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変わらない価値のあるもの

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夏の終わりに一夏の冒険を。『ファミコン文庫 はじまりの森』紹介

スーパーファミコン用/アドベンチャー
任天堂/開発:パックス・ソフトニカ
(ニンテンドウパワー書き換え専用)1999.7.1発売
公式サイト

Wiiバーチャルコンソール用
2007.7.17配信開始/800ポイント
公式サイト

 ※ このレビューはWiiバーチャルコンソールにてリメイクされたものをプレイして書かれたものなので、オリジナルのスーパーファミコン版とは内容が異なっている可能性があります。

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 そこそこゲームニュースにアンテナを張っていて、スーファミ時代に愛着が強かった僕ですら、「ニンテンドウパワー」は当時「そんなサービスが始まるらしいよ」くらいの知識しかありませんでした。
 wikipediaで調べてみたら、ニンテンドウパワーのサービスが始まったのは97年。中古ゲーム対策という目的が大きかったのだと思いますが、価格面だったり、当時は既にプレステに対して任天堂陣営が敗戦濃厚だったり、面倒な手続きをしてまで旧世代のスーファミソフトを遊びたいかという問題もあったりで……商業的には成功したとは言えず、当時の僕も手を出しませんでした。

 しかしまぁ……ディスクシステムの頃から続く、パッケージソフト以外のソフト展開というチャレンジはココに受け継がれていて。それはまさに現在のWiiの「バーチャルコンソール」及び「Wii Ware」の思想に繋がっているとも言えます。
 そうしたニンテンドウパワーの隠れた名作が、Wiiの「バーチャルコンソール」で甦るというのは感慨深いものがありますね。バーチャルコンソールでならば当時のニンテンドウパワーと違い、3980円するメモリカセットも必要なければ、ローソンまで行って愛想のない店員に嫌な顔をされながら書き換えてもらう必要もありません。全く持って素晴らしい時代になりましたね。


↓ 以下、感想はクリックで。




 ○ 雰囲気はまさに『新・鬼ヶ島』の続編
 エンディングでスタッフロール見てビックリしたんですけど、開発元が『新・鬼ヶ島』のパックス・ソフトニカだったんですね。それ以外は何を作った会社か知りませんけど……なるほど、随所に見られる『新・鬼ヶ島』らしさはそういうことかと納得しました。
 ゲームシステム自体はさほど珍しいものではないんですが―――『新・鬼ヶ島』の“昔話の世界観”と、『はじまりの森』の“夏休みに遊びに行った田舎の村”は同じように誰もが持っている原体験という気がします。実際には、田舎のない人だっているんですけどね。

 言われてみれば……書き換えシステムのあったディスクシステムで“昔話を読む”『新・鬼ヶ島』と、書き換え専用のニンテンドウパワーで“文庫を読む”『はじまりの森』が似ているのも当然か。どちらも何度も遊び倒したいというゲームではなく、1回遊んで「あー、面白かった」と次のゲームに書き換えるようなソフトでした(Wiiのバーチャルコンソールでは、書き換える必要もありませんが)。
 クリア時間は6時間弱。バーチャルコンソールの800円ならば、1冊の本を読んだのと似たような時間と価格じゃないですかね。


 もちろん『新・鬼ヶ島』から10年以上経過したソフトなので、ありとあらゆる面でグレードアップしています。
 まずは演出面。スーファミならではのドット絵が、コマンドによってチョコチョコ動いてくれるのが可愛いです。「見る」→「まわり」と選択すると、ちゃんと主人公がきょろきょろ周りを見渡すんですよ。リアルなCGも良いけれど、こういうドット絵のゲームも味があって良いなぁと思いました。

 あとは、インターフェイスも含めた難易度面も。文章の表示などがスムーズなのはもちろん、状況によって選択肢が変化するというのが「優しいゲームだなぁ」と思いました。『新・鬼ヶ島』はコマンドが多かったので、手当たり次第で選んでいくと凄い時間がかかったんですよ。一方の『はじまりの森』は選択肢は場面ごとに限られているので、次にすべき行動が分かりやすい。文字も大きいし。そういう意味で、『はじまりの森』はアドベンチャーゲーム初心者でも楽しめるゲームだなと感心しました。
 バーチャルコンソールの場合は「どこでも中断」出来ますからさほど恩恵はないですが、小まめにセーブポイントが出てくるのもありがたいですね。『新・鬼ヶ島』のように、セーブするごとにタイトル画面に戻されることもありませんし。


 『新・鬼ヶ島』が悪いゲームだと言うワケではなく、苦労するだけの価値があったソフトだと思いますが……他人に薦めるとしたら、イライラする要素の少ない『はじまりの森』になるかなぁということです。キャラが死んだりしませんしね。死亡フラグがないので、手当たり次第コマンドを選んでもクリアできますし―――良い意味で緊張感なく、気楽にプレイできました。



 ○ ミニゲームは諸刃の刃?
 死亡フラグのないアドベンチャーゲームということで、「単調にコマンドを選んでいくだけのゲームか…」と思われそうですが。ところどころにあるミニゲームが、ストーリーのアクセントになっています。何ていうか……とってつけたミニゲームではなく、ちゃんとストーリー上必要なミニゲームだったという印象ですね。「魚を釣らなければならない!」「メンコに勝たなければならない!」と、プレイヤーにも気合を入れさせるというか。主人公と一緒に物語を進めているという一体感がありました。

 ただ……ゲームに慣れている人にとっては「良いアクセントになった」と思えるようなことも、ゲームに慣れていない人には難しいだろうなぁと思う要素にもなっていったのが残念でした。いやもちろん当時は“ゲーム人口の拡大”なんて概念はなかったのですから仕方ないことなんですけど……途中までは「これは母親でも楽しめるゲームかもなぁ」と思っていただけに、終盤のミニゲームの難易度には唸ってしまいました。
 僕がリズム感なさ過ぎるとは言え、一箇所で20回くらいやり直したミニゲームがありますもの……あそこは流石にプレイ中ウンザリしました。『マリオパーティ』みたいに「これからミニゲームに入りますんで操作説明しますよー」とかもなくて、突然ミニゲームが始まるというのも……ムードをぶち壊さない分、僕はゲームの世界に浸れたのですが。ゲームに慣れていない人にはキツイだろうなーと思ったのです。


 というワケで、「アドベンチャーゲームには慣れていなくても構わない」けど「ゲームには慣れている」人にオススメのゲームってところですかね。



 ○ 総評
 とまぁ……色々言ってきましたけど、アドベンチャーゲームは世界観とストーリーが気に入るかどうかだと思います。
 このゲームは、主人公である男のコが田舎町に遊びに来るという話なので……そういう“懐かしさ”を味わいたい人には是非オススメ。近所のオジサンに声をかけられたり、こちらから大人に話しかける際には必ず「ごあいさつ」から始まったり、田舎町だからこその遊びが沢山あったり。

 そうした“懐かしさ”の中から、大人になって忘れてしまった様々なことを思い出させてくれる―――そんなお話でした。
 ちょっと気になる女のコに会いたくなる気持ち、何かに夢中になること、年寄りの話を延々と聞かされたり(笑)、村を走り回って冒険するワクワク、宝物を大切にする心―――大冒険はしたことがなくても、こうして毎日毎日を大切に生きてきた子ども時代は誰にでもあったはず。
 そして、『新・鬼ヶ島』同様に最後に描いていたのが“少年の成長”だったのが熱かったです。一夏のちょっとした冒険を、夏の終わりに味わってみるというのも良いんじゃないでしょうか。


 ただ……『新・鬼ヶ島』が男女二人の主人公だったのに対して、こちらは男のコ一人の視点で進むので、“懐かしさ”を味わえるのは男性プレイヤーだけなのかなーと思ったり。地元の悪ガキに因縁付けられた時の疎外感とか、女のコにコーラを飲ませてあげたい小さな見栄とか、男だからこそ「分かるよ!」と思えるベタベタさで。それがまたストレートに心に響いてくるんですけど……女性のプレイヤーに理解してもらえるのかと不安にもなりました。

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