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「あとがき」を最初に読む人は、何のためにそうしているのか

 まだ全巻読み終わっていないのでネタバレ防止のために作品名は書きませんが、とあるライトノベルを読んでいてすごく気になることがありました。

 その作品は、「本編」と言える小説の後に、作者がコメントを書く「あとがき」が毎巻入っているのですが……その「あとがき」に、「本編より先にこのあとがきを読んでいる人もいると思うので」と書いてあって驚いたのです。


 そんな人いるの!?と。
 そんなことしたら「本編の結末」を知ってしまうかも知れないので、ネタバレ絶対にしたくない派の自分としては衝撃でした。


 世の中には、「ネタバレをして欲しい人」がいるという大切な事実

 しかしまぁ、以前に「推理小説を結末から読む人」の話を書いたことがあるように、むしろ「事前にネタバレを読んでから読み始めたい人」もいます。「自分の嫌な結末の作品を回避できる」「ハラハラしたくない」、そういった理由でどういう結末になるかを知ってから作品を手に取る人もいるのです。最初に「あとがき」から読むのも、事前にWikipediaで「あらすじ」を読むようなものなのかなとも思ったのですが。
 その作者さん、「あとがき」に「本編より先にこのあとがきを読んでいる人もいると思うので本編の内容には触れません」と書いていて、ネタバレも書いてないの!?と二度目の衝撃を受けました。


 よくよく考えてみたら、さっきは「あとがきから読んだら本編の結末を知ってしまうかも知れない」と書きましたが、小説の場合は特に「あとがきにネタバレは書かれていない」ような気もします。今までほとんど気にしたことがなかったので、確信は持てませんが。


 そうすると、逆に「あとがきって何が書かれているんだ?」と思いますし。
 「あとがきを最初に読む人は何のためにそんなことしているんだ?」が分からなくなりましたし。
 そもそも「本当にあとがきから読み始める人なんているのか?」という疑問が湧いてきました。




 本を買う前に「あとがき」を読む人に共通する傾向とはしらべぇ

 検索したらこんな記事が出てきました。
 「最初にあとがきから読む人」ではなく「本を買う前にあとがきを読む人」の割合ですが、男性が11.5%、女性が17.7%とのことです。私が思っていた以上に多いですし、それ以上にハッとしたのは「本を買うかどうかの判断材料であとがきが読まれている」ということでした。

 書店で本を買うかどうか悩んで手に取った際、私は小説なら特に絶対1ページ目から読み始めるんですけど、小説って書き出しだけ読んでもよく分からんことも多いんですよね。
 後々の伏線のために主人公じゃないキャラがなんかしてますみたいなところから始まったり、逆に主人公が見ている夢から始まったり、主人公の過去から始まったり……「本編」の前の「序章」とか「プロローグ」とか、抽象的すぎて全然面白くないことも多いし、「買うかどうか」の判断材料にならんという気持ちはよく分かります。


 んで、上の記事にも書かれていますし、検索して出てきた他の記事を読んでもそういう意見がチラホラ出ていたのですが、「あとがきは小説本編とちがって作者がどういう人なのかが分かる」「小説を読む前に、書いている人がどんな人か分かった上で読みたい」という目的があるみたいです。

 確かに、今の時代ならTwitterなどで私生活を語る作家さんも多いですが、そういうものがなかった時代は「好きな作家さんの近況を知れるのはあとがきだけ」だったワケですもんね。「本を買うかどうかの判断材料にする」だけでなく、「作家さんの熱心なファンだからあとがきから読む」って目的もあるのかも知れませんね。



 「作品」よりも「作者」に興味がある場合は、「本編」より先に「あとがき」から読む――――ってことが一つ言えるのかなと思いました。
 それで、私が「そんな人いるの!?」と驚いた理由も分かりました。私ってあんまり「作者」に興味がないんだなと思ったんです。もちろん「この作品が面白かったから、この作者さんの次の作品を読みたい」とは思いますが、「この作品が面白かったから、この作者さんの近況を知りたい」とはあまり思わないんです。私が興味あるのはあくまで「作品」であって、「作者」の人間性とか私生活には興味がないというか。

 Twitterとかでも、最近なるべく漫画家さんでも小説家さんでもアニメ監督さんでも声優さんでもゲームクリエイターさんでもAV女優さんでも、「好きな作品を作った人」はフォローしないようにしています。作品がすっげー好きだからフォローしたら、差別的な発言を連発していたりして、その作者さんだけでなく大好きだった作品のことも微妙に思えてきてしまったことが多くて……「作品」と「作者」は切り分けて考えなければならないんだなと思うようになって。

 以前に話題にしたこともありますが私はオーディオコメンタリーの類が好きじゃありませんし、作り手のインタビュー記事とかもなるべく読みたくないんですけど、それは「作品」に対して「作り手がこういう人だ」という情報をあまり入れたくないというのもあるんですね。純粋に「作品」が楽しめなくなってしまうんです。
 「小説を読む前に、書いている人がどんな人か分かった上で読みたいからあとがきを最初に読む」という人の、正反対なんです私は。だから、「あとがき」から読む人がいるということに「そんな人いるの!?」と驚いたのです。



 しかし、この話を突き詰めると……
 私がこのブログやTwitterを続けている理由である、自分の作品(漫画やキンドル本)を読んでもらう宣伝のためにやっているという理由がブーメランのように飛んでくるので複雑ではあります(笑)。
 「マンガは大好きだったのに貴方のことが大嫌いになったので二度と読みません」と言われたことも何度かあるので、ひょっとして逆効果なのでは……


 それはさておき、自分もキンドル本を出す際には「あとがき」を書いているんですけど……「あとがきを最初に読む人がいる」だなんて考えたこともなかったので、ネタバレどころか「本編から話が続いている」みたいなあとがきも書いたことがありました。あれって、「あとがきを最初に読む人」からすれば意味不明ですよね……
 そもそもキンドル本の場合、購入前に読める「無料お試し部分」は冒頭と決まっているので、「あとがきを読んで買うかどうかを決める」って人には判断材料にならんのですよね。その仕様を決めた人も、恐らく私と同じで「そんな人いるの!?」って人ですね、きっと。


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| ひび雑記 | 17:51 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

作品と作者の関係はなかなかに難しい問題ですね。
私は「あとがき」は最後に読みます。あくまで本文のおまけ、という位置付けですね。
代わりと言う訳でもないんでしょうけど、「作品と作者」に対して自分でもあまりよくわからない指標があります。
自分の中では「信用度」と勝手に名付けていますが、これは基本的に作品の内容及び今後の展望に対する物で、つまり、この「作者の作品」は次巻もしくは次回作に期待できるという判断基準になっていて作者の言動・人格にはあまり影響されません。

なので本・BD等の購入・保持・処分はこの内なる声である「信用度」で決まります。世間的に名作かどうかはあまり関係がありません。

最近の例だと「ソードアート・オンライン」がアリシゼーション編以降を保持していません。物語の展開や無駄に多い文章量がきついと感じるようになってしまったからです。同作者のアクセル・ワールドにも同じ理由を感じた為にそれもあってここまでは大丈夫、という部分までを残して処分しました。

他には「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」が終盤の展開に対し、不満が溜まり過ぎた為に手放しています。途中経過でもきつかったのですが、ラストバトルとエピローグと後日談でとどめを刺された感じですね。一体麻奈美の宣言は何だったんだ。

とりあえず以上2つ、個人の感想的なものを挙げてみましたが、要はもうこんな目にあいたくないから次は買わないという事になっているんですかねえ。

| T2 | 2017/06/08 23:28 | URL | ≫ EDIT

僕が以前読んだライトノベルのあとがきにも同じようなことが書いてありました。もしかしたら同じ作品かもしれませんね(笑)

僕もやまなしさんと同じ、「ネタバレ嫌、あとがき最後に読むタイプ」なので衝撃を受けました。その時は「まぁそういう人もいるか。そういう人の場合も考えてあとがき書くのは大変だなあ」と思ったところで思考を止めてしまっていたので、今回の記事はとても面白いですね。

>「本を買うかどうかの判断材料であとがきが読まれている」ということでした。

目から鱗って感じですね。
言われてみると確かにあとがきに面白いことを書いている作者は本編も面白い気がします(本編は面白いのにあとがきはつまらない場合はあるけど)。そう考えると判断材料たり得るのかも。

でも「あとがきから本編を推察する」のではなく「あとがきから作者を推察する」人がいるって話なんですよね。

>「作品」に対して「作り手がこういう人だ」という情報をあまり入れたくない

これ、すごく分かりますね。
僕は声優さんの情報を知りたくないんです。もちろん声優さんが嫌いという訳ではないですし、むしろ尊敬しています。
ですが声優さんの情報を知っているとアニメでキャラが喋っているときに、後ろに声優さんが透けて見えて、作品に入り込めず純粋に楽しめない気がするんです。
だからその情報が僕にとって、好意的な情報でも否定的な情報でも知りたくなかったりします。アニメのEDはクレジットから視線を外しますし、声優さんがOPやEDを歌っている場合、CMも危険があるのでテレビ自体から視線を外したり、ミュートにしたりする程です。

でも漫画家さんや小説家さん、アニメ監督さんに対してはちょっと違いますね(これは声優さんが1つのキャラに直接的にミクロに携わっているのに対して、作品全体に俯瞰的にマクロに携わっているからだと思います)。

作り手の否定的な情報は普通に知りたくないですが、好意的な情報だと知りたいです。
たとえば、少し前にアニメ化した『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』という、タイトルの通り自衛隊が深く関わってくる作品の場合だと、僕はこの作品をアニメを観て面白いと思い、原作を外伝含めて全巻読破し、そのあとがきで知ったのですが、作者の『柳内たくみ』さんが元自衛官だったという情報は、作り手の情報にも関わらず知りたい情報でした。

というように、基本的に「作り手の情報を知りたくない」僕のようなタイプでも知りたい情報もあるんだ、みたいなことが言いたかったんですけど・・・書いてて気付いたんですが『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』のような「作者的かつ好意的な情報」タイプでも僕が知りたい情報は、その情報によって作品が補完、補強されるような情報に限られるのかもしれません。
でもそれって作り手の情報を知りたいってこととは微妙に違うような気がしますね。あれ?

| あさひな | 2017/06/09 12:50 | URL | ≫ EDIT

>T2さん

 今回の記事からはちょっと話が逸れてしまいますけど、その話はちょっと掘り下げたいですねえ……

 私もネットの隅っこで創作活動をしている身として、創作活動は「二者択一」の連続で、それが支持されるかどうかは「運」でしかないと思うんです。○×クイズのどっちに飛び込むかというか。
 作品が公開されて「ここはこうしたら良かったんでは?」みたいに言われても、「もちろんそれも考えたけど俺は敢えてもう片方にしたんだよ!」としか言えないというか。


 だから、あんまり「作者」と「作品」の信用度は参考にならないというか……逆に「前作の評判から、新作ではガラッと変える」みたいなこともありますし。
 おっしゃられる『俺妹』の反省から『エロマンガ先生』は作られていますし、ゼルダなんかは同じディレクターでも『スカイウォードソード』と『ブレスオブザワイルド』では180度ちがうゲームになりましたし。

 ゲームは特に前作が「悪いところがハッキリしている」方が新作で化けたりしますしね。


 だから、何が言いたいかというと……『エロマンガ先生』は面白いですよってことです(笑)


>あさひなさん
 今月末の活動報告には(ちゃんと読み終れば)作品名を書くつもりなので、答えがハッキリしますね(笑)。

>僕は声優さんの情報を知りたくないんです。
 僕は声優さんの情報を入れてしまいますが、おっしゃる気持ちはすごくよく分かります。「○○さんのキャラ、まだ出ないのかなー」とか、「○○さんの演技、今までとちょっと違うな!」みたいな見方をしている時、ふとこれはアニメを純粋に楽しんでいるのか?と疑問に思ってしまうので。

 情報を入れない方が楽しめるのでは?ということは、僕も時々考えたりもします。


>でもそれって作り手の情報を知りたいってこととは微妙に違うような気がしますね。あれ?

 いや、違ってはいないんじゃないですかね……
 仰られたケースはかなり特異なケースだと思うのですが、漫画だと「作者が男か女か」を事前に知ってから読みたいみたいな話はよく聞きます。女性作者だから、この女性心理に厚みがあるんだ、みたいな。

 僕は逆に、「作者が男か女か」すらも知らずに読みたくて、それを知っているとどうしてもそこがノイズになっちゃうんですね。女性作者だから、男性心理が分かってないなーとか。男性作者だから、男キャラに甘いなーとか。

 んで、全巻読み終わってから、検索して調べて「あーこんな人が描いてたんだ」と知るのが楽しい―――というのは、ゲームをクリアしてから攻略サイトを眺めるのが楽しいのに通じる話なんですが。あまり共感してもらえる自信がありません(笑)。

| やまなしレイ(管理人) | 2017/06/09 22:18 | URL | ≫ EDIT

>いや、違ってはいないんじゃないですかね……

じゃあ僕は「基本的に知りたくないが、一部知りたい情報もあるタイプ」なんですかね。

>「作者が男か女か」すらも知らずに読みたくて、それを知っているとどうしてもそこがノイズになっちゃうんですね。

僕もそうですね。僕的に性別は否定的な情報なので知らずに読みたいです。できるだけ先入観とか色眼鏡とか待たずにフラットに読みたいんです。

> ゲームをクリアしてから攻略サイトを眺めるのが楽しいのに通じる話なんですが。

分かるような気がします。
クリアした後にそういうのを眺めて、「やっぱりここで皆詰まるんだな~」と共感したり、「俺が詰まったところって難所じゃなかったんだ」とへこんだり、「あそこ難所だったの?俺、余裕だったけどな~」といい気分になったり。
そういう自分の「感想」や「感覚」が、合ってるのか間違ってるのか「答え合わせ」するというか「確かめる」というか。
そういう感じのことですかね。

でも僕の場合だと、作者の情報は次回作を観る際とかに邪魔になるかもしれないんで触れたくないですね(次回作に期待するべくもない場合は別ですけど)。

| あさひな | 2017/06/11 10:49 | URL | ≫ EDIT

>あさひなさん

>じゃあ僕は「基本的に知りたくないが、一部知りたい情報もあるタイプ」なんですかね。

 そう思いますし、僕もあさひなさんに近いんじゃないかと思いました。その「一部知りたい情報」のツボがちょっと違うだけで。


>そういう自分の「感想」や「感覚」が、合ってるのか間違ってるのか「答え合わせ」するというか「確かめる」というか。

 まさに、今自分が遊んでいる『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』なんかは、一つの宝箱を取るにも幾つもの解法があったり、ほとんどのイベントを無視してでもクリアは出来たりするので。
 クリア後に攻略サイトを見て「もっとスマートな解き方はなかったのか」「自分が無視したイベントはどうだったのか」を確認するのがすごい楽しみです。


>でも僕の場合だと、作者の情報は次回作を観る際とかに邪魔になるかもしれないんで触れたくないですね(次回作に期待するべくもない場合は別ですけど)。

 あぁ、言われてみればそうですね(笑)。
 でも、さっき書いた“「一部知りたい情報」のツボがちょっと違う”の話ですが、僕は「同じ作者の前作」は知りたくて「前作はああしていたのが新作はこうしたか」が分かるのは好きなんですよ。そのために「同じ作者の前作」をより深く読解するために作者の経歴とかを知るのが好きなのかなぁと。

 ただ、「前作」と「新作」の間のこととかは知りたくないのでTwitterとかも見ないようにするという―――自分で書いてて「面倒くさいファンだな!」とつくづく思います(笑)

| やまなしレイ(管理人) | 2017/06/13 00:50 | URL | ≫ EDIT















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