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2Dマリオの「砦や城をクリアしないとセーブできない」理由とジレンマ

 この話は『スーパーマリオメーカー』をプレイしていた頃に書こうと考えていたのですが、タイミングを失ってすっかり忘れてしまっていました。
 そうしたら最近、そのゲームの「一区切り」は何分ですか?という記事のコメント欄でこの話題が出て、その話題が呼び寄せたかのように面白い意見も集まっていたので改めて記事にして書こうと思います。


 きっかけとなったコメントを要約すると、
 「3歳の子どもと一緒にWii Uを遊んでいるので、砦や城をクリアしないとセーブが出来ない『NewスーパーマリオブラザーズU』(2Dマリオ)よりも、1つステージをクリアするだけでオートセーブしてくれる『スーパーマリオ3Dワールド』(3Dマリオ)の方がありがたい」というものでした。

 この気持ちはすごくよく分かります。
 私もDSの『Newスーパーマリオブラザーズ』をプレイした時は「今時1ステージごとにセーブさせてくれないのか」と驚きましたし、当時ゲーム初心者の母に色んなゲームをプレイさせていたのですが、同じような理由で母も序盤で脱落していました。1つのステージならば何度も繰り返せば1回くらいはクリア出来るのだけど、砦までの3~4ステージを通してクリアすることは母には無理だったのです。

 しかし、どうして任天堂が頑なに2Dマリオを「1つステージをクリアするだけでオートセーブ」方式にしないのかも、今なら分かります。任天堂がマヌケだからとか、技術力がないからとかではなく、しっかりと狙いを持ってそうしているのだと私は考えています。


◇ 『スーパーマリオワールド』(スーパーファミコン)
 2Dマリオシリーズで、最初にセーブ方式が採用されたのはスーパーファミコン用ソフト『スーパーマリオワールド』(1990年発売)だと思います。「オバケ屋敷」「城」「砦」「スイッチ」のどれかをクリアした際にセーブするかどうかを聞かれるので、「記録して続ける」を選ぶとセーブされました。
 この頃のゲームは「セーブできる容量」がそれほど多くないソフトも珍しくなかったので、セーブできる箇所が限られていることは不思議ではありませんでした。「オバケ屋敷」は一度クリアしたステージを何度クリアしてもセーブ出来たので、セーブしたい時は序盤の「オバケ屋敷」をセーブポイント代わりにクリアしていましたし、特に不便だとは思いませんでしたね。


◇ 『スーパーマリオランド2 6つの金貨』(ゲームボーイ)
 次にセーブ方式が採用されたのは、恐らくゲームボーイ用ソフト『スーパーマリオランド2 6つの金貨』(1992年発売)です。前作『スーパーマリオランド』はセーブ方式ではなかったため最初から最後まで一気にプレイしなければなりませんでしたが、『スーパーマリオランド2』はステージ数が増えたこともあってセーブ方式が採用され、しかも「1つステージをクリアするごとにオートセーブされる」仕様でした。

 携帯ゲーム機のソフトですし、細かくプレイを中断できるようにそういう仕様にしたのかなぁと思います。


◇ 『スーパーマリオコレクション』(スーパーファミコン)
 次に、ファミコンで発売された2Dマリオ4作をスーパーファミコン用にリメイクして1本にまとめた『スーパーマリオコレクション』(1993年)ですが、こちらは基本的に「ワールド単位」でセーブできるようになりました。例えば、4-3でゲームを辞めたとしても次の日に4-1からゲームを再開できるってカンジです。
 ただし、『マリオ2』だけは1ステージごとにセーブできるようになりました。4-3でゲームを辞めたとしても次の日に4-3からゲームが再開できるのです。これは『マリオ2』が激難なため、リメイク作品なんだから多くの人がコンティニューを繰り返して最後まで遊べるようにしようという意図じゃないかと思います。

 『マリオ2』は例外ですが、それ以外は「砦や城をクリアした時のみセーブできる『スーパーマリオワールド』」に近い仕様に戻りましたね。据置ゲーム機と携帯ゲーム機の遊ばれ方の違いとか、ステージの数とか、そういう理由なのかなと思います。


◇ 「スーパーマリオアドバンス」シリーズ(ゲームボーイアドバンス)
 続いて、「スーパーマリオアドバンス」シリーズ(2001年~2003年発売)。
 過去に発売された2Dマリオをゲームボーイアドバンス用にリメイクしたシリーズですね。『アドバンス3』は『ヨッシーアイランド』のリメイクなので除外するとして……

・『スーパーマリオアドバンス』=『USA』のリメイク:ステージごとにセーブ可能
・『スーパーマリオアドバンス2』=『ワールド』のリメイク:ステージごとにセーブ可能
・『スーパーマリオアドバンス4』=『3』のリメイク:「砦や飛行船をクリアした時」のみセーブ可能+それ以外は「中断」セーブが可能

 私は「アドバンス」シリーズは未プレイのため、今回調べてみて初めて知りました。
 『アドバンス』『アドバンス2』は1ステージごとにセーブが可能だったそうなのですが、『アドバンス4』は本セーブは(スーパーファミコンの『スーパーマリオワールド』のように)ボスステージをクリアした時のみ、その代わりに「1回だけ再開できる中断セーブ」がどこでも可能とのことです。

 「1回だけ再開できる中断セーブ」は、Twitterでプレイした人に教えてもらったところ「バーチャルコンソールのようなプレイ状況がそのまま記録されるもの」ではなく「クリアしたステージの記録がされた状態でマップ画面から再開」だそうです。
 つまり、「アドバンス」シリーズの前半の2本は「1ステージごとにセーブ可能」だったのが、『アドバンス4』から「1回再開したらデータが消えてしまう中断セーブ」に変更+「砦や飛行船をクリアした時のみ本セーブ可能」という形になったのです。


 最初のコメントを下さった人のように、「1つステージをクリアするだけでオートセーブ」にして欲しい人からすれば「改悪された」とも言える仕様変更です。そして、この仕様は基本的に現在の『Newスーパーマリオ』シリーズに引き継がれています。


◇ 『Newスーパーマリオブラザーズ』シリーズ(DS、Wii、3DS、Wii U)
 2006年に発売されたニンテンドーDS用ソフト『Newスーパーマリオブラザーズ』をプレイした私は、「アドバンス」シリーズの変遷を知らなかったため、「今時1ステージごとにセーブできないのかよ」と正直思いました。
 このゲームがセーブ出来るのは、「砦」「城」「ワープ大砲」を“初めて”クリアした時だけです。『スーパーマリオワールド』のように「同じオバケ屋敷を何度もクリアしてセーブする」ことも出来ませんし、『スーパーマリオアドバンス4』のような「中断セーブ」もできません。ただし、スターコインを消費して看板を消すとセーブ出来るという救済措置(数は限られている)があるのと、エンディング後には自由にセーブが出来るようになります。

 シリーズの歴史の中でも、かなり「セーブが不自由」なゲームになりました。


 流石に『スーパーマリオアドバンス4』にあった「中断セーブ」をなくしたのはまずかったと思ったのか、続くWii用の『NewスーパーマリオブラザーズWii』、3DS用の『Newスーパーマリオブラザーズ2』、Wii U用の『NewスーパーマリオブラザーズU』では「中断セーブ」が復活しました。その結果、

・砦、城、飛行船などをクリアした際にセーブ可能
※『Wii』と『U』は何度クリアしてもセーブ可、『2』はスターコインで看板を消してもセーブ可
・マップ画面でスタートボタンを押すと「中断セーブ」可能
※エンディング後は、それが「本セーブ」に変わる


 どうもこんなカンジになったみたいですね。
 私も『Wii』と『2』はプレイしているのですが、当時そんなことは意識していなかったのと、友達に借りてプレイしただけで今手元にないので「こんな仕様だったっけ……」と思いました。中断セーブが出来るなんて知りませんでした。間違っているところがあったらコメント欄で教えてください。修正しますんで。


 まぁ、ともかく……言えることは、2Dマリオシリーズも「1ステージごとにセーブ可能」にしていた時期もあるのだけど、『アドバンス4』を境に「砦や城をクリアしないとセーブできない」仕様に“敢えて変えた”ことは分かると思います。
 また、エンディング後は自由にセーブできることからも、決して技術的に「1ステージごとにセーブ可能」にすることが出来ないワケではないのも分かるでしょう。ゲームデザイン上“敢えてそうしている”のです。



 しかし、最近のステージクリア型のゲームで「1ステージごとにはセーブ出来ない」ゲームなんて、他にはほとんどないんじゃないかと思うのです。
 最近私がプレイしたゲームで言えば、Wiiの『ドンキーコングリターンズ』は「1つステージをクリアするだけでオートセーブ」でしたし、3DSの『魔神少女』『魔神少女2』も「1つステージをクリアするだけでオートセーブ」だったと思いますし、アクションパズルゲームならば『ハコボーイ』も『ラビラビ』シリーズも『U-EXPLORE』も全て「1つステージをクリアするだけでオートセーブ」でした。

 そもそも同じマリオシリーズであっても、3Dマリオシリーズならば『スーパーマリオ64』の頃から「1ステージごとにセーブ可能」ですからね。2Dマリオだけが「砦や城をクリアしないとセーブできない」のであれば、時代の波に逆流しているようにも思えます。



 ということで、今日も相変わらず前置きが長かったですね。
 ここからが本題です。

 「風が吹けば桶屋が儲かる」的な話で、私は自分で書いた過去の記事で「コマンドRPGから“武器や防具”をなくしたらダンジョン探索が楽しくなくなる」という記事が好きでした。一見すると関係なさそうな要素が、実は絡み合っているというお話です。

 2Dマリオが「砦や城をクリアしないとセーブできない」のも、これに通じる話で……2Dマリオが「1つステージをクリアするごとにオートセーブされる」になると、「探索」とか「寄り道」が楽しくなくなっちゃうのです。任天堂はそれが分かっているからこそ、「砦や城をクリアしないとセーブできない」としているのだと思います。


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 そもそも「1ステージごとにセーブ可能」というのはどういうことでしょう?
 DS版の『Newスーパーマリオブラザーズ』は例外ですが、ゲームボーイアドバンスの『スーパーマリオアドバンス4』にもWiiの『NewスーパーマリオブラザーズWii』にも3DSの『Newスーパーマリオブラザーズ2』にもWii Uの『NewスーパーマリオブラザーズU』にも「中断セーブ」があったそうですが、「1ステージごとにセーブ可能」と「1ステージごとに中断セーブ可能」の違いは何なのでしょう?


 それは、「何回でもやり直せるかどうか」です。
 「中断セーブ」は1回再開するとセーブデータが消えてしまうので、「ここでセーブしておいてゲームオーバーになったらまたここからやり直そう」ということが出来ないのです。ゲームオーバーになったら、1つ前の砦や城をクリアしたところまで戻されるのが「中断セーブ」なので……

 逆算して考えれば、任天堂は「何回でもやり直せないようにしよう」と“敢えて”中断セーブしか出来ない仕様に変えたのだと思います。



 どうして「何回でもやり直せる」ようにしてはダメなの?と思う人もいるかも知れません。
 ユーザーに“不便”を強制しているワケですからね。ユーザーのために「何回でもやり直せる」ようにしてくれればイイのにという意見もあるでしょうし、先ほど述べたように最近のステージクリア型のゲームはほとんど「何回でもやり直せるように1ステージごとにオートセーブ」になっているワケですからね。


 ただ、2Dマリオで「何回でもやり直せる」ようにすると、1UPキノコの価値がなくなっちゃうんですよ。
 2Dマリオシリーズは「1UPキノコ」を1つ取るとマリオの残機が1つ増えます。コインを100枚取ってもマリオの残機が1つ増えます。残機というのは「やり直せる回数」のことですから、「何回でもやり直せる」ゲームになったら「1UPキノコ」も「コイン」も価値がなくなるし、手に入っても特に嬉しくなくなりますよね。



 ということで、ようやく一行目に書いておいた伏線までたどり着きました。
 この「何回でもやり直せる」=「1UPキノコもコインも特に嬉しくない」2Dマリオ作品が、2015年に発売されたWii U用ソフト『スーパーマリオメーカー』なのです。


◇ 『スーパーマリオメーカー』(Wii U)
 『スーパーマリオメーカー』は言うまでもなく「2Dマリオのステージを自分で作れるゲーム」です。
 そして、そうして作られたステージはインターネットを通して世界中から集められて、自由に遊ぶことができます。遊び方は大きく分けて2つ、「たくさんあるステージの中から、1つのステージを指名して遊ぶ」のと「ゲーム側から提示された8コ(もしくは16コ)のステージを100機の残機でクリアする100人チャレンジ」の2つです。


 この2つの遊び方―――いずれにせよ「1UPキノコやコインの価値が著しく低い」のです。
 「たくさんあるステージの中から、1つのステージを指名して遊ぶ」場合、そのステージを何度も何度も何度もリトライして遊ぶことが出来ます。残機は最初から無限です。だから、1UPキノコやコインを手に入れても特に得はありません。
 「ゲーム側から提示された8コ(もしくは16コ)のステージを100機の残機でクリアする100人チャレンジ」の場合は、恐らく大量に1UPキノコが手に入るステージがあったらバランスが壊れてしまうからなのでしょう、1つのステージで3機までしか増えない仕様になっています。1UPキノコやコインは3機アップまでなら嬉しいのですが、それ以上は手に入っても全く嬉しくありません。やっとの思いで叩いた「ハテナブロック」から1UPキノコが出てきても「普通のキノコが良かったーーー!」と思うだけです。


 その結果どうなったかと言うと……今までの2Dマリオシリーズに比べて、『スーパーマリオメーカー』で遊べるステージは「探索」とか「寄り道」が楽しくないんです。
 2Dマリオって基本的には「右に進むだけでゴールにたどり着く」のですが、そこに至るまでにたくさんの寄り道や別ルートが用意されているじゃないですか。土管に入ればたくさんのコイン、隠されたブロックを見つければそこには1UPキノコ、あのブロックは連続で叩くとコインが大量に手に入る「10枚コイン」、ここからノコノコを蹴って走ると敵を次々と倒して1UP……ただゴールをするだけじゃない、寄り道とかテクニック披露の場が用意されていて、その御褒美として「1UP」や「コイン」がもらえたのです。

 しかし、『スーパーマリオメーカー』では「1UP」や「コイン」に価値がないため、寄り道して「1UPキノコ」が手に入っても全く嬉しくないですし、ブロックの中身が「10枚コイン」だったら特に叩くこともなく先に進みます。
 故にプレイヤーは「ただゴールする」ことだけを考えるし、寄り道が凝っているコースなんか作っても評価はされませんし、寄り道要素のない1本道のステージが人気になります。「全自動マリオ」だったり、「高難度のステージ」だったりが人気になるのも、この仕様だったらしょうがないことだと思います。

 もし2Dマリオシリーズが「1ステージごとにセーブ可能」になったとしたら、同じことになるんじゃないかと私は考えます。



 「風が吹けば桶屋が儲かる」は、
 「風が吹くと土ぼこりが舞う」→「それが目に入って目を悪くする人が増える」→「目を悪くした人は、当時は三味線奏者になることが多かった」→「三味線の材料のために猫が殺される」→「猫が減るとネズミが増える」→「駆除できなかったネズミは桶をかじって駄目にしてしまう」→「桶を買い換える人が増えるので桶屋が儲かる」という論理なのですが。

 どうして2Dマリオが「砦や城をクリアしないとセーブできない」かを考えれば、
 「1ステージごとにセーブ出来れば、何度でもやり直しが出来てしまう」→「残機を増やす意味がなくなる」→「1UPキノコやコインに価値がなくなる」→「ステージを探索したり、寄り道したりする喜びがなくなる」→「単なる一本道ゲームになってしまう」からだと言えるのです。


 つまり、2Dマリオというのは「砦や城」から次の「砦や城」までの数ステージの間、“残機のやりくり”に四苦八苦するゲームなんです。残機がなくなったら、数ステージ前からまたやり直しだという緊張感があるからこそ1UPキノコが嬉しいのだし、1UPキノコを求めて寄り道も楽しくなるのです。

 そのためには、「1ステージごとにセーブ出来る」ようには出来ないのです。




 では、他の「1ステージごとにセーブ出来る」ゲームはどうなのかというと……
 例えば、アクションパズルゲームのような「探索」要素のないゲームは、最初から「寄り道したら1UPキノコがあって嬉しい」みたいなことは求められていませんよね。そもそもアクションパズルは「解法を思いつくかどうか」が鍵なので、残機がなくなったから数ステージ前からやり直しとか言われても、既に解法が分かっているステージを作業のようにクリアするだけですしね……

 また、『ドンキーコングリターンズ』とか『スーパーマリオギャラクシー』なんかは、1ステージの難易度が非常に高かったり、1ステージの長さが(2Dマリオに比べて)長かったりするので……「ステージの途中の中間ポイントからコンティニューする」ことがありがたいです。
 2Dマリオは数ステージごとにしかセーブできない、3Dマリオは1ステージごとにセーブできる、と言っても……3Dマリオの方が1ステージが長いでしょうし、単純に比較できる話でもないかなとも思います。

 それと、「1UP」以外の探索の御褒美を用意するという方法もあります。
 例えば『ドンキーコングリターンズ』は「1UPキノコに該当する風船」「コインに該当するバナナ」があるんですが、それ以外にも「全部揃えると1枚絵が見られるパズルのピース」や「隠しステージ解放に必要なK・O・N・Gのパネル」「買い物に使えるバナナコイン」などがあって、(風船やバナナ以外の)そういうアイテムを探索する楽しみがありました。

 『スーパーマリオ64』は「パワースター」を探すゲームだから、「1ステージごとにセーブ可能」にしても(2Dマリオ以上に)探索要素の強いゲームになっていましたし。『スーパーマリオギャラクシー』ではコインは「ライフ回復」の役目もあったので、(2Dマリオ以上に)コインがありがたいゲームになっていたと思います。
 2Dマリオシリーズも、「1UPキノコ」よりも「寄り道で見つけたら嬉しいもの」が出てくるようにすれば、寄り道の楽しさを損なうことなく「1ステージごとにセーブ可能」なゲームに出来るんじゃないかと考えます。




 私個人の好みで言えば、「マリオも、そろそろ「残機制」をやめてもイイんじゃないかな」と思っています。「1UPキノコ」を廃止して、「コイン」は別の使い道を用意して、「1UPキノコ」以外に寄り道して集めたくなるようなアイテムを置けばイイんじゃないかなと思います。『New』シリーズでおなじみの「スターコイン」を、もっと色んな用途に使わせるとかね。それで「1ステージごとにセーブ可能」で「無限にコンティニュー可能」にしてもイイんじゃないかと思っています。

 ただ……そうすると「“残機”を失ったらやり直しという緊張感」がなくなるんです。
 先のコメント欄で集まった面白い意見の中に、「高難度だけど、残機は無限で、やられたらその場で即再開になるゲーム」についての話がありました。ダウンロード専売のアクションゲームには結構見かける仕様ですね。高難度ではないですが、私が今プレイしている『ハコボーイ』なんかまさにそうですね。あのゲームは、すぐ手前からリトライできる機能が付いています。

 そういうゲームは「(高難度であっても)気軽にプレイ出来る」一方、「ミスしたら随分前からやり直しだという緊張感」は薄いのでハラハラはしません。「気軽さ」と「ハラハラ」は裏表で、どちらか片方に重きを置けばもう片方は薄まるものでしょう。

 例えば、私が絶賛した『幻影異聞録#FE』の「どこでもセーブできる」仕様も、裏を返せば「緊張感がない」とも言えるんです。ワイルドエネミーに遭遇して全滅したとしても、直前にセーブしているから安心だぜーとなってしまいます。もし、『幻影異聞録#FE』が限られたセーブポイントでしかセーブ出来ないゲームだったら、気軽にはプレイ出来なくなりますが、突然のワイルドエネミーに恐怖する緊張感抜群のゲームになっていたと思います。
 逆に、『幻影異聞録#FE』も「戦闘中でもセーブできるようにして欲しかった」という人がいて、恐らくそうすればものすごく気楽に遊べるゲームになる反面、戦闘の緊張感は限りなく少なくなることが予想されます。「ピンチの仲間がいる……回復するか攻撃するか……よし!セーブしておいて、ダメだったらリセットしてやり直そう!」ということが出来てしまいますからね。


 「気軽さ」を選ぶのか、「ハラハラ」を選ぶのか―――
 それぞれのゲームが「どういう人にどう遊んでもらいたいのか」によって正解は異なります。どこでもセーブできる『幻影異聞録#FE』は気軽さを選び、砦や城をクリアしないとセーブできない『Newマリオ』シリーズはハラハラを選んでいるということなんでしょう。どちらが正しいという話ではなく、そこに「そのゲームの意図」が見えるのだと思います。





 ただ、それはそうと2Dマリオは岐路に立たされているとも思うのです。
 DSの『Newスーパーマリオブラザーズ』が大ヒットして以降、各ハードで1本ずつ発売されている2Dマリオですが……国内売上はDS版が640万、Wii版は456万、3DS版が242万、Wii U版125万、世界売上はDS版が3079万、Wii版が2951万、3DS版が947万、Wii U版が488万と――――国内・世界ともに右肩下がりの状況です(※ 数字は2016年1月現在Wikipedia参照)(※ 本体同梱版も数字に含まれています)。

 しかし、『スーパーマリオメーカー』の動画の盛り上がりなんかを見れば分かるように「2Dマリオの需要」がないワケでもないですし、恐らく次世代ゲーム機NX(仮)でも新作を作っていることと思われます。

 なので、この「どこでセーブ出来るのか」という問題だけでなく、次回作では抜本的な変革をしてくる頃かなぁと思うのです。Wii版で4人協力プレイを実現してからは、ゲームシステムとしては目立った変化がありませんからね。マリオもまた、ゼルダ同様「アタリマエを見直す」頃合かと思いますし、E3で何らかの形を見せてくれるんじゃないかと期待しています。


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| ゲーム雑記 | 17:54 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

面白い記事でした。
まさに仰る通りだと思います。
ただ一つだけ思ったことは、「マリオメーカーではコインや1upキノコを取る意味がほとんど無い」という点に関して。
実務的には確かに取る意味は無いですが、マリオの世界においてコインが採用されたのも「あったら取りたくなるもの」だったからです。
なので、マリオメーカーにおいては「いかに取る必要の無いものを取らせたくなる配置にするか」を含めてのコース作りが楽しいのだと思います。

| 枯れた技術 | 2016/01/27 19:15 | URL |

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2016/01/27 23:34 | |

大変興味深い記事でした。

自分も難易度の高いドンキーコングトロピカルフリーズ(残機制)を遊んだ後、レイマンレジェンド(無限コンティニュー)を遊んで、果たして横スクロールゲームに残機制は必要なのかを考えたりしました。

マリオシリーズの場合は無限1upがある意味ユーザーが発見した遊びになっているので難しいですが、ドンキーコングの残機制はもうやめてもいいのではと思います。

レイマンレジェンドでは、ドンキーコングのバナナにあたるラムというものがありますが、これを集めることによってステージのクリアランク、キャラクタースキンの購入などに当てるなどの役割があり、集めることに意味を持たせています。

ゼルダのルピーもシリーズを重ねる中で、手に入れても大してうれしくないものになったのを、神々のトライフォース2で色々な道具購入(レンタル)という使い道が増やすことで、その価値を取り戻そうとしたのではないかと考えています。

ただ、マリオのコインにしろドンキーのバナナにしろ、なんとなく取ってしまう魅力がありますよね、取った時の音とか気持ちいいですし。

| 桶狭間田楽 | 2016/01/28 00:11 | URL |

シャープFEについて「戦闘中にセーブが欲しい」と書かせていただきました。
そんな自分がアクションゲームになると「引き戻し上等!」だったりするので、自分でも何なんだろうな、と思っているのです。理由はアクションゲームなら繰り返すことで自分の腕前が成長するけど、RPGで引き戻されると時間の浪費感で嫌になってしまう、というものです。僕にとって「引き戻し」の魅力は、やまなしさんのおっしゃる緊張感の他にも、くり返しによる上達の実感、難所突破が次第に合理化して安定する面白さ、だったりします。3Dワールドでも「まぐれ突破」した場合「こんなんクリアとは呼べん」と、もう一度同じコースにトライするほどです。ステージ毎セーブなのにもかかわらず。

いやほんとね、任天堂さんも周回プレイしたいコアユーザーは縛り等、自分でハードル上げられるんだからユーザーを信頼してステージ毎セーブ可でもいいんじゃないか、と思います。
その代わり、探索の面白さを別のやり方で担保するべし、というやまなしさんの主張に同意です。
マリオがクリアするだけのゲームだなんて思っている人はそうそういなと思うから中古落ち対策ってわけでもないでしょうし。

思いつくのはスターコイン探しの他に、スコア報酬(1万点だと○○、1万5千点だとさらに○○)とか。1UPキノコの代わりにハイスコアアイテムを用意して、コインもスコア要素にしちゃう(100枚取るとインフレを起こすとか)とかですかね。

| まいかる | 2016/01/28 17:05 | URL |

>枯れた技術さん

 あー、確かに「取っても意味はない」と思いつつ、取れるものなら取ってしまいますよねコインって。んで、そのままコインを取って進むと死ぬように配置されているイジワルコースで心が荒んでいくという(笑)。

 「マリオメーカーでコインを取るのが楽しくない」と感じたのは、1UPうんぬんじゃなくて、100人チャレンジの「むずかしい」で不信感を募らせすぎたからじゃないかと思えてきました。


>このコメントは管理人のみ閲覧できますさん
 ありがとうございます。励みになります。


>桶狭間田楽さん
 ですね。『ドンキー』のバナナは集まっていくエフェクトが『ドンキー』の魅力にもなっているので、完全になくなってしまったら寂しくなっちゃいますねぇ。

 『神トラ2』は確かに「お金のやりくり」が楽しかったし、「ゼルダにまだこんな可能性があるのか!」と思えたので、ああいう可能性に『マリオ』も期待したいですよねー。
 『マリオメーカー』のキャラマリオみたいに「キャラクタースキンの購入」というのも手でしょうし。個人的には「何回死んだらおてほんプレイ」じゃなくて、「コイン集めたら救済アイテムが買える」とかの方がイイんじゃないかなぁと思っています。


>まいかるさん
 アクションゲームのやり直しは別に構わないのですね、分かるような分からないような……(笑)。

 宮本さんは「難しいところからやり直させると楽しくなくなる」「同じところを何度もプレイするから上達が分かるんだ」というようなことを仰っていたと思うので、まさにその例に当てはまるんですね。
 まいかるさんのような人を想定してマリオシリーズは作られているんだなぁと。僕は基本的に「やり直し」が好きじゃないので、コンティニューポイントを多くしてくれよって思いますけど(笑)。


 スコア報酬はイイですねー。「良いプレイをすると高い点がもらえる」というのを、もう少し意識させてくれるだけで変わるんじゃないかと思います。
 あとは『Newマリオ2』みたいに「コインの獲得数」に注目させて、ステージごとに「コインの獲得数」が記録されるとか。クリア後の楽しみにもなりますし、まだまだ可能性はありそうな気がしますねー。

| やまなしレイ(管理人) | 2016/01/28 23:51 | URL | ≫ EDIT

前回はダラダラ長いコメントで失礼しました。

なるほど。
1ステージ毎セーブできる仕様が、1UPやコインの意味を薄れさせてしまっていたとはすごく納得いきました!
確かに2Dマリオは岐路に立っているのかもしれませんね。
自分は繰り返しプレイして上達することがとても楽しい要素でもあるけど、セーブは欲しい。
矛盾してるなあと思います。
無限増殖はセーブ(クレジット制限のあるコンティニュー)の代わりだったのかもしれませんね。

因みに私が最初にクリアした2DマリオはFC版スーパーマリオです。
その後はSFCマリオワールド、SFCマリオコレクションの3とUSA。
GBAファミコンミニ版スーマリ2の順でした。

初代は小学生だったこともあり、
3-1の無限増殖とワープを駆使してエリア8を物量作戦で何とかクリアしました。

2の時は大人だったので、
プレイを詰め将棋のように組み立てていったのです。
例えばBダッシュするかしないか。
穴の何個まえのブロックでAボタンを押してジャンプするかなど。

無限増殖前提のプレイでしたが。
如何にミスを減らし、同じプレイを再現できるかを詰めていったら、
最後は通しでワールド9までクリア出来るようになりました。A~Dも。
2Dマリオで1番達成感のあったゲームです。

そう考えると無限増殖の重要性も、あのハラハラも、1機の重さがあったからなんだなと思いました。


あとやましなさんの考察とこのコメントを書いてて、
自分の2Dマリオに対する好みに気がついたのです。
どうやらパズルっぽいのが好きなようです。

上下左右に広いワールドを散策したり、
驚くようなギミックがたくさんあるのも楽しいのですが。
面は狭いけど難しい面を、ストイックに何度もやって詰めて攻略するのも俺ってスゲーと思えてとても好きなんですね。

だからマリオ2はとても楽しかったし、
マリオじゃ無いけど昔好きだったシリーズで、悪魔城ドラキュラも、
メトロイドのような散策型より、ルートは1本だけど激ムズなFCディスク版が好きなんですね。


こうして考えると2Dマリオの楽しみ方にもいろいろあるなと思いました。
探索や激ムズを詰めていく他にもお題クリアも面白かったし、
マリオメーカーで1画面マリオってのがあって、
マリオで謎解きが出来るんだと知ったのも新鮮でした。
全自動マリオは見る楽しさがありますしね。

形は変わっていっても2Dマリオはとても好きです。
次はNXだとしたらガラっと変わる可能性もありますね。
どんなのが出てくるのか今から楽しみです。

今回も長くてすみません!
いつも楽しんで読んでます。

| うみのね | 2016/01/29 01:21 | URL |

1UP以外の価値あるものというとマリオ3を思い出しますね。スーツ系統はレアものだったので隠し通路にあると非常に得した気持ちになったものです。また妙にでかいハテナブロックに入っていてワクワク感もかなりのものでした。
1UPキノコも3UPムーンのようなものではなく、わざわざ3つ出てくるという物量的お得感に当時は非常に高揚したものです。

ハラハラ=ストレス ではなく ハラハラ=緊張感 としてとらえてもらうにはこういうアメの部分が重要になってくる、と気づかされた記事でした。

| ああああ | 2016/01/29 13:30 | URL |

>うみのねさん

 こちらこそ、おかげさまでこの記事が書けたので感謝しています!

 仰られるとおり、初代は「無限増殖」と「ワープ土管」が救済措置になりつつ。でも「無限増殖」は3W、「ワープ土管」は4Wと絶妙に面倒くさい按配になっていたのが、ハラハラになっていたのかなぁと思います(流石にそこまでは計算して作ってはいなかったでしょうが)。

 Wii Uのバーチャルコンソールで遊ぶと「まるごとバックアップ」あるので気楽に遊べるのですが、反面、当時のハラハラ感は薄れてしまうんですよねー。


>こうして考えると2Dマリオの楽しみ方にもいろいろあるなと思いました。

 マリオメーカーやっていると、操作はマリオでも色んな可能性があるんだなぁって思いますよね。記事にも書きましたが「寄り道」の楽しさはあまりないんですが、逆に言うと本編では許されないような面もたくさん作られている。

 マリオメーカーがいい刺激になって次回作に繋がればなぁと思います。


>ああああさん
 スーツ系の拡張は、「探索」要素の強化にもなりますし、「初心者救済」や「コレクション」とか「育成」の要素にも繋げられますし、可能性が広がりそうで面白そうですね!
 『ワールド』でなくなってしまったのは複雑化を止めるためだったと思うのですが、そろそろ復活させても面白いんじゃないかなぁ。

| やまなしレイ(管理人) | 2016/01/31 02:00 | URL | ≫ EDIT















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