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大自然の中で己の無力さを知る 『FOREVER BLUE(フォーエバーブルー)』紹介

Wii用/海中探索
任天堂/開発:アリカ
2007.8.2発売
公式サイト
Wii.comの紹介ページ
フォーエバーブルーフォーエバーブルー

任天堂 2007-08-02
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→ ファーストインプレションの記事はこちら


 このソフトのCMが流れていた頃―――僕が敬愛している伊集院光氏がラジオで「フォーエバーブルーにハマっている」と仰っていて、非常に意外だと思ったことがありました。本人曰く「ああいうオシャレなCMとかやってるソフトを誉めるのって意外でしょ?」とのことで、それも確かにあったのですが……僕としては、このゲームを“ゲームらしくないゲーム”だと感じていたので、根っからのゲーム好きな伊集院さんがこのゲームを誉めたことが意外だったのです。

 ふと、その時……僕自身が漠然と考えていた“ゲームらしくないゲーム”の定義って、そこにあるんだなぁと気付きました。僕からすると『脳トレ』や『Wii Sports』ですら“ゲームらしいゲーム”と思えたし、この『フォーエバーブルー』と系統が近そうな『どうぶつの森』なんか“物凄くゲームゲームしたゲーム”という印象でした。
 でも、この『フォーエバーブルー』は“ゲームらしくないゲーム”だと思ったのですよ。自分分類で言えば『お天気チャンネル』とか『常識力DS』とかに近かったです。

 一言で言うと―――“1の行為に1のリアクションしか返ってこない”ゲームというか。


↓ 以下、感想はクリックで




 ○ 「何も起こらない」に楽しさを見出せるか
 「色んな楽しみ方をして欲しい」とスタッフが仰った通り、このゲームでは色んなことが出来ます。
 純粋にダイビングをして色んな魚と触れ合ったり、そこら中に落ちているアイテムを探したり、仲良くなったイルカに芸を教えたり、ダイビングガイドや写真撮影の依頼を受けたり、SDカードに保存しておいた音楽を聴きながらデッキチェアに寝そべって海を眺めたり―――与えられた箱庭の中で自由に過ごせるというのは、まさにロールプレイングゲームだと思います。


 ただ、やはり―――じゃあ『マリオ』や『ゼルダ』のような“ゲームらしいゲーム”に近いかと言われると、正反対の位置にあると思うのですよ。
 『マリオ』の何が楽しいかって“1の行為に10や20のリアクションが返ってくる”ところだと僕は思っています。「?」と書かれたブロックを叩くだけでアイテムが出てきて、キノコを取るとマリオが倍の大きさになる。大抵の敵はファイアーボールで倒せるのに、鉄で出来たメットやキラーは火では倒せないとかね。『ゼルダ』で、アイテムを組み合わせることで行けない場所に辿りつくこともそう。『どうぶつの森』で、りんごを埋めて木を生やすことなんかもそう。
 『脳トレ』や『Wii Sports』も、1回の成績で脳年齢を教えてくれて川島教授が誉めてくれたり、熟練度の上下でプロ扱いをしてくれたり……プレイヤーの行為に対して、それ以上のリアクションをくれるんですよね。

 日本の大概のロールプレイングゲームなんか、その到達点ですよ。
 ラスボス倒して世界を平和に出来るなんて最高のリアクションですよね。もっと小規模なことで言えば、辿り着いた町ごとに頼みを聞いてあげることで町を救うとかもそうか。火で出来た敵にブリザドかけて倒すとか。落とし穴に落ちると下の階に行ってしまうとか。こちらが指先でチョコチョコ動かしているだけなのに、画面内の世界がそれ以上の反応をしてくれるのが楽しいんですよ。



 当たり前ですが……『フォーエバーブルー』に倒すべき魔王なんていません。
 「色んな楽しみ方ができる」と言っても、自分の行動に対するゲームからのリアクションはさほどありません。魚と仲良くなっても図鑑が増えるだけですし、仲良くなる方法も機械的(撫でる箇所は選べない)。ダイビングガイドで高評価を上げられるかどうかは、指定された魚を見つけられるかどうかですし、海中に落ちているアイテムを拾ってきてもせいぜい装備品のバリエーションが増えるくらいです(少なくとも僕が確認できたレベルでは……)
 プレイヤーが泳いでいても魚は全然気にしませんし、こちらが魚を追い立てることも出来なければ、サメなどの凶暴な魚にプレイヤーが追いかけられることもありません。ダイビングというよりは、水中カメラを眺めているような印象でした。

 開発者インタビューで「全部の魚と出会って図鑑を埋めていくなど、ゲーマー向けにやりこみ要素もあります」と仰っているのを読みましたが、図鑑を埋めていく単純作業にどれだけのゲーマーが楽しさを見出せるんでしょうか。せめて、レアな魚を見つけることでイベントが起きるなどのご褒美があるとか―――それがムリでも、現在までに出会った魚を「何匹/何匹」みたいに表示してくれれば良かったのにと思いました(加えて言うと、図鑑で目当てのページを開くのがすげーメンドイ)。



 海に潜っても、毎回新しい魚に出会えるワケではありませんし……
 僕は「海図を埋めていく作業」は楽しめたし、遺跡辺りまではストーリーを進めていくのも楽しかったのですが。それ以降、楽しさを見出せたかといったら微妙でした。目的もなく、海に潜ってボーっと過ごせる人じゃないと楽しめないゲームじゃないかと感じました。“ゲームらしくないゲーム”が駄目なワケではありませんが、パッと付けて分かりやすく楽しめるジャンクフード的な面白さを期待してはいけないなぁと思いました。



 これらのことは、発売前からある程度予想出来ていたことなんですけどね。
 なので、色んなブログで「俺は買う」「俺も買う」とやたら購入予定者が多かったことに不安を感じ、これって発売後に叩かれる前兆なんじゃないかと思っていたのです。ちょうど『ドラクエソード』の時も同じような雰囲気でしたしね(『ドラクエソード』はもうちょっと一般層寄りでしたけど)。

 で―――蓋を開けてみたら、不具合発覚で評判どころじゃなくなっていたという凄いオチでした。
 良くも悪くもゲーム内容以外の部分が目立ってしまったこのソフトですが、伊集院さんが絶賛しているのを聞いてから検索してみたところ……全体的な評判は結構良かったみたい。確かに、“目的がないこと”を楽しめれば全体的なゲームの完成度は高いですし。変に「誰でも楽しめますよー」的なCMを撃たなかった分、ちゃんと満足できるユーザーが購入したということだったのかな。




 よくよく考えてみたら―――海に潜るゲームで、「何も起こらない」ことって当然なのかも知れませんね。
 『ドラクエ』のように主人公の力で世界を救うソフトと違うのも当たり前で、大自然の中で人間が出来ることなんてただ魚を眺めているくらいのことなのかも知れません。何も事件は起こらないし、誰も救えないし、何かを成し遂げることもない(一応EDを見るためには目的がありますが)―――それこそが海と共存するこのゲームが描いているもので、ある意味では物凄くリアルに海の偉大さを表現した作品なのかもと思いました。



 ○ 片手で海中探索が出来ることの凄さ
 批判的な意見を続けてしまったので、良かったところなんかを―――

 まず、何と言っても“全ての操作がWiiリモコンのみで可能”という操作体系が御見事。しかも、主な操作はポインティングとAボタン(注目)・Bボタン(泳ぐ)だけというのが凄いです。これがもし従来型の両手持ちコントローラーで、移動は左スティック・注目は右スティックとかだったら全然違うゲームになっていたでしょうね。
 片手持ちWiiリモコンと、ゆったりと遊べるこのゲームの相性は素晴らしく……ちょっと息抜きにフラッと電源をつける気分になりました。その分、ダイビング前のロードなんかの長さが悔やまれますが……


 ただ、操作が簡略化された分、方向転換時に視点が傾いてしまい“3D酔い”しやすいというのが万人受けしないかも知れませんね。これまでゲームで酔ったことがなかった僕ですが(あまり3Dゲームをやっていないというのもあります)、遺跡探索辺りは流石に気持ち悪くなってしまいました。“3D酔い”が苦手な人にはちょっとオススメ出来ませんね。
 愚痴ついでに……僕が3Dゲームを苦手とする理由の一つに挙げている“道に迷う”には、この作品でも苦しめられました。敵がいないだけマシではありますけどね。一応コンパスはありますが……泳ぎながら見られる簡易地図なんかが用意されていると良かったのになーと思いましたよ。あまり親切にし過ぎるとゲーム性が失われるということなのかも知れませんが、気楽に泳げるゲームならば親切に越したことはないでしょう。


 あんまし「良かったところ」を挙げれていませんね(笑)。
 いやホント、ところどころの機能は面白いゲームだと思うんですよ。それだけに「ここの機能!ここを直してくれれば良かったのに!」と感じたところが多かったです。SDカードに保存した音楽を再生できる機能も、海中で曲を変えられるとかアルバムの曲をかけられるとかしてくれれば良かったのに……1曲単位でしか流せないから、1回のダイビングも10分くらいで飽きて上がってきてしまいました。

 Wi-Fiコネクションも対応してくれたことは嬉しかったのですが、ゲーム外で事前に「何時に待ってて」と約束しなければならないような仕様だったので……結局、試すことはありませんでした。せっかくの機能なのに、使われない機能ばかりで勿体ない……
 そう言えば、図鑑や着替えの使いづらさも惜しかった。アイディアは良いと思うんですが、開くたびに「面倒臭いなぁ…」と思わせてしまっては逆効果ですよね。ホント、あとちょっとの詰めで変わったソフトだと思うんですけど……



 EDを観た後に検索して攻略サイトを見てみたところ、僕はアイテムやウェアを半分も集めていられなかったことを知ったのですけど……正直、アイテム探しは途方もありませんし、攻略サイトを見ながら探す気は起きませんでした。ただ……ウェアとか、こんなに用意されているなら序盤からバシバシ入手できるようにして欲しかったですね。
 というか、女性主人公にすればビキニを着させられるということを知っていれば、主人公を女性にして張り切ってプレイしていただろうに!こういうことを知らずに「もうこのゲームにも飽きたな……」と終わらされてしまうのは、プレイヤーにとってもメーカーにとっても幸せな結末じゃないと思うんですよ。もうちょっと、作中序盤で情報を与えてくれれば良かったのに……(流石に2周目をやろうとは思えない)。



 ○ 総括
 ということで、個人的には「よく出来ているけど、やりたいことが10時間程度でなくなってしまったゲーム」という印象でした。でしたけど、他の人の感想を見ると何時間経っても純粋に図鑑コンプリートなんかを目指したり、アイテム探索に情熱を注いだり、楽しんでいる人が多くて驚きました。
 これは、元々「海が好きか」という差なのか、「収集要素を楽しめるか」という差なのか―――いずれにせよ、長く楽しめる人と飽きてしまう人がハッキリと分かれるゲームだったということか。


 それでも、Wiiリモコン一本で3Dの世界を探索できる操作方法は素晴らしかったし、船上で会えるペンギンやホッキョクグマの愛くるしさには十分癒されました。次回作が出るのなら、もうちょっと動物達のリアクションを多めにして「コミュニケーション取ってる!」感覚を味あわせて欲しいかな。


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