女として有名らしい)
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×(一般的なレベルだと思う)
・動物が死ぬ:△(RPGなので動物と戦うことも多いです)
・人体欠損などのグロ描写:△(そういうグラフィックの敵が……)
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:△(若干、虫っぽい敵もいるけど……)
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:○(隠しイベントとしてあったらしい)
・セックスシーン:×


◇ 7人の漫画家がキャラデザを手がける、全く別の7つのゲーム
 権利関係が複雑そうなので「バーチャルコンソールの配信は絶望的」と噂されていた作品ですが、この度Wii Uのバーチャルコンソールとして配信が実現しました!
 自分は発売当時ちょうどゲームから離れていた時期だったので、今回が初見プレイでした。同じように「今回このゲームを初めて知った」という若い人もいるかも知れないので、まずはこのゲームが発売された1994年頃の「スクウェア」がどういう立ち位置だったのかから説明しようと思います。


 スクウェアという会社は1980年代に創業、当初はパソコン用のゲームを作っていましたが、1985年からはファミコン用のソフトを手がけることになります。DOGを結成しディスクシステムにアドベンチャーゲームなどを発売したりしていました。『水晶の龍』なんかが有名ですかね。
 1986年にエニックスが『ドラゴンクエスト』を大ヒットさせて、日本にもRPGブームが来ていたところ、スクウェアは様々なところに『ドラクエ』の模倣には収まらない要素を盛り込んだ『ファイナルファンタジー』を1987年にヒットさせます。以後のスクウェアはRPGに注力するようになり、ファミコン、ゲームボーイ、スーパーファミコンに『ファイナルファンタジー』シリーズ、『Sa・Ga』シリーズ、『聖剣伝説』シリーズなどを展開してヒットさせていきます。

 そのフットワークの軽さと『ドラゴンクエスト』よりも大人びた層を対象にしていたこともあって、『ドラゴンクエスト』のエニックスと並んで、『ファイナルファンタジー』『Sa・Ga』『聖剣伝説』のスクウェアが二大RPGメーカーとして肩を並べたのがちょうどこの頃なのです。
 その後の1996年、スクウェアは任天堂と決別し、ソフトをプレイステーション用として発売していくと発表しました。その結果、当時の次世代ゲーム機戦争はプレイステーションの勝利が確定し、『ドラゴンクエスト』を始めとする他のソフトメーカーのソフトもプレイステーションに集まることとなりました。


 当時のスクウェアはそのくらい大きな影響力を持っていたし、当時のRPGはそのくらい市場の中心のジャンルだったんですね。任天堂がNINTENDO64に『マリオ』や『ゼルダ』を出しても、「64はアクションゲームばかりじゃん。アクションが苦手な人でも遊べるRPGがなければ売れないよ。」なんて言っている人も多かったです。今だともう信じられない話かも知れませんが。


 さて、『ライブ・ア・ライブ』に話を戻します。
 当時のゲーム業界において「RPG」は市場の中心でしたし、スクウェアはその中でもRPG専用メーカーとも言えるくらいにたくさんのRPGを発売していました。王道の『ファイナルファンタジー』シリーズ、それに対する異端とも言える『Sa・Ga』シリーズ、アクションRPGの『聖剣伝説』シリーズ、シミュレーションRPGの『フロントミッション』シリーズ、超豪華スタッフによるドリームプロジェクトだった『クロノ・トリガー』などなど……

 そうしたソフト群の中で、この『ライブ・ア・ライブ』は「実験的」で「RPGの色んな可能性」に挑んだ作品だったのだと思います。

 まず「オムニバス形式」の作品で、7つの章から成っています。
 章立てのRPGと言えば『ドラゴンクエストIV』などが既にありましたが、『ライブ・ア・ライブ』の場合は「全く別のゲームが7つ入っていて、そのどれから遊んでも構わない」という作品でした。そのために、それぞれの章には別の漫画家さんがキャラクターデザインとして起用されていて、章ごとの独自性を際立たせていました。

 当時の自分は「漫画家7人もキャラデザに起用なんて、なんでそんなことするんだ?」と分からなかったのですが、今回プレイしてみてよく分かりました。試みとしては『GUILD01』とかに近いんですよ。著名なクリエイター4人が作った別々のゲームが1本のパッケージに収録されている、みたいなカンジで。『ライブ・ア・ライブ』は「著名な漫画家7人がキャラクターデザインを手がけた別々のゲームが、1本のパッケージに収録されている」んです。

 そのくらい、それぞれの章は別のゲームになっているのです。
 「システム」は同じなのに。
 切り口が違うと、全く別のゲームになってしまう――――


 RPGにはそれくらいの可能性があるんだと、時代の最先端を突き進んでRPGを作りまくっていた当時のスクウェアは考えていたのだと思います。
 そして、実際にプレイステーション時代になってからもスクウェアは様々なRPGを作りまくっていきますものね。『ライブ・ア・ライブ』はRPGが色んな方向に進んでいく過渡期にあたる、「色んなRPGの可能性」を見せた見本市のような作品だったとも言えます。



◇ 共通する「RPG」という枠組みに、「RPG」の無限の可能性を感じられる
 それでは、収録されている7つの章を見ていきましょう。
 順番は単に「私がプレイした順番」です。

○ 西部編
 西部劇をモチーフにしたシナリオ。
 キャラクターデザインは石渡治さん。代表作は『B・B』『LOVe』など。

 ならず者の集団クレイジー・バンチに支配された町を救うために、賞金首であるサンダウン・キッドが立ち上がる章です。ゲームとしては「鐘が8回鳴る」という制限時間までに町を探索し、見つかったアイテムを使って町人に罠を仕掛けてもらい、それで敵を迎え撃つのです。

 言ってしまえば、RPGの「探索」要素にスポットを当てた章です。
 プレイ時間が長くなく、「探索」が苦手でも「戦闘」で挽回できるなど自由度も高く、私はお気に入りの章でした。


○ 現代編
 高原日勝が最強の格闘家を目指す話です。
 キャラクターデザインは皆川亮二さん。代表作は『スプリガン』。後に『ARMS』や『D-LIVE!!』なども執筆されますね。

 当時流行していた『ストリートファイターII』のような格闘ゲームの世界観をベースにしていて、ゲームシステムとしても格闘ゲームのように「6人のキャラクターから対戦相手を選んで順々に倒していく」というもの。戦闘自体は「格闘アクション」ではなく、このゲームに共通するSRPG風のコマンドバトルですが。

 言ってしまえば、RPGの「戦闘」要素にスポットを当てた章です。
 喰らった相手の技を覚えるシステムがあるために、対戦する順番に攻略要素があるなど、シンプルなのに奥が深くて楽しかったです。個人的には、これもお気に入りの章です。


○ 原始編
 原始時代の人類をコメディタッチで描くシナリオです。
 キャラクターデザインは小林よしのりさん。代表作は『おぼっちゃまくん』『ゴーマニズム宣言』など。

 言葉を持たない狩猟民族が主人公達なので「台詞」が一切なく、『FF5』や『FF6』のようなドット絵の動きだけでキャラクターの感情を説明し。戦闘は「シンボルエンカウントなんだけど敵の姿は見えない」のでニオイを嗅いでその場所を推理する、など独特のシステムがあります。
 レベルアップ要素やアイテム合成によって強い武器を作るなどの「育成」要素もあって、最初はどうすりゃイイんだこんな敵というザコ敵に囲まれて絶望するのだけど、次第にそうした敵も楽々倒せるようになっていくのが気持ち良いです。

 原始人という設定を活かして、他のRPGにはない独自の味を出してしまった章です。
 これも、割とお気に入りです。


○ SF編
 宇宙を航行中の宇宙船の中で起こるドラマを描いた話です。
 キャラクターデザインは田村由美さん。代表作は『巴がゆく!』『BASARA』など。

 宇宙船の中で作られたロボット:キューブを主人公にして宇宙船内を動き回り、人間関係の中で立ち回っていく話です。ザコ戦の要素はなく、ゲームシステムとしては指示された場所に向かってストーリーを進める「一本道アドベンチャーゲーム」に近いです。

 言ってしまえば、RPGの「ストーリー」要素にスポットを当てた章です。
 個人的には、1~2位を争うくらいに好きな章でした。


○ 功夫編
 クンフーの流派:心山拳の継承を描いたシナリオです。
 キャラクターデザインは藤原芳秀さん。代表作は『拳児』『ジーザス』など。

 「7つの話の中でこの主人公だけジイさんなのかよ!?」とプレイ前は思ったのだけど、この章はそれがポイントとなっていて。このジイさんが主人公となって3人の弟子を見つけ、育てて、その3人の中から1人を「継承者」にするという話なのです。

 言ってしまえば、RPGの「育成」要素にスポットを当てた章です。
 3人の内の誰を育てるのかでストーリーが若干変わるのが面白いです。終盤の連戦は正直退屈でしたけど、発想としてはなかなかお気に入りの章でした。


○ 近未来編
 スーパーロボットアニメのような世界観のシナリオです。
 キャラクターデザインは島本和彦さん。代表作は『炎の転校生』『逆境ナイン』など、後に『吼えろペン』や『アオイホノオ』なんかも描かれますね。

 父を殺され孤児院に暮らすアキラを主人公に、暴走族クルセイダーズと陸軍の企みに挑んでいく話です。ゲームシステム自体は「シンボルエンカウントのRPG」として特筆するところも少ないのだけど、細かい寄り道イベントと、主題歌があるなど(スーファミのゲームなので歌は流れませんが)往年のロボットアニメを彷彿とする熱いシーンもあります。

 RPGで「ストーリー」を描くという点ではSF編と共通するものがあるのですが、あちらが「アドベンチャーゲーム」の流れだったのと比較すると。こちらは凝った「演出」によるアニメ的、映画的な見せ方を目指した賞とも言えます。
 非常に人気の高い章らしいのですが、個人的には延々と湧き続けるシンボルエンカウントの敵がつらくてあまり好きではありませんでした。ラストは確かに燃えるんですけどね……


○ 幕末編
 悪の大名にとらわれた要人を救うために敵城に潜入する忍者の話です。
 キャラクターデザインは青山剛昌さん。代表作は『YAIBA』など。このゲームの開発が行われている頃にちょうど『名探偵コナン』の連載が始まるんですね。

 非常に多くのやりこみ要素があるシナリオで、敵を倒した数がその都度「○人斬り」と表示されます。そのために城内の全ての人間を殺す「100人斬り」や、逆に誰も殺さない「0人斬り」を目指すことも出来ます。0人斬りを目指す場合は、シンボルエンカウントの敵から隠れる「隠れ蓑」や、鐘の音によって変化する合言葉などの要素をしっかり理解しないとなりません。

 また、幕末に限らず江戸時代付近の有名人物が次々と登場するストーリーも面白いです。

 非常に「自由度」も「やりこみ要素」も充実している章で、人気の高い章なんじゃないかなと思います。
 ただ、私はノーヒントでプレイしたために「0人斬り」は途中で断念(レベル上げをしなかったので中ボスでどうしても勝てなかった)、結局2回目をやり直して中途半端な虐殺をするだけで終わってしまって……「自由度」も「やりこみ要素」も、結局は「しっかりと攻略情報を理解しなくてはならない」ことを痛感しました。



 7つの章はそれぞれ「別のゲーム」と言ってイイくらいプレイ感覚が違うのですが、実は根っこにあるゲームシステムは共通です。見下ろし型のフィールドを移動して、戦闘は「7×7」のマス目を使ったSRPG風のコマンドバトル―――それなのに「全く別のゲームが7つ入っている」と思えるくらい、RPGには可能性があったのです。切り口によって様々な顔を見せるんです。

 それを可能にしているのは、「7×7」のマス目を使ったSRPG風のコマンドバトルという独自のシステムじゃないかと思います。
 普通のRPGのコマンドは「通常攻撃」「MPを消費する魔法攻撃」のように二つに分類されると思うのですが、このゲームにはMPの概念がなく全てのキャラが複数の技を持っていて、「攻撃」も「回復」も「補助」も全て「戦う」コマンドから持っている技を選んで行います。それぞれの技には「距離」「方向」「技が出るスピード」「追加効果」のようなものがあって、「一度に複数のマスを攻撃できるMAP兵器」のようなものもあります。

 特に重要だと自分が思ったのは「速さ」の概念で、「強力だけど時間がかかる技」は発動前に敵がそこを動くとその技はもう当たらなくなってしまったり、回復役は敢えて順番をパスして味方に先に行動させたりという戦略性があります。自分が一番近いなと思ったのは、『ファイナルファンタジーX』のカウントタイムバトル(CTB)かなぁ。『ライブ・ア・ライブ』のシステムをより万人向けにしていくとCTBになるように思えます。


 この独特のバトルシステムが「普通ではない7つのRPG」をそれぞれ成り立たせていると言えるのですが……逆に言うと、私がこのゲームで一番感じた「欠点」もこのバトルシステムでした。戦略性の高いバトルシステムなので、とにかく1回の戦闘に時間がかかるんですね。なのに、とある章だと普通のRPGのようなランダムエンカウントでザコ戦を何百回と戦闘をしなきゃならなくなるので、とにかく時間がかかるかかる。

 「普通ではないRPGに適したバトルシステム」を「普通のRPG」に当てはめた結果、ただひたすら時間がかかるようになってしまった悪例だと思います。

 クリアした後に攻略サイトを読んだりTwitterで教えてもらったりした話なのですが、その章は「こちらのレベルが上がるとザコ敵も強くなる」「なのでレベルを上げすぎないように逃げるのが基本」だったみたいです。
 私はRPGで「逃げる」を選ぶのが苦手なのでエンカウントした敵は全部倒していて、その結果レベルが上がりすぎてザコ敵も強くなってしまい、1回の戦闘に5分くらいかかる→ 2秒歩く→ ザコ敵にエンカウントするので5分かけて倒す→ 2秒歩く→ ザコ敵にエンカウントするので5分かけて倒す→ 2秒歩く→ ザコ敵にエンカウントするので5分かけて倒すを繰り返していました。

 おかげでレベルが上がりまくってラスボスも瞬殺でしたしね……その辺にいるザコ敵の方が強かったような……


 ランダムエンカウントにしなければとか、「こちらのレベルが上がるとザコ敵も強くなる」仕様にしなければとか、エンカウント率が3分の1くらいならばとか、「逃げる」が勝ちなシステムだとあらかじめ教えてくれるとかしてくれたら良かったのに……と思いました。
 その章さえなければ私はこのゲームをかなり好きなまま終われたと思うのですが、その章のせいで随分と印象が悪くなってしまいました。



◇ 7つの世界を表現する見事なドット絵グラフィック!
 話を変えます。
 スクウェアという会社のゲームは創立当時からグラフィックに定評があり、現在でも日本でトップクラスのグラフィックのゲームを作れる会社と認識されていると思います。しかし、そのスクウェアの歴史の中でも「スクウェアのグラフィックの黄金期はいつだと思う?」とアンケートを取れば、スーパーファミコン時代かプレイステーション時代のどちらかになるんじゃないかと思います。


 「ドット絵グラフィックが極まったスーファミ時代」
 「ポリゴンによる3D表現やムービーで一時代を築いたプレステ時代」


 私はどちらにも違った良さがあると思います。
 「ドット絵には暖かみがあるけどポリゴンは無機質で人間味を感じない」みたいな定型の“昔は良かった”語りが私は好きではありません。ただ、この二者には明確な「出来ること/出来ないこと」の差があって、スーファミ時代とプレステ時代はその一点で大きく異なるのです。


 プレステ時代になってポリゴンで作られるようになったスクウェアのゲームは、「カメラワーク」を手に入れるんですね。
 人物の周りをグルグル回ったり、顔のアップに寄っていったり、俯瞰からキャラを映したりということが出来るようになりました。「ムービー」もその延長線上にあるものですし、その結果プレステ時代のスクウェアのゲームは「映画のようなゲーム」と絶賛される一方で、「じゃあ映画でも作ってろよ」というアンチも出てきたという。

 ドット絵で作られたスーファミ時代のゲームは、基本的には「カメラワーク」がありません。
 なので、スーファミ時代のスクウェアのRPGは、プレステ時代と同じように「ストーリー重視」のものであっても、「映画のような演出」ではなく「(カメラの位置が固定されている)演劇のような演出」が基本になるのです。


 本当ならここでババーンとスクリーンショットを載せて「どうだ!すごいでしょ!」と説明したいのですが……スクウェア・エニックスのバーチャルコンソールのソフトはスクショ貼り付け禁止なので、私もそれに倣ってスクショに頼らずに文章で凄さを説明したいと思います。


 例えば、「西部編」。
 西部劇の雰囲気を出すために、キャラクターではなく「転がる草」が画面を横切るんです。あの西部劇っぽい草!正体のよく分からないけど、「あ!西部劇でよく転がってるヤツだ!」と思えるあの草が画面を転がっているんです。

 例えば、「現代編」。
 空と地面の色を上手く変化させることで、「夜明け」を表現する演出が見事でした。カメラアングルが変えられないからこそ、画面内にあるものを使って時間変化を表現させて、それがストーリーともマッチしているという。

 例えば、「原始編」。
 言葉を持たない時代の話なので、台詞は一切なくキャラクターの動きだけでストーリーを説明しなくてはなりません。プレステ以降のようなカメラワークもありません。それが逆に「舞台上で走り回るコント」のようで面白いんですね。映画は演劇の上位互換ではなく、両者にはそれぞれの良さがあるのだと実感させてくれます。



 また、大前提として「7つの世界」をゲームで作ろうとすると「素材の使いまわし」が出来ません。
 例えば『ファイナルファンタジーV』だったら、序盤に出てくる城も中盤に出てくる城も、壁のグラフィックなんかは一緒なワケです。同じ世界観だからそれが許されるんです。しかし、『ライブ・ア・ライブ』のようなゲームの場合、「幕末編」に出てくる城と「近未来編」に出てくるビルが同じグラフィックというワケにはいきません。「7つの世界」をゲームで作ろうとすると、全部別々に作らなければならないんです。


 「作るのが非常に大変そう」で言えば……
 このゲームのバトルシステムには「向き」の概念があるので、敵も味方も「手前側を向いたグラフィック」と「向こう側を向いたグラフィック」の両方が必要なのです。その上、味方はたくさんある技ごとに細かく違った動きをしまくります。どんだけ労力がかかったんだと震え上がります。



 ただ……ここも不満点で申し話ないんですけど……
 それ故に「どうだ!このグラフィックすごいだろう!」とただただ画面を見ているだけの時間も長いんですね……ストーリーが進む場面は「そこが見せ場」なんだから文句を言っちゃいけないのは分かります(リトライ時にAボタン連打するのは億劫だけど)。しかし、戦闘シーンで一つ一つの技が長いのがつらくてつらくて。

 このゲームには、普通のRPGにおける“たたかう”のような通常技がありません。なので、ザコ戦でも敵も味方も必殺技の応酬のようなことが続くのですが、その一つ一つがとても長いのです。いつまで経っても戦闘が終わりません。ボス戦ならそれもテンション上がる演出なのですが、先ほども書いたようにランダムエンカウントで何百回とザコと戦わなければならない章で延々と敵が大量の火の鳥を召還しているのを眺めていれば心も淀んでいきます。


 この「ザコ敵の長い攻撃モーションを延々と眺めている時間」は『スーパーマリオRPG』でも感じましたし、プレステ時代の『ファイナルファンタジー』シリーズにも感じました。それが当時のスクウェア基準で、実際にそれが受けていたのだからそれが正しかったのかも知れませんが、私はこれがあまり好きではありません。
 何百回と繰り返し観るザコの攻撃は、なるべく短くして戦闘のテンポを良くしてくれよ―――と、どうしても思ってしまいます。


◇ 総括
 自分の感想を読み返してみると、不満点は「とある章のランダムエンカウント」に集約されているのが分かりますね……それくらい、あのエンカウント率と戦闘の長さは苦痛でした。それ故にフィールドを「探索」する気にもならず、結果的にそれが「真のエンディングじゃないエンディング」にしかたどり着けなかった理由だと思います。しかし、あの鬼エンカウント率が待っていると考えると、やり直す気にもなれない……

 ということで、ゲームのトータルの評価としては「前半は超楽しかった」けど「終盤はつらかった」というものになってしまいます。


 「RPGには色んな可能性がある!」とこのゲームが見せていたように、この後のRPGは確かに色んな方向に進んでいって成功していくのですが……この頃のRPGが既に抱えていた「ただただ画面を見ているだけの時間も長い」問題を、プレステ時代も、PS2時代も解消できず、自分がRPGをあまりやらなくなってしまうことを考えると。「可能性」と同時に「行き詰まり」も感じてしまった作品だったのかなぁと。

 あと、スクウェア・エニックスのバーチャルコンソールのソフトはMiiverseにスクショが貼れないのも寂しいです。会社の方針なら仕方がないんですけど、バーチャルコンソール以外のソフトはスクショが貼れるんですよねぇ。謎。


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| ゲーム紹介 | 18:08 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

>64はアクションゲームばかりじゃん。アクションが苦手な人でも遊べるRPGがなければ売れないよ。

今じゃアクション要素の無いRPGの方が皆無。ドラクエ10のスタッフはスクウェア系のMMORPG畑の人間ばかりでリアルタイムバトルに反対したDQ畑の藤澤氏を更迭してしまったし…

| 太田拓也 | 2015/07/22 17:52 | URL | ≫ EDIT

>太田拓也さん

 ドラクエ10を僕はプレイしていませんけど、世の中をそんな単純化はできないとは思いますよ。

| やまなしレイ(管理人) | 2015/07/22 23:09 | URL | ≫ EDIT

わたし、このゲーム大好きでした
クンフー篇の雰囲気が一番お気に入りでした

どんなゲームも終盤近くになると、イベントも少なくなって余計に戦闘ばっかりしてる気になりますね
特にこのゲームは最終章はストーリーとかほとんど語られなくなって仲間探しとアイテム集めに奔走しますからその印象が強いのかも

懐かしいゲームの名前を見て思わずコメントしてしまいましたノシ

| トール | 2015/11/08 05:24 | URL |















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