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『バイオハザード』紹介/あの時代が生んだサバイバルホラーの完成形!

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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
「固定カメラ」に「ラジコン操作」に「銃攻撃」が、三位一体となって恐怖を作る!
遊びやすさを追求したRPGが失った、「限られたリソースのやりくり」の緊張感
「探索」と「謎解き」の要素がギュギュっと詰め込まれた密度の濃い洋館



『バイオハザード』
 プレイステーション用/サバイバルホラー、アクションアドベンチャー
 カプコン
 1996年3月22日発売
 セーブスロット数:5

バイオ・ハザード ディレクターズカットバイオ・ハザード ディレクターズカット

カプコン 1997-09-25
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 私の1周クリア時間は約12時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください


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◇ 「固定カメラ」に「ラジコン操作」に「銃攻撃」が、三位一体となって恐怖を作る!
 このゲームは1996年にカプコンからプレイステーション用ソフトとして発売された「サバイバルホラー」ゲームです。
 「プレイステーション用の実験作」のつもりで、どちらかというとマニア向けに作られたらしいのですが、口コミで広がって大ヒットしました。この1作目が様々な機種に移植されただけでなく、現在でも続編が作り続けられていて、世界中で大人気のシリーズとなっています。

 私がプレイしたのは1997年に発売された『ディレクターズカット』で、こちらにはアクションゲームが苦手な人のための「ビギナーモード」とアクションゲームが得意な人のための「アレンジモード」が追加されているのですが、私は「オリジナルモード」をプレイしたので初代とほぼ変わらないんじゃないかなと思います。

 また、2002年にはゲームキューブ用ソフトとしてリメイク版が作られ、このリメイク版をHDリマスターしたものがPS4、Xbox One、PCといった現行機で配信されているので現在ではこちらが遊びやすいかも知れませんね。
 このリメイク版は部屋が増えていたり、敵が増えていたり、仕掛けがオリジナル版とちがっていたりするのですが、ゲームの骨格部分は受け継がれていて強化されているそうです。


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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 さて、このゲームの特徴は、監視カメラで見ているかのような「固定カメラ」式のアングルです。プレイヤーがカメラを操作できるのでもなければ、カメラがプレイヤーを追いかけてくれるワケでもありません。主人公の位置によって、使われるカメラが切り替わっていくというスタイルなんですね。


 2018年にこれを読んでいる若い人なんかだと「どうしてそんな仕様にしたんだ?」と思われるかも知れませんが、1996年というプレイステーション初期の時代では仕方のないことだったのだと思います。

 『バイオハザード』より1年前の1995年の『Dの食卓』は「一人称視点で館を探索して歩き回る3Dアドベンチャー」でしたが、静止画とムービーを組み合わせることであたかも館を歩き回っているように見せかけていただけなので。歩くのはむっちゃ遅いし、敵との戦闘もQTEにしか出来ませんでした。
 『バイオハザード』より1年後の1997年に発売された『ファイナルファンタジーVII』や、その続編となる『VIII』『IX』も、街やダンジョンの中は『バイオハザード』同様に「フィールドは静止画のレンダリングCG」で「キャラクターは3Dポリゴン」という組み合わせでした。
 更に時代を進んだ2000年の『ぼくのなつやすみ』でも、『バイオハザード』とほぼ同じような「固定カメラ」「ラジコン操作」だったので、初代プレイステーションのソフトでは「動かせないカメラ」というのは別に珍しいことではなかったのです(その分、グラフィックを描き込めますしね)。

 『バイオハザード』より3か月後の1996年6月に発売の『スーパーマリオ64』が、3D空間をカメラも動かしながら(ジュゲムがカメラを撮りながらマリオを追いかけているという設定の)自由自在に動き回れるゲームで、これが後の3Dアクションのスタンダードになっていくのですが……それが可能だったのは3Dに特化したNINTENDO64という新しいゲーム機の力ですし、逆に言うとそれ以前には「カメラを自在に操って3D空間を動き回れる3Dアクションゲーム」というのは難しかったんですね(プレステでも『トゥーム・レイダース』のようなゲームが後々出るので、完全に不可能だったワケではないのですが)



 しかし、じゃあ『バイオハザード』の「固定カメラ」が『スーパーマリオ64』の「ジュゲムカメラ」より劣っているかというと、そうではありません。『バイオハザード』は「固定カメラ」なことを最大限に活かしたゲームになっていたのです。

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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 例えば、こういう何気ない場面……
 ただ道を歩いているだけなのですが。


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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 (固定カメラでは見えない)曲がり角の向こうにゾンビが潜んでいる!みたいなことが頻繁に起こります。

 もちろんこれはゲームを作る側が、「カメラアングル」と「ゾンビの位置」をちゃんと計算してプレイヤーからギリギリ見えないようにしてあるのです。
 もしこれがプレイヤーが自在にカメラを動かせる最近の3Dアクションゲームのようなアングルだったり、逆にスーパーファミコン時代の見下ろし型2Dアクションゲームのアングルだったりしたら、曲がり角の向こうにゾンビがいることが分かってしまうから驚きはしないですよね。

 『バイオハザード』は、当時の技術では標準的だった「固定カメラ」式のアングルを見事に活かしたゲームだったんです。それ故にプレイステーションの時代を象徴するゲームになったのかなぁと思います。



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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』説明書より引用>

 そして、『バイオハザード』と言えば……で有名な「ラジコン操作」も、この「固定カメラ」式のアングルと密接な関係にあります。このゲームは、方向キーの上を押すとキャラクターが前に進み、左右で向きを変えて、下を押すと後退します。


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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 例えば、この場面だと……
 主人公(ジル)は手前を向いているので、上ボタンを押すと手前に進み、下ボタンを押すと奥に進みます。非常にややこしくて、とっさにワケが分からなくなります。実際、最後まで私はこの操作に慣れず、ラスボスから距離を取ろうとしたのに間違えて敵に突進してボコボコにされたりもしていました(笑)。


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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 どうしてそんな操作にしているのかというと……
 例えば、上の2枚の画像は「同じ部屋」なんですけど……部屋の真ん中から向こうでは手前に進み、真ん中からこちらでは奥に進みます。唐突にカメラの「手前/奥」が逆転するんです。
 こういう状況で、他のゲームのように「上ボタンを押すと上に進む」「下ボタンを押すと下に進む」操作方法だと、カメラが切り替わったら逆のボタンを押さなくちゃならなくなるんですね。ゆったりとした場面なら構いませんが、敵から急いで逃げようとする場面でそうなってしまったら大混乱です。

 「画面に関係なく、キャラクターが向いている方向に前進する」というラジコン操作は、細かくカメラアングルが切り替わる(プレイヤーの意志では操作できない)「固定カメラ」式のアングルを活かすための操作方式なんですね。

 また、そういった機敏な動きができないラジコン操作だからこそゾンビを怖く感じるという副作用もあります。もしこのゲームのキャラを『ブレス オブ ザ ワイルド』のリンクとか、『Splatoon』のイカちゃんみたいに、直感的に気持ちよく動かせちゃったなら、ゾンビなんか全然怖くなかったでしょうしね。


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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 そして、このゲームがどうして「敵を銃で攻撃するゲーム」なのかというのも、「固定カメラ」式のアングルとラジコン操作に直結する話です。

 一応このゲームにも近接武器として「コンバットナイフ」があるんですが、間合いがつかみづらい「固定カメラ」式のアングルで、機敏に動けないラジコン操作では、近接武器のヒット&アウェイはほぼ不可能なんですね(世の中にはナイフのみでクリアする変人もいるみたいですが……)。
 そのため、遠距離から攻撃できて、こちらは動かなくてイイ「銃による攻撃」がメインとなるのです。「銃による攻撃」はオート照準なので軸合わせもしなくてイイですし、現在のFPSやTPSみたいなエイムも必要ありません(しかし、海外版は難易度を上げるために、このオート照準がなくて自分で向きを合わせなくちゃならないんですって。これが銃国家ってやつか……)。

 卵が先か、鶏が先かは分かりませんが……「敵がゾンビ」というのも、ゲームデザイン的に「銃で攻撃する相手」として相応しいと思えますね。なかなか死なない頑丈なヤツで、つかまれると怖いので近寄りたくないのだけど、動きはノロノロしていて飛び道具を持たないから遠距離から銃で撃てば倒すことはさほど難しくない相手――――


 「固定カメラ」、「ラジコン操作」、「銃による攻撃」。
 この3つの要素がガッツリ噛み合わさっているからこそ、『バイオハザード』は「サバイバルホラー」として完成されているのです!


 ……と、言いたいのですが。
 これらの要素は、実は『バイオハザード』がオリジナルではなくて、1992年にフランスのインフォグラムという会社が発売したPCゲーム『アローン・イン・ザ・ダーク』を参考にしたと言われています。私は『アローン・イン・ザ・ダーク』はプレイしたことがないんですけど、ネットで検索して動画を見たところ「固定カメラ」「ラジコン操作」はそのまんまですし、「銃による攻撃」も一応ありました(『アローン・イン・ザ・ダーク』はアイテムがなくなっても肉弾戦ができますが)。

 そのため「バイオハザードなんてアローン・イン・ザ・ダークのパクリじゃん」みたいに言う人もいるのですが、ゲームに限らず作品というのは「先行作品の土壌」があってこそ生まれるものなので、「その作品独自の魅力」があればそれでイイじゃんと私は思います。

 ということで、「固定カメラ」や「ラジコン操作」だけではない、『バイオハザード』独自の魅力を次の項目では語っていきましょう。


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◇ 遊びやすさを追求したRPGが失った、「限られたリソースのやりくり」の緊張感
 私は今回この『バイオハザード』を生配信の実況プレイで初めてプレイしたんですけど、始める前はちょっと不安がありました。ホラーゲームの実況を観に来るような人は、私が怖がる様を期待していると思うのですが、ホラーゲームだからと言って私は特別に怖がれないんじゃないかと思っていたんですね。


 だって私、「敵が出るゲーム」は全部怖いんですもの。
 みなさんよく考えてくださいよ。日常生活で、次から次へと「自分を殺そうとする敵」が現れたりしますか?少なくとも私は「自分を殺そうとする人」なんてブログのコメント欄以外では遭遇したことがありません。しかし、次から次へと「自分を殺そうとする敵」が現れるのがゲームなのです。

 だから私、ホラーゲームを実況しても、今までに実況してきた『マリオ』や『ゼルダ』や『ロマサガ』と大して変わらない配信になるんじゃないかと不安でした。私にとってはゾンビよりジュゲムの方が「空中からマリオめがけてトゲのついた球をぶん投げてくる、しかも笑顔で」という理由で怖いですもの。


 しかし、です。
 実際に『バイオハザード』をプレイしてみて、その認識が完全に間違っていたことが分かりました。『バイオハザード』ってゾンビが怖いゲームではないんですよ。ゾンビ自体は先ほどの項目で書いたように、遠距離から銃で撃てば簡単に殺せるので怖くありません。怖いのは、その銃の弾が尽きることなんです。

 先ほども書いたように、『バイオハザード』は「固定カメラ」の「ラジコン操作」なので敵との間合いが非常につかみづらいです。唯一無制限に使えるコンバットナイフで戦いぬくのは難しいのです。
 だから、攻撃は基本的に「銃」に頼るのですが……「銃」というのはもちろん「弾」を必要としていて、「弾」は現地にあるものを拾って使うしかないから有限です。それを使い切ってしまったらゾンビへの攻撃手段が(間合いがつかめないコンバットナイフ以外)なくなってしまうのです。

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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>


 また、このゲームには「宿屋のような回復ポイント」もありません。
 敵から攻撃を受けたダメージは、これまた現地に落ちているハーブなどのアイテムで回復するしかありません。もちろんこちらも数に限りがあります。

 更に、セーブをするにも「インクリボン」というアイテムを消費して、こちらも現地で手に入る数が限られているので、頻繁にセーブして「ゲームオーバーになったらすぐ手前から」というワケにもいきません。セーブアイテムを使うのをケチっていたらウッカリ死んでしまって随分前からやり直しというのを何度喰らったことか……

 更に更に、そうしたアイテムを持ち運べる数にも厳しい制限があります。自キャラにクリスを選んだ場合は6つ、ジルを選んだ場合は8つしかアイテムを持ち運べません。アイテムボックスにはハーブをたくさん入れてあるのに、手持ちの回復アイテムを使い切ってしまって死んでしまったということも頻繁に起こります。


 このゲームで「ゾンビ出ないでくれー」と願うのは、ゾンビが怖いというより、ゾンビに遭遇してしまうと「攻撃アイテム」や「回復アイテム」を使わなくちゃいけないのがイヤだからで―――そうしたアイテムを消費していくことで、最終的にアイテムが足りなくなってしまうんじゃないかという不安が常につきまとってくるからなんですね。

 これはファミコン時代くらいのRPGが、「持てるアイテムの数が限られている」「MP回復アイテムなどめったに手に入らない」「洞窟の中にセーブポイントなどない」ために、ダンジョン探索の緊張感が半端なくて雑魚敵との1回の戦闘が重かったことを思い出させられます。まぁ、RPGとちがうのは、『バイオハザード』にはピンチになっても帰って全回復してくれる場所がないということなんですけど……
 しかし、そういったRPGもスーファミ時代になると「アイテム持ち放題」「MP回復アイテムもバンバン手に入る」「洞窟の中にもセーブポイントが出来て、中ボス前には必ず設置してくれる」「何ならそこで全回復までできる」と……緊張感よりも、安心して気楽に遊べる作品がスタンダードになっていきます。

(関連記事:「ダンジョンの奥に中ボスがいない」ことによる面白さ

 『ファイナルファンタジー』シリーズで「デブチョコボ」が廃止された(=アイテムが持ち放題になった)のは1992年の『V』からで、『ドラゴンクエスト』シリーズで「ふくろ」が採用された(=アイテムが持ち放題になった)のは1995年の『VI』からで―――この時期にはもう、RPGのスタンダードは「回復アイテムやMPが足りるのか」というヒリヒリするような緊張感でダンジョンを探索するゲームではなくなっていたと思うんですが。

 1996年に出てきた『バイオハザード』が、「銃弾や回復アイテムが足りるのか」というヒリヒリするような緊張感で洋館を探索するゲームで、それが大ヒットしたというのもRPGが失ってしまったものを『バイオハザード』が持っていたというのが大きいのかなと思うんです。


 この“『バイオハザード』の源流はファミコン時代のRPG”説を裏付けるものとして、実は『アローン・イン・ザ・ダーク』よりも更に昔の1989年にカプコン自身が出したファミコンの『スウィートホーム』というRPGがあります。
 こちらは伊丹十三さんが総指揮をとって、黒沢清さんが監督した日本のホラー映画を原作としたゲームなのですが……RPGなのに「宿屋」がなく、回復は限られた数のアイテムでやりくりしなくてはならず、敵が落としてくれたりもしません。アイテムを持てる数も厳しいので、「誰に何を持たせるのか」と「持てないアイテムはそこに置く」といったことを考えなくちゃなりません。

 文章で説明すると、まんま『バイオハザード』ですよね(笑)。
 キャラクターを切り替えて進むのは『バイオハザード0』っぽい。

 この他、仲間のキャラが死亡するとか、生存人数でエンディングが分岐するとか、部屋を切り替える際のドアが開くアニメーションが怖いとか、効果音で恐怖を煽るところとか、『バイオハザード』に影響を与えたと思われる部分が数多くあります。もちろん同じカプコンのゲームです。



 そう考えると、ファミコン時代のRPG『スウィートホーム』を骨格にして、初代プレステでできる表現方法として『アローン・イン・ザ・ダーク』の「固定カメラ」と「ラジコン操作」で肉付けして出来上がったのが『バイオハザード』と言えると思いますし――――「バイオハザードなんてアローン・イン・ザ・ダークのパクリじゃん」なんて言い草は、ゲームの骨格部分を理解できず、表面に見える肉の部分でしか物事を見られない偏った視点でしかないと言わざるを得ません!

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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>



↓ここから3↓
◇ 「探索」と「謎解き」の要素がギュギュっと詰め込まれた密度の濃い洋館
 そう言えば、少し前に『とある魔術の禁書目録』の鎌池和馬さんが電ファミニコゲーマーのインタビューにて「プレステ世代の世界の捉え方」について語られている記事がありました。

 「とある魔術の禁書目録」は”格ゲー”世代? 鎌池和馬が語るゲーム史がラノベ作家に与えた影響【ゲーム世代の作家たち】(引用部分は2ページ目)

<ここから引用>
鎌池氏:
 ただ、少し話を戻すと、世代によってゲームの影響のあり方は変わると思うんです。例えば、私より前の作品で影響が大きいのは、たぶんTRPG、もしくは『ドラゴンクエスト』辺りのRPGなんですよ。それこそ私達が出てくる前、ファンタジーが主流だった富士見ファンタジア文庫の初期とかは、その影響が強いのかもしれないな、と。

-中略-
 
 彼らの特徴は、世界全体を作ったり、その世界全体に飛び込んでいくイメージがあるんです。ところが、私たち「プレステ」世代は、なんて言うのかな……もっと想像力が「箱庭」的なんですよ。

 だって、プレステのゲームがそもそもそうだったでしょう。ホラーゲームで霧に包まれた館一個が舞台とか、せいぜい街一個が舞台で、でもそこにはしっかりとルールがある……みたいな。どうも私達の世代は、イメージできる世界の限界が国や大陸よりも、街や学校、あるいは館のような場所に縮小しているように思いますね。

-中略-

 そのイメージの変遷は、ハードの発展が大きいと思うんです。最初の頃はハードのスペックが弱くて解像度が低かったから、逆に大胆に『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』のようにドットで世界全体を表現できていた。でも、やがてハードのスペックが上がっていくにつれて解像度も上がり、ディテールが求められるようになり、ディスクの容量が足りなくなると、想像力が街一個分だとかに縮小化されていったんだと思います。

</ここまで>
※ 省略や強調など、一部引用者が手を加えています

 ファミコン・スーファミ時代に生まれた『マリオ』や『FF』や『ゼルダ』や『ドラクエ』は、3Dになったとしても世界中を冒険するゲームのままでしたが。『Dの食卓』は「一つの古城」が舞台ですし、『バイオハザード』は「一つの洋館」が舞台ですし、『メタルギアソリッド』は「一つの基地」が舞台ですし、舞台が縮小化された時代なのかなと思うのです(『メタルギア』は元々MSXのゲームですけど)。

 だからといってゲームとしてのボリュームが少なくなったワケでもなく、私の『バイオハザード』の1周プレイ時間はファミコンやスーファミの『ゼルダの伝説』を最初から最後までプレイしたのとほぼ同じくらいの時間がかかりました。舞台は縮小化されたけど、遊びの密度はギュギュっと凝縮されているというかね。


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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 洋館と言っても、単なる民家とは思えないくらいにたくさんの部屋がある上に、鍵がないと開かない扉や仕掛けを解かないと開かない扉がたくさんあるので、すべてを探索するのは結構な時間がかかるのです。
 今となっては「そんなゲームは山ほどあるやん」って話になっちゃうかも知れませんが、当時は3Dのアドベンチャーゲームというジャンルがまだまだ物珍しかった時代なので、「こっちの部屋でこのアイテムを取って、それをここまで持ってきて使うと鍵が入手出来て――――」みたいに謎解きしていくゲームを『バイオハザード』で初めて遊んだって人も多かったのかも知れませんね。


 また、ゲームのクリアのためには「洋館の一つ一つの部屋を探索しなくてはならない」のですが、この「探索しなくてはならない」のと「そこにゾンビがいるかも知れない」というホラーゲームの要素の相性が憎らしいくらいにピッタシなのです。
 例えば、スーファミ時代のホラーゲームと言えば『弟切草』のようなノベルゲームが多かったですが、ノベルゲームの場合プレイヤーが出来ることはページをめくることとたまに選択肢を選ぶことくらいで、能動的に何かをしなくてはならないワケではありませんでした。しかし、『バイオハザード』は!自分の手で操作して、わざわざゾンビがいそうな部屋を!探索しに行かなくてはならないのです!



 こうした緊張感とか不安を100%堪能するためには、「この先に何があるのか」が分からないファーストプレイの体験こそが至宝なので、初見で攻略本とか攻略サイトとかを見ちゃうと全然面白くないゲームになってもおかしくないと思うんですが……
 「初見でなければ怖くない」というのを逆手にとって、クリア時間を計測していて、何時間以内にクリアできれば御褒美がもらえる―――と、2周目以降や攻略本などを読んじゃう人にはタイムアタックゲームになるというのもすごいですね。

 この辺は2Dと3Dで全然ちがうゲームですけど、「探索」を楽しむゲームという点では一緒の『メトロイド』に似ています。一度しか楽しめないはずの「探索ゲーム」に、「タイムアタック」の要素を加えると何周も何周も遊んでもらえるようになる―――という。

 また、舞台は同じですけど主人公は2人の内のどちらを選ぶかで若干ストーリーが変わりますし、どういうルートを進むかでもストーリーが分岐するなど、何周も遊びたくなる要素を入れているのもすごいところです。
 こう見ると、「開発中は社内ではあまり期待されていなかった実験作」とは思えないくらい1作目からすごい完成度のゲームのように思えてきますね。



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 あの時代のゲーム機のスペックだからこそ、その制約を見事に活かし。
 あの時代に忘れられかけていた古きゲームの緊張感を蘇らせ。
 あの時代を象徴する「縮小化された世界の凝縮した面白さ」を持った作品で―――

 色んな意味で、初代プレイステーションを代表するゲームですよね。
 そう考えると「現在ではあまりないタイプのゲーム」だとも思いますし、当時を知らない人が遊ぶと逆に新鮮な驚きがあるかも知れませんね。

 「ゲームには緊張感が欠かせない」という人には是非オススメです!
 アクション要素がないワケではないので「アクションゲームがまったくダメです」という人にはオススメしませんが、重要なのはリソース管理なので、求められるのは「アクションの腕前」というよりかは「判断力」とか「計画性」とかかなと思います。


 まぁ……私はもう疲れちゃったんで、1作やればイイかなってカンジですけど(笑)。
 生配信中に「『1』をクリアしたら、次は『2』『3』とシリーズをやっていくんですか?」って聞かれましたが、『1』を1周やっただけでお腹いっぱいです!
 もうゾンビに襲われるゲームはイヤだ!かわいい猫と戯れるだけのゲームを遊びたい!―――という風潮から、2000年代前後に「敵と戦わないゲーム」の大ブームが来るのかなと思うのですが、それはまた今度。


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| ゲーム紹介 | 17:52 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

VRで7をやってみて、ゲーム機との相性が良すぎるのも考えものだなって思いました

| ああああ | 2018/08/03 20:10 | URL |

>ああああさん

 (笑)

 そう考えると、『バイオ』ってその都度・その都度で新しいゲーム機を活かす形になっていったシリーズなんですね。

| やまなしレイ(管理人) | 2018/08/04 23:09 | URL | ≫ EDIT

>『バイオ』ってその都度・その都度で新しいゲーム機を活かす形
いい加減ラジコン操作はもう古いよね?ってなっていた頃にTPSに変更して、その後のTPSのスタンダードになった「ビハインドビュー型」を生み出したバイオ4はほんとすごい。

| ああああ | 2018/08/05 08:17 | URL |

>ああああさん

 まさにその通りだと思います。
 『1』であんなに苦労したので、『2』や『3』をプレイする気はあまりないんですけど……『バイオ4』は「ゲームの歴史に名を残す1作」として、ちょっとやってみたいんすよねー。

 まぁ、やるとしたら再来年の夏とかかも知れませんが。

| やまなしレイ(管理人) | 2018/08/08 01:09 | URL |















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