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深夜アニメと、劇場版アニメと

 大好きなP.A.WORKSから、こんなニュースが飛び込んできました。



 お、岡田麿里さんの初監督作品……!?
 と思ったのですが、チーフディレクターは篠原俊哉さんということで実質的には『凪のあすから』コンビですね。キャラクターデザイン・総作画監督も『凪あす』と同じ石井百合子さんですし、美術監督も東地和生さんです。
 キャラクター原案は……吉田明彦さん!?『タクティクスオウガ』とかの?意外な大物が来たけど、特報PVでチラッと映った女のコを見た限りは「今の深夜アニメの主流」とはちょっとちがう絵柄でイイカンジじゃないかと思います。


 P.A.WORKSの映画作品はコレが初めてではなく、2009年の『レイトン教授と永遠の歌姫』と、2013年の『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』があります。

 『レイトン教授』は言うまでもなく、当時ニンテンドーDSでミリオンセラーを達成していたレベルファイブのゲームを原作とした映画で。
 『花咲くいろは』は2011年に「P.A.WORKS 10周年記念アニメーション作品」として作られたテレビアニメの劇場版アニメでした。「テレビアニメの後の話」ではなく、「テレビアニメの最終回よりちょっと前の話」として描かれた親子三代の話で、「テレビ版は観たけど劇場版は観ていないなー」という人には是非観て欲しい作品です!

 『花咲くいろは』は、現在(2017年7月14日)はAmazonのプライムビデオでテレビ版も劇場版も全部観られるみたいなんで、是非どうぞ!





 ということで……P.A.WORKSのここ最近の制作ペースとしてはこんなカンジになるんですね。

【2012年】
 冬アニメ:『Another』
 春アニメ:なし
 夏アニメ:『TARI TARI』
 秋アニメ:なし
【2013年】
 冬アニメ:なし
 ※ 3月:『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』公開
 春アニメ:『RDG レッドデータガール』
 夏アニメ:『有頂天家族』
 秋アニメ:『凪のあすから』(1クール目)
【2014年】
 冬アニメ:『凪のあすから』(2クール目)
 春アニメ:なし
 夏アニメ:『グラスリップ』
 秋アニメ:『SHIROBAKO』(1クール目)
【2015年】
 冬アニメ:『SHIROBAKO』(2クール目)
 春アニメ:なし
 夏アニメ:『Charlotte』
 秋アニメ:なし
【2016年】
 冬アニメ:『ハルチカ ~ハルタとチカは青春する~』
 春アニメ:『クロムクロ』(1クール目)
 夏アニメ:『クロムクロ』(2クール目)
 秋アニメ:なし
【2017年】
 冬アニメ:なし
 春アニメ:『有頂天家族2』、『サクラクエスト』(1クール目)
 夏アニメ:『サクラクエスト』(2クール目)
 秋アニメ:なし
【2018年】
 冬アニメ:なし?
 ※ 2月『さよならの朝に約束の花をかざろう』公開


 基本的にはテレビアニメを1作品ずつ制作という形ですが、2クール作品の後には流石に何も放送しない時期が1クール来ることが多く、劇場版アニメ公開の前はもちろんそちらの制作にとりかかることでテレビアニメは休むというサイクルになっているのかなと思います。

 しかし、『花咲くいろは』のように「テレビアニメが人気だったから劇場版アニメを製作する」ということではなく、『さよならの朝に約束の花をかざろう』は原作もなければテレビ版もない、完全新作オリジナル作品をいきなりの劇場版でやろうって言うんですね。公式サイトによれば、「1人の作家の100%をさらけ出した作品」を目指しているのだからそうなるのは当然なのですが、興業的にはかなりのバクチですよねぇ。

 例えば同じように岡田さん脚本のオリジナル劇場版アニメのヒット作『心が叫びたがってるんだ。』は、『あの花』のスタッフによる作品というプロモーションで、それに絡んだメディア展開とかもされてて、フジテレビも製作委員会に入っていて、主題歌を乃木坂46が担当して―――と、プロモーションもものすごかったと思うんですけど。

 『さよならの朝に約束の花をかざろう』の場合、『凪あす』のスタッフが再結集!と言われて「おー!」と思う人がどれだけいるのだろうと思いますしね……



 話変わって。
 ちょっと気になったので、同じように「テレビアニメを1作品ずつのペースで制作」してきた京都アニメーションのここ最近の制作ペースをまとめてみました。

【2012年】
 冬アニメ:なし
 春アニメ:『氷菓』(1クール目)
 夏アニメ:『氷菓』(2クール目)
 秋アニメ:『中二病でも恋がしたい!』
【2013年】
 冬アニメ:『たまこまーけっと』
 春アニメ:なし
 夏アニメ:『Free!』
 ※ 9月『小鳥遊六花・改~劇場版 中二病でも恋がしたい!~』公開
 秋アニメ:『境界の彼方』
【2014年】
 冬アニメ:『中二病でも恋がしたい!戀』
 春アニメ:なし
 ※ 4月『たまこラブストーリー』公開
 夏アニメ:『Free!-Eternal Summer-』
 秋アニメ:『甘城ブリリアントパーク』
【2015年】
 冬アニメ:なし
 ※ 3月『劇場版 境界の彼方-I'LL BE HERE- 過去篇』公開
 春アニメ:『響け! ユーフォニアム』
 ※ 4月『劇場版 境界の彼方-I'LL BE HERE- 未来篇』公開
 夏アニメ:なし
 秋アニメ:なし
 ※ 12月『映画 ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-』公開
【2016年】
 冬アニメ:『無彩限のファントム・ワールド』
 春アニメ:なし
 ※ 4月『劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~』公開
 夏アニメ:なし
 ※ 9月『映画 聲の形』公開
 秋アニメ:『響け! ユーフォニアム2』
【2017年】
 冬アニメ:『小林さんちのメイドラゴン』
 春アニメ:なし
 ※ 4月『劇場版 Free! -Timeless Medley-絆』公開
 夏アニメ:なし
 ※ 7月『劇場版 Free! -Timeless Medley-約束』公開
 秋アニメ:なし
 ※ 9月『劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』公開
 ※ 10月『特別版 Free!-Take Your Marks-』公開
【2018年】
 冬アニメ:『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
 ※ 1月『映画 中二病でも恋がしたい!-Take On Me-』

 ※ 2018年内『響け!ユーフォニアム 完全新作映画』1作目が公開予定
 ※ 2018年内『響け!ユーフォニアム 完全新作映画』2作目も公開予定



 総集編の映画は色を紫色にして区別しました
 京アニの場合、総集編でもアフレコをし直したり、新作映像も追加したりもするんですけどね……

 見てもらえれば分かると思いますが、2015年以降はテレビアニメの数が激減して「年に1本」か「年に2本」のペースになっています。その分だけ劇場版アニメが増えて、総集編ではない劇場版アニメを2014年以降は必ず1本は公開していて、2018年にいたっては(現時点での予定ですが)3本の新作劇場版アニメが公開予定という……

 『聲の形』を除けば、全て「テレビアニメが人気だったから劇場版アニメを製作する」形だとも言えんですけど……「テレビアニメ」よりも「劇場版アニメ」を中心にした会社にシフトしつつあるのかなーなんて思いますね。




 10年くらい前は「深夜アニメ」と「劇場版アニメ」は今よりもっと別の文化だったように思うんですけど、『涼宮ハルヒ』(テレビ版は2006年と2009年、劇場版は2010年)辺りから「深夜アニメ」で人気になって「劇場版アニメ」に進出して大ヒットという形が本当に多くなりましたよね。
 『けいおん!』(テレビ版は2009年と2010年、劇場版は2011年)、『まどか☆マギカ』(テレビ版は2011年、総集編劇場版が2012年、完全新作劇場版が2013年)、『タイバニ』(テレビ版は2011年、劇場版は2012年と2014年)、『アイマス』(テレビ版は2011年、劇場版は2014年)、『ラブライブ!』(テレビ版は2013年と2014年、劇場版は2015年)、『ガルパン』(テレビ版は2012年~2013年、劇場版は2015年、その後の新作劇場版も製作中)とまぁ……列挙するのも大変なくらい、今では「深夜アニメ→ 劇場版アニメ」というコースが当たり前になりました。

 あまりにたくさんあるので「○○が入っていない!」みたいに怒らんでね。




 しかし、最近ではさらに一歩進んで、深夜アニメ発ではないけれど深夜アニメで有名なスタッフを掲げた新作劇場版アニメというのも増えてきたと思います。

 先ほどもチラッと名前を出した『心が叫びたがってるんだ。』(2015年)は、テレビアニメ『あの花』(2011年)のスタッフが再結集して同じ町を舞台にしたオリジナルアニメでした。
 同じノイタミナムービーで言えば、今年公開された『夜は短し歩けよ乙女』(2017年)は、テレビアニメ『四畳半神話大系』(2010年)のスタッフが再結集した同じ原作者の作品の劇場版アニメでしたし。

 京アニ作品でも『聲の形』(2016年)は、『けいおん!』(2009~2011年)、『たまこ』(2013年~2014年)の山田尚子監督と脚本:吉田玲子さんで話題の漫画を劇場版アニメにしましたし。

 それこそ冒頭で紹介した『さよならの朝に約束の花をかざろう』も、『あの花』や『ここさけ』の脚本家である岡田麿里さんの初監督作品ですよ!と謳っているワケですし。そこで同じP.A.作品である『true tears』とか『花咲くいろは』とか『凪のあすから』の名前を出さない辺りが悲しいけれど!




 深夜アニメの「ブルーレイ・DVDを売ることが全て」というビジネスモデルは、「テレビで1回観たもの(録画もできる)がそんなに売れるの……?」と以前から思っていましたが、最近はネットでの(公式な)映像配信も多くなりましたし、「ブルーレイ・DVDを売ることが全て」と言いつつそれに色んな特典を付けて売っている現状で。
 それに比べると劇場版アニメは、まず映画館でお金を払ってもらえる、特典商法で何度も来てもらえる、その後にブルーレイ・DVDも販売する、テレビで放送しなければ録画もされない―――と、もちろん映画館に来てもらえるほどの人気か話題性があることが大前提ですけど、深夜アニメよりはマトモなビジネスモデルのように思えます。


 そう考えると、今後は「作品」も「それを作る人達」も、深夜アニメを足掛かりに劇場版アニメに進出していく流れがますます強くなっていくのかなぁと思いました。
 私個人の話をすると、テレビアニメの放送から数年経ってから劇場版アニメをやられても内容を覚えていなくて、「じゃあテレビ版を観返してからにしよう」としたまま一向に観返す時間がなくて何年も放置してしまうのが慣例になっているんですけどね……未だに『まどか☆マギカ』の劇場版を観ていないという。


学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで
岡田 麿里

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