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『イチゴーイチハチ!』1~2巻が面白い!/また青春を走りたい人へ

 「まだ完結していない漫画」だけど、どうしてもみなさんにオススメしたい漫画を紹介する「『○○』が面白い!」というカテゴリー……本当にガチでオススメしたい作品に出会わない限りは更新しないカテゴリーなので、ようやく2本目です。

 「面白い漫画に出会う」って本当に難しいですもんね。
 だからこそ、「本当にガチでオススメしたい作品」に出会ったなら、みなさんにも是非オススメして出会ってもらわなければ……!


【三つのオススメポイント】
・「高校入学」から始まる、ど真ん中な学園青春物語!
・「実際にこの高校があるんじゃないのか」と思わせる圧倒的な実在感
・“夢に敗れた者”だからこそ、高校生活では負けずに楽しむ!


【紙の本】
イチゴーイチハチ!(1)   (ビッグ コミックス〔スピリッツ〕) (ビッグコミックス) 1518! イチゴーイチハチ! 2 (ビッグコミックス)
【キンドル本】
イチゴーイチハチ!(1) (ビッグコミックス) イチゴーイチハチ!(2) (ビッグコミックス)

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、実験的にリスト化しました。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:○(一応、“青春の挫折”を描いている作品なので)
・恥をかく&嘲笑シーン:×
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×(身体能力の差、みたいなのはありますが)
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×


◇ 「高校入学」から始まる、ど真ん中な学園青春物語!
 この漫画は、『GUNSLINGER GIRL』で有名な相田裕先生がビッグコミックスピリッツにて不定期連載中の青春群像譚です。少女たちにガンアクションをやらせた『GUNSLINGER GIRL』とは全くちがうジャンルの作品で、主人公の女のコ・丸山幸ちゃんが高校に入学するところから始まる学園モノです。

 私は知らなかったんですけど、元々は2009年~2013年に同人誌として発表されていた『バーサス・アンダースロー』という作品があって、『GUNSLINGER GIRL』とは別方向の「日本の日常が舞台」「トーンを使わずにラフに描く」という実験を行う意図があったそうです。そう言えば、『イチゴーイチハチ!』も網トーンを使っていませんね多分。

 その『バーサス・アンダースロー』は同人誌ながら、文化庁メディア芸術祭マンガ部門の審査員推薦作品に入選しているなど高く評価されていて……その作品を原案に、商業誌向けにイチから作り直したのが『イチゴーイチハチ!』だそうです。
 ストーリーが被っていたらネタバレになっちゃうなぁ……と『バーサス・アンダースロー』の方は私は読んでいないのですが(今だとネットオークションとかじゃないと入手できないっぽいですし)、そちらの主人公は烏谷くんみたいですね。



 はてさて。
 突然なんですけど、私……「高校入学のところから始まる学園モノ」が読みたくなる時期が定期的に来るんです。
 中学生から高校生になって出来ることが増えて、新しい学校に通い、新しい友達が出来て、そこには自分以外の生徒も生きていて、部活に入ったり入らなかったり、好きな人が出来たり出来なかったり―――そういうど真ん中の「青春!」を描いた作品を読みたくなる時期が定期的に来て、その時期にそういう作品に触れるとどっぷりハマる傾向があります。『けいおん!』のアニメにハマった時なんかは、まさにそんなカンジだったんですね。
 ただ、欲しいのは「高校生活の日常」であって、「恋愛」に寄りすぎていたり、「部活」に寄りすぎていたりする作品はそんなでもなかったりするのです。


 どうしてそういう気分に定期的になるのか……自分なりに考えたことがあるんですけど。
 恐らく、「高校生活」という“青春”をもう一度ロールプレイしたいって気持ちがあるのかなと結論づけました。

 「高校入学」って、人生の中では数少ない「生まれ変わる」タイミングだと思うんですね。幼稚園→小学校→中学校と上がってきた後、自分でどこの高校に入学するかを選んで、今までの友達と離れて、新しい友達が出来て、新しいことを始められるタイミングで。
 「もっと違う青春があったんじゃないか」とあの日々をやり直したい自分の気持ちと、新しい生活を始める「主人公」がピッタリにハマるので……日々の生活に疲れていたり、人生やり直したいなぁと思ったりする時期に、「高校入学のところから始まる学園モノ」を読みたくなるのかなぁと思います。


 んで、最近の私がまさにそういう気分だったんですけど―――と書くと、「やまなしさん、人生やり直したいのか。精神状態が追い詰められているんじゃないのか。」と心配されるかも知れませんが(笑)。
 大丈夫です!こんな時のために、と買ったまま読まずに積んでおいた『イチゴーイチハチ!』を読んで「丸山幸ちゃんの青春」をロールプレイしていますから!私は、今、15歳のちょっと背が低いボブカットが可愛いヒンヌー美少女なのだ!私は今!青春を謳歌している!!



 でもまぁ、やまなしさんの精神がヤヴァイって話は置いといて、世の中にたくさん「高校入学から始まる物語」があるということは大なり小なりそういう「高校生活のロールプレイもの」を求めている人がいるんじゃないかと思います。
 特にアニメでは4月新番に「高校入学から始まる物語」を持ってくる作品は多いですよね。さっき例に出した『けいおん!』もそうですし、今年の4月新番で自分が見た作品では『あんハピ』なんかがそうか。去年で言えば『響け!ユーフォニアム』とか『俺物語』とか、その前で言えば『ごちうさ』とか『ハイキュー』とか……毎年4月新番には「高校入学から始まる物語」がありますね。

 そうです!だから、私だけが可哀想な人ではないのです!きっと、そうなんです……




◇ 「実際にこの高校があるんじゃないのか」と思わせる圧倒的な実在感
 そんなカンジで「高校生活のロールプレイもの」を求めていた今の自分にとって、『イチゴーイチハチ!』はこれ以上ない作品でした。この作品にはとにかく圧倒的な「実在感」があるんです。

 高校生活をもう一度やり直したいのだから、記号的で作り物と分かる世界よりも、リアルに「実際にこの高校があるんじゃないのか」と思わせる世界の方が没入できるというもの。
 では、どうしたらそうした「実在感」が出せるのかといったら……単に「現実に近い」だけじゃダメなんですね。魔法とか出てこないとか、ロボットとか出てこないとか、そういうのは関係がないんです。魔法が出てきても「私が魔法を知らないだけで、本当にこの学校はありそう」と思わせたから『ハリー・ポッター』なんかは世界中で大ヒットしたのですからね。


 私が「実際にありそう」と思える作品は、「カメラが回っていないところにも人が生きていることを実感できる」作品です。
 私達は普段の生活では「自分」以外のカメラを持ちません。たくさんの登場人物の視点を行ったり来たり出来る映画や漫画とちがって「自分の見たもの」しか見えないんですね。当然、「自分の見たもの」以外のところにも人がいて、生きています。高校生活だったら同じ学校に何百人という人がいて、何百人がそれぞれ自分の人生を生きています。誰と誰が友達になってて、誰と誰はケンカしてて、誰それは部活を頑張っていて、誰それは委員会で働いて―――といった他人の人生を私達は直接は見ないのだけど。同じ学校に通っていて何となくそれを感じる時があって。



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<画像は『イチゴーイチハチ!』第1巻6話「アイス大作戦(3)」より引用>

 すっごい地味なところだと思うんですが、私はこの漫画のこういうシーンが大好きです。

 この漫画のメインキャラは、高校の「生徒会執行部」の6人で、いろんな行事だったり生徒からの要望だったりに影で奔走するのが仕事で……このシーンは「生徒会執行部」がしかけた「アイス大作戦」にいろんな生徒が乗ってくれているというシーンなのですが、漫研の生徒は別に出てこないんです。

 でも、出てこないこの漫研の生徒……彼だか彼女だかも分からないこの生徒が「アイス大作戦」に乗って、ここぞとばかりにイラストを描いて、確かに生きていることを実感させてくれるんです。この「誰だか知らない人も、確かにこの学校にたくさんいる」感覚が、圧倒的な「実在感」を生んでいるのだと思うのです。



 学校の設定だったり家庭の設定だったりもよく作りこまれていて。
 メインとなる「生徒会執行部」以外にも、「HR委員」「運動部会」「文化部会」「応援部」「保健委員」などがあって、それらが集まる「中央委員会」とか「代議員会」とかが行われて―――ほとんどよく分からないんだけど、「そう言えば学校って色んな委員とかあったし、よく分からない委員会とか集められてたなぁ」と思い出します。んで、そこでしか接点のない先輩を「○○に出てた人だ」と認識していたり。

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<画像は『イチゴーイチハチ!』第2巻16話「新勧マラソン!(2)」より引用>

 この、「あの人、知ってる」くらいの感覚がリアルだなぁ……と。




 あと、家族の描写もイイんですよ。
 私の好きなキャラは、烏谷くんのお兄さんです。



◇ “夢に敗れた者”だからこそ、高校生活では負けずに楽しむ!
 「青春をやり直したい」みたいな個人的かつ超後ろ向きなことばっかり書いていて、ここまでちっとも作品の紹介になっていないと思われたかも知れませんが……実は、この作品を語る上で「青春をやり直したい」は重要な視点だと思うんですね。

 この作品、「高校入学」から始まることは先に書きましたが、第1話の冒頭で「この学校は県内の公立トップ校を受験する子が併願で受ける私立校で、受験に敗れた生徒が集まる」という丸ちゃんのモノローグから始まるのです。
 「高校入学」から始まる作品はたくさんありますが、いきなり「学力レベル」とか「受験の難易度」の設定から説明する作品はそうそうないんじゃないかと思います。しかも、「超底辺校」とか「お金持ちが集まる学校」とかならともかく、「公立トップ校に入れなかったレベルの学校」というなんかすごい微妙な設定という(笑)。

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<画像は『イチゴーイチハチ!』第1巻1話「15番の彼」より引用>

 でも、この設定がこの作品にとっては一番と言ってイイくらい重要な設定で―――だからこそ、この学校の生徒は「高校生活をめちゃめちゃエンジョイしてやんぞ!」と気合い入っていて、言ってしまえばこの作品が「一回負けたとしても、また青春はやり直せる」と描いている作品だと最初に見せているんじゃないかと思うのです。

 もう一人の主人公とも言える烏谷くんは、肘を故障して野球をやめた元エース。
 スポーツ万能な生徒会長も、とある夢をとある理由で諦めた過去があって。
 まだ描かれてはいないけど、主人公の丸ちゃんもこの学校に入ったのには何か理由があると匂わされていて……

 どのキャラも「高校入学」のタイミングで「生まれ変わって」、一から青春をやり直しているように見えるのです。傷を負っているキャラクター達と、それでも落ち込む暇もなく前に進ませようとするこの学校を見ると、もうとっくに青春など通り過ぎたオッサンの身でも「またやり直せばいいじゃないか」と前向きになれるのです。心がグッと前に押されるのです。


 また、先ほど画像を載せた場面に「三途の川」というフレーズが出てきていましたが、この漫画は通学路にこの「川」があるため、電車なり徒歩なりで「橋」を渡るシーンが度々出てきます。「FUMIKIRI理論」の記事でも書きましたが、「橋」は本来なら断絶されているはずのこちら側とあちら側をつなぐ装置。

 「橋」を越えて「三途の川」のこちらとあちらを行ったり来たりするのは、「生まれ変わり」の象徴ですもんね。




 突然ですけど、1巻の表紙で微笑んでいる超イケメンのキャラ↓
イチゴーイチハチ!(1) (ビッグコミックス)

 女子ですからね。
 読み始める前、ほほーこのイケメンとボブカットの女の子が恋愛する漫画なのかな。あと、野球と……アイス大作戦?どんな漫画なんだ?と思っていたら、イケメンは女子だったし、野球漫画じゃなかったし、アイス大作戦は『ガルパン』における「こそこそ作戦」みたいなことを野球でやるワケでもなかったし、思っていたのと全然違っていました。でも、すげー面白かったです!





 ということで、青春漫画を読みたい人には是非に是非にオススメしたい作品です!
 完結までにどれだけ時間がかかってもいいから、じっくりと彼ら・彼女らの高校生活を描ききって欲しいなぁと思います。


 そうそう、第1巻が発売されたタイミングで、東山奈央さんのナレーションでPVが作られていたそうです。1巻のがっつりとしたネタバレが含まれていると思うのですが、ネタバレ気にならない人は参考にしてください。ネタバレが気になる人は1巻を買って読んでからにしてください(笑)。



 「丸ちゃんの声、東山さんかよ!イメージと違うな」と再生前は思っていたのですが。
 「丸ちゃんの声、東山さん以外に考えられないよ!イメージ通りだよ!」と再生後には思っていました。

 最近こういう「アニメ化しているワケではないけれど、人気の声優さんに声をあてさせる漫画のPV」って多いですよね。でも、この声はあくまでPV用の声なので、もし今後そうした作品がアニメ化などに展開していっても同じキャストになるとは限らないんですよね。スケジュールの問題なんかもありますし。PVでイメージ付けちゃうと、今後いろいろ大変だよなぁなんて考えてしまいました。

| この漫画が面白い! | 17:57 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

読みましたよ、1巻。
そして、2巻も買いました。

いろいろ感想書きたいのですが、
以前にも増して、
なんだかこのブログの
コメント書き込み時に現れる、
広告がめちゃくちゃ邪魔で、
すっごく書きにくいです。
って言っても仕方ないのかな、、、

| こまち | 2016/05/26 00:21 | URL |

>こまちさん

 広告というか、書き込み後に現れる認証画面のことでしょうか?

 自分の環境でPC版、スマホ版のコメント欄を見てみたのですが、認証画面以外にそれっぽいものは何も表示されませんでした。


 もしよろしければ、お使いの環境(PCかスマホかとか)、表示しているレイアウト(PC版のレイアウトか、スマホ版のレイアウトか)、どういう広告がどのタイミングで現れるのか教えてもらえませんか?
 どういうものなのか分からないと対処のしようもないので……

| やまなしレイ(管理人) | 2016/05/26 00:57 | URL | ≫ EDIT

スマホ、XPERIAです。
縦にしてみています。
広告は毎回違うのですが、
今は
MTV HIT放送中という広告で、
前回はグランブルー?という
ゲームか何かの広告です。

画面の上部(1番上ではない)から
ゆっくり下りてきます。
初めは半透明なのですが、
次第に濃くなって着地する感じです。
画面に触れるか、
書き込み中に何かのタイミングで
消えたり現れたりします。

で、意図せず、
広告をタッチしてしまい、
広告に飛んでしまう、
を繰り返していますw

| こまち | 2016/05/26 13:37 | URL |

>こまちさん

 分かりやすい説明をありがとうございます。

 確かにそれは非常にウザったいですね(笑)。他のサイトを見ている時には同じ広告は出ないんですかね?使用しているアプリの問題か、FC2ブログの問題なのか……

 僕が意図して入れた広告ではないので、何とかできるのなら何とかしようと思います。とりあえずTwitterで誰かほかにも同じ症状になっている人が聞いてみます。

| やまなしレイ(管理人) | 2016/05/26 19:56 | URL | ≫ EDIT

>こまちさん

 理由が分かりましたー。

 FC2ブログの仕様みたいですね。
 自分の環境だと何故か表示されないのですが(他のFC2ブログであっても)、Twitterで聞いてみたところ全員から同様のバナーが表示されるとの報告がありました。まさかそんな事態になっているとは……


 色々調べてみたのですが、消すにはFC2の有料プランに入るしかないみたいなので月が替わったら有料プランに入ろうと思います。

| やまなしレイ(管理人) | 2016/05/26 23:23 | URL | ≫ EDIT

わざわざ有料に?
無料で見てる身の私がコメントのしやすさを求めて、書き手の方に有料プランに入らせるのはちょっと気が引けちゃうというかなんというか。
「だが、それがいい!」なんて
ジョジョを知る方に書いてみるチャンスだ、と思ったけれど、そもそもジョジョのセリフじゃなかった。
いやいや、どうなんだろ。
有料にさせちゃって大丈夫でしょうか。
もちろん、私は嬉しいです。
今、書き込みながら
アイマスのアプリか何かの広告に、
2回飛びましたしw

ちなみに、2巻も読みましたよ。

| こまち | 2016/05/27 23:07 | URL |

>こまちさん

 いえいえ。
 こまちさんのためだけに有料プランに入るのではなくて、スマホレイアウトで見ている人はみんな思っていただろうことで。中にはそれで「もうこのブログ読まなくてイイや」と読みに来なくなった人もいたでしょうし、指摘してくださって本当に感謝しています。

 まぁ、そうは言っても、出来ればこれからも定期的に読みに来てほしいとは思いますけど(笑)。

| やまなしレイ(管理人) | 2016/05/28 21:46 | URL | ≫ EDIT















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