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やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

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どうして『ドラクエ』『FF』『ゼルダ』は東洋を舞台にしていないのか?

 ネタにマジレスなのかも知れませんが……こんな話を読みました。

 白人「何故ジャップには東洋ファンタジーの名作が少ないんだ?」

 『天外魔境』を知っていて『FF』を西洋ファンタジーと認識しているイギリス人なんて本当に存在するのか微妙だと思うのだけど(しかも大学生くらいの年齢と思われる)、それに反論できなかったという日本人の筆者が存在するのは確かだから言わせてもらおう。

 『ドラクエ』にも、『FF』にも、ついでに言えば『ゼルダ』にも東洋を舞台にしている作品があるぞ。


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<画像はWii版『スーパーファミコン ドラゴンクエストIII』より引用>

 『ドラゴンクエスト』シリーズの中でも特に高い人気を誇る『III』には、どう見ても「日本そっくり」の島に、どう見ても「日本風」の村ジパングが登場します。このゲームをクリアした人が、「まさかあの村が日本モチーフだったなんて!」と気付かないことはありえないレベルの日本です。『天外魔境』を知っている人なら、イギリス人であっても気付くでしょう。



 ウチの初代プレステが行方不明&PS2がメモリーカードを認識してくれなかったのでスクショは載せられませんが、画像付きで解説してくれている攻略サイトがあったのでそちらをどうぞ(ここここ)。
 『ファイナルファンタジー』シリーズの中でも全世界的に大ヒットした『VII』には、ウータイという町が出てきます。日本風なのか中国風なのかは微妙ですが、少なくとも東洋風の町なのはイギリス人が見ても分かると思います。ここではユフィという「忍者キャラ」が仲間になりますし、歴代『FF』シリーズには「忍者」というジョブが登場します。

 それもまぁ『ウィザードリィ』の影響とも言えるのですが、少なくとも「何でもかんでも西洋の設定にしているワケではない」ことは分かるでしょう。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 『ゼルダの伝説』シリーズ最新作『ブレス オブ ザ ワイルド』に登場するカカリコ村は、日本風の建物・服装で統一された村になっています。地蔵もいます!「イーガ団」という名称はどう考えても伊賀忍者がモチーフでしょうし、このゲームをクリアした人なら「このゲームは西洋だけを舞台にしたゲームだ」なんて思わないでしょう。



 『ドラクエ』も『FF』も『ゼルダ』も、確かに「東洋だけを舞台にしたゲーム」ではありません。しかし、これらのシリーズはファミコンやスーファミの頃から「世界地図の端から端までを舞台にしたゲーム」なのです。砂漠の国も出てくれば、雪にまみれた国も出てくる、火山だって、森だって出てくる。『ドラクエIII』の場合、古代日本だけじゃなくて古代エジプトっぽい国も出てきますもんね。

 世界中の色んな場所を舞台に冒険するゲームだから、「東洋風の地域」はその中の一つにしか過ぎないのです。最初から最後まで東洋を舞台にしていないから「自国の文化を大事にしていない」とか、世界中を自国の植民地にしなければ気が済まないヨーロッパ人のエゴじゃねえのかよ!


 まぁ……ホントにこんなイギリス人が存在しているのかは微妙だと思いますけどね。
 『FF』が西洋ファンタジーっぽかった時代は海外でなかなか売れなくて、SF路線を組み込んで海外で成功するようになっていったんで……「『FF』は西洋ファンタジーをベースにしている」なんて発想があるとは思わないし、そこまで分かっているのなら「ルーツが『指輪物語』だからですよ」ってことも分かると思うんですけど(笑)。


 ちなみに、ワールドマップを廃止したことで「世界地図の端から端までを舞台にしたゲーム」ではなくなった『ファイナルファンタジーX』は、琉球風の東洋ファンタジーなんですよね。「世界を全部描くことが不可能になった」ことで、東洋だけを舞台にしたゲームを作れるようになった――――というのは面白い話です。



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<画像はWiiバーチャルコンソール版『ストリートファイターIIダッシュプラス』より引用>

 RPG以外のジャンルに目を向けると、『ストリートファイター』シリーズの主人公は日本人ですが、対戦相手は世界各国の猛者達です。『II』からはそうした世界各国の選手を使うことも出来るようになって大ヒットしました。これもまた「世界中の色んな選手」の中に「日本選手もいる」という位置づけですよね。

 日本人は「世界」をそう捉えているという表れなのかも知れません。
 広い広い世界の中に「日本」もあるんだ―――という。



 あとまぁ、『ストリートファイターII』に関しては、日本よりも海外からの要望が強くて続編が作られたという経緯なんですね。日本の会社で作ったゲームであっても「世界で売る」ために、日本だけを舞台にするのではなく、世界を舞台にしなくてはならなかったという見方も出来ます。

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<画像はアーケードアーカイブス版『ドンキーコング』より引用>

 「日本人が生み出した国民的キャラクター」であるマリオさんが日本人でない理由もそういうことです。1980年4月に任天堂はNintendo of Americaを設立するのだけど、アーケードゲーム『レーダースコープ』がアメリカで大失敗になってしまって、大量の基盤が余ってしまいます。その基盤を書き換えて別のゲームにして売ろうという苦肉の策で生まれたのが『ドンキーコング』であり、後にマリオと名のつくキャラクターでした。

 要は、最初から「海外でも売る」ことを考えて作られたゲームなんですね。
 日本のゲームがなかなか海外で売れなかった2000年代だったか、宮本さんが「そんな中でも任天堂のゲームはどうして海外で売れると思いますか?」とインタビューで質問されて、「海外で売れるかどうかも何も、僕らは最初から世界で売ることを考えてゲームを作ってきたから……」と当然のように答えたことがあったのですが。スタート地点がまず「アメリカでも売れるもの」ってところなんですもんね。年季がちがう。



 あと、元々は「日本を舞台にしたゲーム」だけど、ローカライズの力で海外の人はそれに気づいていないということも多そうですよね。
 『ポケットモンスター』シリーズ1作目の舞台は「カントー地方」で、日本人なら99%が「関東地方がモデルだ」と分かるでしょうが……世界中でこのゲームを遊んだ子供達は「日本が舞台のゲームだ」なんて思ってプレイしていなかったと思うんですね。世界中の子供達が、「このゲームの舞台はぼくらが普段遊んでいる野っぱらだ」と思いながらプレイしたからこその大ヒットだったのでしょう。

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<画像はゲームキューブ用ソフト『どうぶつの森+』より引用>

 今や全世界で大人気のシリーズ『どうぶつの森』ですが、ゲームキューブ版の『+』までは明らかに日本風の施設「おやしろ」がありました。神社にあるヤツと説明したら分かりやすいですかね。しかし、『+』をベースに翌年海外向けに作られた『Animal Crossing』からは「おやしろ」は廃止されて、逆輸入のような形で日本でも発売された『e+』以降は「おやしろ」はなくなりました。

 そもそも「たぬきやきつねに化かされる」とか「河童が船に乗せてくれる」といったことから、『どうぶつの森』の舞台はどう考えても日本だと思うのですが……海外に販売する際にそれを分かりにくくした結果、外国人からは「日本を舞台にしたゲーム」だとは思われなくなったのだと言えます。


 だから、「日本人は自国を舞台にしたゲームを作らないでやんすかー」とか外国人に言われても、「オマエが気付いていないだけやで」って言いたくなるのです。




 ついでに。
 ゲーム以外はどうなのかと言うと……

 日本で公開された全ての映画の歴代興行収入ランキング1位は、『千と千尋の神隠し』です。どう見ても西洋ファンタジーには思えない、東洋ファンタジーです。同じ宮崎駿監督作品である『もののけ姫』も日本を舞台にしたファンタジー作品です。『君の名は。』『崖の上のポニョ』『風立ちぬ』は日本を舞台にした作品なので、興行収入上位の邦画で西洋を舞台にしたものは『ハウルの動く城』くらいです。

 漫画はどうかと言うと……海外でも大人気な『NARUTO』は言うまでもなく「日本をベースにしたファンタジー」ですし、『ドラゴンボール』は「中国をベースにしたファンタジー」です。モチーフは西遊記ですからね。孫悟空、亀仙人、ウーロン(烏龍)、プーアル(普洱)、ヤムチャ(飲茶)、牛魔王……と序盤に出てくる登場人物はみな漢字にすることが出来るキャラですし、クリリンが修行をしていたのは多林寺ですし、ジャッキー・チュンのモデルは香港映画の大スター:ジャッキー・チェンです。
 そこに「西の都」からやってきたブルマがドラゴンボールのことを教えて冒険が始まるというスタートですから、「西洋」に対する「東洋」のファンタジーなんです。

 もちろん連載が長く続いたことにより、悟空は東洋だけじゃなく世界中を冒険して、あの世にも行って、宇宙にも行きますが……それは、「広い広い世界の中に日本がある」という『ドラクエ』や『ストリートファイター』の描き方と同じだと思うんですね。


 「日本人には東洋ファンタジーの傑作は作れない」って考え方自体が、ムチャクチャ視野が狭いんですよ。日本人は「西洋も東洋も出てくる傑作」をバシバシ作って、世界中で大ヒットさせているんじゃボケエ!


   
◇ 余談
 ここまで書いて気付いたんですけど……
 この手の「日本の作品には○○がない!」みたいなヤツ、高確率で炎上目当ての「釣り」なのかも知れないですね……

 私がまさにそうだったんですけど、「いやいや、あるじゃん!例えば『ドラクエIII』と『FFVII』と『ブレスオブザワイルド』!」とついつい語りたくなってしまいますし、これを読んだ人も「そうそう!◆◆もあるよね!」と語りたくなってしまうし、そうして話題になることで元記事がたくさんの人に読まれてゲラゲラ笑うって目的の「釣り」なんじゃないかと思えてきました。


 最近ホント多いんですよ、「日本の作品には○○がない!」みたいなヤツ。
 んで、「ありますよ、◆◆とか」みたいに教えたところで「教えてくれてありがとう!解決しました」なんて絶対に言わないし、もっともっと炎上するようなことを言う。そこまで含めて全部「釣り」だと考えると合点がいくんですよねぇ。


 だから、私もアクセス数を稼ぐためにそういう記事を書くことにしましょう!
 この手の話題を炎上させるには「日本は~~」とか、「男は~~」「女は~~」といったカンジに主語をデカくするのがコツです。そうすることによって、誰にとっても無関係ではなくなるので「そうではないぞ!」「実際にはあるぞ!例えば◆◆」というコメントがガンガン付いていくでしょう。

 ということで、可能な限り主語をデカくして炎上させるぞーーー!



 次の記事のタイトルは、
 「人類にはもう生きる価値がない」で決まりだ!
 これで「いやいや、人類にはまだまだ価値があるじゃん!例えば◆◆と××と△△!」みたいなコメントがたくさん付いてアクセス数の爆上げだぜ!やったーーーーーー!

| ゲーム雑記 | 17:49 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

このテーマなら桃太郎伝説シリーズに触れなくちゃ!
シリーズ中でも特に、スーパーファミコンの新桃太郎伝説が話題になりやすいですね。
これは全てのJRPGの代表格な作品だと思ってます。

| ああああ | 2019/02/04 18:41 | URL |

>そこに「西の都」からやってきたブルマ

ブルマという白人の女の子とのボーイミーツガール
そして将来的に金髪碧眼のスーパーサイヤ人になる事を考えると
鳥山先生の真意はどうあれ、その根源には日本人の白人信仰や
白人コンプレックスがあると分析する事は可能かも知れません

NARUTOの作者の岸本さんは自作を「外国人目線の日本観がコンセプトの天外魔境にイメージが近い」そして「青い目で金髪の主人公」である事が海外の人に受けた理由ではないかと分析してましたね

外国人目線の日本観、それはつまり感覚的にローカライズされた日本で
だから取っ付き易い代わりに純粋な東洋ファンタジーと感じ難いのかも?(たぶん違う)

まあ、やまなしさんの仰るように眉唾物なんでしょうけど
確かに日本はアメリカや中国のように世界の中心に自国を置けない
というかアメリカナイズされすぎて現代日本を舞台にした作品では
東洋を感じられない…みたいな問題はあるかもですね

| 9 | 2019/02/05 04:10 | URL |

>ああああさん

 えっとですね……

 元記事の「天外魔境や天誅なんてのもあるけど格下感は否めないよね。」を考えると、実在するイギリス人なのか釣りなのかは分かりませんが、具体的な作品名を挙げたところで「デモ、ソレドラクエヨリウレテナイデヤンスヨネー?」と言われておしまいだと思うんですよ。

 なので、僕はこういう「そもそもドラクエに出てんぞボケエ」というアプローチの記事にしたのです。


>9さん
 超サイヤ人は正直「白黒の漫画で、髪の毛の色を変えたら金髪になった」だけだと思うんですが(笑)。
 鳥山先生にアメリカ的なものの憧れがあるというのは、前作『Dr.スランプ』を読んでいるとそんな気がしますね。


>外国人目線の日本観、それはつまり感覚的にローカライズされた日本で

 あー、それはありそう。
 Twitterで「外国人はNARUTOを史実だと思っているのでは?」と言っている人がいましたが、それよりこっちの方がしっくりきますね。『ニンジャスレイヤー』みたいなものと一緒くたになっているというか。

 逆に考えると、本当にそう言ったイギリス人がいたのならローカライズの大成功ってことか。

| やまなしレイ(管理人) | 2019/02/07 00:02 | URL | ≫ EDIT















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