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やまなしなひび-Diary SIDE-

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ハッピーエンドとバッドエンドを分けるもの

 このツイートを読んだとき、今まで気付かなかった色々なことが腑に落ちたのですが、ちょうどLINEノベルで長編小説を書いていた時期だったので……「ということは次の作品はバッドエンドなのか?」といらぬ邪推を生みかねないので、今日まで話題にするのを取っておいていました。


 連結されたツイートに具体的な作品を例にした話が書かれていますが、ネタバレとも言えなくもないので、こちらでは当たり障りのない例で説明します。

 例えば、「大河ドラマ」のような歴史上の人物を主人公にした作品って、身も蓋もないことを言えば「最終的にはコイツ死にます」なワケじゃないですか。どういう死に方をするかは人それぞれだけど、どんな偉大な人物であっても最後は死んでしまうワケで……
 なので、「歴史上の人物を主人公にした作品」であっても、その主人公が死ぬまでを描くのではなく、その主人公が一番輝いている時だったり、未来に向かって夢いっぱいな時だったりまでを描いて終わる作品も少なくないです。視聴者的には「コイツこの後に暗殺されるんだけどなぁ」と分かっていても、その前で物語を閉じることでハッピーエンドにする作品もあるんですね。

 それは完全フィクションの創作物でも一緒です。
 ルフィだってコナンだってルパン三世だっていつかは死ぬのだろうけど、別に彼らが死ぬまで描く必要はないですよね。スポーツ漫画とかだと「勝った試合」を最後の試合にして、「次の試合は負けました」を一行の説明で済ませたりするものもあります。年表を作っているワケではないのだから、わざわざ最後の瞬間まで同じように描く必要はないのです。

 つまり、「ハッピーエンドの物語」と「バッドエンドの物語」が最初から分かれているのではなく、同じ物語であっても、作者がどこをラストにするのかで「ハッピーエンド」と「バッドエンド」が分かれるのだろうと。



 この考え方に私がどうしてそこまで驚いたかって言うと、前回の記事で書いたように私は「結末」からストーリーを考えていくんですね。だから、「結末」の位置を変えることで「ハッピーエンド」か「バッドエンド」かが変わるというのは目から鱗でした。

 『カカない』は「ハッピーエンドではない」「どちらかと言うとバッドエンド寄り」とよく言われるのですが、恐らくそれ故に「続きを書いてほしい」って言ってもらえるんだと思います。「彼ら・彼女らがハッピーエンドになるまで見届けたい」というか。「菱川渚編」や「秋由汐乃編」で終わっていたら、多分そこまで言ってもらえなかったでしょう。書けるかどうかは私にも分かりませんが、そう言ってもらえることは光栄なことです。

 続編を書いたからと言って、ハッピーエンドになるかは保証できませんけどね!
 というか、私はアレをハッピーエンドだと思って書いていますからね!『カカない』だけじゃなく、『名探偵時間』の5作品もハッピーエンドだと思って書いていますからね!ハッピーエンドの定義が広いんです、私!



 あと、逆のケースも多々あって……
 「連載中の漫画」や「連載中の小説」がアニメ化とか映画化とかした場合、どうしたって原作のラストまで描かずに終わってしまうじゃないですか。私はそうした作品の「アニメの後」や「映画の後」の原作を読むのが割と好きなんですが、(ネタバレになるから具体的な作品名は挙げませんけど)アニメだと「ハッピーエンド」っぽく締めてたけど、その後の原作は思いっきり「バッドエンド」やないかい!って作品もそこそこあるんですよね……

 原作のその後を知らない人が「アニメ2期希望」とか無邪気に言っているのを見て、「いやいや、この後の壮絶な展開は見ない方が精神的にイイと思うよ……」と言いたくなったり。



 また別のケースだと、オリジナルアニメとかだとせっかく「ハッピーエンド」で終わっていたのに、人気が出たから続編やりますと続編が描かれたら、その後の主人公達がとにかく不幸な目に合ってて「こんなんだったら1作目で終わっていた方が良かったのでは……」と思っちゃったり。
 逆に、分割2クール作品で、1クール目のラストは「ハッピーエンド」で終わっていたものが2クール目のラストは「バッドエンド」で終わっていて、「どうして1クール目で終わらせておかなかったんだ」と言われたり(笑)。


 こうやって色んな事例を思い出して列挙していくと、ファンは大抵「ハッピーエンド」を望んでいるのに、作り手はついついエゴを発揮して「バッドエンド」にもしたがっちゃうという気がしてきて……あの、なんか、その、申し訳ない!

 『カカない』の続きが読みたかったら、みんな「いいね」をよろしくね!と媚びて終わっておこう。


 

| ひび雑記 | 17:50 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

いつも楽しく読ませていただいてます。

「ファンは大抵「ハッピーエンド」を望んでいるのに、作り手はついついエゴを発揮して「バッドエンド」にもしたがっちゃう」とありますが、作者はどういう心情から「バッドエンド」にしたがってしまうのでしょうか?

ハッピーエンドばかりじゃ飽きる
バッドエンドな作品も描きたい
みたいな心情でしょうか?

せっかくキャラに命を吹き込んだのに、虚しくならないのかな~と不思議に思います。

積み木を組み立てて崩すみたいな心情? そんなわけないですね(笑)

| ああああ | 2019/10/29 10:36 | URL |

>ああああさん

 あぁ!これは僕の返信欲をイイカンジに刺激する質問だ……書き始める前から長くなりそうな気がプンプンするので、覚悟してください(笑)


 まず1つ目のパターンは「作者の考えているハッピーエンド」と「読者の考えているハッピーエンド」がズレているというケースです。
 例えば、私が今まで描いてきた漫画や小説は基本的には全部ハッピーエンドだと思っています。主人公が死んだりしているものもありますが、それも全部ハッピーエンドだと思って描いています。でも、読者からは「ハッピーエンドではなかった」と言われることがしばしばです。


 私の大好きなロボットアニメ(ネタバレになるので作品名は伏せます)で最後は登場人物がほぼ全員死ぬ作品があって、世間的には「バッドエンド」とよく言われるのですが……
 私はその作品は「登場人物一人一人がそれぞれやりきった」末での結末だと思うので、「ハッピーエンド」じゃないかと思っているんですね。そこを突き詰めると「特攻」を賛美しているみたいになりかえないんですが、キャラクターがみんな満足して終われたんなら幸せなことじゃないかなぁって思って。


 つまり、「何をもってハッピーエンドと捉えるか」は人によってちがうというのが1つ目のパターンです。



 2つ目のパターンは、想像でしかないんですが……「作者にもストーリーの制御が効かない」パターンがあると思います。

http://yamanashirei.blog86.fc2.com/blog-entry-2646.html

 以前の記事に書いた「ストーリーの結末を考えないで描き始める人」なんかは、最初からバッドエンドと決めているワケでもないので……キャラクターが勝手に動いていって、作者自身でも「これはどうやっても助けてあげられない!」となってしまうのかなと思います。


 ストーリーを作らない人にはなかなか想像できないかと思いますが、漫画も小説もストーリーは作者が考えているんじゃなくて、キャラが勝手に動いて勝手に出来上がっていくものだったりします。
 結末を決めていないケースだと特に、作者も読者も望んでいないのに「バッドエンド」になってしまったりするのかなと。


 また、漫画や小説など一人で作っているストーリーだと「いやいや、作者が何とかすりゃええやん」って言いたくなるかもですが……アニメとかゲームなんかだと、複数人で会議しておおまかなストーリーを決めていくということもあります。

 その場合は、更に制御が効かなくなってしまうのかなと思われます。この辺は想像でしかありませんが。

| やまなしレイ(管理人) | 2019/10/30 00:42 | URL | ≫ EDIT

上記質問をしたものですが、ありがとうございました。

例示した作品、おそらく見当つきますが、バッドエンドと描いてない可能性や受け取り側で違うという意見、なるほどですね!

ふと、まるで打ちきり作品のような結末の作品を昔に見たことを思い出しました。

作品名は書きませんが、何かのレースで、例えば主人公が病気を持っていて、このままゴールをしたら主人公が死んでしまう可能性がある状態で、主人公は最高の笑顔、みんなも笑顔、ヒロインだけが悲痛な面持ちで主人公の名前を叫び、ゴールの直前が物語の幕。

レース結果も、その後主人公がどうなったかも、全く読者に委ねた結末でした。

不思議な魅力のある作品ではありましたが、「ここで(終わり)!?」とビックリしたものです。

でも今考えれば、読者自身の解釈でハッピーエンドにすれば良いことだし、それ以前にそこに至るまでの過程を考えれば、読者としてはどちらのエンドなのかは、作者が描かなくても明白なわけですね。

いろいろ納得できました。
ありがとうございました。
これからもブログ、漫画・小説楽しみにしています。

| ああああ | 2019/11/01 09:48 | URL |















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