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RPGで「逃げる」を使えますか?

 私がニコニコ生放送で配信している「ゲームが下手だけど挑戦する実況プレイ」は、3月から『ゼルダの伝説』5月からは『スペランカー』をプレイして、7月からは『ロマンシング サ・ガ』をプレイしています。


 んで、生放送中に「どうしてロマサガを始めたんですか?」という質問が来たのですが、短い時間で上手く説明ができなかったため、ここに理由をしっかり書いておこうかなと思います。

 端的に言うと「子どもの頃にクリア出来なかったから」です。
 しかし、この「子どもの頃にクリア出来なかった理由」はちょっと説明が面倒なんですね。

 一つには、ソフトを中古で安く買ったらバッテリーバックアップが壊れていたせいかセーブデータがとても消えやすかったというのがあります。最初はアルベルトを主人公にして始めたのですが、シフと出会ったところでセーブデータが消えました。
 とにかくまぁものすごく高確率でセーブデータが消えてしまうためクリア出来なかったのです。セーブが持った最長記録は8時間くらいだったかな……クリアまでに30時間はかかるゲームなのに。
 そのため、それ以降はゲームを中古で買うことがなくなって――――という中古ゲームの賛否の話につながるのですが、それは以前にさんざん書いてさんざんな目にも合っているのでこの辺で。


 ただ、「セーブが消えやすくなかったらクリア出来ていたのか」というとそれも微妙で……セーブが消えるまでの期間でもかなり厳しいプレイになっていて、どこに行っても雑魚敵が強すぎてマトモに歩けない状態になってしまったのを覚えています。
 今になって思うと「ゲームのシステムを理解していなかった」ので「当時の自分のプレイスタイルではどう足掻いてもクリア出来なかった」ことが分かるのですが、当時はインターネットもなければ、今以上に頭が悪くて陰毛すら生えていない子どもでしたからそれが分かりませんでした。そのせいで「ロマサガってのはとても難しいゲームなんだ」とトラウマになっていました。遊び方が分かっていなかっただけなのに。



 当時の私のRPGのプレイスタイルはこんなカンジでした。

 「宿屋」のある町のそばで、ひたすら雑魚敵を倒してレベルを上げる
→ その町で買える一番高い武器防具を揃えて、雑魚敵も瞬殺できるようになったら進む
→ ダンジョンの中では、ひたすら「逃げる」をして戦闘を回避する
→ ダンジョンをクリアして次の町に着いたら、また雑魚敵をひたすら倒してレベル上げ


 どうしてこんな面倒くさいことをしていたのかはよく分からないんですが、ニコ生や動画にもらったコメントを見ると「ドラクエ亜流のRPGが多かったファミコンの頃は割とフツーにみんながやっていたプレイスタイル」だったそうです。ということは、多分私も兄から教わって見様見真似でこうしていたのかと思います。

 流石に子どもの頃すぎてほとんど覚えていないのですが、『ロマサガ』以前のファミコン時代に遊んだRPGはこの方法でクリアしていたはずです。我が家には「買ってもらったゲームはクリアしないと次のゲームは買ってもらえない」という掟がありましたから、自分が買ってもらったRPGは全部クリアしていたはずなんですね(と言っても、誕生日とクリスマスなど1年に2本くらいしか買ってもらえなかったので数は知れていますが)。




 しかし、このプレイスタイルでは『ロマサガ』はクリアできません。絶対に。
 フリーシナリオのゲームですから、最初の町にものすごい高い武器が売っていたりしますから「その町で買える一番高い武器防具を買う」ことを目指すと膨大な時間がかかりますし。

 そして、何よりこのゲーム……「逃げる」を繰り返すと詰むんですね。
 このゲームは戦闘回数によって“時間が進行した”とみなされるので、戦闘を重ねると「イベント」だったり「敵の強さ」だったりがどんどん進んでいきます。
 この理由は「フリーシナリオRPGを成立させるため」だと今なら分かります。「AというダンジョンとBというダンジョン、どっちに進んでもイイよ!」というゲームなのに、二つのダンジョンに出てくる雑魚敵の強さに差があると「じゃあ弱い方から先に」となってしまいますからね。どこのダンジョンに進んでもそれなりに戦えるようにするために、雑魚敵の強さが「出現場所」ではなく「こちらの強さ」で決まるシステムなのです。

 ただし、子どもの頃の私のように「逃げる」を繰り返すと話は別です。
 このゲームの味方の強さは、「戦闘に勝った時」にパラメータが成長するようになっているので……普通にプレイしていれば「味方の成長」と「敵の強さ」がイイカンジのバランスになるはずなのですが。「逃げる」を繰り返すと、戦闘に勝たないので「味方のパラメータは成長しない」のに、戦闘回数だけはかさむので「敵の強さがガンガン上がっていく」のです。


 子どもの頃の私は、戦闘を重ねると「敵の強さ」が上がるゲームが世の中にあるだなんてことを考えもしませんでしたから……『ロマサガ』もファミコン時代の『ドラクエ』のように「町のそばでレベル上げ」→「ダンジョンではひたすら逃げる」とプレイして、数時間後には敵だけが強くなって“どこに行っても雑魚敵が強すぎてマトモに歩けない”状態になってしまいました。
 でも、その理由を知る手段がなかったため、「とりあえずで入ったダンジョンにこんな強敵が出てくるなんて、ロマサガってのはなんて難しいゲームなんだ……」とずーーーーっとトラウマになっていたのです。私が“『ロマサガ』は戦闘を重ねると「敵の強さ」が上がるゲーム”だと知ったのは、2009年に↓の記事を書いた際に指摘されたからです。

(関連記事:RPGにレベルアップ制度は必要ですか?

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 さて、現在の私はプレイスタイルが180度変わって「逃げる」も「レベル上げ」もほぼしなくなりました。

 『ロマサガ』をクリア出来ずに挫折した後、私は『ファイナルファンタジーV』をプレイするのですが……このゲームには「逃げた回数だけ弱くなる武器」と「逃げた回数だけ強くなる武器」が登場します。
 1周目のプレイでは前述したように「町のそばでひたすらレベル上げ→ ダンジョンの中では逃げるを繰り返す」とプレイしていた私は、「逃げた回数だけ弱くなる武器」は紙くずのような弱さの武器になってしまい、「逃げた回数だけ強くなる武器」は伝説の武器以上に攻撃力の高い最強の武器となっていました(当時はその理由も分かっていませんでしたが)。

 別にそれで困ることなくラスボスも倒せたのですが、クラスメイトの友達と話しても全く話がかみ合いません。私にとって紙くずみたいな武器をみんなが「強い」と言っていて、私にとって最強だった武器をみんな「そんなのあったっけ?」と覚えていないのです。後に攻略本か何かで「逃げた回数だけ弱くなる武器」と「逃げた回数だけ強くなる武器」だったことを知って、初めてここで気が付きました。




 ひょっとして俺以外のみんなは、「逃げる」を使っていないのか???

 そこで『ファイナルファンタジーV』2周目のプレイは、「逃げる」を使わないでプレイすることにしました。そうするとダンジョンの中でもたくさん敵を倒してレベルが上がるので、町のそばで「レベル上げ」をする必要がないし、何よりテンポよくゲームが進みます。それまでの私は新しい町に着くたびに「うげー、また延々とレベル上げをしなきゃいけないのかー」とウンザリしながらレベル上げをしていたので……

 「逃げる」を使わないと、わざわざ「レベル上げ」もしなくてイイから、ものすごく快適に遊べる!RPGってこんなに楽しかったのか!!

 そう感動したのです。

 そういうことで、それ以降のRPGは「逃げる」も「レベル上げ」もよほどのことがない限りは使わないで遊ぶようになりました。また「逃げた回数だけ弱くなる武器」があるかも知れませんからね。

 そうしたら、今度は『ライブ・ア・ライブ』で落とし穴ですよ。
 このゲームも戦闘を重ねると「敵の強さ」が上がるゲームらしいのですが、どうやら『ロマサガ』とちがって「こちらのレベル」に合わせて「雑魚敵の強さ」が上がっていくらしくて……全部の敵を愚直に倒していると「こちらのレベル」が上がりすぎて、終盤は「雑魚敵が驚異的な固さになる」ため。こちらのゲームは『ロマサガ』とちがって「逃げる」をガンガン使って、レベルが上がりすぎないようにした方がイイとのこと。


 ゲームによって「逃げる」を使っちゃダメなのか、「逃げる」を使った方がイイのかがちがうだなんて……分かるかそんなもん!




 ちなみに、「ファミコンの頃は「逃げる」を使うプレイスタイルが普通だった」という話は、恐らく以前に書いたこの記事に通じる話だと思います。

 「ダンジョンの奥に中ボスがいない」ことによる面白さ

 『ドラクエII』の頃のRPGは「やりくりをするゲーム」でした。
 薬草を持てる数には限りがあって、MP回復アイテムは超貴重なのでMPも考えて使わなくてはならないのに、雑魚戦でも“複数攻撃できる魔法”や“補助魔法”をバシバシ使っていかなければ逆にHPが減らされて回復にMPを使うことになってしまうし、ダンジョンの中にセーブポイントや回復ポイントなんてあるワケがないし、ダンジョンをクリアしたらちゃんと帰り道も歩いて帰ってこなくてはなりません。

 こういうゲームだと「逃げる」はかなり有効な手段なんですよね。
 上手くいけば敵に攻撃をさせずに戦闘を終了できます。薬草やMPを温存できるので、戦闘1回分の消費を抑えて、よりダンジョンの奥まで探索できるようになります。「逃げる」が成功しなかったらというリスクはありますが、それ相応のリターンが返ってくるのです。


 しかし、『ロマサガ』で「逃げる」をやってもあまり意味はないんですね。
 回復アイテムや回復魔法は回数に余裕がありますし(自分の場合は聖杯というチートアイテムを手に入れたというのも大きいですが)、敵にも前列・後列の概念があるので大量の敵に遭遇しても後列の敵は物理攻撃ができませんし、仮に戦闘で味方が死んでしまっても戦闘が終わればHP1でよみがえりますし、ダンジョン内でも好きなところでセーブできますし、そもそもシンボルエンカウントなので「逃げる」に成功しても敵のシンボルがそこにいるのでまたすぐ戦闘になりますしね……


 『ファイナルファンタジーV』や、それ以降のRPGを遊んでいても「逃げる」を使わなくても問題は特に感じませんでしたし「逃げる」をするメリットは少ないと思いました(『ライブ・ア・ライブ』以外は)。
 スーファミ以降のRPGはアイテムが持ち放題のゲームが多くなったり、ダンジョンの途中にセーブポイントや回復ポイントが出来たり、MP回復アイテムもその辺で売っていたりするようになりましたからね。こういうゲームは「逃げる」を使って戦闘を回避するくらいなら、ささっと雑魚敵をやっつけて経験値にしてしまった方がお得です。


 そう考えると……子どもの頃の私が「ファミコンのRPGのプレイスタイル」のままで『ロマンシング サ・ガ』をプレイして詰んだのって。ファミコン時代→スーファミ時代にRPGが変化して、求められるプレイスタイルも変化していったという象徴的な話だったのかなと思いました。


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| ゲーム雑記 | 17:48 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

CRPGは戦力を活用するゲームから戦力を整えるゲームに変わっていきましたからね。
前者はゲームバランスをとるのに時間がかかり、しかもその時間はゲームの見栄えやボリュームに寄与しない。
安易に後者にシフトして現在に至るのは悲しいことです。
「逃げる」も選択肢に入れた頭を使うバトル。
そういうの好きなんですけど、とにかくアイテムやモンスターやキャラや魔法の数を増やせ、バランスなんて知るかを続けてもはや20年ほど。
戻るのは難しいでしょうね。

| 児斗玉文章 | 2016/09/18 19:06 | URL |

私は『逃げる』を使うことがほとんどないですね。タイトルによっては一度も逃げずにクリアした為に、逃げかたを知らないものがありますし……;
初めてRPGを触ったときは逃げていましたが、徐々に縛りプレイを始めていって、それが定着し始めた頃に逃げるやアイテム使用にやり込み要素が絡んだものをやって完全に癖になったような……。

最近やったゲームだとバランスが大味過ぎて、格上相手だと逃げられないものがありました。全滅のデメリットがほとんどないゲームではありましたが、ゲームバランスの一点で考えると絶妙なものを長いことやってないように思います。

| 雨令 | 2016/09/19 15:53 | URL |

戦闘や探索のバランスがシビアなダンジョンRPG(最近では世界樹の迷宮やルフラン、デモンゲイズなど)では今も逃げるのは大事だったりしますよ。
まあDRPGというのは本文中にある「やりくりをするゲーム」ですからね。
逆にストーリーが重視されるゲームではストレス要素になりがちなやりくりの概念は好まれないのでしょう。

とまあRPGの戦闘バランスに関してはそのゲームが何を重視しているのかによって変わってきますので、今のRPGが安易な方向にばかり向かってるとは思いません。
DRPG以外でもナナドラなど「逃げる」ことが選択肢に入るRPGは今でも多くありますし。

| figaro | 2016/09/20 11:27 | URL |

これについては、そのときどきで強い印象を受けたゲームによる影響もあると思います。

私の個人的ケースで言えば、初期ドラクエをやっていた頃は、「にげる」は重要コマンドでした。所持品が限られる上に回復アイテムのバリエーションが少なかったこともあり、リソース節約は長めのダンジョンに挑む際の課題でしたので。

転向したのは、FF3。このゲーム、「にげる」を選んでいると「にげごしでぼうぎょできない!」ということで被ダメージが増える仕様だったのですよね。
また、この後FF4からリアルタイムバトルとなり、逃げ切るまで殴られることとなったため、自然、逃げずに戦う傾向になりました。

現在はシステムを理解してプレイするのが普通なので、作品によりけりですが、先に挙げられた「世界樹の迷宮」のように、初見時は勝ち目のないような敵がフィールドを闊歩しているようなゲームだと、逃げるのは重要な選択肢になっていると思います。コマンドの選択だけでなく、「遭わないようにする」ということも含めて。
コマンドはありませんが、「ゼノブレイド」あたりも似たような感じではないでしょうか。

| Lit | 2016/09/20 20:10 | URL | ≫ EDIT

>児斗玉文章さん

 まさに2年前の記事でも仰られていましたね。
 『ロマサガ』の翌年の『ドラクエV』『FFV』で決定的になると思いますけど、RPGの主流は「好きなキャラ」「好きなジョブ」で自由に育成できる方向性に進みましたから……「バランスを取る」ってのも難しくなりましたもんねぇ。


>雨令さん
 まさにやり込み要素というか、後から「逃げる」を使わない方が良かったんだよと言われやしないかと思ってしまうと、「逃げる」が使えなくなるんですよね……

 んで、全クリした後に攻略サイトを観ても、特にそんなものはなかったというオチになるという(笑)。


>figaroさん
 まぁ……「(ドラクエIIの頃とちがって)主流ではなくなった」という意味でおっしゃられているのでしょうから、「そういうRPGは現在もある」というのは恐らく分かっていらっしゃると思いますよ。


>Litさん
>転向したのは、FF3。このゲーム、「にげる」を選んでいると「にげごしでぼうぎょできない!」ということで被ダメージが増える仕様だったのですよね。

 マージーでー。初めて知りました。
 というと、スクウェアの中に「逃げる」にリスクを伴わせる流れがあったということなんですかね。やっぱりそう考えると『ライブアライブ』だけどうして「逃げる」推奨だったんだ……

| やまなしレイ(管理人) | 2016/09/22 01:58 | URL | ≫ EDIT

横から失礼します。
SFC時代って、RPGの在り方を広げていく流れが歓迎されているイメージがあって、その最先端を突っ走っていたのがスクエアでしたよね。ATB、フリーシナリオ、オムニバス。

>『ライブアライブ』だけどうして「逃げる」推奨だったんだ……

いろいろ実験作を出している最中で、『ライブアライブ』が特に実験的な作品だった、ということではないでしょうか。

FC時代あんなに革新的だった『MOTHER』が、『2』の時代にはオールドタイプのゲームに見えましたし、RPGの変化(広がり)が急速に進んだ時代だったように思います。

| まいかる | 2016/09/23 09:20 | URL | ≫ EDIT

>まいかるさん

 あの時代のスクウェアは「ユーザーに分かりやすいものを作る」んじゃなくて、「自分たちが面白いと思うものを作る」のだけど「それでちゃんとユーザーがついてきた」ので……かなり尖ったものを作っていたなぁと思いますね。

| やまなしレイ(管理人) | 2016/09/27 23:12 | URL | ≫ EDIT















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