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「睡眠」をどうエンターテイメントにするのか、『ポケモンSleep』を予想する

 『ポケモンGO』で「歩く」をエンターテイメントにした後は、『ポケモンSleep』で「睡眠」をエンターテイメントにするぞ!ということで、2020年開始予定のスマートデバイス向けアプリ『ポケモンSleep』が発表されました。




 「睡眠」と「ゲーム」について、私には一過言ありますよ!
 ちょうど10年前の2009年に、任天堂は『睡眠記録 めざまし時計』というDSiウェアを200円で発売しています。寝る前にゲームをセットしてスリープモードにして、目覚ましが鳴ったら(鳴る前でも)ボタンを押して「眠った時間」を記録、それをグラフ化してくれるという実用ソフトでした。

 唯なら俺の隣で寝ているよ。『睡眠記録 めざまし時計』紹介

 当時のレビューを読むと、「平沢憂が起こしに来てくれたボイスを目覚まし音に設定すれば、俺の横に平沢唯が寝ている気分になれる」というどうかしているとしか思えないことを書いているのですが……『ポケモンSleep』が発表された現在、実はあながち馬鹿にできたもんでもないと思うんですね。理由は後述します。


 ということで、今日は「睡眠」と「ゲーム」についての話をして、『ポケモンSleep』がどういうゲームになるのか、果てはその先にある「睡眠ゲーム」の未来を予想していきたいと思います。



0.任天堂のQOL事業とは別のシステム
 と、その前に……
 熱心な任天堂ファンの中には、今回の『ポケモンSleep』の発表で「生きていたのかQOL!」と思った人もいらっしゃるかも知れません。

 QOLというのは、任天堂がWii Uでズッコケた際に「ゲーム機が失敗したときのためにゲーム機以外の事業もやっておかないとヤバイで」と立ち上げを発表した健康事業で、第1弾が「睡眠センサー」だったんですね。発売されたワケではなくて発表されただけでしたが。
 枕元に置いておくだけで、マイクロ波の非接触センサーが身体の動き、呼吸、心拍などを計測し、自動計測されたデータをインターネット上のQOLクラウドサーバーに送り、そのデータから睡眠状態と疲労状態を見える化する―――という装置でした。この発表が2014年の10月です。

 睡眠と疲労を見える化する任天堂の「QOLセンサー」ねとらぼさんより)


 しかし、その後任天堂は「キャラクターIP戦略」としてスマートデバイス向けアプリを展開するようになり、QOLの続報も出てこなくなり、2018年の6月には共同開発を行っていたパナソニックが離脱したという報道が出ていました。

 任天堂、パナソニックが離脱し「QOL」事業化が遠のくt011.orgさんより)


  そして、今回出てきた『ポケモンSleep』と計測デバイス「ポケモンGO PLUS+」の説明によると、枕元に置いた装置の加速度センサーを使って睡眠時間を測定するとのことで……QOLの時に語られていた「マイクロ波の非接触センサー」とは別物なんですね。むしろ、今回任天堂が「加速度センサーで睡眠時間を測定する装置を発売する」と発表したことで、「QOLのマイクロ波の非接触センサー」の開発が断念されたことが分かってしまったというか。

 そして、「枕元に加速度センサーを置いて睡眠時間を測定する」アプリというのは、いろんなメーカーから既にスマホ用にたくさん出ています。なので、恐らく計測デバイス「ポケモンGO PLUS+」を買わなくても、スマホを枕元に置けば『ポケモンSleep』は遊べるのでしょう。




1.睡眠の「時間」と「周期」をグラフ化する?
 “「枕元に加速度センサーを置いて睡眠時間を測定する」アプリというのは、いろんなメーカーから既にスマホ用にたくさん出ている”と書きましたが、だから『ポケモンSleep』がダメだって話ではありませんからね?『ポケモンGO』だって『Ingress』という既に出ていたゲームをベースにしていましたし、既にある技術にポケモンのキャラと世界観を融合させるだけでも絶対的な魅力になると思います。

 では、既にたくさん出ているというスマホ用の睡眠測定アプリはどういうものなのか――――


 基本的には、記事冒頭で紹介したDSiウェア『睡眠記録 めざまし時計』と似たようなもので、寝る前にアプリをセットしてスリープモードにして、目覚ましが鳴ったら(鳴る前でも)タップして「眠った時間」を記録、それをグラフ化してくれるという実用アプリです。枕元に置く「加速度センサー」タイプのものと、多少離れたところにも置ける「マイク」タイプのものがありますね。

 んで、それらのセンサーによって「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の周期を判定して、眠りの浅い「レム睡眠」のときに目覚まし音を鳴らすみたいなことも出来るのです。例えば「6時30分~7時30分の間に目覚ましをかけて」とセットしておけば、その1時間の中で目覚めやすい「眠りの浅いタイミング」を狙って起こしてくれるんですね。

 これを毎日続けてグラフ化していけば、「自分が気持ちよく起きられるのは何時間睡眠だ」とか「何時に寝ると目覚めやすいか」みたいなことが分かってくるのかなと思います。



 恐らく『ポケモンSleep』も「睡眠時間のグラフ化」と「レム睡眠・ノンレム睡眠の周期の判定」「レム睡眠のタイミングでの目覚まし」は出来るだろうと思います。でなかったら、加速度センサー付きのデバイスなんてわざわざ発売しないでしょうし。

 ポイントはそのデータをどうゲームに使うのか、だと思います。
 DSiウェアでもアプリでも睡眠記録を取っていた私の意見を言わせてもらうと、ただグラフにするだけだとすぐに飽きちゃうんですね。10年前から「ただグラフに残す」だけのソフトはあるのだからなおさらです。

 そのグラフによって、ポケモンが独自の成長をしていくとか、変わったアイテムが手に入るとか、ゲームに変化が出てくることで「睡眠」はエンターテイメントになっていくと思うんですね。
 例えば、「毎日規則正しい時間に眠って起きている人」だと穏やかな性格のポケモンになるけど、「毎日寝ている時間が大きく変動する不規則な生活の人」だと激しい性格のポケモンになる―――みたいな。




2.「ゲームを遊んでいない時間」にゲームが進む放置ゲー?
 さて、「睡眠計測アプリ」は既にたくさん出ていると先ほど書きました。
 ならば、『ポケモンSleep』より以前から、「睡眠」と「ゲーム」を合わせたアプリはないのかなと思ったら……これも既にあるんですね。

sleepquest.jpg
<画像はiOS版『SLEEP QUEST by ねむゲー』より引用>

 このゲームはまくら株式会社という寝具メーカーから出ているアプリで、「プレイヤー」と「勇者」の睡眠時間が連動することで「プレイヤーの睡眠時間によって勇者のHPが回復される」というゲームシステムになっています。

 iOS版はこちら。Android版はページが消えている……?

 この記事を書くために数日プレイしてみたのですが、アイディアはイイのだけどゲームとしては工夫が足りず「勿体ないなぁ」という印象です。そりゃ寝具メーカーから出ている無料アプリで、広告も課金要素もないのだから、そんなに作りこめなかったのでしょうが。

 寝る前にゲームをセットしてスリープモードにして、目覚ましが鳴ったら(鳴る前でも)ボタンを押して「眠った時間」を記録(グラフ化はしてくれませんし、レム睡眠・ノンレム睡眠の判定もなし)―――睡眠時間に応じて勇者のHPが回復して、たくさん寝ると褒められて、あんまり寝ていないと心配されるみたいですね。
 日中は勇者が冒険に出ているためまったくやることなく、夜にまた寝ようとすると勇者が帰っていて、「HPが回復したおかげでこんなに冒険が出来ました!」とレベルが上がったりアイテムを持ち帰って部屋に飾っていたりするそうです。レベルが上がってもプレイヤーに得があるのかさっぱり分からないのだけど、とりあえずアイテムコンプが目標のゲームみたいです。

 ゲームデザインとして「プレイヤーが寝る前に成果を教えてもらえる」ようになっているのだけど、個人的にはこういうゲームは「起きた時に成果が欲しい」って思います。『ポケモンSleep』のコンセプトが「朝起きることが楽しくなるゲーム」なように、「睡眠」って「寝る」よりも「起きる」方が苦痛なワケですから、「起きる」時に楽しみを与えて欲しいのですよ。

 その辺は、ゲームメーカーのアプリじゃないからなぁってところなんですが……



 それはさておき。
 『ポケモンSleep』も、『SLEEP QUEST』と同様にプレイヤーが「睡眠」している間にパラメータが増減する放置ゲーになると思われます。流石に「眠っている間に、夢の中で操作しろ!」みたいなことは言わんでしょう(笑)。

 放置ゲーは究極的に言えば「遊ばなくても良いゲーム」です。
 就寝時と起床時以外にゲームを起動する必要がないのなら、『ポケモンGO』や「ポケモン本編」を遊ぶ時間を奪わなくても済みますし、むしろ『ポケモンSleep』で育ったポケモンを「ポケモン本編」に連れていけるみたいな機能があれば「放置ゲーで育てたキャラを別のゲームで活躍させられる」という新しい可能性にもなると思うんですね。

 「睡眠計測アプリ」は既に山のように出ているレッドオーシャンですが、「睡眠」と「ゲーム」の橋渡しになるアプリというのは、既に強力なコンテンツを持っているポケモンにとってはむしろブルーオーシャンなのかなと思います。




3.「ポケモンと暮らす」コミュニケーション系ソフト?
 とは言え、『SLEEP QUEST』みたいに「昼間は何もやることがない」ゲームにはしてこないと私は思っています。

 『ポケモンGO』のヒットって、「遊んでいる人」が街中を歩いて可視化されたことによって「私もやってみたい」と思わせたのが大きいと思うんですね。それに比べると「眠っている時だけ起動する」『ポケモンSleep』では、みんなが遊んでいる姿を見ることが出来ません。「そんなアプリが出た」ことすら知られないまま消えかねません。

 なので、「人に見せびらかしたくなる要素」みたいのを入れてくると思うんです。持ち歩けるスマートフォン用のアプリですしね。そうすると、「眠る」時以外でもポケモンと遊べる―――ポケリフレ的な要素を拡充してくるんじゃないかと予想します。


 記事の冒頭で「目覚ましの音を平沢憂にすれば俺の隣に平沢唯が寝ている気分が味わえる」なんてことを書きましたが、『ポケモンSleep』が発表された際の映像では「眠っているプレイヤーの横でピカチュウが寄り添って眠り始める」というイメージ映像が流れていました。「ピカチュウなら俺の隣で寝ているよ」です。

 「ポケモンが隣に寄り添って眠るイメージ」ならば、例えば相棒に設定したポケモンが朝起こしてくれるみたいな機能は入れてくると思うんですね。小さな子供だったらポケモンのぬいぐるみと一緒に寝てたりもするでしょうから、そうしたポケモンが起こしてくれるというのはワクワクする話ですし、もっと言うと『ポケモンSleep』と連動したスピーカーや振動機能が内蔵されたぬいぐるみとかも発売されるかも知れません。


 「ポケモン本編」のように「ポケモンを鍛えて敵に勝つ」みたいなバトル路線というより、「ポケモンが生活の中に入り込む」コミュニケーション系のソフトになるんじゃないかと私は予想します。『nintendogs』みたいなカンジで。なので、「睡眠」以外にも色んなコミュニケーションが取れるんじゃないかと思うのです。



 この「お気に入りのキャラが一緒に寝てくれて、朝起こしてくれる」のって、ポケモンに限らず、美少女キャラだったりイケメンキャラだったりで絶対需要があると思うのですが……どこもまだあまり手を付けていないように思います。
 それこそ『ラブプラス』なんかは目覚まし機能があったそうなんですが、もっと生活に根付いたカンジで、「朝起こしてくれる」だけじゃなくて「一緒に夕食を食べてくれる」とか「ヒマな時に話し相手になってくれる」みたいになってくれると―――そのポジションって、Alexaなんですよね(笑)。

 Alexaのポジションにゆくゆくは美少女キャラだったりイケメンキャラだったりが入るのかも知れないのだけど……とりあえず現時点で「生活を共にしてくれる」ポジションとして、『ポケモンSleep』はその位置を狙っているのかなぁと思います。


  
 ということで、私『ポケモンSleep』以上に「ポケモンSleepの後追い作品」とか「それらの作品によって変わる世界」に興味があります。

 「キャラクターと一緒に寄り添って寝ることが出来る」から、「自分の生活をキャラクターが共に過ごしてくれる」になっていけば、それはもうAR(拡張現実)の世界だと思います。1年後、2年後にそうなるとは言いませんが、10年後、20年後には「立体映像で作られたピカチュウが自分の部屋で普通に生活している」なんてこともあると思うんですね。

 それがポケモンキャラに留まらず、美少女キャラだったりイケメンキャラだったりにも出来たのなら「○○は俺の嫁」みたいなことも夢じゃないし、「○○は俺の嫁」ってある意味ではAR(拡張現実)だったのかもと思わなくもない。



 それはそうと、こんな記事を書きながら私ポケモンに全然詳しくなくて、私がプレイしたことあるポケモンのゲームは『ポケモンスナップ』と『名探偵ピカチュウの1作目(途中で話が終わるヤツ)』だけなんですけど……添い寝にふさわしくないポケモンもたくさんいますよね?
 巨大なポケモンは体長が10m以上あるらしいですし、常に燃えているポケモンとか、毒をまき散らすポケモンとか、一緒に寝るのは無茶じゃなかろうか。いや、むしろ電気毛布とか空気清浄機とかと連動して「このポケモンと添い寝すると暑くて寝苦しい」とか「このポケモンと添い寝すると息苦しい」とかすると、AR(拡張現実)としては完璧なのか……?

| ゲーム雑記 | 17:50 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

あー…ラブプラスのスマホアプリって、いわゆるスマホゲーじゃなくてそういう実用アプリやコンシェルジュアプリの方に進むべきだったと思ってたんですよね…
DSや3DSではイマイチだったマイク精度や音声認識の問題も、通話機能が前提のスマホならマイクは高精度だし、音声認識は長足の進歩を遂げましたし。

ポケモンの場合は更にワールドワイドに市場が狙えますし、音声はピカピ〜カとか言わせておいて文字さえ多言語対応すればいいわけですから人間キャラより音声対応コストは低いわけですし。
ポケモンsleepか、Nianticが手掛ける方の睡眠対応かは分かりませんが、そういう統合生活支援アプリの方向への嚆矢となる動きが出てくるといいなと思います。

| shimole | 2019/06/09 20:46 | URL |

>shimoleさん

 『ラブプラスevery』そういう要素もあるのかなと思っていたんですが、割とガッツリ「カノジョを成長させよう!」みたいなゲームなんですね。成長、とは……


>音声はピカピ〜カとか言わせておいて文字さえ多言語対応すればいいわけですから人間キャラより音声対応コストは低いわけですし。

 言葉悪いけど、その通りですね(笑)
 ちょっとポケモンファンの人に怒られるかなと思って書かなかったんですけど、AI技術が足りなくて「思ったように言うことを聞いてくれない」とか「素っ頓狂な動きをしてくる」とか、人間キャラにやられると興ざめになるようなことも、ポケモンだったら「リアルな生き物っぽい」となると思うんですね。

 それ故に、現時点でポケモンがここを狙うのなら「上手いとこ狙ったなぁ」って感心します(まだどんなアプリになるのか分かりませんが・笑)

| やまなしレイ(管理人) | 2019/06/11 23:13 | URL | ≫ EDIT















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