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やまなしなひび−Diary SIDE−
貧乳を侮辱するヤツは俺達の敵だっ!
考察:美少女は少女でなければならない(前編)
 久々に「貧乳カテゴリー」話ですが、またしても貧乳に関係ない話……
 以前に書いた「美少女作品が美少女ばかりな理由」の続きで、アチラが美少女の「美」の部分の理由を考えた記事に対して、今度は「少女」の理由について考える記事です。


 試しに「男はみんなロリコン」でググってみたら、9月3日現在161,000件出てきました。
 漫画やアニメやゲームのヒロインに10代の女のコが多い理由に、「男はみんなロリコンだから」的な説明をよく見かけます。あとは「男は制服好きだから」みたいな説明も見たことがあります。いわゆる“ニーズの問題”という切り口です。
 確かにそうした側面もあると思いますし、現在の日本の法律では二次元に対するロリコンは犯罪ではないのですから「そうだ!俺達はロリコンなんだ!何を恥じることがある!」と宣言するくらいがちょうどよく、ましてや侮蔑に使う意図がよく分からないのですが……

 “ニーズの問題”だけでは全てを説明できないとも思うんです。
 喩えば、多くの日本男児は浴衣姿の女性が好きです。この国の歴史が紡いできたフェチシズムのかたまりのような服ですからね。そうしたニーズがあるのならば、常時ヒロインが浴衣姿の「祭りを舞台にした作品」が出てきてもおかしくはないのですが―――あまり聞いたことがありませんよね。
 せいぜい、西洋風の世界観なのに浴衣姿のキャラがいるとか、1話限りの浴衣回があるとか……そんなレベルだと思います。


 ニーズは確かに重要ですが、それだけでは物語を作ることは出来ません。
 今日はそんなお話―――


 ○ 舞台を中学校・高校にするコレだけのメリット
 “少女”の定義の問題や、「同じ10代でも11歳と19歳のヒロインじゃ全然違う!」という意見もあると思うので―――まずは、漫画やアニメやゲームの舞台になることが多い中学校や高校にスポットを当てて、「何故、多くの作品の舞台が中学校or高校なのか」というところから。
 まぁ正直……「何を今更」という部分もありますが、お付き合い頂ければ光栄です。


 現在学生の方にはピンと来ないかも知れませんが、学校というのは相当特殊な場所だったりします。
 特に学区ごとに強制的に入学させられる公立の中学校なんて、ただソコに住んでいる同学年というだけの共通点で1コミュニティを作るのですよ。性別も学力も運動神経も見た目も年収も(この場合は親の、か)趣味も将来の夢も性癖も、全部無視して1つのクラスに詰め込んで。「オマエラ、ちゃんと毎日通えよ」なんて言ってくる。こんな集団、他にはないですよ。(学校選択性とかが普通になると、状況は変わりそうですが)
 そして―――雑多な人がいるということは、色んなタイプのヒロインがいてもおかしくないということだし、色んなドラマを描けるのです。

 会社人なら言うまでもなく、大学生だって学校や学部・学科によって“どんな人がいるのか”限られてしまいます。
 国立大学を舞台にしているのに物凄く勉強が出来ないキャラというのは違和感がありますし、日本代表クラスのスポーツ選手の話なのにドジっ子だというのはどうなんだと思うのです。素行が悪い人とかは会社の場合クビになっちゃいますしね。その点、“学校”という括りならばどんなキャラがいても不思議はないんですよね。
 もちろん……これは「基本的には」ということで、抜け道を使う手は幾らでもあるんですけど。抜け道というのは回数限定の「奥の手」のようなもので、このキャラも抜け道、こっちのキャラも抜け道……とやっていると、受け手は「あれ?ここはどこを舞台にした話だっけ?」と混乱してしまうのです。

 学校には色んな人間がいて色んなドラマが生まれるので、物語の舞台になりやすい。
 まずはこれが一つ。


 次に受け手とのシンクロという問題。
 少年が読む漫画の主人公は少年だし、少女が読む漫画の主人公は少女である……みたいな法則がありますよね。しかし、オトナ向けの作品の中には、既に彼ら(彼女ら)が卒業してしまった中学・高校を舞台にした作品も多いですよね。オトナ向けの作品だからといって、オトナの世界を舞台にしなきゃいけないワケではありません。

 一口に「オトナの仕事」と言っても、色んなものがあります。それこそオトナの数ほど舞台になる場所も違うので―――ちょっと喩えは悪いんですけど、頭脳労働者の漫画を描いても肉体労働者の人にとっては経験をしたことがない世界だったりします。もちろん逆も然り。
 自分にとって馴染みのない世界の話というのは、それだけでハードルになるので手にとってもらいにくくなってしまうのです。(もちろんそのハードルを越える作品もあるんですけどね)

 反対に……当たり前なことですが、オトナというのはかつて子どもだったのです。ほとんどのオトナは、かつては中学生だったのだし、高校生でした。その記憶と経験を持っているということは、むしろ同じ年くらいの別の職種の作品よりも、中学・高校を舞台にした作品の方が馴染みやすかったりするんですよね。


 『よつばと!』を読んで「やっぱあずまきよひこは天才だなー」と思うのは、“どこにもない世界”のくせに“誰もが経験したような想い出”を描いちゃうことだったりします。
 よつばのような頃も、恵那のような頃も、風香のような頃も―――人によってはとーちゃんやジャンボのような頃も。誰もが「こんな頃があったなぁ」と思えるものを描いているんですよね。文化相対主義というか、年代別相対主義というべきか。

 ほとんどのオトナが経験したことのある中学・高校時代を舞台にした作品は、むしろオトナ一人一人の舞台よりも感情移入がしやすい。
 これが二つ目。



 三つ目は成長物語として、10代のキャラの方が可能性を描きやすいということですかね。
 もちろん人間は死ぬまで(精神的には)成長し続ける生き物だと思うのですが、「男子三日会わざれば刮目して待つべし」みたいなことって10代の特権でしょう。

 そしてまた、未来が何にも決まっていないということ。
 10代の若者は何にでもなれるんです。いやまぁ、もちろん実際には色々と難しいんでしょうけどね。でも、会社に属して、時間に縛られて、歳を一つ重ねるごとに選択肢を失っていくオトナ達にとって……「何にでもなれる」若者は輝いて見えるんですよ。自分が10代だった頃には、そんなこと思いもしなかったくせにね。

 作り手からすると、10代のキャラは何にでもなってくれる可能性がある―――
 これが三つ目。

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 さて……ここまで「物語の舞台を中学校・高校にするコレだけのメリット」を書いてきて、表題の「美少女が少女でなければならない理由」については何にも書いてないんですけど(笑)。
 ちょっと長くなったので、残りは来週に回します。


 敢えてゴニョゴニョと濁して書いてきましたが、10代のヒロインが出てくる作品が必ずしも中学校や高校を舞台にしているワケではないんですよね―――
 ぶっちゃけて言うと、ファンタジー作品に出てくるお姫様とかは10代だけど(一部の作品を除けば)学校に通ってませんもの。現代劇の場合も、主人公はオトナの男なのに、ヒロインは女子高生みたいな作品もあります(その逆もあり)。

 あと、これはもう年齢とか関係なく「処女信仰」とかの話。下品な方向には行きたくないので(今更…)軽く済ませますが、こないだ古本屋で『げんしけん』最終巻を立ち読みしたら斑目隊長が仰っていたのを読みました。
 三次元は興味ないから知らんけど、確かに二次元ではこの傾向というのは強いですよね。それはいわゆるヲタ色の強い作品だけでなく、スピリッツとかモーニングとかでもそうですね。まぁ、その辺の雑誌を読んでいる人も漫画ヲタっちゃ漫画ヲタなんでしょうけど……


 これらを全部“ニーズの問題”で説明できるのか。
 「後編」では、その辺りに踏み込んで書ければなぁと思っています。

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