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ゲームらしい『脳トレ』は存在しないのか?

 先日から、長らく放置していた『常識力DS』を再開しました。
 最初の数日はポンポンと「覚えた常識」が増えていったのですが、昨日は「今日覚えた常識は2です」と言われてテンションが大分下がりました(笑)。
 これは別に“Touch!Generations”に限った話じゃなくて、ゲームって「進んでいる」か「上達している」かを感じさせてくれないと飽きちゃうんですよね。


 ということで、今日は『脳トレ』の話。
 僕自身は脳年齢が20歳になってからは目標がなくなってモチベーションが下がってしまい、毎日続けていたトレーニングも1日サボったことでそれからは続けていないんですが……まぁ、それでも4~5ヶ月間もトレーニングしていたので楽しかったですよ。
 4~5ヶ月で飽きたとは言え―――ゲーム内容以前に、“ゲームを毎日続ける意味”を提供したソフトとして(『nintedogs』と共に)『脳トレ』は十分に評価されて良いソフトだったと思っていますよ。それこそゲームに「文字を読ませる」ことを導入した『ポートピア』とか、「敵の出現に意味がある」『ゼビウス』とかと同じような意味で。
 その上で、敢えて今日は『脳トレ』のゲーム性について話を絞って、5~10年後の『脳トレ』を考えていきたいと思います。


 「ゲームらしいゲーム」「やりこみ要素の高いゲーム」「従来型のゲーム」「ゲーマーに向けたゲーム」「若い人向けのゲーム」……思い出せる限り、“Touch!Generations”の反対側にあるソフトを指す言葉を並べてみました。幾つかは任天堂の岩田社長が自ら使った言葉だったりもしますね。

 オイオイ、『脳トレ』って「ゲームらしくない」のか。
 そもそもその定義からしてよく分かりませんね。僕なんかは『脳トレ』や『Wii Sports』は目標がある分、非常に「ゲームらしい」と思っていたのですが……「貧乳って萌えるよね」「いやいや、貧乳なんかつまらん」と小一時間激論をかわした挙句、互いの貧乳の定義が間違っていたみたいなこともあります。ここでは岩田社長に従って(?)、『脳トレ』は「ゲームらしくない」と一旦納得することにします。

 『脳トレ』はやりこみ要素がない?
 計算20のタイムアタックに燃えた自分からすると、どうにもしっくり来ません。

 『脳トレ』はゲーマー向けではない?
 まぁ実際に僕は『トワプリ』積んだし、『蒼炎の軌跡』はなかなか進まないし、『応援団』はノーマルモードで挫折したほどのへっぽこですよ。でも、岩田社長も以前に「私の心は今でもゲーマーです」ってアメリカで講演してたじゃないですか。『脳トレ』を楽しんでいるゲーマーだっていると思います。


 どこかで誰かが書いていた文で、「10年経っても『脳トレ』を遊んでいる人がいるとは思えない」というのがありました。あー、今までの中では一番分かる気がします。終わらないブームはありませんからね。
 でも、ちょっと待てよと。
 確かにウチのサイトを見て下さっている人の中には、今でも『ドラクエ3』を楽しんでいる人や、今でも初代『ポケモン』を遊んでいる人もいるし、今でも『FF6』に熱い人もいます。僕も20年前の『新・鬼ヶ島』に心躍らせています。
 でも、一般的に言えば10年も遊べるゲームなんてそうそうないんですよ。

 『ドラクエ』だって、『ドラクエ2』があって、『ドラクエ3』があるワケです。
 『ストII』だって、『ストIIダッシュ』があって、『ストIIダッシュターボ』があったワケです(ちなみにスーファミに移植されたのは『ストIIターボ』ね)。
 『ドラクエ』に対してスクウェアが『FF』を作ったり、『ストII』に対してセガが『バーチャファイター』を作ってジャンルを広げていったワケですよ。

 「10年後に『脳トレ』を遊んでいる人はいないだろう」という発言って、『脳トレ』や『もっと脳トレ』を批判しているようで、『脳トレ』や『もっと脳トレ』を超えるソフトを作れないゲーム業界全体への批判じゃないかということです。

 それで良いのか。「あんなものはゲームじゃない」と遠吠えるだけで、ドル箱がただ沈むのを眺めていて良いのか。ドル箱という表現がマズイなら、需要でもイイ。ユーザーが求めているものではあるはずです。
 ということで、ゲームを作ったことなんてない素人の僕だけど。「ゲームらしくて」「やりこみ要素が満載で」「ゲーマー向け」なポスト『脳トレ』を考えて、10年後も脳トレというジャンルが生き残っていく様を考えていきたいと思います。

1.『脳トレ』はステージクリア型のスコアアタックゲーム
 まず基本的なことですが、『脳トレ』を他のゲームと比較するなら似たタイプのソフトと比較しなくてはなりません。
 ストーリー主導型RPGの『FF』シリーズと比較して、「『FF』は感動するけど『脳トレ』は感動しない!」なんて言っても意味がないですもの。セロテープと修正液のどちらが優れているかなんて考える人がいるでしょうか?セロテープと比較すべきはガムテープとか糊とかで、修正液と比較するのは修正テープとかでしょう。

 ……で、僕が思う『脳トレ』に似たゲーム。それは現在続編がヒット中の『闘え!応援団』です。

 一応ゲーム説明。
 このゲームは町中にいる“困っている人”がステージになり、その人を応援する歌に合わせてリズムを取るゲームです。「リズムを取る」の部分は説明が難しいのでTouch-DSのページでも見て下さいな。
 気力ゲージが0にならずに歌の最後まで行けばステージクリアで新しいステージが登場し、全てのステージをクリアすると新しい難易度が登場…という流れですが。ステージクリアだけではなく、如何にミスなく完璧に応援できたかのスコアが記録されます。これらのハイスコアの合計によって応援団の格付けというものも決まるので、「ステージをクリアしてステージを増やす」ことと「ハイスコアを上げて格付けも上げる」の二つの目的があるんですね。

 『脳トレ』も似たようなものです。
 毎日トレーニングを続けてハンコを押すことによってトレーニングを増やし、各トレーニングのハイスコアを目指すのですからね。格付けと脳年齢はほとんど同じようなものです。違うのは、「ハンコを押しているだけで新しいトレーニングが出てくる」ところですが…これは後ほど。

 なので、『脳トレ』はむしろ「やり込み型のゲーム」に近いんじゃないかと思っています。『応援団』もそうですし、タイムアタックで1秒を競うレースゲームなんかもそうですね。『脳トレ』と『グランツーリスモ』は同じタイプのゲームなんて言ったら、オマエハアホカ!とツッコまれそうなので大きな声では言えませんが。
 それほどスコアが重視されていませんが、「完璧な勝ちを求める」という意味では『ストII』なんかも近いですね。『ストII』が8人のキャラを選べるのに、『脳トレ』が常に「自分」というキャラしか使えないのが物足りない理由かも知れませんが……


 ならば、この点においては「ステージ数を増やす」というのが単純な対策です。
 『脳トレ』のトレーニングは9種類(+難易度選択)です。『応援団』の1作目は15ステージ×4難易度=60ステージとも言えます。『ストII』は8人のプレイヤーキャラ×12人の敵キャラ=96通りの組み合わせですね。そう考えると、『脳トレ』のトレーニングも60~96種類くらい欲しいですね。

 毎日96コもトレーニングしていたら物凄く疲れそうですが…疲れるということは「やり応えがある」ということですから、ゲーマーは文句を言わないはず!(笑)


2.『脳トレ』には竜王もいなければ、ドムドーラの街もない
 僕がゲームを好きなのは「たかがゲーム」だと思っているからです。
 「たかがゲーム」に熱くなったり、「たかがゲーム」に感動したり、「だかがゲーム」にDVDのハイビジョン出力をやられてビビったり、「たかがゲーム」に生活を彩られたりするのが好きなんです。

 では、何故「たかがゲーム」に熱くなれるのか。
 人によって様々な理由があるとは思いますが、一番分かりやすいのは「竜王が人間を苦しめているから」だと思います。『応援団』の場合は「困っている人がいるから」。『ストII』の場合は「俺より強いヤツと闘いたいから」。一つ一つのゲームに、一応の目的があるんですよね。
 『ウイニングイレブン』を「試合に勝つため」ではなく、「俺サッカーボールが好きだからボールが転がっているのを見ているだけで楽しいんだよ」という理由でプレイしている人はいないと思います。

 ゲームによって目的は様々。「下らねぇ…」という目的を敢えて与えているゲームもあれば、RPGなんかでは序盤はお使い程度の目的がその内に世界を救う目的に変わっていたりするのが熱いワケです。

 目的を強く印象付けることはプレイヤーを熱くすることにも繋がるので、演出の腕の見せ所です。
 やはりゲーム史に残る演出は『ドラクエ1』のドムドーラの街ですかね。「竜王は悪いヤツ」「竜王にみんな苦しめられている」と言葉にするだけではなかなか伝わらないものを、実際に滅ぼされている街を一つ見せ付けるだけで「竜王ってのはこんな酷いことをするヤツなのか!」と思わせられる。
 もちろん勧善懲悪のRPGだけが全てではないんですけど、こうして「目的」を植えつけることでプレイヤーを燃え滾らせてきたからこそ。「勧善懲悪ってどうなの?」というゲームも生まれてきたんですよね。オウガシリーズとか、『夢をみる島』とか。


 で―――翻って『脳トレ』。
 このゲームを「問題を解くことによって川島教授の笑顔を見るゲーム」と捉えている人は、もう立派にゲーマーとして『脳トレ』を楽しんでいる人だから考えないことにします。ほとんどの人は「自分の脳を鍛える」ために『脳トレ』をしているんでしょう。
 「竜王を倒すため」「困っている人を応援したい」「強いヤツと闘いたい」という理由に比べると世俗的で、凄く“自分のため”感が強いです。もっと踏み込んで言うと、目的がゲームの中ではなくゲームの外にある。

 この“ゲームの外にある目的”は、「最近脳が弱ってきたなぁ」なんて漠然と考えていた人には強くアピールしたワケです。物覚えの衰えやお釣りが計算できなかったりなんて事を体験していた人にとっては、竜王に滅ぼされたドムドーラ以上の恐怖だったのですね。“Touch!Generations”の利点はココにあります。

 逆に「脳を鍛えたいとは考えたことがない人」、特にバリバリ脳を使いまくっている10代・20代の人からすると―――『脳トレ』は竜王もドムドーラの街もない、「目的のないゲーム」になってしまったのでしょう。
 どちらかと言うと、僕が『セカンドライフ』とかMMOのゲームを「何していいか考えるのが面倒そう」と思うのと同じようなものかも知れませんね。


 ストーリーがないとか、やり込み要素がないとかよりも、「目的がないから燃えない」という言葉の方が『脳トレ』批判にはしっくり来ます。『レイトン教授』の鋭かったところは、ストーリーを入れたということよりも「頭の体操」をゲームの目的に上手く組み込んだところじゃないかと思うのですよ。

 つまり、これを逆手にとって『脳トレ』にゲーム内目的を入れてあげれば「ゲーマー向け脳トレ」になるのではないでしょうか。
 『もえたん』みたいなカンジで美少女が必死に脳を鍛えさせてくれるから、彼女を喜ばせるために問題を解いていくとか。「喜ばせる」のがイマイチ燃えないなら、「脱がす」でも良いし、「育てる」でも良いですよ。美少女戦士の脳を鍛えて魔王と戦わすゲームでも良いですよ。

 あー、逆に「問題を解いていくゲーム」じゃなくて「問題を出していくゲーム」なら面白そうですね。幼女に問題を出して、知的な少女に育てていくゲーム。毎日96コものトレーニングを強いると、凄く頭は良くなるんだけど性格は悪くなるとか(笑)。


3.ハードルが低すぎて、伸びシロが感じられない
 熱狂的にハマりやすいゲームによく言われることに「初めはこんなゲームどうやってクリアするのかと思ったけど、努力すればどうにかなるんだよ」というものがあります。
 何度か話題に出てきた『応援団』なんかはまさにそんなゲームですよね。思考型のゲームでも『不思議のダンジョン』シリーズはこう評されることが多いです。キャラカスタマイズをテキトーにしてしまう僕にとっては、『FF』や『ドラクエ』も「こんなボスどうやって倒すんだ!」というボスキャラを何とか倒して今日まで来ました。小さい頃の僕は『スーパーマリオ』の1-2がどうしてもクリア出来ませんでした。

 ゲームって「ハードル」があって、それを乗り越えようとして「上達する」メディアなんですよね。本やテレビといった“完全受動型”のメディアと違うのは、この点です。

 さて、ここで『脳トレ』の話。
 『脳トレ』は「ハンコを押すことでトレーニングを増やす」と「トレーニングのハイスコアを目指す」の二つの目的があることは、既に書きました。
 ここで「あれ?他のゲームと違うな…」と感じるのは、ハンコを押すだけでトレーニングが増えること。トレーニングの結果に関係なくトレーニングが増える……コレって『スーパーマリオ』の1-2をクリア出来なくても1-3に進めるようになるってことなんですよ。

 加えて、ハイスコアを更新しても川島教授が「凄いですね」と誉めてくれるだけ。いやまぁ川島教授が愛らしくてたまらないと思っている人は嬉しいんでしょうが、何だこのメガネのオッサンはと思っているような人にとっては“ご褒美”がないんです。

 “ハードル”がないから上手くなろうという気が起きない。
 “ご褒美”が出ないから上手くなろうとは思えない。

 もちろんゲーム会社である任天堂がコレを考えていなかったワケではなく、「ゲーマー以外にも遊んでもらうため」に意図して削っているんでしょう。従来のゲームで言えば「計算20で15秒を切れば新しいトレーニングが出てくる」と考えるのが普通ですが、15秒を切れない人にも遊んでもらうために「ハンコを押すだけでトレーニングが増える」ようにしたんですね。


 今考えているのは「ゲーマー向けの『脳トレ』」ですから、むしろ“ハードル”と“ご褒美”は豊富に入れましょう。
 「計算20で15秒を切れば新しいトレーニングが出る」だけでは芸がないので、「計算20を20秒ピッタリにクリアする」とかの御題も入れましょう。もはや脳を鍛える目的など二の次です。

 “ハードル”は御題で良いけど、“ご褒美”はゲームの目的次第ですね。幼女を知的少女に育てるゲームなら幼女用の衣装が手に入るとかでも良いかな。もちろんスクール水着などの特殊衣装はリアルマネーで購入しないと手に入らないようにしておけば、アイテム課金でも儲けられるので一石二鳥!!


【ゲーマー向け『脳トレ』を作る際のポイント】
 1.トレーニングの種類を増やす
 2.ゲーム内に「目的」を入れてプレイヤーを燃えさせる
 3.適度に“ハードル”と“ご褒美”を入れる

 これだけ作りこむと2900円の定価だと採算が取れないので、定価4800円が妥当かな。それならみんな本家『脳トレ』を買っちゃうか(笑)。


 まぁ……ホントにマジメな話をするとですね。「脳を鍛える」需要は確かに10年後は消えている可能性は高いと思いますよ。「『脳トレ』の新作だよ!」と言われても、今更『脳トレ』かよと思われる日は来るでしょう。だって『脳トレ』が本当に脳を鍛えてくれるならば、需要はどんどん減っていくワケですしね。

 これだけ長々と「ゲーマー向け『脳トレ』」を考えといてナンですけど、『脳トレ』ってジャンルの開拓者じゃなくて到達点って気がします。もうコレ以上進化しても面白くないだろうって言うか。後は変化しかないと言うか。

 コレは『お料理ナビ』の後発がこぞって低調だったことにも通じるかも。
 でも、任天堂が『Wii Sports』のように「絶妙に物足りないゲーム」を出しても、それはそれで「物足りない!」と文句を言う人はいるんですよね。つまり、アレか……「作り手は文句を言われても気にするな」ということか。

 何だ、この結論。

| ゲーム雑記 | 20:19 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

まぁゲームらしいゲームを定義するのはあれですが、
げーむはゲームでしょうが、第一の目的が脳を鍛えるということが違うと思われます。
脳を鍛えるためにゲームを利用するといった感じ。
ということで従来型のゲームの遊びとは違うような気もします。

| てん | 2007/06/23 23:16 | URL | ≫ EDIT

>てんさん

 仰る通りだと思いますし、全体的に僕も同意なんですが……

 敢えてイジワルな考え方をするなら、それは別に従来型のゲームでもそう遊んでいる人はいたと思うんですよ。
 「好きな漫画のキャラが出てるゲームを買う」とか、「好きな声優さんの声を聴きたいからゲームを買う」人だっていますし、「サッカーに詳しくなりたいからウイイレを買う」とか「車に詳しくなりたいからグランツーリスモを買う」人だっていますしね。それらはゲーム性とは別な目的にゲームを使っているだけです。
 逆に、「計算20面白ぇええ!!」と純粋にゲームとして楽しみたくて『脳トレ』を買う人もいるでしょう。岩田社長が仰っている「お盆と正月に親戚が集まるのを狙って『脳トレ』を出した」って、「触れてみたら意外に面白いじゃん」「ついでに脳が鍛えられるなら良いかな」というスタートだったからだと思うんですよ(マスコミが取り上げてからはまた違う話ですけど…)

 結局「遊び方」や「受け取り方」は人それぞれで、むしろ違うのは「パッケージの謳い文句」とか「売り方」なのかなぁと今は考えています。
 ただ…マーケティング主導のモノ作りというのは個人的には好きではないんで、そういう意味での『脳トレ』批判は分からなくはないんですけどね。

| やまなし | 2007/06/24 17:56 | URL | ≫ EDIT















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