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『スーパーマリオ ラン』は「マリオのアタリマエ」を見直した!

 とうとうマリオがスマホ&タブレット端末用アプリ市場に参戦という『スーパーマリオ ラン』が、2016年12月15日にiOS向けに先行配信開始となりました。日本時間だとどうも15日の深夜というか16日の早朝くらいに配信だったみたいですね。

 『スーパーマリオ ラン』はNintendo Creators Program利用可能ソフトなため、初プレイはYoutube Liveで生配信したのですが……私のPCのスペックのせいかマトモな配信にならなかったのでログも削除しました。楽しみにして下さった方がいらしたら申し訳ない。

 私自身はその後もプレイを続け、一気に全ステージをプレイするのはもったいないとピンクコイン集めに専念して現在は4-4まで来ました。
 プレイを始める前までは、私は「オートラン系のゲーム」って正直言って「嫌い」だったため「面白くなかったら無料部分だけ遊んでさっさとやめちゃおう」と思っていたのですが、実際にプレイしてみたら無料部分だけでも「これ、面白いやつだ!」と思ったので迷わず購入しました。まぁ、その辺も記事の中でおいおい説明します。


Super Mario Run

<紹介映像>


<イメージ映像>



 私はこの『スーパーマリオ ラン』、「マリオのアタリマエ」を見直した作品だと思ったんですね。

 「マリオがオートで走る」とか「正面からクリボーに当たってもオートで避けてくれる」みたいな話もそうなんですが、もっともっと細かい部分で『マリオ』シリーズがシリーズを重ねてきたからこそ「変えられなかったしがらみ」を大胆に取っ払った作品だと思いました。感覚的には『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』をプレイした時に似てます。「爆弾の個数を気にしなくても良くなったのか!」みたいなすごい細かいところが変わったおかげでグンと遊びやすくなりました。



◇ 失われなかった「探索」の楽しさ
 ですが、まずは「変わらなかった部分」から語ります。

 もしスマホで『スーパーマリオ』が出たら、皆さんは遊びたいですか?

 これはまだ任天堂がスマホ&タブレット端末用アプリ市場への参戦を発表していない3年前に書いた記事です。そこから3年で、任天堂がスマホ&タブレット端末用アプリ市場への参戦を発表して、『スーパーマリオ ラン』を発表して、実際に配信開始されました。2013年の記事を2016年の私が読むと、これは『スーパーマリオ ラン』をプレイしていない人の記事を『スーパーマリオ ラン』をプレイした私が読んでいることになってすごく興味深かったです。


<以下、引用>
 スマホで出ているアクションゲームには、操作を極限までシンプルにしてある「スマホでも遊べるアクションゲーム」も少なくありません。
 “走り系アクションゲーム”と言われるジャンルで、主人公はひたすら走り続けていて、プレイヤーは障害物に合わせて上にスワイプでジャンプ、下にスワイプでしゃがむ、などの操作をしていくゲーム――――『チャリ走』なんかもそうなのかな。


 これこそが「スマホに最適化されたアクションゲーム」と言えるのかも知れませんが、もし『スーパーマリオ』もスマホでやっていくためにそういう路線に変更したとしたとしても……それは多分『スーパーマリオ』ではないですよね。


 『スーパーマリオ』の魅力は「探索の楽しさ」だからです。
 ゴールに一直線に進むだけではないんです。土管に入るルート、隠しブロックで1UPキノコ、豆の木に登って上空を突き進むルート、無限1UPが出来る場所、ワープ土管……あのステージには色んな“寄り道”が用意されていて、それを探すのと、その情報をみんなで交換するのが楽しかったんです。

 ひたすら走り続けるマリオをジャンプさせてゴールまで進むゲームを作っても、それは『スーパーマリオ』ではないです。『スーパーマリオ』の面白さを受け継いでいませんから。外伝ならともかく、「2Dマリオシリーズ」だと私は思いません

</ここまで>

 冒頭にも書いた通り、私は“走り系アクションゲーム”というか「オートラン系のゲーム」が好きじゃありませんでした。「反射神経」と「反復練習してコースを覚える」ことが求められていて、どっちかというとレースゲームのそれに近いと思うんですね。だから、スマホでのマリオが「オートラン系のゲーム」になると聞いた時は「あーあ」と思ったのですが。


mariorun1.jpg
<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 『スーパーマリオ ラン』は「オートラン系のゲーム」でありながら、色んな“寄り道”が用意されている「探索の楽しさ」を持ったゲームになっていました。画像は分かりやすく「上のルート」「下のルート」に分かれている面を選びましたが、ハテナブロック一つ取っても『スーパーマリオ ラン』では「ハテナブロックを下から叩いてアイテムを出す」か「ハテナブロックの上に登って更に高いところにジャンプするのか」でちがうルートになります。

 「あれ?上にもルートがあるみたいだけど、どうやって行くんだ?」
 「ピンクコイン全部取ってたつもりが、1コ目、2コ目、4コ目……って、オイ!3コ目がないぞ!どこにあった?」

 1周しただけではコースの全貌は見えず、何度も何度も同じコースをプレイすることで「今度はこっちのルートへ行ってみよう」「あそこは登れるのか試してみよう」と徐々に探索していくのが楽しいのです。
 それでいてマリオは前に走り続けてテンポよく進むので、本編のマリオシリーズのように「全部のブロックを叩いて全部の土管でしゃがんで確認する」みたいなしらみつぶしの探索を求められないのもイイバランスかなと思います。




◇ 「ステージ数を少なくする」という冒険
 さて、ここからが「マリオのアタリマエ」が見直されたという話です。

mariorun2.jpg
<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 今回の『スーパーマリオ ラン』はステージ数が少ないです。
 クリア後の隠しステージとかもあるのかも知れませんが、とりあえず最初から見えるステージ数は6-4までの全24ステージ。これは歴代マリオシリーズの中でもかなり少ない部類でしょう。


 元々マリオシリーズは「ステージ数の多い」ゲームです。
 『ドンキーコング』からして、当時のアーケードゲームは「1つのゲームで1つの面」が常識だったのに宮本さんが「どうしても4面構成にしたい」と言って全4面のゲームになったそうですし(過去の社長が訊くを参照)、『マリオブラザーズ』は「全ステージが同じ地形」なのでちょっと例外として、『スーパーマリオブラザーズ』も裏面抜きで8-4までの全32ステージ。『スーパーマリオブラザーズ2』は8-4までの全32ステージに加えて、隠しステージが確か20なので全52ステージか。
 攻略サイトを見て1つ1つ自力で数えてみたところ、『スーパーマリオブラザーズ3』は全88ステージ、『スーパーマリオワールド』は全74ステージ、『Newスーパーマリオブラザーズ』は全80ステージ、『NewスーパーマリオブラザーズWii』は全77ステージ、『Newスーパーマリオブラザーズ2』は全94ステージ、『NewスーパーマリオブラザーズU』は全82ステージでした(黄色スイッチのような実質ボーナスステージなものも含んでいます)。


 『スーパーマリオブラザーズ3』以降は、大体平均で80ステージくらいですね。
 それと比較すると『スーパーマリオ ラン』の24ステージはかなり少ないと思えることでしょう。「このステージ数で1200円は高い!」「無料で遊べるのが1-3までなんて舐めているのか!」みたいな批判が多いのも、今までの「マリオのアタリマエ」で考えれば頷けます。

 しかし、逆に考えると……今までのマリオシリーズはボリューム病に侵されていたとも思うのです。
 『スーパーマリオブラザーズ3』で80ステージ以上という大ボリュームにしてしまったがために、それ以降のシリーズも大体70ステージ以上にしなくては「ボリュームが少ない」「前作の方が長く遊べた」といった批判を受けてしまいます。パッケージソフトの場合は中古に売られて新品では買われないというリスクも背負います。

 作り手は何とかステージ数を増やさなければと苦心しますし。
 じゃあ、遊び手はステージ数が多ければ喜ぶかというと、シリーズを全作やりこんでいるような人は喜ぶでしょうが、あまりのボリュームに尻込みをして「マリオやってみたいんだけどすごく大変そうだからなぁ……」と手を出せない人もいたと思うんですね。私なんかはもう最近はプレイ時間が5時間を超えると「長ぇ!」と飽きてくるようになってきたし(笑)。


 『スーパーマリオ ラン』のステージ数が少ないのは開発期間の問題なんかもあるのかも知れませんが、中古に売られないダウンロード専用ソフトとして初めてのマリオだったがゆえに「ステージ数は増やさなくてイイ」と冒険することが出来たんじゃないかと思います。



 そのため、『スーパーマリオ ラン』は同じステージを何度も遊ばせようとする仕組みが充実しています。まずは『Newマリオ』以降の定番「スターコイン」に代わるカラーコイン集め。

mariorun3.jpg
<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 一つのステージに「ピンクコイン」「パープルコイン」「ブラックコイン」という3通りのコースがあって、基本的には同じ地形なのですが、5つのカラーコインの配置が異なるだけでなく敵やブロックの位置が微妙に異なるところもあります。

<ピンクコインのコース>
mariorun4.jpg

<パープルコインのコース>
mariorun5.jpg

<ブラックコインのコース>
mariorun6.jpg
<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 画像は1-1の「最初のカラーコイン」の位置です。
 ピンクコインはただのジャンプで取れますが、パープルコインはクリボーをタイミングよく踏んづけて大ジャンプをしなければ取れませんし、ブラックコインはジャンプの頂点で壁キックになるように調整してジャンプしなければならないので相当ムズイです。難易度はもちろん「ピンク<パープル<ブラック」の順で、1回のプレイでピンクを5つ取得できたらパープルコースが解放、1回のプレイでパープルを5つ取得できたらブラックコースが解放というカンジになります。


 また、各コースは解放されたら好きなコースを選べるので……
 スコアアタックを考えたらどのコースをどのキャラで挑むのかをしっかり吟味しなくてはなりません。

mariorun7.jpg mariorun8.jpg
<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 ハイスコアはフレンド間のランキングとして表示されます。
 まだ配信開始直後だからというのもあると思いますが、ステージによって誰がランキング上位にいるのかが全く変わるのが面白いです。



 そして、今作品の目玉と言えるのが「非同期のオンライン対戦:キノピオラリー」です。

<動画は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 1人用モードと全く同じステージ構成ではないのですが、1人用モードのステージを元に自動生成された「毎回ちがうコース」を、世界中の誰かのゴーストと一緒に走ることが出来ます。
 ステージが自動生成なのにどうしてゴーストが走れるのか?というのはよく分からんのですが、始めたばかりなのでまだレーティング(キノピオの数)が低いけれど確実に私よりゲームの上手いフレンドの人がいたので対戦してみたらコテンパンにやられたこともあるので、レーティングで強さが決まるワケではなくて本人のプレイ履歴に沿ったプレイになっているとは思うんですけど……どうなんでしょうね?

 誰か、私のゴーストと対戦した人がいたらどんなだったか教えてほしいです。
 開幕直後にコウモリに当たったり穴に落ちたりしていたら、まさに私です(笑)。



 「キノピオラリー」が「同時プレイのオンライン対戦」ではなく「非同期のゴーストとの競争」になっていることに関して不満だという意見も見たんですけど……
 『スーパーマリオ ラン』は1人のプレイヤーが何か月も遊ぶスタイルのゲームではなく、たくさんの人が2~3週間遊んで満足して終わるというスタイルのゲームでしょうし、iOSとAndroidで配信時期もちがっていて任天堂からすれば「後から入る人」も大切にしたいのでしょうから、「非同期のゴーストとの競争」は上手い落としどころかなーと私は思っています。 


 話を戻します。
 つまり、『スーパーマリオ ラン』はステージ数を少なくして、1つのステージでいろんな遊びをさせようとしているんですね。

・普通にゴールを目指す
・1回のプレイでピンクコインを5つ全部取る
・1回のプレイでパープルコインを5つ全部取る
・1回のプレイでブラックコインを5つ全部取る
・ハイスコアを目指す
・自動生成のキノピオラリーでゴーストと対戦する


 「一つのステージにいろんな遊びを詰め込んだ」という点では『スーパーマリオ64』とか『Splatoon』とかにも通じるかなと思います。



 本家の2Dマリオシリーズだったら、

・普通にゴールを目指す
・スターコインを3つ探す
(ステージによっては隠しゴールを探す)
(『Newマリオ2』ならコインラッシュモードがある)


 くらいで、上手い人なら1プレイでゴールもスターコインも全部クリアしちゃうって人も多いでしょうから、「1つのステージを1回しかプレイしない人」もいたと思うんですけど。『スーパーマリオ ラン』はステージ数は少ないですが、上手い人でも2度3度同じステージをプレイするようになっているという。



 だから、「普通にゴールを目指す」以外の楽しみ方をする気がない人にとっては、1200円というのは高く感じるかなーとは思います。「カラーコインの探索が楽しい」「ルート考えるのが楽しい」「ハイスコア争うのが楽しい」「ゴーストとの競争が楽しい」、この中の2つ以上でも当てはまる人ならば買いだとは思いますが。

 スーパーマリオ ランに1200円の価値があるか知る方法

 『スーパーマリオ ラン』配信直後のAll About田下広夢さんの記事。
 読んで初めてハッとしたんですけど、『スーパーマリオ ラン』は無料だと「1-3までしか遊べない」んですけど、逆に言えば1-3までの範囲ならば1200円払った人と全く同じに遊べるんですよね。各ステージ普通にクリアを目指すのはもちろん、カラーコインの探索も、フレンドとハイスコアを競い合うことも、キノピオラリーだって出来ます(1-3までだと入手できるキノピオチケットの数は少ないですが、マイニンテンドーのギフトでももらえますし)。

 そう考えると……この「無料では1-3までしか遊べない」という仕様。
 実はものすげー大盤振る舞いだったのでは、という気もしてきました。




◇ シャボンという「複数の問題を同時に解決する」秀逸なアイディア
 実際にプレイするまでそのすごさが分からなかったのが「シャボン」というシステムです。

 私、冒頭から何度か「オートラン系のゲームが嫌いだった」という話を書いていますが、その理由はオートラン系のゲームは「ちょっとタイミングを外しただけですぐ死んでステージの最初からやり直しになるから」です。そりゃそういうゲームだから仕方ないだろって話なんですけど(笑)。ああいうストイックさに付いていけないのです。

 『スーパーマリオ ラン』は「キノコを取った状態なら一撃喰らっても大丈夫」なだけでなく、各ステージで2回「シャボン」に入って少し戻って復活することが出来ます(アイテムとして入手して数が増えることもあります)。やられたら最初からじゃないんですね。オートラン系のゲームの多くどころか、本家の『スーパーマリオ』シリーズですら「最初から」か「中間ポイントから」のやり直しなのに!

 そう、つまり。ここでも「マリオのアタリマエ」は見直されているんです。




 私みたいに割としょっちゅう穴に落っこちる下手っぴからすると、この仕様はすごくありがたいのですが……しかし、この「シャボン」システムはただの初心者救済措置では収まりません。ミスにならなくても任意に「シャボン」に入り、そのままコースを逆流することも出来るのです。

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<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 『スーパーマリオ ラン』はオートでマリオが前進してしまうため、カラーコインを1コ取り損ねただけで「しまったあああああ」となりがちです。しかし、この「シャボン」を使ってコースを逆流すれば……

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<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 取り逃がしたカラーコインもしっかり取れるのです!
 キャラが勝手に前に進むゲームで、任意にコースを戻れるシステムを入れるとはすごい発想です。



 更に更に。
 私は全然その境地ではないので、見様見真似で「こんなカンジ」と画像だけ貼り付けますが……ハイスコアを狙うガチ勢の人達は、上下に分かれているルートを、上のルートでコインを取った後、シャボンで逆流して下のルートに入って下でもコインを取る、みたいなこともするらしいです。シャボンを使い切ってようやくクリアできるかどうかの私には未知の領域すぎるわ!

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mariorun12.jpg
<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>



 ということで、この「シャボン」システム。

・アクションゲーム初心者でも「その場で復活できる」救済措置になる
・カラーコイン集めで2回だけやり直しができる救済措置になる
・ハイスコアアタックの際にどこで逆走するかというやりこみ要素になる


 ……と、一つの新要素で「初心者」「中級者」「上級者」それぞれに恩恵をくれているんですね。マリオシリーズが抱えていた問題点も、オートラン系のゲームが抱えていた問題点も、あっさりと解決してしまう……これが宮本イズムの「アイディアとは複数の問題を同時に解決するものだ」ってヤツですよ。宮本さんが考えたのかどうかは知りませんが。




 また、ステージ中に復活できるシャボンシステムを採用しているため、本家マリオのような「残機」の概念がなくなりました。1UPキノコも登場しなくなり、各ステージは(最初からなら)何度でもやり直せるようになりました。

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<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 だからなんやねんと思われるかもですが、そのおかげで「ステージの最初からやり直す」がいつでも出来るようになったんですよ!『スーパーマリオギャラクシー2』の時に「残機制のせいで、何十回とやり直さなくちゃいけないタイムアタックっぽいステージも自殺しなければやり直せない」「残機がなくなると拠点まで戻らされる」ということを愚痴っていましたが、残機制でなくなったおかげでそれらの問題も解決です!

 カラーコイン集めやハイスコアアタックは一つのステージを何度も繰り返し遊ぶ必要がありますから、このテンポの良さはありがたい!



 また、スマホ&タブレット端末向けアプリなんだから当然かも知れませんが、各ステージをクリアする度にオートセーブされる仕様です。残機切れの心配もなく何度も挑戦できるのですが……そこで思い出されるのは、『スーパーマリオ ラン』が発表される前の約1年前に書いた記事です。

 2Dマリオの「砦や城をクリアしないとセーブできない」理由とジレンマ

 2Dマリオは今時「1ステージごとにセーブ」が出来ないのだけど、その理由を“「1ステージごとにセーブ出来れば、何度でもやり直しが出来てしまう」→「残機を増やす意味がなくなる」→「1UPキノコやコインに価値がなくなる」→「ステージを探索したり、寄り道したりする喜びがなくなる」→「単なる一本道ゲームになってしまう」からだ”と考えた記事です。

<以下、引用>
 私個人の好みで言えば、「マリオも、そろそろ「残機制」をやめてもイイんじゃないかな」と思っています。「1UPキノコ」を廃止して、「コイン」は別の使い道を用意して、「1UPキノコ」以外に寄り道して集めたくなるようなアイテムを置けばイイんじゃないかなと思います。『New』シリーズでおなじみの「スターコイン」を、もっと色んな用途に使わせるとかね。それで「1ステージごとにセーブ可能」で「無限にコンティニュー可能」にしてもイイんじゃないかと思っています。
</ここまで>

 『スーパーマリオ ラン』は、この時に書いた私の要望通りの作品になりました。
 「残機制」は廃止。
 「1UPキノコ」も廃止。
 「コイン」はハイスコアアタックと、色々建てたりするのに使う。
 「1UPキノコ以外に寄り道して集めたくなる」ものは、カラーコインとかシャボンとか。
 「スターコイン」はカラーコインに代わって、カラーコインをコンプするとキノピオラリーのチケットがもらえるようになりました。
 「1ステージごとにセーブ可能」で、
 「無限にコンティニュー可能」



 今まで地味~~に不満だった要素を、今回の『スーパーマリオ ラン』はしっかりとつぶしてくれているので、ゲーム機用にも恐らく作っているであろう2Dマリオ最新作でも引き継ぐところは引き継いでほしいと思います!



◇ 『スーパーマリオ ラン』から、『スーパーマリオスイッチ(仮)』につながるのか?
 さて……
 ゲーム内容に関しては、もう申し分ない傑作だと思います。「スマホやタブレット端末で出来るマリオ」として100点満点の出来のゲームだと私は思っています。ぶっちゃけた話、私は最近の「ゲーム機用のマリオ」より好きです。


 しかし、『スーパーマリオ ラン』について語るのなら避けて通れないのが、「1200円」という価格、「体験無料で、それ以降は売り切り」というスタイルです。「無料で最後まで遊ばせろ!」という過激な意見だけでなく、「1200円は高かったんじゃないか?」とか「無料で遊べるのが1-3までなのが悪かったんじゃ」とか「体験無料とかじゃなく、最初から売り切りで良かったのでは」といった意見もよく目にします。


 私も1200円という価格を最初に聞いたとき「大丈夫?」と思ったのですが。
 「売り切りで1200円」にした理由も分からんでもないのです。


 この『スーパーマリオ ラン』は何のために作られたのか?という話です。
 任天堂はスマホ&タブレット端末向けアプリを作ると発表した時から一貫して、「任天堂IPに触れる人を増やして任天堂のゲーム機を買ってくれる人を増やすため」と言っています。つまり、『スーパーマリオ ラン』で「マリオって面白いんだな」と思ってくれた人が、今度出る『スーパーマリオスイッチ(仮)』を遊ぶためにニンテンドースイッチを買おうかなと思ってもらえるようにとアプリを出しているのです。

 そうすると、価格はものすごく重要になってきます。
 例えば『スーパーマリオスイッチ(仮)』が全80ステージで5800円ですという価格で売ろうとしたとき、もし『スーパーマリオ ラン』が全24ステージを無料で遊べますとか500円で遊べますみたいな展開をしていたのなら、「スマホなら無料で(もしくは500円で)マリオが遊べるのに、ゲーム機のマリオは5800円もするのかよ」って思って誰も買ってくれないでしょう。

 『スーパーマリオ ラン』の全24ステージで1200円という価格は、ゲーム機用ソフトを売っていかねばならない任天堂にとってギリギリの価格なんだと思います。



 そもそもの話……
 「1200円で売り切りにしたから『スーパーマリオ ラン』は炎上しているんだ」と言われますけど、もし仮に『スーパーマリオ ラン』が「基本無料のゲーム」だったとしても炎上していたと思うんですよ。

・広告で収益を上げるタイプの基本無料だった場合
 → 「ゲームを起動するたびに永谷園のCMが流れてスキップできないのがウザイ!コンティニューするのにも永谷園のミニゲームを遊ばないとならないなんて!★1つ」

・強力なアイテムをお金で売る基本無料だった場合
 → 「パタパタの羽を500円で売るだなんて高すぎる!昔のマリオならば無料で手に入ったアイテムが課金しないと手に入らないなんて任天堂を見損ないました。★1つ」

・レアキャラを課金ガチャで回させる基本無料だった場合
 → 「ノーマルガチャだとクソみたいなカエルマリオばかり出るし、課金してガチャ回しても期間限定デイジーが出なかった。絶対に許せない。★1つ」


 こんな未来しか見えませんもの。
 『ポケモンGO』で、「私は運転者ではありません」にタップしながら車を運転して事故を起こした人がいて、それでも「任天堂が悪い」と批判する人はいたので(そもそも任天堂が開発しているワケではないのだが)。何をやっても任天堂は誰かに批判されるんだと思いますし、批判されるということは良くも悪くも注目されているということでしょうし、「今批判されているのはこうしたからで、ああしておけば良かったんじゃないのか」みたいなのを後出しジャンケンで言っても意味ないと思います。


 とは言え、『スーパーマリオ ラン』で初めて(or久々に)マリオシリーズをプレイした人が「こんなんで1200円も払えと言うなんてぼったくりだ!」と怒っているのだとしたら、マリオシリーズにとってプラスどこからマイナスの方が大きいとも思うんですね。本来の目的だった“『スーパーマリオ ラン』で「マリオって面白いんだな」と思ってくれた人が、今度出る『スーパーマリオスイッチ(仮)』を遊ぶためにニンテンドースイッチを買おうかなと思ってもらえるよう”に逆行していると思うのです。




 「スマホ&タブレット端末の操作で遊べるマリオ」としては大傑作だと思いますが。
 「スマホ&タブレット端末の市場で受け入れられるマリオ」としてはマイナスイメージしかないのだったら。


 私はやっぱり「スマホ&タブレット端末にマリオなんて出すべきじゃなかった」と思いますし、今すぐ任天堂はこの市場から撤退するべきだと思います。
 『ポケモンGO』でも叩かれ、『スーパーマリオ ラン』でも叩かれ、恐らく『どうぶつの森』でも叩かれると思いますよ。ゲームの面白さの問題ではなく、「無料で遊べるスマホ&タブレット端末で任天堂IPに触れてもらって任天堂のゲーム機を買ってもらう」という狙いそのものが間違っていたんだと思います。

 任天堂にとってスマホ&タブレット端末の市場は主戦場ではありません。撤退したところで問題はありません。本当の主戦場はゲーム機事業であるニンテンドースイッチであるはずです。
 アプリの開発にリソースをぶちこんでマイナスイメージを拡散させているくらいなら、ニンテンドースイッチのソフトに全力を注ぐべきだと思いますよ。


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COMMENT

荒れてる要因は「1200円を払わないと遊べる範囲はかなり狭い」ことが「App Storeのアプリ説明文に書かれていない」のも大きいと思いますので、その辺に触れるならこういった背景も知っておいて損はないかと。
アプリそのものは楽しく遊んでますが「こんな簡単なことを見落として、いったい何のためにDeNAと組んだんだろう?」とも感じてますw

| ああああ | 2016/12/21 20:14 | URL |

任天堂の参入理由は任天堂のキャラクタの露出を維持する目的が一番だと
思いますから、文句が値段に対してであってゲーム内容でないのであれば、
目的は十分果たせていると思いますけどね。

お金を出す大人がいくらネットで文句をいっても、実際に触れて
遊んだ子供がゲームで満足できれば大丈夫じゃないでしょうか。

要はマリオもゼルダも知らない子供が増えることが一番怖いわけで。

| とおりすがり | 2016/12/22 00:44 | URL |

本当面白いですよねこれ。
まったく期待してなかっただけに任天堂の底力を見せつけられた感じしました。
コイン集めの探索がすこぶる楽しいです。初見では絶対無理と思ってたのも攻略など見ずとも繰り返すうちにできるようになるバランスはさすがですね。プチ達成感半端ないです笑
ゲームやってるなーて感じします。
そういう意味じゃスマホ市場に参入して良かったんじゃないかなと思います。

| ああああ | 2016/12/22 22:24 | URL |

>ああああさん

>荒れてる要因は「1200円を払わないと遊べる範囲はかなり狭い」ことが「App Storeのアプリ説明文に書かれていない」のも大きいと思いますので、

 僕はそうは思っていないので……


>とおりすがりさん
>任天堂の参入理由は任天堂のキャラクタの露出を維持する目的が一番だと思いますから、

 それはその通りなんですけど、僕は根っからのペシミストなために「マリオを知って好きになってくれる人」がいる一方で「マリオを知って嫌いになる人」もいると思ってしまうのです。

 日本での課金率が4%ということは、96%の人は「マリオに興味があるからDLしたけど課金せずに(できずに)序盤でやめた」ってことですからアンチマリオ、アンチ任天堂になっていく可能性もあると思うんですよ。


>ああああさん
 ブラックコインのコースに入った時の「ん…?どこにあるんだ?……うわぁ!そこかよ!」という絶望感と、それが何とか取れた時の達成感はすさまじいですね。

 こんなに面白いゲームなのに、「面白さ」ではなく「売り方」ばかりが話題になってしまうのは哀しいです。

| やまなしレイ(管理人) | 2016/12/22 23:36 | URL | ≫ EDIT

ありがとうございます!

> ミスにならなくても任意に「シャボン」に入り、そのままコースを逆流することも出来るのです。

この記事を読んで初めて気づきました。わざと死ななくても、シャボンに入ることができるんですね!これで、どんどん次のステージに進めそうな気がしてきました(錯覚)。


tos.

| tos | 2016/12/31 22:48 | URL |

>tosさん

 やっぱりこれ、気付かない人も多いみたいなんですね。
 僕は始める前にたまたま「これ、自分でシャボンになれるんじゃん!」とつぶやいている人をTwitterで見かけたので分かったのですが、気付かないままプレイしていたって人は結構いるみたいで。

 個人的には、こういう風に口コミというか「誰かが言ってた」で伝わっていくのは面白いと思うのですが、「不親切!」「説明不足!」「任天堂はスマホのゲームを分かっていない!」と怒っている人もいるので難しいですね……

| やまなしレイ(管理人) | 2017/01/01 10:48 | URL | ≫ EDIT















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