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後方互換がなかったからこそのNintendo Switchのソフトラインナップ

 株式会社ポケモンは6月6日にポケモンダイレクトを公開して、Nintendo Switch用ソフト『ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT DX』を発表しました。



 『ポッ拳』は元々2015年に稼働開始したアーケードゲームが最初で、2016年にWii U版が発売され、2017年9月に要素を追加したNintendo Switch版が発売されるということです。
 株式会社ポケモンも加えた任天堂のNintendo Switch用ソフトの展開は分かりやすく、「Wii U用ソフトの移植・完全版」が多いです。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』はWii U用に開発していたものを、Nintendo Switch版も作って同時発売にしたものですし。『マリオカート8DX』や『ポッ拳DX』はWii U版に追加要素を加えた完全版ですし。『Splatoon2』は続編ですが、1作目の資産があったからこそこんなに早い続編が作れたんじゃないかと思われます。

・3月3日:『1-2-Switch』
・3月3日:『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』 ※ Wii U版と同時発売
・4月28日:『マリオカート8 デラックス』 ※ Wii U版に要素を追加した完全版
・6月16日:『ARMS』
・7月21日:『Splatoon2』 ※ Wii U版の続編
・9月22日:『ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT DX』 ※ Wii U版に要素を追加した完全版


 これについては伏線もあって、2014年1月の「経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会」質疑応答(A5)で当時の社長だった岩田さんはこう仰っていました。前半は「携帯機と据置機について」の話なので色を変えて、今日の記事に関係のある部分のみ赤い字にして表示します。

<以下、引用>
 任天堂は昨年、開発組織を再編し、今まで独立していた携帯ゲーム機とコンソールゲーム機のチームを一つの部門にして、今、竹田の下にあります。これまでは(携帯ゲーム機とコンソールゲーム機は)バラバラにつくる必要があり、携帯型ゲーム機で使える技術とコンソールゲーム機で使える技術というのは、「電池で動くか」、「電源をいつでも供給できるか」で、技術的に大きな違いがあった関係で、全くアーキテクチャーが異なります。アーキテクチャーが異なるということは、コンピューターのソフトのつくり方の作法が違うということです。ところが、かなり技術が進歩し、両者の考え方をかなり揃えられるメドが立ってきましたので、「チームを統合するのは今ではないか」ということを話し合って、そのようにしました。

 それができると何ができるかといいますと、例えば今、Wiiで動いていたソフトをニンテンドー3DSに載せようとすると、解像度が違うだけではなく、ソフトのつくり方の作法が全部違って、かなりの労力がかかります。また、ニンテンドー3DSで動いていたものをWii Uで動かそうとすると、またかなりの労力がかかります。もしソフトをあるプラットフォームから別のプラットフォームに簡単に載せることができていたら、(ハード発売後の)序盤のソフト不足という問題をどれほど解決できるでしょうか。

 世代をまたぐときにも、これまでは技術の進歩の段階が非常に激しかった関係で、コストの制約の中でビデオゲームに最適な技術を選ぶと、毎回ハード自体が全く違うものになりました。全く違わなかったのは、ゲームキューブからWiiに行ったときだけです。ゲームキューブからWiiは、ある意味コントローラーは全面的に変えましたが、コンピューターやグラフィックチップは、かなり共通の考え方でつくりましたのでスムーズでしたが、それ以外のハードは全部ゼロからつくり直しの状態でした。ただ、今は、もうそのようなことをしなくてもできるだけの前提が整ったのではないかと思います。ですから、その意味で言いますと、この次にハードをご提案するときからになりますが(※ これがNintendo Switchのこと)、そこでは「Wii Uでやってきたことをいかに的確に活かすか」ということがポイントになります。これはWii Uと全く同じアーキテクチャーにするという意味ではなくて、十分に吸収できるだけの仕組みをつくり上げるという意味ですが、
一旦そうなりますと、コンソール機と携帯機というのは全く別々の二つのものではなくて、もっと近い兄弟のような存在になると思います。
</ここまで>
※ 改行や強調など一部引用者が手を加えました

 私はここの説明を読んで、「NX(仮)にはWii U互換機能があるのでは?」とか「NX(仮)ではバーチャルコンソールのようにWii Uのソフトがダウンロード販売されるのでは?」といった予測をこのブログに書いたこともありました。
 みなさん御存知のとおり、Nintendo Switchには「Wii Uのような二画面」がありませんから、その予測はものの見事に外れました。そのことについて厳しいお叱りの意見もいただきましたし、真に申し訳ありませんでした。




 しかしまぁ、Nintendo Switchが出た今これを読み返すと、この岩田さんの説明は2017年のNintendo Switchのソフトラインナップを説明していたとすら思えますね。
 かつてWiiが発売された時、ゲームキューブからスムーズに移行できるように設計したため、Wiiも初期のラインナップには「ゲームキューブで開発されていたもの」が多かったんですね。『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』『スーパーペーパーマリオ』『ドンキーコング たるジェットレース』なんかはそうですし、『ファイアーエムブレム 暁の女神』はゲームキューブ版の前作を下地にしていたからこそWii初期に発売できたんじゃないかと思われます。

・12月2日:『Wii Sports』
・12月2日:『はじめてのWii』
・12月2日:『おどるメイド イン ワリオ』
・12月2日:『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』 ※ GC版と同時発売
・12月14日:『ポケモンバトルレボリューション』
・1月18日:『エキサイト トラック』
・2月22日:『ファイアーエムブレム 暁の女神』 ※ GC版の続編
・3月8日:『アイシールド21 フィールド最強の戦士たち』
・4月19日:『スーパーペーパーマリオ』 ※ GC用に開発していたものをWii用に変更
・4月26日:『Wiiでやわらかあたま塾』
(6月28日:『ドンキーコング たるジェットレース』 ※ GC用に開発していたものをWii用に変更


 Wiiと同様にNintendo Switchも、「十分に吸収できるだけの仕組みをつくり上げる」という2014年の言葉の通りWii U用に作っていたものをスムーズに移行できる仕組みを作り上げたからこその、この初期ラインナップになったんじゃないかと思われます。

 しかし、逆に考えると……
 もしNintendo Switchに後方互換機能があって「Wii Uのソフトがそのまま遊べる」というゲーム機だった場合、こんなラインナップにはならなかったと思うんですね。まだ発売されていなかった『ブレス オブ ザ ワイルド』や、続編である『Splatoon2』は別ですけど、完全版である『マリオカート8DX』や『ポッ拳DX』は「Wii Uソフトが動く互換機能があるんだからそっちで遊べばイイじゃん」と発売されなかったんじゃないかと思うのです。


 例えば、そのWii Uが発売された初期の頃は――――
 Wii Uは「Wiiのソフトがそのまま遊べる」互換機能を持っていたこともあって、Wiiからの移植とかWiiソフトの完全版とかは出なかったんですね。Nintendo Switchと同じように、Wii Uの本体発売から6ヶ月後までの任天堂のソフトを見ていきましょうか。

・12月8日:『Nintendo Land』
・12月8日:『New スーパーマリオブラザーズ U』 ※ Wii版の続編
・3月28日:『ゲーム&ワリオ』

 3本!

 これにはSD画質からHD画質に変わったことだとか、Wiiの「体感路線」を否定したラインナップにしたがったとかの理由もあるのですが、とにかくWii Uはスタートから「任天堂すらソフトを出さないゲーム機」でした。この後の秋から『Wii Sports』や『Wii Fit』や『Wii Party』を出していくことを考えると、もうちょっと「Wiiの資産を活かして初期にソフトを揃える」ことを意識するべきだったんじゃとは思うんですが……

 Nintendo Switchだって「Wii Uの資産」がなければ、同じような初期ラインナップになっていたかもって思うんですね。
 ディスクスロットもないしゲームパッドもなくなったから後方互換を付けられない→ じゃあ『マリオカート8』の完全版を出そう!→ それが世界中で大ヒット―――この流れを見ると、Nintendo Switchがスタートダッシュに成功したのは「後方互換機能を付けなかったから」とすら言えるんじゃないかと思ってしまいます。




 個人的には、「完全版」はあまり好きじゃないんですけど。
 『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』→ 『暁の女神』とか、『Splatoon』→ 『Splatoon2』のように、「前作の資産」を活かした続編はもっともっと歓迎したいです。1つゲームを作るたびにゼロから作るのは効率が悪いし、そのせいでソフトが全然出なかったら会社も困るし、遊ぶ側も選択肢が狭まるワケですし。

 『ゼルダ』も、『ブレス オブ ザ ワイルド』の資産を使ってもう1本作ってくれてイイんですよ。『トワイライトプリンセス』のグラフィックを使った『リンクのボウガントレーニング』的なソフトを。

(関連記事:ゲーム作りはもっと「使いまわし」をして欲しい

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 そして、いよいよE3の時期なんですけど……
 『ポッ拳』のNintendo Switch版が発表されたことで、「あのWii UソフトもNintendo Switchに移植されるのでは?」と期待される声もチラホラ目にします。『スマブラ』とか、『幻影異聞録#FE』とか、『ベヨネッタ2』とか……ただ、『スマブラ』移植するなら『ポッ拳』同様に事前に発表して、E3で大会とか開きそうな気もするんですけどね。

 個人的には『マリオ3Dワールド』とかは「おすそ分けプレイ」に向いているんじゃないかと思いますし(『マリオオデッセイ』があるので発売時期を被らせない必要はあるけど)、『スーパーマリオメーカー』の続編に期待していますが。



 あと、今日の「Wii Uの資産を活かしたNintendo Switchのソフトラインナップ」という話からはズレますが、Wiiのポインター操作を活かした『グーの惑星』のNintendo Switch版が快適に遊べたことから、「Wii用ソフトもNintendo Switchにバシバシ移植してほしい」という声も多く見かけますね。これは任天堂に限らず、サードのソフトとかも。

 この場合、グラフィックが違ったりジャイロ操作の調整だったり、Wii U用ソフトを移植するよりかは手間がかかると思うんですけど……『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』の移植とかはその内に来そうな気がしますねぇ。
 個人的には、移植よりも「ジャイロ操作が標準搭載されたことを活かしたWiiソフトの続編」が増えて欲しいとは思いますけど。『GO VACATION2』とか、『GO VACATION2』とか、『GO VACATION2』とか、『GO VACATION2』とか、『GO VACATION2』とか、『GO VACATION2』とか!


 でもまあ、一番気になるのは「Wii Uで開発していなかったはずがないソフト」がNintendo Switch用に出てくるかというとこなんですけどね。『どうぶつの森』なんかはまさかスゴロクしか作っていなかったはずがないですし、Wii U用の新作を出そうと開発していた資産を活かしたNintendo Switch版が出てくるんじゃないかなと期待しています。


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| ゲーム雑記 | 17:52 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

こんばんは。GO VACATION 良いですよね!!今でもたまに遊びます。
WiiUの時代でもずっと続編に期待していたのですが、結局出なくて残念でした。switchで移植、あわよくば続編が出て欲しいですね…!「おすそ分け」との相性も抜群だと思います。
(島内が全部繋がっていて…等々、妄想を語り始めると終わり時が見つからなくなってしまうので、このくらいにしておきますw)

| ノリニロン | 2017/06/11 21:52 | URL | ≫ EDIT

幻影異聞録は移植は俺が喜ぶのではよ

| ああああ | 2017/06/12 05:48 | URL | ≫ EDIT

互換がないことがプラスに働いたところもあるんですね! PS4でGTA5が出て売れてるのも互換がないことがプラスに働いたのかもしれませんね。

「スカイウォードソードHD」は来年あたり出そうですね。個人的にリモコンとヌンチャクの操作は、コードで繋がってる感じが嫌で合わなかったんですが、ジョイコンは軽くて自由な感じが好きなのでぜひスイッチでやってみたいです!(ちなみにWii版は序盤で積んでしまっています…)

| ホロウダイン | 2017/06/12 18:00 | URL | ≫ EDIT

>ノリニロンさん

 あぁ!確かに「おすそ分けプレイ」にも「テーブルモード」にもむっちゃ向いているゲームですよね!
 大人数でパーティゲーム的な遊び方も出来ると思いますし、「ローカルプレイ」にも対応してくれればみんなで一台ずつ持ち寄って同じ空間を好きに遊べそうですし。

 やっばい、何にも発表されていないのに超楽しみになってきちゃいました(笑)。


>ああああさん
 ライブイベントが終わった後にPが「ここで終わらせてはならない」とブログに書いていたので、何らかのアクションはあると思うんですけどねー。
 移植の壁があるとしたら「二画面で表示していた情報をどうするか」ですけど、逆に言えばそこしかないワケですし。


>ホロウダインさん
 PS4も互換性なかったですけど何の問題もなく売れていましたし、互換性はやっぱり今の時代そんなに重要じゃないのかなと思いますねぇ。


>「スカイウォードソードHD」は来年あたり出そうですね。

 『ブレスオブザワイルド』のDLCもあるので今年は避けて、来年に投入―――というのは可能性高そうですよねぇ。
 “ジョイコンは軽くて自由な感じ”というコメントでハッとしましたが、『パンチアウト』とかも来そうかなぁ。何気に海外で売れるタイトルですし。

| やまなしレイ(管理人) | 2017/06/13 01:04 | URL | ≫ EDIT

WiiやWiiU時代の資産という意味では、WiiFit(バランスWiiボードが
引き継げる前提ですが)が浮かびました。
WiiU版ではWiiリモコンプラス2本使用を前提としたトレーニングがあり、
興味があっても断念していましたが、SwichにはジョイコンLR1組が
最初からあるため何とかなりそうですし。

あとは、宮本茂さん発案の「アイランド構想(ウーフーアイランド)」も
島を舞台にした別のゲームもそろそろ出てほしいなと思うくらいですかね。

| ああああ | 2017/06/13 07:27 | URL |

互換性自体は技術的な観点で考えればハードに残す必要性が薄くなったのが今のゲーム機なんじゃないかと思います。
今のゲーム機市場は据え置き機と携帯機の2つですが、ソニーはPS4、任天堂はスイッチ、MSはXboxOne。こうして見ると据え置き機がメインで、3DSを始めとした携帯機は日本ぐらいしか流行っていないという現状がありますね。
技術発展によって据え置きと携帯の境目がなくなりつつあるというのは事実だと思います。2つのハードに分ける必要がなくなれば、労力を集中させることも可能になるんじゃないかと思いますが、そういう意味では携帯機仕様のモンハンがHDverとしてスイッチでも出せたのは納得です(PS4でも新作の発表はありましたが)。
ただ携帯機である3DSは今でも需要があるものの、実際にはスマホで携帯ゲームを遊ぶ方も増えてるので、後継機種を出さずにスイッチにまとめる可能性もなきにしもあらずですね。

| 通りすがり | 2017/06/14 20:48 | URL | ≫ EDIT

>ああああさん

 僕はいまだに『Wii Fit U』を続けているので、Wii Fitの新作を出してくれたら嬉しかったんですが、E3では発表されませんでしたねー。
 二画面を使った遊び以外はそのまま移植できそうなんですが、バランスボードの接続とかで問題でもあるんですかねぇ。


>通りすがりさん
>3DSを始めとした携帯機は日本ぐらいしか流行っていないという現状がありますね。

 重箱の隅を突くような返信で申し訳ないんですが……
 よくこういうこと(3DSが売れているのは日本だけ)を言う人がいるんですけど、あくまで「北米・欧州は据置機がまだまだ売れている」というだけで3DSが売れていないワケではないですよ。

 例えば、昨年発売した3DSの『ポケモンサンムーン』ですけど……Wikipediaによれば、日本の売上は376万本、全世界では1544万本だそうです。
 「日本でしか売れていない」と言う人もいる3DSですが、「日本」の3倍くらい「海外」の方が市場規模が大きいんです。

 「海外にも携帯ゲーム機の需要はある」と言えると思いますし、Nintendo Switchが海外でも好調な理由の一つにもなっていると思います。

 2014年の岩田さんのコメントを読む限り、仮に3DSの後継機が出たとしても、3DS後継機とNintendoSwitchは移植をしやすい仕組みにして、少なくても任天堂の多くのソフトは両方で出るとかじゃないかと思います。

| やまなしレイ(管理人) | 2017/06/14 23:31 | URL | ≫ EDIT















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