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やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

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全ての要素を遊ばせたいゲーム開発者vs.自分の好きなところだけ遊びたいゲームプレイヤー

 恋愛アドベンチャーゲームの例が一番分かりやすいと思うので、まずは恋愛アドベンチャーゲームの話から。私、恋愛アドベンチャーゲームで「全ルートをコンプリートする」という行為が苦手なんです。「得手/不得手」という話じゃなくて、「心理的になんかノレない」というか。


 例えば、私が秋にプレイして紹介記事も書いた『白衣性愛情依存症』は4人のヒロインがいて途中から4つのルートに分岐していましたし、私が今プレイしているドリームキャスト用ソフト『My Merry May』は(多分)5人のヒロインがいて途中から5つのルートに分岐するみたいです。

 私はこの手のゲームを遊ぶ際、一番最初に「一番好きなヒロインのルート」に進もうとするんですけど……そうしてエンディングまで行って「あー面白かった」となると、じゃあ次に「二番目に好きなヒロインのルート」に進むかと思っても、なかなか気乗りしないのです。

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<画像はドリームキャスト版『My Merry May』より引用>

 だって、ついこないだまで「みさおちゃんに好き好き言ってた」のに、アレを全部なかったこととして今度は「ひとえちゃんに好き好き言っている」主人公(=俺)って酷くないですか?どうもこれが浮気に思えてしまって後ろめたいというか、「あの感動は何だったのだ」と思ってしまうというか。

 なので私、「恋愛アドベンチャーゲーム」は最初の1周だけ遊んで「一番好きなヒロインのルート」に進んでエンディングまで行って「あー面白かった」となったら、そこで終わりにするのが一番幸せな終わり方なんじゃないかと思うんですね。ヒロインが4人、5人いるのにそこで辞めたら、ゲームの4分の1、5分の1しか遊んでいないということになっても、それでイイじゃないかと思っているんですね。


 ですが、ゲーム開発者としては「せっかく作ったんだから全部のルートを遊んで欲しい」と思うのか、「恋愛アドベンチャーゲーム」には“全ルートをコンプリートしないと現れない要素”とか“全ルートをコンプリートしないと進めない真のエンディング”みたいなのがあることもあって……「1周で辞めるんじゃねえぞ」というプレッシャーを感じることが多いのです。



 この「自分の好きなところだけ遊びたい」欲と、「ゲーム開発者は全部を遊んで欲しいんだろうな」と思わせる仕様の間にギャップを感じるというのは……「恋愛アドベンチャーゲーム」に限った話ではありません。

 例えば、『スマッシュブラザーズ』シリーズ。

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<画像はNintendo Switchソフト『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』より引用>

 とうとう発売されたNintendo Switch版、ムチャクチャ楽しんでおります。
 ゼルダ姫が『神々のトライフォース』バージョンになったので(どちらかというと『神々のトライフォース2』バージョンだと思うのだけど)、とても可愛いです。「海外での販売を考えたらロリキャラのスマブラ参戦はムリなのかなー」と歯を食いしばって耐えていたら、まさかのゼルダがロリ化するという奇跡。


 それはさておき。
 私が今作を楽しめているのは、「Nintendo Switch版の出来がイイ」というだけでなく「遊ぶ私自身の考え方が変わった」というのも大きいと思います。私が『スマブラ』シリーズを遊ぶのはWii版、Wii U版に続く3作目なんですが、過去2作を遊んだ時とちがって……


 今回は「クリアゲッター」を無視すると決めて始めたんです。


 「クリアゲッター」とは―――
 Wii版『スマブラX』から始まったソフト内の実績機能のことで、特定の条件を達成するとパネルが開くという“やりこみ要素”です。それで、この「特定の条件」というのが、例えば「マリオを使って難易度最高の○○をクリアする」とか「全キャラでこのモードをクリアする」みたいに……1人1人のキャラに条件があるため、「クリアゲッター」のコンプリートを目指すと全キャラを使いこなせないといけなくなるんですね。

 当時の私はまだ「自分がゲームが下手だ」ということも自覚していなかったため、順番に1人ずつキャラを練習して、難しい条件の「クリアゲッター」にも挑もうとして……そして、あまりの手間と難易度に心が折れて、そこでゲーム自体を辞めてしまったんですね。Wii版の時も、Wii U版の時も。

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<画像はWii用ソフト『大乱闘スマッシュブラザーズX』より引用>

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<画像はWii U用ソフト『大乱闘スマッシュブラザーズfor Wii U』より引用>


 恐らくこうした「クリアゲッター」の仕様というのも、「せっかく作ったんだから全部のキャラを使って全部のモードを遊んで欲しい」という開発者の想いがこめられているんじゃないかと思うのです。詳しくは後述しますが、Wii版のアドベンチャーモード「亜空の使者」や、Wii U版のワールドスマッシュなんかも、全部のキャラを強制的に使わせるモードと言えますしね。

 しかし、私はそのせいで今まで『スマブラ』には「得意なキャラ」がいなかったんです。『スマブラ』好きな人同士でよく話題になる「誰を使ってるのー?」という質問も、「いや、別に……特に使っているキャラとかいない……」としか答えられないのです。「クリアゲッター」の順番に端から使っていって、途中で挫折して辞めているので、どのキャラも中途半端にしか使えないまま毎回終わってしまっていたのです。


 私、それがずーーーーーーっと心残りだったんですね。
 私の遊び方は間違っていたんじゃないのか、と。もっと楽しめる遊び方があったんじゃないか、と。


 ということで、今回の私は「クリアゲッターはガン無視する」「好きなキャラを数人見つけたら、ひたすらその人達で楽しく遊ぶ」を心がけて遊んでいます。そもそも私の実力だとコンプリートなんて不可能でしょうしね。



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<画像はWii用ソフト『大乱闘スマッシュブラザーズX』より引用>

 その観点で言うと、同じアドベンチャーモードという括りでも「Wii版の亜空の使者」と「Nintendo Switch版の灯火の星」は微妙にアプローチがちがうのが分かります。
 「亜空の使者」はストーリーに沿って、各地にいるキャラクターを操作するアドベンチャーモードでした。つまり、ゲーム側から「今回はこのキャラを使え」と言われたキャラしか使えないのと、1人のキャラで敗れると別のキャラに交替させられるため、およそ全部のキャラを使わさせられたんですね。


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<画像はNintendo Switchソフト『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』より引用>

 一方、Nintendo Switch版の「灯火の星」は最初のキャラこそカービィで固定となっていますが、序盤にルート分岐があって「どのキャラを仲間にするのか」をプレイヤーが選べるところもありますし、(少なくとも私が進めたところまででは)1人のキャラで敗れるとその場でやり直しになるため「自分の得意なキャラ1人だけで進める」ということも可能になっています。


 キャラクター数が膨大な数になったため、「流石に全部のキャラを使わないといけないゲームにしたらプレイヤーが大変になってしまう」という配慮なんですかね。ちょうど「全部のキャラを使うなんてことは考えないようにしよう」と決めていた私にとっては、「灯火の星」の仕様はありがたかったです。





 同じような話で言うと……
 『Splatoon』も1作目のヒーローモードは全ての面を「シューター」のみでクリアするモードでしたが(「チャージャー」や「ローラー」でのプレイはamiiboを買わないと出来なかった)、『Splatoon2』のヒーローモードは様々なブキを使うようになった反面「ブキチから指定されたブキを使う」といったように“ゲーム側から「今回はこのブキを使え」と言われたブキしか使えない”仕様が入りました。アプローチとしては「亜空の使者」に近いんですね。

 『Splatoon2』はその他のモードを見ても、「クマサンから指定された4つのブキからランダムで渡されるブキで戦う」サーモンランや、「ステージによって選べるブキが決まっている」オクト・エキスパンションといったように、色んなブキを使わせようとする開発者サイドの狙いが見える仕様となっています。

 実際、『Splatoon』1作目の発売直後は「1つのブキしか使わないんじゃなくて色んなブキで遊んで欲しい」という開発者のインタビューがそこらに載っていましたし、その言葉を受けたからなのか当時の私は「チャージャーしか使っていない」と言ったらコメント欄でムチャクチャ叩かれましたからね。
 チャージャーしか使わなかった理由は「他のブキを使うとチャージャーのエイムが出来なくなる」と思っていたからで、実際にチャージャー以外のブキを使うようになったらチャージャーでのエイムが全く当たらなくなって、結果的に今の私はチャージャーも使えないし他のブキでも勝てないどうしようもないゴミクズに成り果てたので。


 『Splatoon』も「自分の好きなブキだけを使っていれば良かった」と後悔していますし、でも開発者は「何とかして色んなブキを使わせよう」と工夫してきますし。

 そういうことは多かれ少なかれどんなゲームにも言えることなので、敵CPUとか、オンライン対戦相手よりも先に、私はどんなゲームでも“開発者の狙い”と戦わなくてはならないのです!“開発者の狙い”に屈することなく、私は「私が一番楽しめる遊び方」を貫き通さなくてはならない!


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<画像はドリームキャスト版『My Merry May』より引用>

| ゲーム雑記 | 17:52 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

今回のスマブラはこの辺の調整が上手いですね。アドベンチャーモードは強制されなくてストレスフリーな一方で、キャラ毎にテーマが設定されている勝ち上がり乱闘があるおかげで「強制されないのについつい全キャラ使いたくなってくる」という。
クリアゲッターは、ゲームが下手な我々が狙って開けるもんじゃないですよね……。こういう満漢全席のようなゲームだと、上手い人向けの要素をいかに回避して自分にとって美味しいところだけをつまみ食いするか考えないといけないので、楽しいんだけれども楽しむためには結構神経使いますw

| ああああ | 2018/12/10 20:44 | URL |

まさか百合ゲーとスマブラが同じ記事で引用されるとはおもわなかったです。

| 謎の百合ゲーマー | 2018/12/11 15:30 | URL |

>ああああさん

 なるほど!
 「勝ちあがり乱闘」にキャラ毎のネタを仕込んでおくことで、「アドベンチャーモード」のプレイキャラは自由に選べるようになるし、「イベント戦」もそちらに統合されてモードがスッキリするし。

 これはよく宮本さんの考えとして言われる「アイディアとは複数の問題を同時に解決するものだ」ってヤツですわ。


>こういう満漢全席のようなゲームだと、上手い人向けの要素をいかに回避して自分にとって美味しいところだけをつまみ食いするか考えないといけないので、

 すごくよく分かります(笑)。
 「自分にとって食べられるものはどれだ」「自分が一番美味しい食べ方はどれだ」って食べてみないと分からなかったりしますもんね。僕の場合『スマブラ』でそれに気付いたのは前作・前々作を300時間遊んでからですからね……


>謎の百合ゲーマーさん
 来年の3月にはNintendo Switch2周年を記念して「Nintendo Switchで遊んだゲーム全紹介」の記事を書く予定なので、もう1回同じ記事に並ぶこととなると思いますよ!

| やまなしレイ(管理人) | 2018/12/12 22:39 | URL |

桜井Dもコラムなりインタビューなりで「山盛りだけど好きなところだけ摘み食いしてもらえば良い」「開発者の苦労なんてユーザーは考えなくて良い」
と度々言ってますし、好きなように遊ぶのが正解ですね
楽しいを犠牲にしてゲームするなんて楽しくないですし

| ななしさん | 2018/12/13 23:50 | URL |

>ななしさんさん

 あぁ、桜井さんもそう仰っているんですね。
 それなら良かった。

 美味しいところがたくさんあるのに、その中の一部の「嫌いな食べ物」の部分だけ我慢して延々と食べ続けるのなんて不毛ですもんね。開発者側もそう思ってくださっているのなら、堂々とクリアゲッターは無視しようと思います!

| やまなしレイ(管理人) | 2018/12/16 16:08 | URL | ≫ EDIT















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