やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

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創作家になってまで創作したかったもの

 ふと思い出したことがありました。
 ツイセーブで検索したところ、現在は鍵アカになっている人からのリプライに引用RTで返答していたので……その文章をそのまま書くことはせず、ちょっと言い回しを変えて書こうと思うのですが。
 Twitterを始めたばかりの頃に、「漫画は描き続けなければ上手くならない」みたいな話をしていたら「絵は描き続けていれば上手くなるでしょうが、シナリオは書けば書くほどなくなるんじゃないですか?」といったようなリプライをもらったことがありました。


 「シナリオは書けば書くほどなくなる」という表現はよく分からなかったのですが、多分「シナリオの技術」とか「構成力」とかではなくて「お話のアイディア」のことで、「描き続けたら漫画にしたいお話のアイディアが底を尽きてしまうのでは?」と仰りたかったのかなと思いました。
 なので、当時の私は「アイディアは常に考え続けているので、新しいのをどんどん生み出しているんですよ」と返答したのですが、そこから先にどうなったのかは覚えていません。



 どうしてこんなことを唐突に思い出したかというと……
 最近、こちらもTwitterで複数の漫画家さんが「新人の頃に編集者さんに言われたこと」として、「読者は明るい話やハッピーエンドや女のコのパンツを読みたいのに、新人漫画家は暗くて救いようのない話を描きたがるんだ」と言われたということが話題になっていたからです。

 この話、すんげー分かるんですよ。
 だって私、漫画を描き始めた初期の頃に描いて投稿した読みきりは、「登場人物全員が自殺する話」でしたもの(笑)。


 だってさ、考えてもみてくださいよ。
 「人生、楽しい!」「生きててサイコーだああ!」「社会って素晴らしい!」みたいに何の不満も持たず毎日をハッピーに過ごしている人が、わざわざ漫画なんて描きますか?漫画なんて描いて発表しようとする人は、自分の人生やら社会に対してどこかしら屈折した想いがある人だと思うんですよ。
 「漫画家になりたいから漫画を描く」のではなく「描きたい漫画があるから漫画を描く」タイプの人は、衝動をそのまま作品にして、結果的に暗くて救いようのない漫画を描いてしまうのは仕方がないでしょう。しかし、それはある意味ではその作家の最も尖った部分が形になった作品とも言えるんじゃないのかとも思うのです。



 んで、ここから連鎖的に「シナリオは書けば書くほどなくなるんじゃないですか?」というリプライをもらったことを思い出したのです。「アイディアは常に考え続けているので、新しいのをどんどん生み出しているんですよ」と私は返答しましたが、仰られたことは「創作活動を始めようと考えた時ほどの尖ったアイディアはなくなるんじゃないのか」という意味だったのかもと思ったのです。

 例えば、ミュージシャンの世界では「売れない時代に作られた楽曲が集まった初期のアルバム」と「既に売れっこになった後に作られた楽曲が集まったそれ以降のアルバム」は別物と考える人もいます。1枚目のアルバムすげえ!2枚目のアルバムは完成度が上がった!3枚目のアルバムは……あれ?思ったのと違う、みたいな。


 ちなみに、別に私は売れていませんが、漫画を描き始める前からずっと描きたかった「登場人物全員が自殺する話」を描いてからはそういう屈折した部分も多少収まったのか、次に描いた読みきりは「女子高生のパンチラサッカー」ですからね(笑)。落差が激しすぎる。
 私ももう漫画を描く歴だけは長くなったので、描いている漫画のほとんどは「漫画を描けるようになってから考えたアイディア」になりましたが、「漫画を描けるようになりたい……!」と考えて鉛筆を握り始めた頃くらいの尖ったものがあるのかを考えると……読者が読みたいと思う「明るい話やハッピーエンドや女のコのパンツ」に寄ってしまっているかなぁとちょっと考えてしまいました。


 よーし!じゃあ、今描いている漫画は途中で登場人物全員を自殺させるか!


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| ひび雑記 | 18:01 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

今僕の中にある言葉のカケラ

 なるほど所謂「ブンガク」作品がやたら暗いのばっかりなのは、そういうこと……すごい、納得です……。

 後から作ったものほどとがった部分がなくなっていくというのも、結構わかる気がします。
 技術的には間違いなく過去作よりも洗練されているけど、面白味という意味じゃ薄れちゃってる、みたいなケースはよくありますよね。

| kanata | 2016/05/22 01:00 | URL | ≫ EDIT

>kanataさん

 現在ではとても評価されている人に限って、生前はそんなに評価されていたワケではなくて、報われない作家人生だった―――みたいなこともありますもんね。

 商業的に成功するためには、ある程度の尖った部分を丸くして万人に受けるように調整する技術が必要だし、そうしたものに長けていくのだけど……それで失われるものもあるよなぁと思ったのでした。

| やまなしレイ(管理人) | 2016/05/23 00:15 | URL | ≫ EDIT















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