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『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』紹介

ファミリーコンピュータ ディスクシステム用/アドベンチャー
任天堂/開発: パックス・ソフトニカ
1987.9.4発売(前編)/1987.9.30(後編)
Wiiバーチャルコンソール用
2007.6.19配信開始/600ポイント
公式サイト

 ※ このレビューはWiiバーチャルコンソールにてリメイクされたものをプレイして書かれたものなので、ゲームボーイアドバンス版やオリジナルのディスク版とは内容が異なっている可能性があります。

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↑ GBAリメイク版です
 ディスクシステムと言えば、僕ら世代にとっては「懐かしの商品は今どうしてる?」のように任天堂の珍しい失敗作として頻繁に取り上げられていました(後にバーチャルボーイが出てからはあんまり言われなくなったけど)。
 そりゃ確かにファミコン・スーファミ・ゲームボーイと「任天堂商品にハズレなし」だった時代からすると、十分に普及せずに(前時代機であったはずの)ファミコンソフトの方が「大容量」「バックアップ可能」に対応してしまったために消えてしまったのだから、そう言われても仕方なかったのですが……一応国内だけで400万台出荷しているんですよね(ちなみにN64が国内550万台なのだから、ディスクシステムも周辺機器としては恐ろしい数値ですよね)。

 堀井雄二の超出世作『ポートピア連続殺人事件』のファミコン版が85年11月の発売(PC版は83年)、『ドラゴンクエスト』は86年の5月―――文字を読ませるゲームを定着させた伝説の二つのソフトと前後してディスクシステムの登場が86年の2月だったのだから、「大容量」「バックアップ可能」な新メディアを登場させることは時代の必然だったんだろうと今なら思いますね。(ちなみに『ポートピア』には記録手段がなく『ドラクエ』はパスワード制だったのだから、セーブ機能付きのディスクシステムは夢のような機械だったんじゃないかと思います)


 僕はディスクシステムにギリギリぶつからないような世代なので、こうした知識は後から聞いたものなんですけどね。それでもディスクシステムにおける「ディスクではこんなことができるんだ!」というソフトとして、ハードと同時発売だった『ゼルダの伝説』と、後期のアドベンチャー作品群は非常に羨ましかった記憶があります。この『新・鬼ヶ島』もその一本。20年越しに、ようやくプレイする夢が適いましたよ。

↓ 以下、感想はクリックで。



 ○ パロディ?オマージュ?寄せ集め?……いやいや、アレンジと呼ぶべきか
 『新・鬼ヶ島』というタイトルから桃太郎関係のゲームかと思う人も多いでしょうが、実際には数多くの“昔話”をまとめて一つの物語にしてしまったようなお話です。おじいさんは山へ芝刈りに出かけて竹の中から女のコの赤ん坊を拾ってきて、おばあさんは川へ洗濯に出かける途中に傘のない地蔵に傘をあげる―――ってなカンジに、色んな“昔話”がよくアレンジされて混ざっているのです。

 登場する“昔話”は『桃太郎』『金太郎』『浦島太郎』『かぐや姫』と言ったメジャーなものから、「あれ?コレって何が元ネタなんだっけ?」と思うようなものまであります。基本的には“日本人なら誰もが知っている”というスタンスなんでしょうが、一つ一つを知らなかったとしても別に問題はないかなと思います。


 それよりも“昔話”の世界観が落ち着くんですよね。
 そして、そこで描かれるのが少年少女の成長物語なんだから、こりゃ熱いぞと。平坦ではない苦労の連続のような旅だった分、エンディングではホロリと来てしまいました。こういう人情モノは、年取ってからの方が心にダイレクトに届くのです。
 シリアスな一面だけじゃなく、ところどころに見える“遊び心”が非常に任天堂らしくもあります。僕はあまり任天堂の“文章を読ませる”ソフトはやってきていないんですが、プレイしていて「『どうぶつの森』に通じているなー」と感じました。もちろん作っている人は全然違うんでしょうが、可愛い中にもサラッと毒が入っているとことが同じ匂いを感じます。後半、「ちくしょう!やられた!」と思った人も多いでしょうね(笑)

 あと、忘れてはいけないのが近藤浩治氏による音楽!
 マリオシリーズ、ゼルダシリーズの音楽を手がけてきた人だけあって、自然に耳に入るのに心が落ち着く音楽が多いです。


 よく言われていることですが……日本のアドベンチャーゲームの先駆けは間違いなく『ポートピア連続殺人事件』です。なので、『ドラクエ』後のRPGが中世の世界観からなかなか抜け出せなかったのと同じように、当時のアドベンチャーゲームは推理モノが多かったそうで。
 そこから逆転の発想で、「誰もが馴染める世界観」で「それでもアドベンチャーゲームとしての魅力を出した」『新・鬼ヶ島』の方向というのは見事だなぁと思います。縦書きの文章も、よくよく考えてみたら随分と異質ですものね。未だに熱狂的なファンが多いのも頷けます。
 ○ 死にまくるけど、初心者でも楽しめる難易度……だと思う
 プレイ時間はノーヒントで10時間前後かな。攻略サイトとか見ながらなら、3時間もあればクリア出来てしまうと思います。
 色んなところで評判を見ると「難易度は高め」と書かれていますが、個人的にはアドベンチャーゲーム初心者でも十分に楽しめるんじゃないかと思いました。何故なら僕がアドベンチャーゲーム初心者だから(笑)。

 アイテム取り逃しがあると確実に詰まるし、死亡フラグがそこら中に張られているんですが……死亡フラグは「やってはいけない」と分かるようなことなので、理不尽に死にまくるファミコンのアドベンチャー(ミシシッピとか)に比べれば親切だと思います。
 セーブする度にタイトル画面に戻るのは面倒かも知れませんが、小まめにセーブすれば致命傷になりませんし。挽回不能なところでセーブしても、章の始めからやり直すことができますし。

 何箇所か「コレは気付かないよー」というところがありましたが、なるべくなら自力で考えて攻略した方が楽しいかなと思います。攻略サイトも「ここだけ分からないから使おう!」ならばともかく、1回使っちゃうと詰まるたびに頼っちゃって、結局攻略サイト見ながらクリアしたよ……みたいなケースも多くて。アクションゲームとかならともかく、選択肢を選ぶアドベンチャーゲームだと“自分で解いた感”がなくなっちゃうんですよ。


 アドベンチャーゲームというジャンル自体がプレイヤーを選ぶと思いますし、ファミコン(ディスク)時代のグラフィックやテキストが今の若い人に合うとは思いません。それでも、年を取るごとに忘れていってしまった懐かしい世界の中で、確かに冒険する喜びがこの作品にはあると思うのです。
 アドベンチャーゲームに興味があって、ファミコン時代のゲームが好きで、この作品を未プレイだって人ならば是非オススメです。超ピンポイントだけど、そんな人がいらしたら是非プレイしてみて下さいな。バーチャルコンソールなら600円、GBA版でも1000円前後くらいで買えたりしますからね……
 ○ エンディングまで遊んだ上での総評
 とまぁ……個人的には凄く楽しみました。
 最終的な脚本の詰め方としては、ちょっと惜しかったかなぁ。○○○はともかく○○○○○や○○○○がエンディングでチラッと映っただけというのは、序盤からの伏線を考えると勿体なかった……容量の問題もあるんだろうけど、しっかりと見せ場があれば100点満点だったのに。惜しい。
 エンディングでの「女の子」の台詞は良かったです。「あー、やっぱそうなんだ」と思う反面、だからこそ寂しい気持ちにもなりました。こう思わせてくれるというのは、如何に自分が感情移入できたかってことですよね。


 前編がああだった分、後編のスタッフロールには驚きました。
 今では「映画のようなゲーム」の対極にあるようなイメージの任天堂ですが、20年前のこの作品でやろうとしていたことはまさしく「映画のようなゲーム」だったのかも知れませんね。こういうソフトが、今また新作として発売しても面白いんじゃないかと思いましたよ。

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