やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

考察:美少女は少女でなければならない(後編)

 今日は前回の「美少女は少女でなければならない(前編)」の続きです。
 実を言うと……このネタを書こうと思ったキッカケは今回の記事の部分を思いついたからで、前回のネタは単なる前置きのつもりで書き始めていたのですが。前置きだけでアレだけの長文になってしまって……皆様に申し訳なかったのですが、前後編に分けさせてもらいました。


 さて……先週の話を覚えていない人も多いでしょうし、簡単に要約しますと。

1.漫画やアニメやゲームのヒロインに10代の女のコが多いのは何故だろうか?
2.ニーズの問題だけでは説明できない。
3.舞台を中学・高校にするにはコレだけのメリットがある
 ・学校には色んな人間がいて色んなドラマが生まれるので、物語の舞台になりやすい。
 ・ほとんどのオトナが経験したことのある中学・高校時代を舞台にした作品は、むしろオトナ一人一人の舞台よりも感情移入がしやすい。
 ・10代のキャラは何にでもなってくれる可能性がある―――


 ふむ……アレだけの長文を要約すると、こんなに短くなるとは。
 如何に中身のないことをダラダラと書いているかが分かりますね……ハハハ。

 ここでは言及し忘れましたが、「ずっと制服を着せておけば良い」というのもありますね。私服を毎日着替えさせるのは想像以上に大変ですし、多くの登場人物を出してもイチイチ服を考えなくて良いという利点があります。その分、キャラの個性を着こなしとか髪型(&髪色)で表現しなきゃならなくなるんですけど。



 とまぁ……これだけの要素があるのだから、多くの物語の舞台が中学校・高校になるのは当然で。必然的に、そうした作品のヒロインは中学生や高校生になるのです―――というのが一般論。

 ただ、これだけでは説明がつかないという一面もあります。
 ファンタジーとか時代劇とかSFとかでも十代のヒロインは多いですし、学校を舞台にはしていないけどヒロインは十代という作品もよく見かけます。

 “処女信仰”とまではいかなくても、こと恋愛面において美少女作品のヒロインは恋愛経験が少ないというのも興味深いです。過去にいたとしても1人か2人くらいが限度じゃないかと思います。
 (もちろん、今まで付き合った男の数を札に書いてぶら下げたりしてるワケじゃないので、描写されてないというだけかも知れませんが…)


 というワケで、今日は「ヒロインが少女である利点」を「ヒロインが恋愛経験豊富ではいけない理由」を切り口にして考えていきたいと思います。いつものことですが、相変わらずのトンデモ理論なのであまり鵜呑みにしないように(笑)

B000RM4AFWFate/stay night 私立穂群原学園 女子制服 遠坂凛 S

ESic
売り上げランキング : 58425

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 ○ 「知る」という一歩目
 アレだけ「ニーズの問題だけだとは思えない」と言っておきながらなんですが、そもそもどうして僕らは美少女が好きなんでしょうか。凄く単純なようで、単純だからこそ言葉で説明するのは難しいです。

 「いや、俺はお姉さんの方が好きだぞ」とか「母親キャラが好きです」とかの反論もあるかと思いますが……実はここにもポイントがあって、そもそも漫画やアニメやゲームに登場してくる女性キャラって設定年齢より幼く見えるものなんですよね。

 児ポ禁法改悪の辺りでも争点になっていましたが……日本の二次元文化は「目を大きく」描くため、設定年齢が18歳以上であっても児童にしか見られないから処罰の対象になるとかうんたらかんたら。
 まー、これはエロゲーに出てくるランドセル背負ってるコが「18歳です」という言い訳で済まされるという問題があるからなのかなとも思うんですけど(笑)。本当に重要なことは、


 二次元のキャラは見た目だけで年齢を判断できない―――

 “相対的には”可能なんですけど、“絶対的には”難しいよなぁということです。もちろんコレには悪い面だけじゃなくて良い面も沢山あるし、この曖昧さが日本の二次元文化を育てたとも言えます。
 喩えば、最近人気らしい「可愛いお母さんキャラ」なんかはこのおかげですよね。単体で見ると何歳だか分からないけど、他のキャラとの対比とか落ち着き具合で年齢を感じさせるというか……そもそもロリと母性は似たようなものだと、赤い彗星も仰ってましたしねというのは、また別の話。


 となると……僕らは美少女の見た目に惹かれるというワケじゃないんですよね。
 もちろん設定資料集に書かれている「○歳」という数字に惹かれるワケでもありません。数字フェチの人は別かも知れませんが。それでは、別に美少女作品のヒロインが少女である必要なんてないんじゃないか??



 こっからは僕の持論。
 人がキャラに対して“好意”を持てるのは、そのキャラを理解した時だと思うんですよ。そのキャラの考え、生い立ち、好きなもの、喜怒哀楽―――言ってしまえば、ストーリーというのはそうしたものを描くもので、そうしたものを描かれることによって受け手はキャラに対して愛着が沸くんじゃないかと思うのです。

 ツンデレが流行ったのも、「ギャップ」や「二面性」以外に「自分(受け手)にしか見せない素顔」を見せてくれるからという要素があるし。
 (これはいつか語ろうと思っていたことですが)片想いキャラが一ジャンルとして成立するのは、誰かを想うという無防備な姿を見せてくれるからです。


 「キャラを知る」ということは、「キャラを好きになってもらう」一歩目なんですよ。

 もちろんこの手法にも裏返しがあって……綾波レイみたいな(少なくとも物語序盤は)素性が何一つ分からないミステリアスなヒロインも一世を風靡したのですけど。それは逆に、ヒロインはミステリアスであってはならないというセオリーがあったからとも言えるんじゃないかと。



 「キャラを知ってもらう」と言っても物語は無限に描けるワケではありませんから、如何に限られた尺で「キャラを知ってもらう」かが鍵になります。そのために考えられる手段として……

 ・受け手とキャラを近付ける(少年漫画の主人公は少年という論理)
 ・キャラを若く(&経験を浅く)する

 1コ目のは分かりやすいと思いますが、2コ目は喩えが必要ですね。
 喩えば恋愛話の場合―――もちろん個人差があるとは思いますが、13歳と31歳では13歳の方が恋愛経験が乏しいというのが一般的です。今までに付き合った相手の数(好きになった相手でも可)を、13歳のコは一人、31歳のコは十人だとすれば。さあ、どちらの方が作中で描ききれると思いますか?

 もちろん、この例は極端なんですけど……
 スポーツ漫画で、経験の浅いキャラorチームを主役にすることが多いのと同じ論理だと思います。『スラムダンク』のように完全素人からスタートするケースとか、去年まで1回戦負けのチームを強くするケース、『帯をギュッとね』とか『おお振り』みたいに創部から描いちゃうケースなどなど―――

 これは「最初は弱い方が強くなった時のカタルシスが強まる」というのもあるんですが、「弱い頃から知っている」ことでの愛着という意味もあると思うんですよ。
 ドリブルの基礎練習ばかりさせられていた桜木花道が、チ-ムを引っ張る存在へと成長した時の「あぁ……頑張った甲斐あったよなぁ」と親御さんのような気分というか(だからなのか……『スラムダンク』では終盤、安西先生からの視点が多くなりました)。


 こうした話は二次元だけじゃなく、多くの人が持つ感情です。
 「俺はこの役者を○○の頃から応援していた」とか、「インディーズバンドの頃から知っている」とか、「俺は韮崎高校の頃から中田ヒデに注目してた」とか(笑)。
 先見の明を自慢したいという小者っぷりもあるとは思うんですけど、やはり「レベル1の頃から見守っていた」という愛着も大きいと思うのです。(韮崎時代の中田ヒデがレベル1だったとは思えないけど)



 この手法を恋愛面で使えば「処女信仰」にも繋がるし、専門知識が必要な作品に「(受け手と同じ視点となる)素人」キャラが出てくるのだし、「転校生」モノとか、「引っ越してきた主人公」とか、「ガンダムに乗り込むのは民間人が多い」とか―――


 キャラに愛着を持ってもらうためには、キャラを知ってもらう必要があり。キャラを知ってもらうためには、経験の浅いキャラが都合が良く。経験が浅いということは、若い必要がある。

 これが僕が考えた「美少女は少女でなければならない」理由です。
 自分でもトンデモ理論だとは思う(笑)。ヒロインの全員が恋愛対象になるワケじゃないし、この論理だとヒロインだけじゃなく男キャラも童貞の必要があるし(笑)。でも、少なくとも現在では「処女信仰」ほど「童貞信仰」は一般的じゃないんですよね。


 ということで、僕の仮説を立証するためにも『ショートソング』のような「童貞信仰」の作品が広がらないかなと思う昨今です。皮肉ではなくマジメに、これからは童貞の時代だと思いますぜ。

4088596617ショートソング 1 (1) (ジャンプコミックスデラックス)
枡野 浩一 小手川 ゆあ

集英社 2007-09-04
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 自分でもムチャクチャなことを言っていると思いますけど……ヒロインが10代の少女ばかりという事象に「男はみんなロリコンだからな」という安易な結論付けを行う人には、「じゃあヒロインが30代の作品を作ってみろよ」と言いたくなってしまいます。

 これ、本当難しいんですよ……
 作者の年齢とか、リアルでのモテっぷりとかにも関係してくるんでしょうが、30代の女性に対する引き出しってそう誰もが持っているワケじゃないですからね。加えて、先行者が少ないから上述してきたようなノウハウも出来ていませんし(逆に言えば、恋愛経験が少ない30代ならばヒロインとしては描きやすい)。
 もちろんフェミニズムとかニーズの要素がないとは言いませんけどね……そりゃ男性向け作品ならば、男性に都合の良い女性が出てくるのは当然ですし。それが出来ないのなら作品は商品にならないでしょうよ。



 しかし……よくよく考えると「処女信仰」って深い話かも知れませんね。ちょっと下劣な話になってしまいますが、一言で「処女信仰」と言っても「作中で描写してくれるなら喪失しても構わないよ」派と「喪失しないまま終わってくれよ」派に分かれると思うんですけど―――今回の論理では、前者しか説明できないんですよね。

 もちろん貧乳カテゴリーで話している多くのことは繋がっているので、後者の「喪失しないまま終わってくれよ」派の派生した姿が百合萌えとかに向かうのかなと思うんですけど―――こうした下らないことも、突き詰めて考えると色々なものが見えてくるんですね。



 今回は考えがまとまらない内に書き始めちゃった&意外にヘビィな話にもなっちゃったので、ちょっと後悔。来週は軽い話題にしたいですね。貧乳のコのワキの下がエロイとか、そんなんで(笑)

4091864422サユリ1号 2 (2) (ビッグコミックス)
村上 かつら

小学館 2002-07
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| ヒンヌー | 18:01 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

北崎拓さんの漫画、クピドの悪戯シリーズ1作目の「虹玉」、連載中の「さくらんぼシンドローム」の両方とも恋愛経験の乏しい女子と恋愛経験がそれなりにある女子のWヒロインになっていて、さくらんぼの方ではさらに片方が少女に若返ってるという(笑)。

くわえて主人公&物語の舞台は虹玉では実家の工場、さくらんぼでは化粧品会社の社員。片方は童貞。

普通に自然と読んでいたけどあらためて考えると色んな意味ですごいなと思いました。

| ギグス | 2007/09/14 03:22 | URL |

>ギグスさん

 その作品は読んではいないのですが、「恋愛経験の乏しい女子と恋愛経験がそれなりにある女子のWヒロイン」というのはなかなか面白い設定ですね。乏しい方に愛着が湧きがちだと思うんですが、乏しいヒロインだけだと話に横幅が出来ませんから。理に適ったキャラ配置というか。

 童貞に関しては置いとくとして……(笑)
 ラブコメって一ジャンルになるだけあって、テクニックとノウハウのカタマリみたいな作品なんだなーと思いました。

| やまなし | 2007/09/14 18:48 | URL | ≫ EDIT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://yamanashirei.blog86.fc2.com/tb.php/413-8a94d702

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT