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「どうしてお姫様はさらわれるのか」問題と、「思ったよりお姫様さらわれないな」問題

 援護のためというか、私自身もちょっと語りたくなったので拡散します。
 ただまぁ、この記事……ナチュラルに色んな作品のネタバレを含んでいるのでお気を付けください。


 lastlineさんが挙げている例はどれも「ゲーム」ですけど、「漫画、アニメ、古典などを問わず、募集してます」とのことです。

 それで自分も考えてみたんですけど、「ゲーム」の例はものすごくたくさん思いつくのに比べて、「漫画」とか「アニメ」とか「小説」とか「映画」とかで例を考えてもなかなか思いつかないんですね。

 『スーパーマリオ』も『ゼルダの伝説』も『ドラゴンクエスト』も1作目は「お姫様がさらわれたから助けに行こう」という作品で、私はこれらの作品に初めて触れた時に「魔王にお姫様がさらわれてそれを助けに行くのは定番のシチュエーションだ」と思った記憶がかすかにあるので……「ゲームにしかないシチュエーション」ではなくて、コンピューターゲームが生まれるより前からある「古典」というか「王道」のシチュエーションだったと思うのですが、それが何だか思い出せない!子どもの頃の自分が知っているということは、童話とかおとぎ話とかかなぁ。


 何故ゲームに「お姫様がさらわれて始まる」設定のものが多かったかというと……
 お姫様に限らず、「かよわい女のコをさらう敵=悪」「それを助けに行くプレイヤー=正義」という勧善懲悪の構図を分かりやすくするためだと思います。黎明期のコンピューターゲームには「本当の悪は何だ?」みたいな深遠なテーマを描けるような容量はありませんでしたから、その中で「分かりやすい悪」「分かりやすい正義」を設定だけで提示したのかなぁと思います。
 こう言っちゃなんですけどマリオだってクリボーやノコノコを大量に惨殺しているワケで、それを正当化するために「お姫様をさらった悪いヤツ」が必要なんだと思います。


 ちなみに『スーパーマリオブラザーズ』の前身である『ドンキーコング』も、「主人公の恋人であるレディがドンキーコングにさらわれたので助けに行く」というストーリーですし。
 『ゼルダ』や『ドラクエ』より2年早い『ドルアーガの塔』も、「主人公の恋人であるカイがドルアーガに捕らえられたので助けに行く」というストーリーですし。

 その頃は「お姫様」ではなく「主人公の恋人」を助けに行くというストーリーなんですね。
 それが数年後には、『スーパーマリオ』も『ゼルダの伝説』も『ドラゴンクエスト』も(『魔界村』も『影の伝説』も『忍者じゃじゃ丸くん』も)「お姫様がさらわれて始まる」設定になっているというのは、「主人公の恋人」よりも「一国のお姫様」を目標にすることで国を救うという更に大きなものを背負わせるためなんかなぁなんて思いました。


 更に更に、1980年代中盤のゲームは「お姫様がさらわれて始まる」設定のものが多かったですが、それ以降のゲームはそうではなくなったかなぁと思います。『ゼルダ』シリーズ最新作『ブレスオブザワイルド』では、ゼルダ姫は自らの意志で敵を封じ込めるためにそこに留まっていますし。『ドラクエ』は『II』の時点で、姫をさらわれるどころか国が滅ぼされて、単身生き残った姫が主人公達とともに復讐の旅に出るワケですし。ストーリー性が強くなっていくに従って、単純な「お姫様がさらわれて始まる」設定の作品は減っていったとも言えますね。




 さて、「ゲーム」以外ではどうなのか?という話。
 「お姫様がさらわれる」という作品はなかなか思いつかなかったんですけど、「女のコがさらわれるor捕まっている」のを男主人公が助けに行くという作品ならばものすごくたくさんあると思います。

 『ルパン三世 カリオストロの城』のクラリスは「さらわれた」ワケではありませんが、政略結婚のために幽閉されているのをルパン達が助けるという目的のストーリーになっていきますし。『天空の城ラピュタ』にもシータが敵に捕まってしまったのを、主人公パズー達が助けにいくという場面があります。宮崎アニメで言えば、『未来少年コナン』もラナがさらわれたのを助けるためにコナンは旅立ちますね。

 もっともっと古典に遡ると、『一寸法師』は女のコを守るために鬼と戦い、その勝利の果てに「大きな体」と「金銀財宝」と「その女のコとの結婚」を得るという話ですし―――日本の物語には古来から「女のために男が戦う」という王道のテンプレがあるように思えます。


 「海外には女のために男が戦う話はないのか?」としばらく考えてみたところ、『スターウォーズ(エピソードIV)』はまんま「敵にさらわれたお姫様を助けるために旅に出る話」でした。『エピソードVI』は逆に「ハン・ソロを助けに行く」ところから始まりますけど(笑)。
 まぁ、『マリオ』や『ゼルダ』は海外でも大人気なので「日本でしか受けない日本固有の価値観」というワケではないですよね。というか、そもそも『ドンキーコング』の元ネタは『ポパイ』だから、アメコミ的な価値観とも言えるか。



 ニコ生をしながら話題になったのは、ガンダムシリーズには結構そういうシーンが多くないかという話でした。「お姫様」という設定にこだわらなければ、ロボットアニメにおいて「味方の女性キャラが敵に捕まる」とか「敵の女性キャラがスパイとしてこちら側に忍び込んでくる」とかは定番ですからね。そうすることによって「敵」と「味方」のキャラ同士が接触して、敵味方の看板を外した「人」と「人」とのつながりになるという。


 その中でも「お姫様」と呼べるポジションで思い出せるのは……

 『クロスボーン・ガンダム』にはまさに「お姫様(帝国の総統の娘)が敵にさらわれる」シーンがありますね。元々は帝国の総統の娘だったコを宇宙海賊が保護していたのを、帝国側に取り返されるという形ですが。
 その『クロスボーン・ガンダム』という作品は『ガンダムF91』の焼き直しというかリベンジで、“一般人の男主人公”が出会った少女が実は“敵国のお姫様”でしたという『ロミオとジュリエット』的な共通点があるので、『ガンダムF91』にも同じようなシーンがあります。「さらわれた」というよりかは、「それしか選択肢がなくなっちゃったから付いていった」みたいなカンジだったと思いますが。

 『Vガンダム』における女王の娘は、どういう経緯で味方サイド→ 敵サイドに行ったのか忘れちゃったのですが……『F91』『V』『クロスボーン』と「実は敵国のお姫様が何故だかこっちサイドにいて、後に敵サイドに行ってしまう」という展開が続いていたんですね。

 『ガンダムW』は「既に滅ぼされた国の王女」で、「さらわれる」というよりかは「捕らえられる」というカンジだったと思うのですが、自分を傀儡とした国家が樹立されるなど……「お姫様をさらって政治利用する」という有意義に活用された例だったかなと思います。主人公がスーパー工作員なせいか、この王女もしょっちゅう囚われの身になる。

 最近の作品だと、『ガンダムUC』も言えるかもですね。ただ、あのお姫様は「さらわれた」というよりかは「脱走したらなんか知らん間に捕まってた」みたいなカンジなので、「さらわれた」というのは微妙か。そもそも彼女は「姫」なのか?という問題が。


 「思ったよりお姫様がさらわれるシーンが多いじゃないか!」と思ったのですが、「お姫様がさらわれる」のイメージである「キノコ王国からピーチ姫だけをクッパが誘拐する」みたいなのではなくて、「国から離反していた敵国のお姫様が連れ戻される」ケースがガンダムシリーズには多いですね。『カリオストロの城』のクラリスもそうか。『アルドノア・ゼロ』もそうかな。『かぐや姫の物語』なんかも当てはまるか。
 さらう理由も「国民に人気のお姫様の地位を政治利用する」ものが多くて、それもクッパがピーチ姫をさらったり竜王がローラ姫をさらったりするのとは理由がちがいますね。


 そもそも「敵国のお姫様だけをさらう」ことに何のメリットがあるんだって話ですしね……
 それこそ『ドラクエII』ではハーゴンはムーンブルクを国ごと滅していましたし、『マリオギャラクシー』なんかだとクッパはキノコ王国を滅ぼす気満々で城ごとピーチ姫を強奪していったカンジでしたし。ラスボスはその強さを読者・視聴者・プレイヤーに見せつけなければならないので、「お姫様」どころか「国」ごと滅ぼしていくようになるのかなぁと思います。


 「国が滅ぼされてお姫様が捕らえられる」というシチュエーションなら、割とある気がしますね。
 現在アニメ放送中の『ナイツ&マジック』にもそういうシーンがありましたし、『スターウォーズ(エピソードIV)』もこれに近いと言えるかも知れません。『ダイの大冒険』のレオナ姫もそうだし、ゲームですけど『ファイアーエムブレム』シリーズには多いシチュエーションだと思います。


 逆に、ピーチ姫やローラ姫のような「健在な国から、お姫様だけを誘拐する」ケースとなると……護衛やらなんやらを突破するのは超大変そうですし、お姫様を人質にしたことで可能な交渉にも限度があるでしょうし、お姫様とエロイことをしたい!という願望でさらうことが許されるエロ漫画とかエロ小説とかエロゲーなんかを除くとあまり現実的ではないんですかね。




【故あって祖国を離れていたお姫様が連れ戻されるケース】
・『ルパン三世 カリオストロの城』(「さらわれる」の定義で考えると微妙だけど)
・『ガンダムF91』(「お姫様」の定義も「さらわれる」の定義も微妙だけど)
・『Vガンダム』(どういう経緯で敵方に行ったのか忘れた)
・『クロスボーン・ガンダム』
・『アルドノア・ゼロ』
・『かぐや姫の物語』

【国が滅ぼされてお姫様も囚われるケース】
・『スターウォーズ(エピソードIV)』(順番的には逆だけど)
・『ダイの大冒険』
・『ガンダムW』(とっくの昔に滅んだ国の王女様だけど)
・『ナイツ&マジック』

【なんか知らん間に捕まってたケース】
・『ガンダムUC』


 思いついたのはこんなところですかねぇ。
 こう見ると、『ガンダムUC』の彼女は迂闊すぎるにも程があったと思える。

 みなさんも思いつきましたら、私に…というより、lastlineさんにどうぞ。


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