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「読書にかかる時間」を可視化できたら面白そう

 作品名は出しませんが、キンドル(電子書籍)で「全十数巻が一冊にまとめられている合本版の小説」を読み始めました。
 紙の本だったらものすごく分厚い本になってしまって、ページをめくるのが大変だったでしょうね。ものすごいページ数の本でも発売できるというのは電子書籍ならではの利点ですが、2015年3月からキンドルでも「まとめ買い」が出来るようになったので、今となっては1冊ずつ分けられていても別に困らない気もします(笑)。


 その作品自体は「名前すら聞いたことがない」ちょっと前のライトノベルだったのですが、セールになっている時に「人生で一番好きな作品」と言っている人をタイムラインで見かけたので、じゃーちょっと読んでみるかとポチリとしたワケです。こういうことをしているから積み本が増えるのですな。

 内容に対する感想はまだ読み始めたところなので何もありませんが……
 「この本を読み終えるまで:56時間08分」という表示が出て、ひええええええええと慄いています。

 キンドルで活字の本を読むと、「全体の文字数」と「今まで読んだ文字数」と「それにかかった時間」から計算して「この章を読み終えるまでの時間」と「この本を読み終えるまでの時間」が表示される機能があります。もちろん読むスピードは場面によって前後しますから、これらの時間も前後します。本を読み始めた初日は「残り53時間20分」だったのに、今日確認してみたら「残り56時間08分」でした。増えとるやないかい!



 元々は紙の本で発売されていた小説の十数冊分ですから、最後まで読み終えるのに56時間もかかるんですね。もちろんコレは「私の読書スピード」なので、もっと読むのが速い人もいれば、もっと読むのが遅い人もいるかと思いますが。「十数冊の小説全巻を読むのに56時間」というのは、なかなか面白いサンプルの数字だとも思うのです。


 56時間もあれば、2時間の映画なら28本も観ることが出来ます。
 28本の映画がどのくらいなのかと言えば、『スター・ウォーズ』シリーズなら「エピソード1」~「エピソード7」までを4周も出来るのです。流石にそれは長い。

 テレビアニメで考えれば、1話はおよそ25分くらいですから「3360分/25分=134.4話」となるので……1クール12話のアニメなら11本も観ることが出来ます。私は同時並行で観ているアニメが毎季4~6本くらいなので、半年分ですね。半年分のアニメ視聴にかけている時間を全て費やさなければ全巻を読み終わらない、と考えると途方もないです。

 しかし、ゲームで考えると56時間なんて割とあっという間ですよね。
 私が1ヶ月かけてクリアした『幻影異聞録 #FE』のプレイ時間は71時間半でした。ゲームで考えると、56時間なんて「パッケージソフト1本分」で「1ヶ月でクリアできる」くらいの感覚なので……1ヶ月もあれば全巻読破できてしまうような気もしますし、逆にいえばゲームを買う人は「これを買うと小説数十冊分=映画28本分=テレビアニメ半年分の時間が吸い取られる」という覚悟がいるんだなぁと改めて思ったりもします。



 ちなみに私……ラジオは録音したものやインターネットラジオなども全部含めれば、週に50時間くらいは聴いているはずなので。小説も音声で読み上げてくれるのを聴くようにすれば1週間ちょっとで全巻読み終わる(聴き終わる)と理論上は言えるのかも知れません。全然頭に入らないような気もしますけど(笑)。

 電子書籍に音声が付けられれば、読書の概念が変わる

 これは電子書籍なんて触ったこともなかった頃の自分が2011年に書いた記事です。本を読む時間がない人であっても、音声で読み上げてくれるサービスがあれば読書を楽しめるかも知れないし、電子書籍ならばそれが出来る―――といった記事でした。
 実際Amazonは2008年にAudibleという会社を傘下に加えて、日本でも2015年7月から「月額1500円で全作品が聴き放題」というサービスを始めています。

 Audible

 「対応している本が少ない」のと、自分が希望していた「読む本と聴く本がリンクして読んだところの続きから聴く、みたいなことが出来る」ワケではないのと、何よりキンドルファイア端末からは利用できないそうなので、私はまだ使っていませんが……ラインナップが増えていくと面白そうですよね。

 というか、Amazonで出している端末からは利用できないって何だよそれ!(笑)
 そこはむしろ優遇するところじゃないのかよ!(笑)


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 それにしても、「読書」にかかる時間なんてこれまであまり考えてきませんでしたが、「たくさんの娯楽」で「限られた余暇時間」を奪い合う現代において“必要な時間が可視化されていない読書という行為”はかなり不利な娯楽のように思えます。


 映画だったら、何時に終わるのかが予め分かった状態で観始められます。
 テレビ番組も放送終了時間が分かった上で観始めることが多いでしょうし、毎週放送されるテレビドラマやテレビアニメなども例えば「3月に最終回が来る」ことが分かっているのでそこから逆算して必要な時間が計算できます。
 YouTubeやニコニコ動画などで動画を観る際にも、多くの人が「この動画は何分で終わるのか」を確認した上で最後まで観るかを考えるんじゃないかと思います。


 ゲームは最近は「終わりのないゲーム」「延々と遊び続けられるゲーム」が主流になっていますが、和製RPGが人気だった時代は「プレイ時間」が表示されていて「このゲームはクリアまでには○時間が必要」とレビューに書かれていたりしましたね。
 ゲーム機によってはソフトごとのプレイ時間を確認できる機能があるので、例えば私が「10時間以内にクリアできる3DSのゲーム教えて」と書くと、たくさんの人が自分のプレイ時間を確認してオススメのゲームを教えてくれて……それで始めたゲームもたくさんあります。

 まぁ、ゲームの場合は力量によってプレイ時間が大きく変わるので、「10時間以内にクリア出来ますよ!」とオススメされたゲームが自分には全然10時間じゃ終わらないこともあるんですけどね(笑)。
 いやぁ……本当申し訳ない。どうも3本連続で「10時間以内にはクリア出来なかった」オチになりそうで……せっかくオススメしてもらったのに……



 話を戻します。
 冒頭で書いたように、キンドルでは現在も「この本を読み終わるまでの残り時間」を計算して表示してくれる機能があるんですが……もう一歩踏み込んで、本を読み終わった時に「この本を読み終わるまでにかかった時間」を計測してくれる機能があったらイイなぁと思います。
 現在のキンドルは漫画などでは「この本を読み終わるまでの時間」を計算できません。これは“文字数”で読書スピードを計算できる活字の本と違って、1ページにどれだけの“コマ数”があるのかが作品によって違う漫画は「この本を読み終わるまでの時間」を計算できないということだと思うのですが……「この本を読み終わるまでにかかった時間」ならば、その本を開いている時間を計測するだけなんで活字の本だろうが漫画だろうが雑誌だろうがそんなに難しくないと思うのです。

 例えば、同じように“漫画1冊”であっても『バガボンド』と『MASTERキートン』では「読み終わるまでにかかった時間」は違うでしょうし、そうしたものが可視化できたらすごく面白いんじゃないかと思うのです(※1)

(※1:何周も読む場合はどうするんだという問題はあるのだけど、「初めて最後のページまで読み進めた時間」だけ記録するとかならちゃんとした記録になると思います)


 これを応用すれば――――例えば活字の本だったら「自分は1分で100文字のペースで読める」とか、漫画だったら「自分は1分で5ページのペースで読める」といったカンジに、自分の読書スピードを計測して、今から買おうか悩んでいる本を読み終わるまでに何時間何分かかるのかを表示してくれたら便利そうだなぁと思います。正確な数字にはならなくても、そのズレもそれはそれで面白いでしょうし。

 あとは、読み終えた人の「かかった時間」を集計して、平均値を計算して、商品ページのところに「この本は全国平均で読み終わるまでに1時間半がかかっています」と表示するとか。まぁ、「この本は全国平均で読み終わるまでに56時間がかかっています」と表示されたら恐ろしくて誰も手に取れなくなっちゃうか(笑)。



 ただ、この「読書スピードに関するデータ」は個人情報扱いなのか、キンドルのヘルプページには「読書の速度に関するデータは、端末上にのみ保存されます。Amazonのサーバーに保存されることはありません。」と書かれているんですね。
 全国平均を集計して表示したりするには「データ収集への同意」みたいのをしてもらわないといけないのなら、実現させるにはちょっと面倒かも知れません。任天堂はWiiの時に似たようなことをやっていたのですが、3DSにもWii Uにも引き継がれませんでしたものね。「みんなの平均プレイ時間」を表示する機能、結構好きだったのでなくなっちゃったのは残念でした。

 この「読書スピードに関するデータ」も活用次第では、電子書籍ならではの面白いことが出来そうなのになーと思っています。


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| ひび雑記 | 17:59 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

雲がゆくのは

 面白そうだし見たいのですけど、実現は難しいかもしれませんね。
 自分がこの本を、このくらいの時間をかけて読んでいるという情報(というか、まあ、どんな本をどれだけ熱心に読んでいるかという情報)を、業者に渡すのなんか絶対にイヤだって声は多いと思われますから。

 早い段階で基本機能として搭載されていたなら、「こういうもの」として自然と受け入れられてた気もするのですが。
 これから追加するって発表したら、大きな反発呼びそうな。キンドルのヘルプページのその注意書きって、まさに、不安の声が多く寄せられたことの証左でしょうし。

 ただ、その前段階である「この本を読むのにかかった時間」の記録の可視化くらいは、ぜひとも期待をしたいところです。
 内部的には間違いなく計測しているはずですからね、この数値。

 ……というか、どう考えても計測しているだろう数値がどこにも可視化されていないから、勝手に収集し流用されてるんじゃないかって疑心暗鬼を余計に拡大させているのでは……。

| kanata | 2016/03/12 21:09 | URL | ≫ EDIT

>kanataさん

 あー、やっぱりそう考える人も多いんですかね。
 僕なんかはゲームのプレイ時間をブログに載せていますし、本などにかかっているお金と読了した作品数を毎月グラフ化までしていて、ブログのネタのために個人情報をだだ漏らししているんですけど……普通の人は「そんなの絶対やりたくない!」って思ってしまうでしょうね(笑)。

 それこそどうして任天堂がプレイ時間の集計をやめたのかって話にもなるでしょうし。実現は難しいかー。


>どう考えても計測しているだろう数値がどこにも可視化されていないから、勝手に収集し流用されてるんじゃないかって疑心暗鬼

 どうでしょうね……
 僕は現状では「1冊1冊の読破時間」はカウントされていないだろうって考えています。キンドル本一つ一つに紐付けてデータを残す上に、キンドルでそれをやろうとすると更にそれをクラウド経由で複数端末で共有しなくてはならないので、多少の負荷にはなると思うんですね。

 まぁ……僕はAmazonに対しては甘いところがあるので楽観視しているのかも知れませんが。

| やまなしレイ(管理人) | 2016/03/14 23:08 | URL | ≫ EDIT

そんな、やまなしさんにおすすめなのが宮沢章夫の「時間のかかる読書」

五十枚の短編小説「機械」を十一年かけて読んだ
記録です。

| ナポリ | 2016/05/29 19:39 | URL |















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